薄明と双子の姉妹 (リメイク中) 作:きょうこつ
豪雷の目覚め
百竜夜行を撃退してからもう一週間が過ぎようとしていた。里の皆の顔からは喜びは一切感じられなかった。
それもそうだ。たった一人の英雄がモンスターと化し自分達の元から去っていったのだから。
ゲンジがいなくなった里はいつものような活発な雰囲気が失われていた。ハモン達加工屋は相変わらず黙々と作業に徹しているが、ヨモギの茶屋、イオリのオトモ広場、ゴコクの集会所は沈黙に包まれていた。
そんな中でも共鳴から解放されたヒノエは依頼の受付場につき、仕事をしていた。
「…」
だが、その顔からはいつも輝く太陽のような笑みが消え去っておりまるで曇り掛かっているかのように暗くなっていた。目にも少しながら隈ができており、あまり眠れていないことが分かる。
最も深い傷を負ったのは彼女とミノトだった。この数日間二人はろくに睡眠も取らず、休憩する時もただ空ばかり見上げていた。愛する者が去ってしまった事は彼女達の心に深い傷を刻んだ。
「…」
誰も来ない里の受付場にてヒノエは今日もただ空を見上げていた。この空を彼も同じように見上げている。
一体いつになれば彼に会えるのだろうか。
共鳴から解放されたとはいえ、彼がいなくなってしまっては意味がない。
「大丈夫…?ヒノエさん…」
不意に聞こえた声にヒノエは顔を向ける。そこには数日前まで涙で顔をぐしゃぐしゃにしながらも立ち直り熱心に仕事に徹しているヨモギが立っていた。ヨモギは彼女の身を案じていたのか、差し入れとして10本のウサ団子を渡してきた。
「これ食べて元気だしてね」
「…えぇ。ありがとうヨモギちゃん」
ヨモギを見送ると彼女から渡された団子を一噛みする。
すると
__美味いな…
不意にそんな声が聞こえてきた。横を見るとそこにはウサ団子を手に取り頬張るゲンジの姿があった。
「_!」
突然見えたその光景にヒノエは驚き目を拭うと再び目を向けた。だが、再び目を向けるとそこには彼の姿はなかった。
「う…うぅ…」
一種の幻の様な者を見た途端、あの日、ゲンジが去っていく姿が頭の中に思い浮かんできた。次第に涙の量が増えていき、まだ残っているウサ団子に付着していく。
「ゲン…ジ…!!」
会いたい。彼に会いたい。だが、何度も願っても涙が流れてくるだけで彼が現れる事はなかった。
ヒノエは泣き叫びたい感情を押し殺しながらウサ団子を次々と頬張り10本を平らげる。
その時だ。
「ヒノエさん!」
「…シャーラ…?」
ふと声が聞こえ、振り向くと集会所からシャーラが走ってきた。
「大変!ミノトが共鳴を…!」
「!?」
その事態にヒノエは即座に涙を拭う。
妹であるミノトが共鳴した事を知るとシャーラと共に集会所へ向かった。
◇◇◇◇◇◇
同時刻。カムラの里から遠く離れた場所。巨大な城跡が並び立ち、中央に広場のある巨大な砦にて空は烈風に包まれ稲妻が吹き荒れていた。
その荒々しい景色の中を一体の巨大な金色の龍が悠々と舞っていた。
対よ対よ___疾く参れ…。
そう強く念じながら金色の龍は弧を描きながら空を舞う。すると、それに呼応するかのように稲妻が激しさを増していき辺りにある岩が次々と浮かび上がった。
そして再び龍は空高く舞い上がり、更に舞い踊るかのように身体を唸らせる。まるで待ち焦がれている乙女の様に_。
だが、空を舞うこの龍は気づいていなかった。
___自身が“悪魔”の標的にされている事を_。
いやぁ…待ちに待ったライズの続編…!!マジで欲しい!そしてプレイをしながらこれを書きたいですなぁ…!!