薄明と双子の姉妹 (リメイク中)   作:きょうこつ

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リメイクの方は完結してから書こうと思い削除しました。お気に入り登録していた方々には申し訳ない…。


温かなカムラの民

ヨモギの茶屋へ着くとそこには食事の席であるテーブルを拭くヨモギとそれを見ながら団子を頬ばるイオリの姿があった。

 

その姿を見つけたゲンジは軽く手をあげる。

 

「よぅ。二人とも」

 

「「!?」」

 

気さくに放ったその声に座っていたイオリと台を拭いていたヨモギは即座に動作を停止させるとこちらへと目を向けた。

 

その瞬間 

 

「「ゲンジさぁぁぁぁん!!!!」」

 

「ぎゃぁぁ!?」

ヨモギとイオリが大粒の涙を流しながらこちらへ向けて大ジャンプしながら飛びついてきた。

 

「よがっだぁ!!目が覚めだんだね!」

 

「ずっと心配してだんでずょぉ…」

 

「ゔぉおおお!!よくぞ戻ってきてくれたゲンジくんんん!!!」

 

「やめろ!!!離れろ!!鼻水が掛かる!ていうかアンタはどこから出てきやがった!?」

 

ヨモギが頭へイオリが腹にへばりつくかのように抱きつき、次々と顔を擦り寄せて行った。その中にはどこからともなく現れたウツシの姿もあり、オイオイと涙を流しながらイオリ同様に腹にしがみついていた

 

だが、その涙は勢いが衰える事はなかった。

 

「あぁ…その…心配させて悪かった…」

 

よほどイオリとヨモギは心配していてのだろう。そう思いゲンジは二人の頭を撫でた。すると、二人はグスグスと言いながら顔をあげこちらに顔を向けてきた。未だオイオイと泣くウツシを横目にイオリとヨモギに見つめられゲンジは二人が安心するまで頭を撫でた。

 

だが

 

「「び……」」

 

「…び…?」

 

「「びぇえええええ!!!!!」」

 

「えぇええええ!?」

 

イオリとヨモギは更に涙を流してしまう。即座にゲンジは二人を落ち着かせる。

 

「うわぁぁん!!ゲンジさんどうしたのその怪我ぁぁ!!」

 

「おい落ち着けヨモギ!ていうかウツシはいつまで泣いてんだよ!?」

 

ーーーーー

ーーー

 

それからようやく二人…いや、3人が泣き止むとゲンジは茶屋の席に座らせた。

そして混乱させないようにこの痣や目について話した。

 

「…そうだったんだ」

 

「それはゲンジさんも…辛かったですよね…」

 

「いや、俺の方こそ心配かけてすまなかった」

二人は納得したのか、頷いてくれた。そしてゲンジは再びウツシを入れて3人に心配を掛けたことを謝罪した。

 

「ううん!気にしないで。またお団子食べに来てくれたらそれでいいから!」

 

「僕も同じです!またオトモ広場に顔を出してください!」

 

「またいつもの日常に戻ってきてくれて嬉しいよ!」

 

 

「…あぁ。ありがとうな」 

 

◇◇◇◇◇

 

その後、ゲンジはヨモギ、ウツシと別れるとイオリと共に加工屋へと向かう。なんでもハモンが『渡したいもの』があるらしい。

 

加工屋へと着くと、そこには相変わらず加工に徹するハモンの姿があった。

 

「爺ちゃん。連れてきたよ」

 

「来たか」

 

イオリの声を聞いたハモンは頷くと、ようやく背を向けていた身体を動かし顔を見せる。その表情はいつもと変わらず厳格であった。

 

「早速だが、お前にはこれをやる」

 

鼻を鳴らしながらハモンはゲンジの姿を見ても動じず、一つの木箱を取り出し前に置いた。それは何と武器を入れる為の木箱であった。

 

「これは…?」

 

「開けてみろ」

ゲンジは言われた通りに木箱の蓋を開けると何とそこには変わった形状の双剣があった。刃は鋭く自身を反射させるほどまで磨き上げられていた。それにその刃の色も特徴的だ。まるで…“あのモンスター”の鉤爪を思い出させる。

 

「この双剣…まさか…!?」

 

「あぁ。お前が前にマガイマガドを討伐したのを覚えているか?」

 

「確か素材も送られてきたけどいらないって突っぱねたな…」

ゲンジは最初の百竜夜行の時を思い出す。あの時、ゲンジが討伐したマガイマガドは無事に研究施設に送られ、その後、素材が送り返されてきたのだ。

だが、当時のゲンジには上位個体の素材は必要ないために受け取る事を拒否したのだ。

 

「でも、なんでアンタが?」

 

「奴の武器を作ってみたくなっただけだ。フゲンに言って譲ってもらった」

 

そう言いハモンは顔を背けながら水を取り出し喉に流し込む。この双剣はなんとあのマガイマガドの素材から作り出されていたのだ。

マガイマガドと言えばあの発火性のある鬼火や鱗粉が記憶に残っていた。つまりこの武器は『爆破』を宿しているのだ。

 

名を『禍ツ刃ノ幽鬼イステヤ』

ゲンジはその武器を取り出すと掴み、試しに振ってみる。形状がアルコバレノと異なり、刃が扇状になっている為にリーチ性能が若干ながら欠ける。だがそれに対して掴みやすいと共に刃の範囲が広くなっている。

 

「流石にマスターランク程の個体ではないから上位止まりだ。ま、お前には関係ないと思うがな。代金は後払いでいい」

 

「ハモンさん……」

 

ゲンジは武器を受け取ると、己の武器を作ってくれたハモンに対して一人のハンターとして膝を突き心からお礼を言った。

 

「ありがとうございます。この御恩は忘れません」

 

「え、なにいきなり…気持ち悪」

 

「御礼を言ってんだよクソジジイ」

 

「あはは…」

 

◇◇◇◇◇

 

その後もゲンジは里を回り、多くの皆と再会した。流石に幼い子供達には怖がられていた。コミツやセイハク達は自身の姿を見ると少しばかりか震えていた。

それはしょうがない。こんな姿を見れば精神が成長していない幼児は誰でも怯えてしまうだろう。だが、その一方で、大人は皆、事情を察してくれていた。

 

カゲロウもロンディーネも。トゥーク達も。皆々、自身の姿を忌み嫌う事はなくいつものように接してきてくれた。

 

そんな彼らと話していると、気がつけば辺りはもう日が暮れており、空が暗くなっていた。夕焼けの色を少しだけ残しつつもそこも段々と薄暗く染まっていく。

 

山々の間へ太陽が沈み込むと共に辺りから秋の虫達の鳴き声が聞こえて来た。

 

1週間ぶりに聞くその虫達の大合唱は心を更に落ち着かせてくれる。

 

「……帰ろう」

その音を耳にしながらゲンジは呟くと、話していたトゥーク達と別れ、家へと向かった。

 

ーーーーーーーー

 

家に着くと灯りがついており、何やらコトコトと煮込む音と共に窓の仕切りから湯気が出ていた。家に近づく度に香ばしい匂いが鼻の中に入り、腹の虫を刺激していった。

 

ゲンジはゆっくりと家の敷居を跨ぐ。

 

「やぁゲンジ!おかえり!」

 

「お帰りゲン」

 

本を読むエスラと腕立て伏せをするシャーラ。

 

「お帰りなさいませ。御夕飯の支度ができておりますよ」

 

「お帰りなさい。さぁ。早く上がって一緒に食べましょう!」

 

温かい料理をこしらえているミノトと食器の用意をするヒノエが出迎えてくれていた。

自身を迎えてくれたその声にゲンジは笑みを浮かべながら答えた。

 

 

「______ただいま」

 

 

 




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