薄明と双子の姉妹 (リメイク中)   作:きょうこつ

15 / 205
超連続狩猟 ドスフロギィ編

「さて、さっさと片付けるか」

ヨツミワドウを葬ったゲンジは武器を研ぐ。双剣は手数が多い分切れ味の消耗が激しいのだ。業物スキルがあったらどんなに便利か。だが、そのかわりシルバーソル装備にはモンスターの肉質の柔らかい箇所への攻撃力を上昇させる『弱点特攻』というパワースキルがある。一撃の威力が高いハンマーや大剣でよく扱われることが多いが、ただ一箇所を狙うとなれば、手数の多い双剣も中々に合うスキルである。

ゲンジは武器を研ぎ終えると、ハチに乗る。

 

「ミケ、毒には気をつけろよ」

 

「おうニャ!」

 

先程、ドスフロギィが向かっていった場所はキャンプの目の前にある広大な広場だった。そこを目指していると,その姿が見えて来る。

 

「いたな」

辺りを見回しているドスフロギィは此方に気づいていない。

 

「ハチ!」

「ワン!」

ハチは加速すると辺りにある全てのものを置き去りにするかのような神速の域に達した。

 

そして、ゲンジはその速さを纏った状態で上空へと跳躍する。ハチと一体化していた事で、直前までのハチの脅威的な速度で跳躍した事でゲンジは離れた箇所からとはいえ、一瞬でドスフロギィがいる地点まで飛んでくる。

 

そして、空中で鬼人化をすると、刃を構え、身体を回転させる。その回転は初速に次々と加速度が追加されていき、すぐさま光る輪を纏うコマと化した。

 

「ヴォオオオオオラァッ!!!」

そして、雄叫びを上げながらゲンジは高速回転により、滞空していた身体を一気に斜め下へと急降下させた。

 

「…!」

その時 ようやく何かが迫っていることに気づいたドスフロギィ。だが、もう遅い。

 

ゲンジの持つ二つの刃がドスフロギィの頭に振り下ろされた瞬間 辺りに巨大な衝撃波が四散し、土埃を舞い上がらせる。その衝撃によって、付近にいた十数匹のフロギィは蜘蛛の子を散らすように吹き飛ばされていった。

 

 

 

「ニャ〜!!」

その威力はミケ達がいる方向まで及び、吹き飛ばされそうになるミケをハチは咥えて、身を低くしていた。

 

 

 

 

そんな中、周辺の視界から遮断された土煙の中、ゲンジは体勢を立て直すと、倒れふすドスフロギィに目掛けて再び刃を構えると、筋肉を腕に集中させた。

 

「悪いが即効で終わらせてもらう…!!!」

その言葉と同時にゲンジの極限まで鍛え上げられた筋肉に握られた双剣の刃の嵐がドスフロギィに目掛けて襲いかかる。

『真・鬼人乱舞』

 

双剣は手数が多い武器として、女性ハンターにも多く扱われている。その双剣の中でも奥義に等しい技があり、それがこの鬼人乱舞だ。だが、ゲンジの乱舞は一般的なハンターよりも数倍もの速度で放たれる。その威力はあのリオレウスの硬い甲殻でさえも挽肉にしてしまう程だ。

 

「ウララララァッ!!!!!」

次々と放つ連撃。その一撃一撃がドスフロギィの身体に打ち込まれ、肉を削いでいった。辺りにその血と混ざった肉が飛び散り、フロギィ達に降りかかる。

 

そして、遂には自慢の毒袋さえも削がれ、内部に充填してあった毒が漏れ出してしまう。

苦痛の叫びをあげようとも、ゲンジは止めない。

 

そして、遂にドスフロギィの命は尽き、声を上げなくなった。

 

「………ふぅ。終わったか」

 

瞬殺。これ程速くモンスターを連続で狩る狩人はそうそう居ないだろう。

 

 

その時だ。

 

「ギャァオ!!!」

 

「…!?」

突然 ドスフロギィの目が開き、牙を自身目掛けて、突き出してきた。

 

咄嗟にゲンジは回避する。だが、ドスフロギィは噛み付く動作と見せかけ、体内で生成した毒ガスを一気に吐き出した。

その毒ガスは回避した場所に容易に届き、息を整えようとしたゲンジは誤ってその毒ガスを吸い込んでしまう。

 

「ぐぅ…!?」

ゲンジへの毒ガス攻撃。それがドスフロギィの最後の足掻きとなった。いくらG級ハンターであろうと、毒を吸い込んでしまえば、身体への負担は大きい。

ゲンジはその場に膝をついてしまい、ドスフロギィに目を向けた。

ドスフロギィは最後にしてやったような鳴き声をあげると、ゆっくりと、身体を横に倒し、そして息を引き取った。

 

「…ッ」

何という執念だろうか。いや、執念といえるのか?そう考えながらも致命傷を負ったその身体でなおも自身にダメージを与えたドスフロギィをゲンジは舌打ちをしながらも心の中で称賛した。

 

この事態を想定していなかった故に解毒薬は持ち合わせていない。となると、この不安定な体調のまま、定期的に回復薬を飲みながら狩猟を続行するしかないだろう。

自身の油断にまたもや舌打ちをしてしまう。

 

けれども、狩りを中断する訳にはいかない。もし、ここで中断してしまえば、再びあの冷たい目線を向けられてしまうだろう。

幸いにも猛毒ではないので、すぐに引く。

だが、流石に毒を喰らったとなれば休憩が必要だ。

 

「はぁ…ミケ…ハチ…」

その時だった。

 

 

「グォオオオオオ!!!」

その場に巨大な咆哮が響き渡った。見ると、離れた場所にある鳥居の上に謎のモンスターが此方を睨んでいた。

 

『ビシュテンゴ』現る…!!!

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。