薄明と双子の姉妹 (リメイク中)   作:きょうこつ

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薄明の目覚め

夜が明け、ゲルド村を朝日が照らすとヒノエとミノトは同時に布団から起き上がった。

 

「行きましょう…姉様」

 

「えぇ。ミノト」

 

ヒノエとミノトは起き上がると壁に立て掛けてある武器を背負い外へと出た。

 

◇◇◇◇◇◇

 

「あらあら。どうされましたのお二人とも?そんな険しい顔なんかして。もうすぐアイルー便が来る時間ではなくて?」

 

村の入り口付近にある村長の家の前にて、ヒノエとミノトを見送るかのように立っているモモカは眉を潜めながらもケラケラと笑っていた。

その顔を見る度にミノトは怒りを露わにしていく。

 

「一つ忘れ物がございまして」

 

「忘れ物?」

 

「えぇ。とても大切な大切な忘れ物です」

 

ヒノエはそう言い少し呼吸を整えると一尺置いてから目を向け答えた。

 

「ゲンジを返してもらいます」

 

「はい?」

ヒノエの言葉にモモカは首を傾げる。

 

「何を仰っているのですか?彼は自身で残ると言ったのですよ?」

 

「自身で残る?ならば本人の口からお聞きしたいですね。呼んでいただけませんか?」

ヒノエは目を細め鋭い視線を送りながら返す。すると、それに対してモモカは頷いた。

 

「えぇいいですよ。テイラ、ゲンジ様を連れてきてください」

 

「あぁ」

モモカから目を配られたテイラは頷くと、どこかへと歩いて行った。

 

「あら?貴方の家にはいないのですか?」

 

「ウチは狭いですからね。彼のために家を一軒用意したのですの。そちらとは違って窮屈でもないし寂しくもないですわ」

 

「……はい?」

モモカの言葉にヒノエの顔からは笑顔が消え去った。

 

「どう言う事ですか?まるで私達がゲンジに窮屈で寂しい思いをさせているように聞こえますが」

 

「えぇそうですよ。彼が貴方達は自身を利用するべく謀り非情な扱いをしてくる…。そう白状しました」

 

 

「まぁ…それはそれは…」

その瞬間 ヒノエの声が低くなると共に笑みを失った顔からは心の奥底から湧き上がっていた怒りが吹き出し表面化しようとしていた。

 

それはミノトも例外ではなかった。

 

「…彼がそんな事を…言う訳…!!」

昨日モモカが酔った際に現した本性に加えてゲンジが初めて笑顔を見せた里での生活を醜悪なモノへと塗り替えようとするその言葉にミノトは今にも激怒してしまいそうであった。

 

 

その時だった。

 

 

「お…おい!?なんで言う事聞かねぇんだ__ゴハァ!?」

 

『!?』

 

突然鈍い音が響いた。その音にモモカは驚きながら背後へ顔を向ける。そこにはゲンジを呼びに行ったテイラが住居の間から吹き飛ばされている姿があった。

 

すると

 

「う〜ん…。ようやく朝か…」

 

気だるそうな声と共に装備の独特な金属音を鳴らしながらテイラが吹き飛んできた場所から一つの影が現れた。

 

「…は!?」

 

その影を見たモモカは驚きのあまり硬直し立ち尽くしてしまう。 

そこに立っていたのは装備を身に纏いながら荷物を纏めた麻袋と共に背中に武器を担ぐゲンジだった。

その姿を見たモモカは先程までの笑みが一瞬にして顔から消え失せ、冷や汗を垂れ流し始めた。

 

「ゲンジ様…なぜ…装備を身に纏われているのでしょうか…?それに肩にかけてある荷物も…」

 

身体を震わせながら恐る恐る尋ねると、それに対してゲンジは「あぁ〜」と言いながら答えた。

 

「別にただ帰りの準備をしただけだが?」

 

「…は…!?なんで…!?お前は私の…命令を…!」

 

普通に答えたその様子にモモカは更に驚き、一歩後ずさってしまう。

 

「何だ?その動き…命令?あぁそうか…!」

 

その動きを見た瞬間ゲンジは突然と何も考えていない普通の真顔から突然と口角を吊り上げ、笑みを浮かべ始めた。

 

「そうだったな。俺はお前に洗脳されているって設定だったもんな。朝が来たからスッカリと忘れちまったよ」

 

「嘘…じゃあ夜のウチに意識が…!?」

 

「夜のウチ?」

 

ゲンジは笑みを潜めながらゆっくりと目を閉じると、再び目を開け血管が視認できるほどまで血走らせた目をモモカへと向けた。

 

「違う。俺は元々んなモンに掛かってねぇ」

 

そしてゲンジはその血走らせた恐ろしい目を向けながら再び口角を吊り上げ不気味な笑みを浮かべた。

 

「全部 演技だよ…ッ!!」

 

 

 

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