薄明と双子の姉妹 (リメイク中)   作:きょうこつ

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超連続狩猟 リオレイア編

領域を侵されたと感じたリオレイアは口に炎を含みながら巨大な咆哮をあげる。

 

「このタイミングでか…!!」

ゲンジは歯を食い縛る。現実はそう優しくはなかった。休んだ後に出現というご丁寧なシステムなぞ存在しない。リオレイアは憤怒の表情を浮かべながら、陸の女王と呼ぶに相応しい脚力を生かした突進を繰り出す。

 

「く!?」

ゲンジは翔蟲を用いてその突進を避けた。自身が立っていた箇所にある岩がその突進によって木っ端微塵となる。

 

「ゲンジ!」

 

「くるな!お前らは下がってろ!!!」

ゲンジは近くに着地すると、駆け寄ろうとするミケ達に叫ぶ。

 

「ハチ!ミケ!奴の注意を引け!」

「分かったニャ!」

「ワン!」

ゲンジの…主人の指示にハチとミケは頷くと、二手に分かれてリオレイアを挑発する。

 

「くぅぅ…!!(動け動け動け…!!!)」

ミケ達が注意を引く中、ゲンジは歯を食いしばりながら疲労を訴える身体に命令を出す。動け動け__と。それに応えるかのように疲労が少しずつ抜けていく。

 

「お前もすぐに終わらせてやる…!!!」

ゲンジは最後の強走薬を飲み干すと、鬼人化する。

 

 

「ゔぅ…!!」

脚を振り上げ、身体を陸上選手の如く前のめりに低くすると同時に前に踏みおろす。地面は僅かながらにゲンジの脚力によって陥没する。

 

 

「…!」

そして、踏み荒らした脚をアクセルのごとく踏み込むと、小石が浮き上がる。その充填した脚力を一気に解放するとリオレイア目掛けて走り出した。

 

「ヴァォオオオオオオオオ!!!!」

その速度は次々と増していく。そして、目前まで来るとゲンジは双剣を構え、リオレイア目掛けて飛び上がる。

ゲンジの雄叫びにミケとハチを追っていたリオレイアはゲンジの方向へと首を向ける。

 

「…!」

気づいた時にはゲンジの身体がリオレイアの身体を捉えていた。

 

 

「ギャァオオオ!!!」

その瞬間 リオレイアの身体に螺旋状の切り傷が刻まれる。辺りに飛び散るリオレイアの甲殻と鮮血。そして、リオレイアの尻尾の先端部分には双剣を独特な持ち方で振るうゲンジの姿があった。

 

 

「ヴォオオオオオァァ!!!!」

そして、ゲンジの姿が翔蟲によって、リオレイアの尻尾付近まで移動すると、今度は尻尾から頭にかけてゲンジの身体が回転しながらリオレイアの甲殻を削る。その一撃一撃が硬い甲殻数枚をまとめて削りとっており、リオレイアの背中に生えている棘が甲殻と共に引き裂かれていた。

 

「ギャァア!!!」

リオレイアの苦痛の叫び声が響く。だが、ゲンジは止まることはなかった。

 

「オラァッ!!!」

リオレイアの視界の斜め左上から身体を回転させながら双剣を振り回し、顔にある甲殻を斬りつけると同時に爆破属性によって完全に破壊し剥がれ落とす。

 

その時 リオレイアは脚を曲げ跳躍の姿勢を取る。

「ニャ…!」

 

遠くで見ていたミケは危険信号を感じ取り、ゲンジへと大声で知らせた。

 

「ゲンジィ!サマーソルトが来るニャ!!」

 

「なに…!?」

 

『サマーソルト』それはリオレイアの必殺技の一つといっていい技だ。発達した脚力で大きく跳躍したと同時に地面に擦り付けるように毒の棘が仕込まれた尻尾を360度に弧を描くように振り回すというアクロバティックな技だった。

 

その技に幾人ものハンターが葬られてきた事をゲンジは知っている。サマーソルトの避け方は簡単だ。リオレイアはその直前にバク宙するために脚に力をいれる。その隙にリオレイアの身体から離れれば問題ない。

 

だが、今は空中にいる。空中での避け方を…ゲンジは知らなかった。

 

「ギャァオオオ!!!」

 

「ぐぅ!?」

咆哮と共に放たれた強靭な尻尾のサマーソルトの直撃が空中にいたゲンジを襲う。

 

滞空していたゲンジの身体は地上へと落下する。それと同時に毒性の棘が身体に突き刺さり、毒を注入されてしまった。

 

「はぁ…クソ!!」

リオレイアの毒はビシュテンゴやドスフロギィに比べればとてつもない威力であり,吐き気を催す症状が再びゲンジを襲う。

 

「う…!」

口を押さえながらもゲンジは力を振り絞り立ち上がる。

 

「ギャァオオオ!!!」

「…!」

その時 リオレイアの口内に炎が生成されると、自身に向けて1発の火の玉が吐き出された。

 

「がぁ!?」

 

その瞬間 目の前が閃光に包まれると同時に全身に熱が走り、吹き飛ばされた。ゲンジの身体が数回バウンドしながら地面に打ち付けられる。

 

「く…クソ…!!高出力ブレスを直に当てに来やがったか…!!」

『高出力火炎ブレス』

それは、リオレイアの第二の必殺技であり、体内に内蔵されている火炎袋から生成された炎を口内に溜め込み、一気に放出する危険な技だ。それは目の前が焦土と化す程である。

幸いにもまだ未成熟の個体であるため、ゲンジの身体にそれ程のダメージはない。その上、シルバーソルは火耐性が強いために、威力は軽減されている。

 

だが、それでも毒に加えて襲いくる疲労によって、ゲンジの額からは汗が流れ出ていた。

 

「グルル…!」

すると、それを好機と見たリオレイアが再び口内に炎を充填する。

 

その時だ。

 

「ニャァオ!!!」

 

「ギャァオ!?」

ミケが飛び出し、リオレイアの頬に向けてアイアンネコソードを振り回し、そのブレスを中止させた。

 

「ミケ!?」

 

「ゲンジ!!あとはコイツだけだニャ!もうゴールは目前だニャ!!!」

 

「…!!」

ミケの言葉にゲンジは意識を統一し始める。

 

「そうだな…!!!」

身体に再び命令を出す。“動け”と

毒のダメージなんて大したことない。疲れも後でゆっくり休めばいい。

 

「ヴゥウウ…!!!」

獣のように唸り声をあげると同時に立ち上がる。そして、破岩双刃アルコバレノを再び構え、鬼人化すると、リオレイアに向けて走り出す。

 

「ギャァオオオ!!!」

対するリオレイアはミケを葬るために牙を次々と突き出していた。

 

「ニャオ!?」

ミケがそれをギリギリで避けている。

 

ミケに気を取られているリオレイアの後方からゲンジは双剣を握りしめると、リオレイアの身体に目掛けて、地面が隆起する程の力を込めて跳躍した。

 

「ゼィヤァァァ!!!」

そして、身体を高速回転させると、自身をコマへと変形させ、そのままリオレイアの尻尾の先から刃を突き立て、なぞるように回転斬りを放つ。

 

「ギャァオオオ!!」

再び来る痛みにリオレイアはまた苦痛の声を上げる。

 

“隙を与えるな…!!!”

 

刃を頭まで斬り込んだゲンジは錐揉み回転しながら跳躍すると、翔蟲を扱い、再びリオレイアに接近し、今度は頭に目掛けて双剣を振りかぶると、頭に双剣を突き刺し、そこから尻尾まで身体を回転させ、次々と刃を入れて削り取った。

 

リオレイアの頭の頭殻が、翼爪が、そして遂には背中の甲殻が砕けていく。

 

「ヴォオオオオオ!!!!」

回転斬りを終えたゲンジは双剣の持ち手を変えると、リオレイアの肉体に再び双剣を突き刺し、身体の線をなぞるように斬り込んだ。

頭まで回転斬りを放ったゲンジは再び跳躍すると、双剣を天に掲げる。

 

そして、重力加速度と共に落下したゲンジはハンマーの如く双剣を振り下ろし、リオレイアの頭へと叩き落とされた。

 

「ギャォ!?」

頭へと突然来た痛みにリオレイアは驚くと同時に地面に叩きつけられる。

 

その隙を着地したゲンジは見逃す事がなかった。双剣を再び握り締めると、リオレイアの顔に向けて凄まじい速度の乱舞を放った。

「ヴォオオオオオラァアアッ!!!!!!!

 

残像を残す程の超高速乱舞。それは爆破属性も即座に蓄積され、斬撃と共にそれを彩るかのように次々と爆破の華を咲かせていく。

 

「ソラァァァアッ!!!!」

そして、最後に放たれた双剣の巨大な一振り。それと同時に蓄積された爆破属性も反応して、リオレイアの頭を爆風で包む。

 

「…!」

その一撃が遂にリオレイアの命を刈り取った。

 

「ギャ……オォ…」

弱々しく、声をあげながら、陸の女王と呼ばれたリオレイアの身体がゆっくりと地面に倒れた。

 

「終わった……ようやくだ…」

ゲンジはその場に腰をつく。

 

「ゲンジィ!!!」

「おわ!?」

すると、遠くからミケ達が駆け寄り、自身に向けて抱きついてくる。

 

「やったニャァ!クエスト完了だニャ!」

「ワン!ワン!」

ミケは歓喜の声を上げながらゲンジに向けて手を回し抱きついてくる。そして、ハチも嬉しそうにゲンジの頭を噛んだ。

 

「…お前たちのお陰だよ」

そう言いゲンジは二人の頭を撫でる。最後のリオレイアは流石にミケ達がいなければ危なかったであろう。故にゲンジはミケとハチに感謝していた。

 

「さて…帰るか。ハチ、頼むぞ」

「ワン!」

ゲンジは立ち上がると、ミケと共にハチに跨る。そして、ハチは全速力でその場から駆け出し、大社跡のキャンプへと戻った。

 

 

クエストクリア

 

 

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