薄明と双子の姉妹 (リメイク中) 作:きょうこつ
「あれ…どこだここ…」
目を覚ますと辺りは桜の木に囲まれていた。咲き誇る桜は綺麗な花びらを満開にさせており、その花弁が雨の様に舞っていた。
そんな神秘的な光景に囲まれる中、背後から何かの気配を感じ取る。
「…ん?」
むにゅ
「ムニュ…?なんだこ__んん!?」
突如として背後から感じられた柔らかい感触。振り向くとそこにあったのは直径が軽く2メートルも超える超巨大なウサ団子であった。
「はぁ!?なんだこ…っええぇ!?」
更に辺りを見回せば残りの3方向にも同じ大きさのウサ団子があり、完全に取り囲まれていた。
「これ前に__むぐ!?」
すると 突然と辺りを取り囲んでいたウサ団子が自身を押し潰そうと押し寄せてきた。身体どころか顔面まで柔らかいその団子に沈み込み呼吸ができなくなってしまう。
「〜!!んぐぐ!!な…なんなんだよこれええええ!!!」
それから迫り来る団子によって呼吸ができなくなったしまったゲンジはその苦しさによって意識を失ってしまった。
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「んぐ…ぐぐ…ぷはぁ!!」
呼吸困難によって現実へと引き戻されたゲンジは即座に顔をウサ団子の様な柔らかいものから切り離しやっとの思いで呼吸をした。
「ハァ…ハァ…ハァ…!!(この感じ…前にもあったような…)」
何度も何度も空気を取り込んだゲンジは頬を赤くさせながら自身を窒息させようとしていた柔らかいものの正体へ目を向けた。
「ま…まさか…!」
薄々と思い出す中、目の前の光景に目を向ける。そこには気持ちよさそうに眠るミノトの姿があった。自身の顔を胸に抱き締め笑みを浮かべながら眠るその顔はとても懐かしいものであるが、気のせいか前よりも大きく見えている。
そして振り向けばそこには同じく眠るヒノエの姿があり、自身に顔を向け、ミノトと共に身体に手を回し抱きつきながら気持ちよさそうに寝息を立てていた。彼女もミノトと同じくいつもより少しばかり大きく見えていた。
すると
「んぐ!?」
突然 後頭部に誰かの手の感触が感じられると共に再び顔面が目の前のミノトの胸へと押しつけられ柔らかい感触に包まれた。その直後に頭上から声が聞こえてくる。
「お目覚めですね。旦那様…」
その声を聞いたゲンジはゆっくりと胸を掻き分けながら見上げる。そこには相変わらず鋭い瞳でありながらも笑みを浮かべながらこちらを見つめているミノトの顔があった。
「み…ミノト…姉さ__むぐ!?」
「…ん…」
自身と目が合うとミノトは笑みを浮かべながら顔を迫らせ、唇を重ねてくる。口内に彼女の舌が侵入してくる事はなかったが、それでも柔らかいその感触は自身の力を容易く奪っていった。そして唇を離すと呼吸する間も無く彼女は再び身体に手を巻き付けてくると自身の顔を更に深い谷間へと押し付けた。
「ぷはぁ…!いきなりなにす___むぐぅ!?」
その直後に更に後方から同じ柔らかな感触が押し寄せ自身の顔をミノトの胸へと更に押し付けた。すると、再び聞き覚えのある声が聞こえてくる。
「あらあら。ミノトに先を越されてしまったわ♪」
「!?ひ…ヒノエ…姉さ__」
それはヒノエの声だった。その声を聞いた直後に今度は肩を掴まれ無理矢理、方向転換させられるとヒノエの唇が押し付けられた。ミノトと同じ柔らかな唇の感触が伝わり活力を奪っていく。
「ぷはぁ…!はい!今度はハグですよ〜♪」
そして唇が離れると再びミノトに肩を抱き寄せられると共に胸元へと顔を押しつけられ顔全体が柔らかな感触に包まれた。
「〜!!!」
「ふふ♪やはり旦那様の反応…とても可愛いですね♡」
後方からヒノエ、前方からミノトが抱きついているために、その身体は完全に埋まりゲンジは首どころか顔を動かすことすら出来なかった。すると、二人の手が伸び自身の身体に巻き付くと逃すまいと抱き締め始めた。二人の柔らかな手の感触が所々から伝わり更に身体が刺激されてくる。
「く…苦しい…!少し離れ…!」
「嫌ですよ〜緩めれば逃げてしまうじゃないですか。このままミノトと一緒にぎゅ〜っとしててあげますからもう少し一緒に寝ていましょう♡」
「いや…もう朝日が…」
「何を言っているのですか?まだおねんねの時間ですよ。それとも……また“挟まれたい”のですか?」
「うぅ…」
耳元で囁かれたその言葉を耳にした瞬間 全身が悪寒を感じ取り震え出した。もう既に悟り始めていたのだ。彼女達に抵抗できないと。
「わ…分かったよ…」
それからゲンジは観念したのか、そのままゆっくりと二人に身体を預けた。すると今度は頭の上から彼女達の手の感触が伝わってきた。その手の感触はとても懐かしいものであり里での日々を思い立たせてくれる。
「暖かいですか?」
「あぁ…」
二人の声や頭を撫でられる感触、そして二人の鼓動に身を預けると里での日々が鮮明に頭の中に広がり、彼女達の温もりを感じる事で眠気に誘われてくる。それが凄く心地よく抵抗も無くなり終いにはゆっくりと目が閉じてきた。
「おやすみなさいませ旦那様」
「おやすみなさい旦那様」
「お…やす…み…」
里での日々の懐かしさを思い出すと共にヒノエとミノトに抱かれながら共に再び眠りについたのだった。
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それから数時間後。エルガドを太陽が照らした。起き上がったゲンジ達は装備を纏いガレアスの元へと赴くが、
「……」
フィオレーネの表情が冴えないものとなっていた。それもそうだ。目の前でヒノエとミノトがゲンジを襲っている様子を直視していた上にヒノエからあんな事をされてしまったのだから。
それからガレアスの元へと赴く。だが、そこにはいつもの様に議論を交わすルーチカとガレアスの他にもう一人、見たことがない竜人族の男性が立っていた。
「おぉゲンジ達よ。よく来てくれた」
「あぁ。それよりも、その横にいる人は誰だ?」
ガレアスに横にいる竜人族の男性について尋ねると、その男性はゲンジ達に気付いたのか、振り向き、陽気な笑みを浮かべながら手を振る。
「やぁ。君らが『金銀姉弟』か。俺はバハリ、ここエルガドでの研究と開発のエキスパートだ!」
そう言いやや黒色の肌を保つ竜人族の男性『バハリ』はフランクに軽く自身の名を名乗る。するとバハリを見たフィオレーネはゲンジ達へと捕捉するかの様に声を出す。
「因みに研究にしか目がない奴で3度の飯より研究と言われる程の変人だ」
「失礼な。睡眠と食事には気を使ってるぜ?まあ研究が俺の生きがいなのは否定しないけどな」
それから再び調査が再開される事となった。
だがこの数日後。事態は急変を迎える事となる。
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数日後。調査隊が帰還する。その報告は凄まじいものであった。マガイマガドが討伐された事で姿を消していたルナガロンが麓まで降りてきているらしく、氷原エリアにてその姿が確認されたらしい。
その報告を受けたガレアスは咄嗟にゲンジ達を招集する。
「遂にルナガロンが姿を現した。予定通り奴の狩猟へ向かってくれ」
ガレアスの依頼に招集されたゲンジ達は頷くと、ルナガロンを討つべく準備へと取り掛かった。新しく強化したイステヤを背中に背負うと、荷物をまとめて船へと乗り込む。
今回は王域三公の一角が相手である為なのか、人数もいつもよりも多めである。向かうのはゲンジ、エスラ、シャーラは勿論。騎士であるフィオレーネ、ジェイ、さらに里長であるフゲンも出撃するそうだ。
「フゲンさんまで行くのか?」
「あぁ。しばらく狩りを行なっていないからな。準備運動も兼ねて行こうと思う」
そう言いフゲンは自慢の大太刀を掲げる。更にハンターとは別にモンスターの回収作業員として複数の船員やバハリも同行するようだ。
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数刻後。城塞高地に到着した皆は持ち物を確認すると地図を広げた。
「氷雪エリアはここか。奴がここにいるのは間違いないのか?」
「あぁ。今しがた、エルガドのフクズクが教えてくれたよ」
ゲンジの質問に答えながらエスラは偵察から戻ってきたフクズクを撫でる。エルガドのフクズクは懐きやすいのか、出会って間もないゲンジ達の前でも大人しい様だ。
それから一同はルナガロンが凄むエリアへと向かった。
その直後。彼らの目線から外れた上空では巨大な黒い影が群れを成す赤い飛行物体と共に彼らの向かう方向へと飛んでいったのだった。
ヒノエ・ミノト
身長 170cm
初登場時よりも何故だか身長と体格が少し成長しており胸も大きくなっている。身体能力や武器の扱いも初回の百竜夜行時よりも比べ物にならない程まで向上しており一人でもゲンジを完全に拘束する事が可能となった。(本人達曰く、修行と牛乳の摂取をしまくったらしい)
フィオレーネ
ロリコンでありチッチェ姫が大好き。また、ぬいぐるみ好きでもありロンディーネから異国のモンスターのぬいぐるみをよく貰っている。因みに二つともゲンジとシャーラに秘密がバレている。