薄明と双子の姉妹 (リメイク中)   作:きょうこつ

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ライズを始めて1週間…雷神が終わりマスターランクへの道が開かれたが、淵源を倒さないとスッキリしないからまだエルガドには行かない。


会敵 ルナガロン

 

漏れ出でる光はかすかに

闇の中 彷徨は続く

地を踏み締め 歩みは止むことなく

その身の全てを研ぎ澄まし

  

いよいよだ 雲を分け月は姿を表し

地を山を 銀光が降り注ぐ

  

躍り 駆け出し 湧き出でる力に震え

歓喜の咆哮に 真なる姿を曝け出す___。

 

ーーーーーーー

 

ルナガロンの潜む氷雪エリア。雪原のあるその広大なエリアにその存在はいた。

 

大きな山の頂上まで駆け登りながら月へと咆哮しその身を月の光の如く白い氷の衣で包んでいた。

 

そしてルナガロンだけではない。離れた位置にはもう一体。なんとジンオウガの姿もあったのだ。

 

「な…!?なんでここにジンオウガが…!?」

 

「恐らく今まで身を隠してたんだろ。奴はモンスターの中でも特に警戒心が高い。だからフクズクでも探知できなかったんだろうな」

 

ジェイに答えながらゲンジはシャーラと共にポーチから強走薬を取り出すと口に含んだ。そしてその傍らでもエスラは弾丸をボウガンへとリロードしていた。

 

「取り敢えず予定通り作戦はプランBに変更だ。エスラ姉さんとジェイとフィオレーネはジンオウガの誘導。シャーラ姉さんと…あと…」

 

そんな中、ゲンジは作戦変更の趣旨を伝えるべく一人一人に顔を向けていったが、ある一人の顔を見ると言葉を詰まらせてしまう。そこにいたのはチッチェの兄であるクレトであった。

 

「普通に呼び捨てで構わないさ。気軽にクレトと呼んでくれ」

 

そう言いクレトは爽やかな笑みを浮かべながら手を横に振る。何故、フゲンではなく彼がここにいるのか。それは向かう寸前に同行を名乗り出たからであった。当然ゲンジは断るが、クレトの熱に負けたフゲンが自ら降り彼に譲ったのだ。

 

「じゃあクレト王子は俺と共にルナガロンの相手を頼む」

 

「了解♪」

因みに元はクレトは双剣という手数と身軽さがメリットであるためジンオウガの方へと回る予定であったが、本人がルナガロンと闘いたいと言ってきた為に仕方なく寸前で作戦を変えこの様になった。

 

 

「では、私は持ち場につかせてもらうよ」

そう言いエスラはその場から静かに駆け出し、高台にある茂みへと向かっていった。

 

「よし…私達も共に行こう…!」

 

「はい!」

 

そしてフィオレーネとジェイも別ルートからジンオウガを奇襲すべく離れていった。

 

「アンタはちゃんと安全な場所に隠れててくれよ」

 

「分かってる分かってるって」

 

3人が持ち場へと向かった事を確認するとゲンジは改めて同行したバハリへと注意を促すと、シャーラ、クレトへ目を向ける。

 

「行くぞ…」

 

「「…!」」

 

咄嗟にゲンジは双剣を構えると駆け出した。新調したばかりのイステヤの刃が月明かりに照らされ、鋭利な刃を輝かせる。

 

 

すると ゲンジの接近する足音に気付いたのか、体制をこちら側へと向けると、鋭い目を光らせ巨大な咆哮を上げた。

 

 

「グロォオオオオオオオ!!!!」

 

 

ジンオウガに勝るとも劣らない、聞くだけで全身が強張る程の恐ろしい咆哮を耳にしたゲンジは寸前に耳を塞いでいた為に難を逃れそのまま突き進んでいった。

 

そして 一瞬にしてルナガロンの腹部へと潜り込むとその腹に向けて双剣を振り回す。

 

「ヴァア!!」

 

振るわれたイステヤはゆっくりとルナガロンの強靭な甲殻へと入り込むとその身に傷をつけた。さすがマスターランクの個体から作り出された武器。切れ味や威力が以前とは全く比にならない。

 

だが、それだけで倒れる程甘くはない。ルナガロンは懐へと入ってきたゲンジを始末するべくその場から大きく後退すると巨大な顎を突き上げるようにして向かってくる。

 

 

「…!!」

 

その動きを呼び動作から予想していたゲンジは即座に横にステップする形で回避し、更に二体の翔蟲の糸を操るとそれを射出しルナガロンの身体の側面へと貼り付ける。そしてその場から後方へと体重を掛けると一気に飛び出した。

 

翔蟲の鉄蟲糸の弾性力によって飛び出したゲンジはすぐさま双剣を重ね合わせ全身を回転させるとその身を抉り取るかのようにルナガロンの身体の側面へと突き刺した。それによって突き刺さった部位の甲殻が次々と炸裂する爆破属性の破裂によって次々と剥がされていき、遂に甲殻の下にある肉片が見られると共に血液と混ざり合いながら辺りへと四散していった。

 

 

「グロォオオオオオオオ…!?」

 

脇腹から感じ取れた痛みにルナガロンは苦痛の声を漏らすと、その場からゲンジへと目を向けて上半身を持ち上げながら屈強な前脚を振り下ろした。

 

「…!」

 

振り下ろされた前足がゲンジへと向かっていくが、着地していたゲンジは咄嗟にそれを再び横に避ける形で回避する。

 

「ゼィヤァァァ!!!」

そして 後方から追いついたシャーラが鬼人化しながら駆け出し、前足を振り下ろした後に隙だらけであったルナガロンの足元へと入り込むとすり抜けるようにして双剣リュウノツガイを振り回した。それによって足元には乱れ咲く花のように炎が燃え上がり切り口からルナガロンの内部の肉を四肢ごと焼き尽くした。

 

「グルル……!?」

 

「二人ともすごいね〜!なら僕もいくよ!」

そしてシャーラの後方から追いついたクレトも背中から双剣を抜くと、駆け出しながら跳躍し、身体を回転させながらルナガロンの前半身を削っていった。クレトの双剣は雷属性であるためか、切り付けられた箇所から右脚全体へ稲妻が駆け巡りモンスターの神経を刺激させた。

 

その勢いをクレトは止めなかった。

「まだまだぁ〜!!!」

 

その言葉と共に双剣を振り上げ、斬りつけた箇所へ目掛けて次々と刃を振り回した。それによって雷撃が次々と発生し閃光と共にルナガロンの全身へと電撃が迸っていき、ルナガロンを“雷やられ”へとさせた。

 

「よし!雷やられだ!!このまま気絶まで持っていってやる!」

 

完全に勢い付き、目の前へと垂れ下がって来た頭目掛けてクレトは再び双剣を掲げた。

 

 

だが、それがルナガロンの狙いであった。

 

「ゴルル…!!」

 

頭目掛けて攻撃しようてして来たクレトを待っていたかのように鋭い牙が生え揃った口を一瞬にして開いた。

 

「あれ…?」

 

突然と目の前が牙の生え揃った口内の景色が広がった事で双剣を振り回そうとしたクレトは唖然としてしまう。

 

その時だった。

 

「…!!」

 

ルナガロンの不自然な動作から咄嗟に行動に気づいていたゲンジが駆け出しルナガロンに噛み砕かれそうになったクレトをその場からタックルするかのように突き飛ばした。それによってゲンジとクレトの身体はルナガロンの顔から離され、更にその直後にルナガロンの開かれた口がクレトのいた空気を噛み砕いた。

 

「助かったよ」

 

「あぁ。それよりも気をつけろ。アイツ、結構な知性を持ってるぞ」

 

「へぇ。モンスターも頭を使うんだね」

 

それからゲンジ達はルナガロンの迫り来る突進などを交わしながら双剣を振り回し少しずつダメージを与えていった。新調した武器を持った3人組であった為なのか、調子を保ちながら5分も攻撃を与え続けていればルナガロンは弱々しい声を上げ始めていた。

 

「…このままいけば何とか倒せそうだね」

 

「あぁ」

 

その様子を近くの三つの高台にそれぞれ立ちながら様子を伺っていたシャーラとゲンジは互いに頷く。

 

そんな中であった。息を上げていたルナガロンが突然と唸られせていた尻尾を後ろへ垂らしながら姿勢を変化させたのだ。

 

「な…!?」

 

変化させたその態勢を見た3人は瞳を震わせながら驚いた。なんと四足歩行が基本的な牙竜種であるルナガロンが___

 

 

 

 

 

_______2本脚で立ち上がったのだ。

 

「「「…!?」」」

 

上半身を前のめりの様に前へと突き出すと共に強靭な前脚はまるで剛腕の如く構えられていた。更にその全身が再び氷に包まれており全身に鋭利ない鎧を纏っていた。

 

 

「ゴルル…!!」

 

喉を鳴らしながら此方を睨みつけたルナガロンは両手を構えながらゆっくりと此方へ向けて態勢を低くさせる。

 

 

 

その瞬間

 

 

「グロォオオオ!!!!」

 

 

巨大な咆哮と共に後脚で駆け出しながらその剛腕を振り回して来た。それを見た3人は咄嗟に左右に避けた。3人がいた場所をルナガロンが通り過ぎ、足場としていた岩場が全て無惨に切り刻まれていった。

 

 

「ゲン!これって…!?」

 

「あぁ。コイツは驚いた…まさか2本脚で立ち上がるなんてな…まずいな」

 

「まずい…?どういうことだい?」

 

「牙竜種はそもそも二本足で上手く立てる骨格じゃねぇ。だから戦う時は絶対に2本脚で立たん。だがコイツは2本脚、しかもダメージを与えられ続けた今になってその態勢になった…つまり、ここから本番って訳だ」

 

そう言いゲンジはクレトに答えると再び双剣を取り出し天に掲げ鬼人化する。それに同調するかの様にシャーラとクレトも同じく鬼人化した。

 

それに対してルナガロンも此方を振り向き同じ様に両手の刃を構えた。

 

 

互いに睨み合い、両者の間にある空気が発せられる強大なオーラによって歪んでいく。

 

 

 

 

その時であった。

 

 

「待たせたな3人ともぉおお!!!!」

 

「「「!?」」」

 

巨大な叫び声と共に後方から凄まじい足音が聞こえて来た。その方向へと目を向けるとそこにはジンオウガの四肢を、その背に乗り操竜しながら此方に向かってくるエスラ達の姿があったのだ。

 

それを見たルナガロンは向かってくるジンオウガを操られているとはいえ“敵”と認識して巨大な咆哮を上げるとゲンジ達の横を通り過ぎジンオウガへと向かっていった。

 

「さぁ行くぞ…!反撃の時間だ!」

 

ーーーーー

ーーー

 

その後、エスラの操竜によるジンオウガの連続叩きつけ、ゲンジ、シャーラ、クレト、フィオレーネ、ジェイの4人による怒涛の連撃によってルナガロンは無事に討伐された。

 

「いやぁ〜コイツがルナガロンか。研究が楽しみだ。うんうん…成る程。筋肉を膨張させて二本足で歩ける様に……」

 

そう言いながら地面に倒れ伏したルナガロンをバハリは子供の様にはしゃぎながら調べていた。その様子をゲンジ、シャーラ、フィオレーネは後ろから眺めており、フィオレーネは呆れていた。

 

「はぁ…あぁなった以上は止められん」

 

「見た限りその様だな。まぁ研究者なんてそんなもんだろ。俺の知り合いにもいるさ」

 

「バハリみたいな奴が君の知り合いにもいるのか?」

 

「あぁ。『ヒューム』といってエスラ姉さんの親友でな。珍しい古龍種や希少種に目がない奴だ」

 

「はぁ…世界は広いものだな…」

 

フィオレーネはゲンジの話を聞くと額に手を当て呆れ果ててしまう。それから彼女はジェイに指示を出した。

 

「ジェイ、お前は先に戻って報告しろ。私はルナガロンの運搬を手伝う」

 

「了解っす!」

 

その傍らでゲンジも二人に言伝を伝えていた。

 

「シャーラ姉さんとエスラ姉さんは先に戻ってろ。俺はしばらく採取してく」

 

そう言いゲンジはエスラとシャーラに伝えると彼女達は頷き、ジェイに続く様に先に停泊してある船へと戻っていった。

 

そんな中、ゲンジはこの狩りにて目を光らせていたクレトへと目を向けた。

 

「殿下。此度のお姿…大変ご立派でした。貴方のお陰で我々も損害なく調査を進めることが出来ました。本当に感謝いたします」

 

「いや〜照れるな〜!まぁ気にしないでくれよ!」

 

クレトはフィオレーネと話しており、彼女の言葉に鼻を伸ばしながら照れていた。最初は彼をその身体から見掛け倒しかないと思っていたが、今回から見てみるとかなりの腕前である事が分かる。自身やフィオレーネ達と比べると多少の詰めの甘さが伺えたが、それでも一般のハンター以上であった。

 

「…」

 

 

一体、彼の目的は何なのか。自身らに損失を与えるものなのか。考えていくも謎は深まるばかりであった。

 

 

 

 

 

その時だった。

 

 

 

 

 

「ぐぅ…!?」

 

突然の頭痛がゲンジを襲う。その痛みにゲンジはその場に膝をついた。

 

「…ん?おいゲンジ!大丈夫か!?」

 

フィオレーネはゲンジの様子に気づくと咄嗟に駆け寄り膝をつくゲンジの肩に手を乗せて安否を確認する。

 

すると 

 

 

「「「「…!」」」」

 

その場に異様な雰囲気が漂うと共に周囲に謎の赤い飛行物体が現れた。その飛行物体を目にした一同は更に空から無数の気配を感じ空を見上げた。

 

 

「な…!?」

 

その景色を見たフィオレーネは目を大きく開かせる。そこには周囲を漂っていた物体と同じ物体が群れを成しながら飛行しており、上空を旋回していたのだ。そしてその群れは流れを変化させると、自身らが討ち取り荷台へと載せられたルナガロンの身体へと付着していったのだ。

 

それと共に強烈な威圧感が辺りを覆い尽くす。咄嗟にフィオレーネはバハリへ叫んだ。

 

「バハリ!調査は中断だ!!」

 

「え?なんでぇ!?」

 

「中断だ!早く逃げろ!!!殿下もお下がりを!!」

 

そう言いフィオレーネは辺りを見回し、感じられた威圧感の正体を探し出す。

 

 

 

 

 

その時であった。

 

 

 

空から黒い影が飛来しフィオレーネの背後へと巨大な地響きを立てながら降り立った。

 

「く…!」

 

「マジかよ…こんな時に現れやがって…!」

 

「…ッ!!」

 

そのモンスターを見たフィオレーネ、バハリは冷や汗を流しゲンジは舌打ちをする。目の前に降り立ったのはクシャルダオラと同じ細長い華奢な身体と骨格を持つ一体の古龍であった。

 

「フィオレーネ…コイツが…?」

 

「あぁ…奴だ。『メル・ゼナ』だ…!!!」

 

 

 

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