薄明と双子の姉妹 (リメイク中)   作:きょうこつ

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眠れる棘竜

 

エスピナス。それはメゼポルタ地域の樹海の奥地で発見された飛竜である。体格はリオレウスと同等であるが、その戦闘力はリオレウスどころか並の大型モンスターを遥かに凌ぎ、過去に樹海にてクシャルダオラと縄張り争いを繰り広げ、なんと退きナワバリを勝ち取ったという記録が残されているのだ。正にイビルジョーやラージャンと並ぶ数少ない古龍級生物の内の一体と呼ぶにふさわしいモンスターだろう。

 

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「さて、じゃあ実験と行こうか。皆、武器は持ったかな?」

 

バハリの声に皆は頷く。この場にいるのはゲンジ、エスラ、シャーラは勿論だがヒノエやミノト、ウツシにフィオレーネ、ルーチカやジェイの姿もあった。

因みにフゲンは訓練の際に激しい運動による腰痛、アルローは拠点にて待機のために欠席らしい。その他のハンター達にも抗毒血石が支給されたが、彼らは別の日に試すようだ。

 

 

 

「取り敢えずだ。この場にはエスピナスの他にもう一体。トビカガチが確認されたらしい。だから人数を絞らせてもらうよ」

 

そう言いバハリは人数を選別していく。その結果、エスピナスはゲンジ、エスラ、シャーラ、そしてフィオレーネが当たる事となった。そして残りはトビカガチの相手である。

 

「俺は強力な個体のエスピナスの方を観察させてもらうから。そっちは任せたよウツシ教官」

 

「お任せを!さぁヒノエさん!ミノトさん!ルーチカさん!ジェイくん!元気に行ってみよう!!!」

 

「あらあら…」

 

「ひぃいい〜!!姉様…!!旦那様ぁ…!!」

 

バハリから任命されたウツシは相変わらずハイテンションかつ熱血ぶりを発揮した。それを見たミノトは酷く怯えながらゲンジとヒノエの背後に隠れてしまう。

 

だが、そんな中で二人だけ意気投合する希少種がいた。

 

「はぁぁぁ〜!!いいですね!!行きましょう!!!炎よりも熱くハイテンションに!!!」

 

「うぉおおおお!!!!燃えてきたっすぅううう!!!!気炎万丈!!」

 

それは狩りの時だけ性格が豹変するルーチカといつも熱血なジェイであった。別人となったルーチカとジェイはウツシと完全に意気投合してしまったのか、遂には発声練習もし始めてしまう。

 

 

それから一同は二手に別れそれぞれが担当するモンスターの元へと向かっていった。

 

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トビカガチ狩猟チーム。

 

二手に別れ、毒性の樹液を抽出する木が生えているエリアを通り過ぎたエリア11にて。そのモンスターは周囲を見渡しながら鎮座していた。

 

「見つけた…!さ!みんな武器を研いで!」

 

先頭についていたウツシの合図に皆は頷くとヒノエはビン、ルーチカは弾丸を、それ以外の皆は砥石を取り出して武器を研いだ。

 

その瞬間

 

ウツシの双剣、ジェイのスラッシュアックス、ミノトのランスの先端が赤く輝き始めた。更にルーチカの持っていた弾丸やヒノエの装着したビンも同じく輝き始めていく。

 

「これは…!?」

 

その輝きに驚きの声を上げたミノトはゆっくりとランスを持ち上げる。先端から見るその輝きはまさにダイヤの如く美しいものであった。

 

「さぁ…みんな行くよ…!!」

 

ウツシの合図と共に皆はトビカガチへと向かっていった。

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所変わり、エスピナス狩猟チーム。

 

エスピナスの狩猟へ向かったゲンジ達は城塞高地の雪原地帯へ向かい、雪山の奥地の崖を登り詰めた先にある頂上へと上り詰めていた。

 

崖を登りきり辿り着いた場所を目にした途端、先頭を歩いていたエスラは目の色を変えると手を前に出して皆を静止させる。

 

「止まれ…いたぞ」

 

エスラの静かな声と共に指が示した方向へと目を向けるとそこには全身から棘の様な針が生えた甲殻を身に纏い、頭部の先端からモノブロスの様な一本の角を生やした飛竜が眠っていた。

 

それを見たフィオレーネは息を飲む。

 

「間違いない。エスピナスだ…!」

 

「あれが…か。メゼポルタ地域でしか確認されなかった奴がまさかこの地域で見られるとはな…」

 

エスピナスの姿を初めてこの目で見たゲンジは驚いた。その一方でフィオレーネが助言する。

 

「奴の吐くブレスには気をつけろ…火だけじゃなく体内で分泌された猛毒と全身を痺れさせる麻痺も混ざってるからな」

 

「ブレスに三つの属性やられがあるのか…厄介だな…」

 

フィオレーネの言葉に苦い表情を浮かべたゲンジはそこから立ち上がると皆と共にエスピナスの元へと向かう。

 

 

その時であった。

 

___ゴルル…!!

 

 

寝ていたエスピナスが喉を唸らせる声と共に目を覚ました。その声を耳にしたエスラは叫ぶ。

 

「全員砥げ!!」

 

エスラの指示の元、全員は武器を研ぎ、エスラ自身も弾丸を装填した。

 

 

すると 砥石と擦れ合わされた事によって発生した摩擦熱と火花が飛び散ると共に研がれた武器の刀身が赤く輝き始めた。

 

「これは…!?」

 

「凄い…まるで宝石みたい…」

 

研がれた武器はまるで龍属性を浴びているかの様に赤く輝きゲンジの中に住まう恐暴竜の力をその身に帯びている様にも見えた。

 

武器を研ぎ終えた全員は向かってくるエスピナスに向けて構え、先頭に立っていたゲンジは叫んだ。

 

「行くぞッ!!!!」

 

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その後。ゲンジ達は無事にエスピナスとトビカガチを捕獲。バハリの開発した抗毒砥石の絶大な効果が示され、バハリもご満悦の表情を浮かべ、さらなる研究への意欲を示すのであった。

 

 

そしてエスピナスとトビカガチを捕獲した全員は合流して無事にエルガドへと帰還したのだった。

 

だが、何も無かった訳ではない。エスピナス狩猟チームでの狩りは想像を絶するほど激しく、剣士タイプであるシャーラ、フィオレーネ、そしてゲンジは酷く消耗しており1人では歩けない状態となっていた。それゆえに今はそれぞれエスラ、ルーチカ、ミノトが支えていた。

 

 

「今回はキュリアは見当たらなかったな」

 

船から降りて皆と共に中央広場に向かう中、ミノトに支えられながら進んでいたゲンジが前回のキュリア発見と共にメルゼナが現れた日の事を思い出しながらルーチカに支えられているフィオレーネへと尋ねると、彼女も頷いた。

 

「あぁ…。メルゼナ特有の気配も感じられなかった…恐らく姿をくらましたのだろう。だが、いずれ姿を現す筈さ」

 

 

その時であった。

 

「…」

ゲンジは歩いていた足を止めた。それによって、後から続いていた皆もぶつかる形で止まり、そのうち、フィオレーネがゲンジへと尋ねた。

 

「おいどうした?急に立ち止まって…」

 

尋ねたもののゲンジは答えることはなく、目の前を見つめており、フィオレーネや皆もゲンジの目線の先へと目を向けた。

 

「な…貴方は…!」

 

そこに立っていたのは しばらく行方を絡ませていたクレトであった。

 

「殿下…!?」

 

「……僕が不在の間に随分と調査が進んだようだね…」

 

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