薄明と双子の姉妹 (リメイク中)   作:きょうこつ

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まだまだイチャイチャ回は続きますよ。


一日の幕開け

「……」

ゆっくりと目を覚ますと辺りにはまだ湿った空気が漂っていた。陽はまだ登る気配を見せず、外は薄れながらもまだ暗かった。

 

「んん…」

ゆっくりと上半身を起こす。すると、自身は2人の女性に挟まれながら寝ていた。

耳が少し尖り、細長い4本指が特徴的である美しき竜人族の姉妹『ヒノエ』と『ミノト』自身の左右には2人が艶のある髪を見せながら寝息を立てていた。

 

「そうか…俺は遂に…告白したんだっけか…」

薄々ながらも昨日の出来事を思い出した。ヒノエとミノトに告白をしたゲンジはその場で固まってしまうも、2人に自宅まで運ばれて、その言葉に2人は頷いた。

式の日取りは当分先になるだろう。百竜夜行が終わるまで、ゲンジは結婚はできないと言ったからだ。

 

「…顔でも洗うか…」

そう呟き、水が滴り落ちる台所に向かう。

 

その時だ。

 

「……ん?」

自身の目線が突然高くなる。なぜだろうか?自身の身長がようやく伸び始めてくれたのだろうか。いや、こんな一気に何センチも高くなるはずがない。あったら気持ちが悪い。気付かないうちに伸びてくれるからこそ、成長の楽しみがある。

 

いや、これは身長の伸びではなかった。地面からの感覚がなくなっていたのだ。

 

「おはようございます」

すると耳元にとても優しい声が囁かれた。それと同時に自身の身体がキツく締め上げられる。

 

「!?」

胸の辺りに目を移すとそこには自身を抱き抱え上げている白い左手。左脇から右脇に倒されながら自身を赤子のように抱いていた。

 

 

そして

「〜♪」

鼻唄と共に自身の頭には右手が添えられ、その右手は自身の顔を抱き上げ者の正体に押し付ける。

それと同時に自身の背中にはとても柔らかな感触が広がり、背中全体を覆う。

 

「あらあら。聞こえなかったのですか?旦那様」

 

「その呼び方はやめろよ…ヒノエ姉さん…」

 

ゲンジが振り向くとそこには先程のまでぐっすりと寝ていたヒノエの姿があった。頬を赤く染めながら太陽のような笑みを浮かべ、琥珀色の綺麗な瞳を向けていた。

 

「そうですね。まだ式の日取りが未定ですものね〜♪」

 

「ちょ!?」

すると、ヒノエはゲンジの頭に添えられていた右手で抱き上げていたゲンジの頭を自身の首元に抱き寄せると頭を擦り寄せてきた。

 

「呼び方もだが、これもやめろ!」

 

「嫌ですよ〜。もしかして照れてるんですか?本当に旦那様は可愛いですね♪」

そう言いヒノエは更にゲンジに頬を擦り寄せてくる。温かな頬と頬が擦れ合うと、ヒノエの甘い香りによってゲンジの顔はますます赤く染まる。

 

 

「朝から随分とヒノエ姉様と仲がよろしいですね…ゲンジ」

 

突然、ヒノエとは違い、凛とした声がその場に響いた。その声はまるで抱き上げられているゲンジを羨ましそうにしているようだった。

 

「ミ…ミノト姉さん…」

ゲンジの斜め後ろには先程まで眠っていたミノトの姿があった。ヒノエと同じく琥珀色の瞳を持っているが、頬を膨らませながらその目を鋭くさせていた。

 

 

「し…仕方ねぇだろ!?降りれねぇんだから…」

そう言いゲンジは頬を膨らましているミノトから目を逸らし、抱き上げられた事で地面から離れた自身の脚に目を向ける。

 

 

 

「ミノトも抱っこしますか?」

そう言いヒノエは赤子を渡すかのように抱き上げたゲンジをミノトに向ける。すると、ミノトは目をキラリとさせる

 

「では遠慮なく…!」

ミノトはヒノエの後ろに回ると、ゲンジを抱き上げるヒノエの腰に手を回して、同じくヒョイと赤子のようにヒノエを抱き上げた。

 

「あらあら。てっきりゲンジを抱っこしたいのかと思っていましたよ」

 

「ゲンジならば夜に存分に堪能させていただきます。朝はやはりヒノエ姉様でないといけません」

そう良いミノトは抱き上げたヒノエの背中に顔を押し付ける。彼女もヒノエに甘えたいのだろう。

だが、他者から見れば今の体勢は身長が低いゲンジがヒノエに持ち上げられ、そのヒノエと同じ身長のミノトがそれを抱き上げるという何ともシュールな光景であった。

もはや抱っこというより組体操である。

 

「ミノト〜重くありませんか〜?」

 

「滅相もありません!風のように軽いです!」

 

「早く降ろせ!!何だこの体勢は!?」

ヒノエの質問にミノトは顔をキラキラとさせながら答え、蚊帳の外であるゲンジの訴えは聞こえない、

 

その後、ようやく降ろされた事で解放されたゲンジは背中が突然暖かくなると同時に周囲の景色に光が差し込む光景を目にした。

 

 

すると

 

 

 

その場にいた3人を照らすかのように遠方にある山の山頂から闇を掻き消す輝かしい陽の光が昇ってきた。

 

顔を出した太陽は眩しい光を放ちカムラの里を照らしていく。

 

その景色を見て一日の始まりを感じたゲンジは振り向き自身の後ろに立つヒノエとミノトに笑みを浮かべた。

 

「今日もよろしくな」

その言葉にヒノエは満面の笑みを。そしてミノトも満面とはいけずとも、いつもより明るい笑顔を見せ頷いた。

 

 

「「はい。こちらこそ。旦那様」」

 

すると

 

「うぁ〜!よく寝たぁ…」

 

「姉さんよだれ」

「ニヤァァ!エスラ涎が毛についたニャ!」

ヒノエとミノトの隣でハチとミケを抱きながら眠っていたエスラとシャーラも目を覚ました。

 

「食事の用意をしましょう」

 

「えぇ!」

 

「俺も手伝うよ」

 

自身の第二の故郷『カムラの里』に住み、早数ヶ月。そして、ヒノエとミノトに告白して2ヶ月。新たなる家族との生活が朝からドタバタしながらも、今日もまた里での一日が始まる。

 

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