薄明と双子の姉妹 (リメイク中) 作:きょうこつ
ゴルルル…!!!
目の前の自身を威嚇するゴシャハギ。鬼の面とも取れる悍ましい顔に、垂れ下がった前髪の間から見える丸い目玉が不気味に光っていた。
「グロロロロッ!!!」
「…!!」
再び咆哮を上げたゴシャハギは今度は右手へと氷の息を吹き掛ける。すると、先程のように鎚の形になった瞬間 その氷は形を自我を持つかの様に変化させていき、一振りのナイフのような形状へと変化させた。
ゴシャハギの最大の特徴だ。自身の剛腕に氷の息を吹きかけ、氷の刃を形成させる。自身の息の根が健在ならばいくらでも再生可能な故に事実上は断つ術がない。
氷の刃を形成させたゴシャハギはフゲンに目掛けて氷の刃を振り下ろさんがために大きく振りかぶる。
「皆の者…下がっていろ…!!」
それに対して、フゲンは冷静さを取り戻すと、百竜刀の塚を持ちながら全身の筋肉を集中させると水月の構えを取る。
「俺をただのジジイだと思うなよ…?」
その言葉を試すかの様にゴシャハギは水月の構えをとったフゲンに目掛けて氷の刃を形成した右腕を振り下ろしてきた。
刹那
___ゴシャハギの振り下ろされた氷の刃が粉々に砕け散ると同時に顔面の甲殻に傷が走り、全身に斬撃が刻まれた。
「グラァァァァ…!!」
ゴシャハギは悲鳴をあげると、顔面を押さえながら地面に倒れる。
「今だッ!!」
『おぉ!!!』
フゲンは辺りの者へと合図を送る。合図を受け取ったハンター達は倒れたゴシャハギの周囲から武器を構えると次々と攻撃を加えていった。
「オラァァァァ!!!」
中でもハンマーを扱う上位ハンターは次々と傷ついた後ゴシャハギの顔面へとその鎚を叩き込んでおり、打ち付けられる度にゴシャハギの脳内を揺らし、スタミナを奪っていった。
そして、百竜刀を構え直したフゲンも攻撃に加わる。
「気炎万丈ッ!!!!」
寄る年波を感じさせない程の筋骨隆々な身体で振られた刀は分厚い体毛を纏っているにも関わらず次々とゴシャハギの身体へ傷を刻み込んでいった。
「一気に畳みかけるぞ…!!」
「あいよ!!」
その言葉と共にフゲンと1人の太刀使いのハンターは息を合わせると、ゴシャハギの身体に刀を突き刺すと同時に引き抜き、その場から大きく跳躍する。
『『二重兜割』』ッ!!
2人同時に振り下ろされた渾身の一振りがゴシャハギの身体に無数の斬撃を浴びせていった。
「グロォォオオ!!!」
だが、奴は上位個体。傷を覆い血を吐きながらも即座に立ち上がる。
「やはりタフだな」
立ち上がったゴシャハギは剛腕を交差させると、自身の息を吹き掛け、ゆっくりと刀を引くかの様に腕を左右に開く。
すると、先程とは異なり、両腕に氷の刃が形成された。
「ふん。何度でもその氷の刃など砕いてくれよう…!!」
対してフゲンは再び水月の構えを取る。
だが、忘れてはいけない。兵器やガンナーの援護組がいる事を。
「アハハハハ!!」
高台に立っていたヨモギは下衆な笑みを浮かべると持っていたガトリング銃を展開して次々と弾丸を倒れ臥すゴシャハギに向けて射出する。
「ヨモギに続くのだッ!!!!」
ハモンの指示に援護組は頷き、次々とバリスタを投射していく。
「ゴラァァァァ!!!」
次々と突き刺さるバリスタに弾丸。腕に形成された氷の刃が破壊され、ゴシャハギは悲鳴を挙げていく。すると、その悲鳴が決めてとなった。
「撃ち方やめ!!」
ハモンが手を挙げて皆を静止させる。見ると先程まで殺気を放っていたゴシャハギの身体が元来た方向へと向けられており、脚を引き摺りながら撤退していった。
【撃退成功】
「うむ。まずは上々。皆の衆よ!!よくやった!!他の3体へ援護に向かうぞ!」
『『おぅ!!!』』
フゲンの言葉に頷いたハンター達は武器を研ぎ直し、残りの3体の撃退へと向かった。