薄明と双子の姉妹 (リメイク中)   作:きょうこつ

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白銀の双舞

「ふふ。この地方のリオレウスとリオレイアを相手するのは初めてだな」

目の前で空を舞うリオレウス。そして、地面に立ち、こちらを警戒するリオレイアを見ながらエスラは首を回す。

 

「リオレウスの撃墜は私達に任せてくれ。ゲンジとシャーラはリオレイアを頼む」

 

「あぁ」

「任せて」

ゲンジとシャーラは双剣を構えると、リオレイアに向けて走り出す。

 

エスラはライトボウガン『鳳仙火竜砲』を構えると、雷撃弾を装填する。ミノトのランスからタツマキが発生することを知っていた為にもしも火球が飛んできた際は防ぐ術がないのでミノトを残す事に決めたのだ。

 

2人が向かう姿を見送ったヒノエは自身の獲物である弓を構える。

 

「初めてですね。貴方の狩りを見るのは」

 

「お互い様だ。君達の弓の腕もランスの腕も拝見させてもらう」

 

3人は狙いを空高く舞うリオレウスに絞る。そんな中で、エスラは狙いを定めながら2人に伝える。

 

「それとだ。ゲンジとシャーラのコンビネーションは見物だ。見れたら見た方がいいぞ」

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

「姉さん。腕鈍ってねぇよな?」

 

「勿論」

 

銀の装備を纏った2人は目の前にて首を前に突き出しながら咆哮するリオレイアへと向かっていった。

 

シャーラは右へ。ゲンジは左へ。左右両方共 バラバラになった事でリオレイアは目標を一つに絞る事しかできなくなった。

 

成熟個体であるリオレイアの鋭い目線が自身から見て右を走るゲンジへと向けられた。その理由は簡単だ。自身に対する殺気が付近にいるどのハンターよりも群を抜いていたからだ。

 

「ギャォオオオオ!!!」

リオレイアは体内の爆炎袋から炎を生成し、喉元に装填する。そして、狙いを定めると、自身の周りを走るゲンジに向けて火球を吐き出した。

放たれた火球はゲンジに向かっていく。

 

それに対してゲンジは走行を中止すると、双剣を構え、両手で右から左へと水平に振り回し、その際に生じた反動に乗るように右へと跳躍し、その炎を避ける。

 

だが、リオレイアも馬鹿ではない。避けられる事を予想していたリオレイアは更に火球を吐き出す。

 

 

更にそれを予測していたゲンジ。今度は逆方向へと双剣を振り回し、それと共に跳躍すると再び吐き出され自身に向かってくる火球を避けた。

 

「グルル…!!」

避けられた事に腹を立てたリオレイアは口の中を炎で充満させると、更に火球を放つべく、口を開く。

 

 

その時だ。

 

左右にコマのように回転する刃がリオレイアの背を沿うように斬り刻んだ。

 

「ギァアァアァア!」

突然の背中に走る痛み。血が噴き出すと同時に弱点である雷属性の電撃による筋肉への痛撃にリオレイアは悲鳴をあげる。

それでもリオレイアは怯まず再び目の前にいる敵に目掛けてブレスを吐き出そうと炎を溜める。

 

だが、そこにはもう先程の敵であるゲンジの姿は無かった。

 

 

「!」

 

その目を離した瞬間 脚に痛みが走りだす。それと同時にリオレイアの体勢が前のめりになり、地面に崩れ落ちた。

 

地面に倒れたリオレイアに向けて、再び斬撃が襲う。

 

「ギャァォ!?」

それは自身の翼膜の端から端へと伝わってくる。そしてその直後に今度は尻尾の先端部分から斬撃が走り、堅殻を次々と斬り刻んでいく。

辺りには血と剥がされた堅殻が次々と落ちていく。

 

すると、リオレイアの顔の前に斬撃を浴びせていた正体が降り立った。

 

そこに立っていたのは双剣を逆手で持つゲンジだった。

リオレイアを斬り刻んだのは彼だった。ゲンジは先程、リオレイアが自身から目を離した隙を突き、リオレイアの股の脚と脚の間に向けて走り出し、身体を回転させて両脚を斬りつけたのだ。リオレイアが倒れたのはそれが原因だ。

 

顔の前に着地したゲンジは再び身体を回転させてリオレイアの身体に向けて刃を振るう。

 

更に続くようにもう一つの影がその場に降り立った。

シャーラだった。彼女はリオレイアの目がゲンジに向けられている隙に壁を走り、そこから飛び出してリオレイアに向けて斬撃を当てたのだ。すなわち、先程のブレスを妨害したのは彼女だった。

 

「いいね。ゲン」

 

「姉さんもな」

 

2人は双剣を構えると再び飛び出して回転する刃と化す

 

「いくよ」

 

「あぁ」

そして、次々と周囲360度から倒れるリオレイアに向けて斬撃の嵐が浴びせられていった。

辺りから襲う斬撃はリオレイアの各部位である顔面と身体の堅殻、そして翼爪、上棘を次々と破壊していった。

 

いや、それだけでは終わらない。斬りつけて行く度に弱点属性である雷属性が動きを鈍らせると同時に各部位に蓄積された爆破属性が一気に一定値を超えていき、連鎖するように爆発し連爆の華を咲かせていった。

 

 

【白銀爆雷ノ双舞[はくぎんばくらいのそうぶ]】

 

 

「ギャァァァァ…!!!」

 

リオレイアは傷を覆い、苦痛の声を上げる。すると、その声を聞いたゲンジは再び斬撃を浴びせようとするシャーラを止めた。

 

「姉さん。もう十分だ」

「おっけー」

 

2人の双剣の乱舞が止まると、倒れていたリオレイアは状態を起こし、傷だらけの身体を引き摺りながら上空へと飛び立つと、番であるリオレウスがまだいるにも関わらず、元来た道へと逃げるように引き返していった。

 

【圧勝】

 

6体の内の2体が見事に撃退された事で、辺りにいる皆は次々と士気が上がっていった。

 

「やったね。ゲン」

 

「いや、まだ1匹残ってる」

 

2人の双眼がヒノエ達によって撃墜させられたリオレウスに向けられる。

 

 

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