薄明と双子の姉妹 (リメイク中) 作:きょうこつ
一気に雪崩れ込んでくる4体の竜。中でもナルガクルガは迅竜と呼ばれており、その名の通りスピードを生かした戦法を得意としていた。
「グァァァァァァァッ!!!!!」
「…!!」
鳴り響く咆哮が耳を刺激し、皆は耳を塞ぐ。ナルガクルガの咆哮は耳鳴りが凄まじく、付近で聞けば耳を塞がずにはいられなかった。
咆哮が鳴り止むと4体は一斉に進軍を開始する。
「俺とシャーラ姉さんはナルガクルガをやる。フゲンさん達はジンオウガを頼む」
「分かった…!」
フゲン達は発光するジンオウガに向かっていった。
「エスラ姉さん達はタマミツネを頼む!!アンジャナフはナルガクルガが片付き次第俺たちがやる!!」
「あぁ!任せろ!」
そして、残ったゲンジとシャーラの目の前にはこちらを見据えるナルガクルガの姿があった。目は赤く発光しており、見るものを威圧させる。
「ギィエェエエエ!!!」
すると、ナルガクルガは唸り声を上げながら尻尾をしならせると、先端部分から数本の針を射出していきた。
ナルガクルガの特徴の一つ。尻尾には一度刺されば抜くのは難しいとされている強靭な針が仕込まれているのだ。
向かってくる針をゲンジとシャーラは横に跳躍する形で避ける。
「…シャーラ姉さん。速攻で片付けるぞ」
「うん」
針の射出を回避した2人は即座に武器を構えた。
その瞬間 ナルガクルガは目の前にいるものを敵と判断して、直接排除すべく前脚を前に出しながら襲いかかって来た。
「…!!」
真正面からの突進。だが、それはあくまでフェイントだ。ナルガクルガは知能も持ち合わせており、持ち前の瞬発力を生かし、寸前での動作変更を可能としていた。
その技にどれほど多くのハンター達がダメージを負わされた事だろうか。
防ぎ用がない。
_______それを知らぬ者に限り。
「シャーラ姉さんは斜めに移動して双剣を振り回せ。思いっきりな」
「うん!」
ゲンジに言われた通り、シャーラはゲンジとは斜めに駆け出す。その一方で、ゲンジはそのまま突き進み突進してくるナルガクルガ目掛けて双剣を振り回した。
「ガルル…!!」
だが、寸前でナルガクルガは唸り声を上げると突進する動作を即座にキャンセルし、そのまま前足で飛び上がり、ゲンジの斜め背後へと回り込んだ。
その動作自体をゲンジは読んでいたのだ。
「ギィェェ!!!!」
すると背後からナルガクルガの悲鳴が聞こえた。ゲンジは即座に振り返り、双剣を構え直すと再びナルガクルガへと向かう。見るとそこにはシャーラがギロチンを振り回してナルガクルガの片目を切りつけていた。
「一気にたたみかけるぞ」
「うん」
痛みに苦しむナルガクルガ。その隙をゲンジ達は見逃さなかった。
「フッ…!!」
双剣を逆手持ちにするとその場から跳躍し、身体を回転させるとナルガクルガの頭から尻尾の先端に掛けて背を沿うかのように次々と刃を突き刺していった。
それと同時に爆破属性が発動し、黄色い爆炎がナルガクルガを襲う。
「ギィェェエ…!!!」
その爆発によってナルガクルガは更に悲鳴をあげる。それに伴いシャーラとゲンジの連撃は勢いを増していく。
「ヴォラァッ!!」
「ヤァッ!!」
ナルガクルガの鋼のような翼には傷がつけられ、針が纏まった尻尾、黒い体毛は反撃する暇も与えられず次々と破壊されていく。
ナルガクルガは攻撃力や瞬発力が突出して高く厄介なモンスターではあるが、その反面、体力が平均よりも少なく、隙をついて総攻撃を仕掛けられればすぐに瀕死となってしまうという弱点が存在していた。
それは上位個体でも同じだ。
叫び声を原動力に2人の速さは更に加速していく。辺りから次々と2人は双剣でナルガクルガの身体を斬りつけて行った。片耳、尻尾、翼には更に傷が刻まれていく。
「ギィェェ…」
すると、ナルガクルガは弱々しい声を上げた。その声を聞いたゲンジとシャーラは乱舞の手を止める。一瞬の隙を突いた総攻撃が決め手となったのだ。
辺りから攻撃が来ないことを悟ったナルガクルガは身体を方向転換させて傷だらけの身体を引きずりながら元来た道へと引き返していった。
「ふぅ…」
その様子を見届けたシャーラは息を吐くと、着地したゲンジの方へと顔を向けた。
「よし…ゲン!やった……!!」
これですぐにアンジャナフに向かう事ができる。作戦が順調な事にシャーラは笑みを浮かべていた。
その瞬間
「…え?」
ゲンジの身体が突然死角から放たれた水のブレスによって吹き飛ばされた。