薄明と双子の姉妹 (リメイク中)   作:きょうこつ

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飛翔するヌシ『リオレウス』

「あ…そんな…!!」

目の前にあるのは放たれた業火によって、破壊された関門とその傍らで燃え盛る炎。

 

すると、その燃え盛る炎の中から突然黒く巨大な影が起き上がった。それはゲンジと共に炎に焼かれたアンジャナフだ。直撃を受けたアンジャナフは起き上がり、まるで逃げるように関門とは反対方向へと走っていった。

 

「く…!!」

アンジャナフの撃退との引き換えにとんでもないモンスターが現れてしまったのだ。そのモンスターはゲンジを炎に飲み込んだ元凶であり、自身らの目の前を悠々と翼をはばたかせながらこちらを見つめていた。

 

『ヌシ リオレウス』

 

現れたヌシはなんと空の王者であるリオレウスだった。だが、通常種と異なり、翼が一回り大きい上に赤く輝く両目付近に切り傷、更に喉が赤熱しながら発達していた。

 

「よくもゲンを…!!!」

双剣を握り締めたシャーラは高台から飛び降りると、ヌシリオレウスに向かい駆け出した。

 

「待てシャーラ!」

咄嗟にフゲンは止める。だが、噴火寸前であったシャーラは止まる事はなかった。目元からは筋が湧き立っており、目も毛細血管が見えてしまう程まで血走っていた。

 

フゲンの静止も聞かず、シャーラは双剣を逆手持ちにし、着地してきたリオレウスに向かっていった。

 

「…!!」

フゲンは目を疑っていた。シャーラの身体からは先程のゲンジと同じ色のオーラが溢れ出ていたのだ。そのオーラの激しさは次々と増していく。

 

「デヤァァァァァッ!!!!!」

雄叫びを上げながらシャーラは脚を踏み込むと跳躍するとリオレウスに向けてギロチンを振り回した。

 

「グルル…!」

対してリオレウスはその振り回しを翼を羽ばたかせ、飛ぶ事で避ける。

 

「クソ…!!!」

 

避けられた事でシャーラは舌打ちする。

 

「シャーラ!離れていろ!!」

 

「姉さん!?」

突然、近くの高台からエスラの声が響き、シャーラは振り向く。見るとそこには覇竜砲の台に座るエスラの姿があった。巨大な砲台は飛翔するリオレウスに標準を合わせていく。

 

「ヌシは少し観察して見たかったが…ゲンジを攻撃した以上その気は失せてしまったよ…!!」

覇竜砲を操作するエスラの表情はシャーラと同じく怒りに包まれていた。その両端にはヒノエとミノトもおり、ヒノエの指示のもと、エスラは砲台を操作していた。

 

一方で、空中へと飛んだリオレウスはシャーラに向けて口を開けると、口内から再びブレスを放った。

 

 

「!?」

シャーラは咄嗟に駆け出し、放たれたブレスを避ける。その威力は通常種とは比べ物にならず、近くに設置してあった高台が粉々に吹き飛ばされる。幸いにも誰も人がいなかった事で大事には至らなかった。

そして、シャーラはすぐさまエスラの指示の元、リオレウスから離れる。リオレウスは射的のようにその場でホバリングをしながら逃げるシャーラに向けて次々とブレスを吐き出していく。

 

ホバリングというその場に停止している絶好のタイミングをエスラ達は見逃さなかった。

「今です!!」

 

「あぁ…ッ!!!」

標準を定めたエスラは両手でレバーを引く。

 

「覇竜砲 発射ッ!!!」

 

 

その瞬間

 

 

巨大な砲音と共に特大の砲弾がホバリングしているリオレウス目掛けて放たれた。

 

そしてリオレウスは砲弾の音が聞こえた直後にようやく気づいた。気づいた時にはもう砲弾が近くまで迫ってきていた。

 

放たれた砲弾がリオレウスに直撃した瞬間 辺りの音を掻き消すほどの巨大な爆音と共にリオレウスの身体が大爆発を起こし、爆炎の中に飲み込んだ。その威力は凄まじく、その場に風圧を発生させていった。

 

「…!」

その風圧にシャーラは顔を腕で覆いながら持ち堪える。その風圧はすぐに収まり、見ると空中には爆発した際に生じた黒い煙が固まっていた。すると、その黒い煙の中から身体中から煙を出すリオレウスが地上へと落下してきた。

 

「シャーラ!今だ!!」

 

エスラの声に再びシャーラは双剣を構えると、駆け出し、跳躍すると身体を回転させ、倒れ臥すリオレウスの身体に次々と双剣を振り回していった。

 

「許さない…絶対…!!!」

逆手持ちにした双剣を振り回し、倒れ臥すリオレウスの全身へと傷を入れていく。雷属性を纏ったギロチンがリオレウスの身体へと電撃を入れていく。

その速度はゲンジには及ばないが、それでも常人を覆す程の速度であり、斬撃の嵐は止まる様子を無かった。

 

「ゼヤァァァァァッ!!!」

そして、シャーラは飛び上がると最後の一振りを顔面へと放った。

 

 

「………」

地面へと着地するシャーラ。だが、その表情からはまだ怒りと警戒が消えてなどいなかった。再びリオレウスに顔を向けるとギロチンを構える。

 

すると

 

「グルル…!!!」

凄まじい唸り声を上げ、赤熱した目を向けながらゆっくりとリオレウスは立ち上がる。

 

多少はダメージを与えたようだが、それでもヌシと呼ばれる程まで力をつけたリオレウスは簡単には瀕死には至らない。

 

「来い…!!その全身をズタズタに引き裂いてやる…!!!」

向かい合うシャーラの身体からは濃密なオーラが滲み出ていた。すると、その隣に同じく全身から歴戦のハンターたるオーラを纏うフゲンが立つ。

 

「俺も行こう…!!」

 

それに続くように先ほどまで戦意を喪失していたハンター達も並ぶ。

 

「俺たちも…!!」

 

「アイツにばかりいい格好させられねぇ!」

次々と辺りのハンター達が並び、エスラやヒノエ達も武器を構えていく。先程の恐れる声はどこからも聞こえる事はなかった。

 

その時だ。

 

「ヴォォォオオァアァアァアッ!!!」

 

『『『!?』』』

 

最後の燃え盛る炎の中からリオレウスに勝るとも劣らない程の激しい咆哮が聞こえ、人影が現れる。

 

「…!」

その人影を見た瞬間 シャーラは目から涙を浮かべ口を開きゆっくりと名を紡いだ。

 

「…ゲン…!!」

それに答えるかのように顕となった人影は炎を払い除けるかのように手を水平に振り払う。

 

すると、その場を燃やし続けていた爆炎が一瞬で晴れ、中からシルバーソル装備の銀色の輝きを放ちながら歩いてくるゲンジの姿があった。

 

「ゴルル…!!」

その姿を見た瞬間 ヌシであるリオレウスが一歩脚を後ろに下げた。まるで恐れているかのように。

 

シャーラ達に向かって双剣を持ちながらゆっくりと歩いてくるゲンジ。ゆっくりと俯いていた顔があげられていった。

 

「お前…喰っテやルよ…ッ!!!」

『『『…!?』』』

リオレウスに向けて放たれたその言葉が響いた瞬間 シャーラだけでなく辺りにいた者達は背筋が凍りつく。

 

「ゲン……その目は…!」

シャーラの目が震えながら大きく開かれると同時に流れていた涙が止まり、それと引き換えに額から冷や汗が流れていた。

 

 

その理由は簡単だ。防具の隙間から見えるゲンジの目が

 

______血のように赤く染まっていたからだ。

 

 




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