薄明と双子の姉妹 (リメイク中) 作:きょうこつ
「あ!おーい!ゲンジさ〜ん!!目が覚めたんだね〜!」
広場へと着くとヨモギやコミツ。そしてイオリ達の里の子供達が手を振りながら出迎えていた。
その中には里の和服を纏ったエスラやシャーラもいた。
更に。
「ニャァァァ!ゲンジ!目が覚めたんだニャァ!!!」
「ワンワン!!」
「ぶへぇ!?」
里に残り支援担当へと回っていたミケとハチが大喜びしながら駆け寄ってきた。ミケはゲンジの胸に飛び込み、ハチは大きな口を開けてゲンジの頭へと噛みついた。
「いでででて!?おい噛むなバカ犬!!」
「ワンワン♪」
ゲンジの声に耳を傾ける事なくハチは嬉しそうに尻尾を振りながら頭に牙を食い込ませる。次々と血が滴り落ちてきた。
「ゲンジさん血!血!わかる!?血が出てますよ!?」
咄嗟にイオリは包帯を取り出した。
◇◇◇◇◇◇
それから2匹は落ち着きを取り戻した。
「ミケとハチにはすまなかったな。今回は俺のわがままに付き合わせちまった」
今回、この2匹に加えてイオリが管理するアイルーとガルク達は里の皆の手助けとして里に残り支援をしていたのだ。ゲンジは当初 2匹とも連れて行こうと考えていたが、そうなれば里に何かあった時に大変である。故にゲンジは残る様に頼んだのだ。
「気にするなニャ!不完全燃焼だったニャ。けど、里が無事ならそれでいいニャ!」
「ワン!」
ハチに乗りながらミケは腰を掛けるゲンジに向けて手を上げて応えた。
「それよりさ。傷は大丈夫なの?今回も凄く酷かったんだよ」
ヨモギが腰を下ろし自身に目線を合わせながら聞いてくる。それに対してゲンジは傷口に巻かれた包帯を突つく。
「問題ねぇ。多少は痛むがな。まぁあと一日もすれば治る。そうだ。協力したハンター達はいるか?」
「いや、それがね」
ゲンジは里を見渡す。あの3日間の内に百竜夜行に協力してくれたハンター達はまだ残っている者もいるが、大半が既に次の目的地へと旅立って行ってしまっていた。
「そうか。一応礼だけは言っておきたかったんだがな」
すると、それに対してシャーラが答えた。
「逆に皆が言ってたよ。お陰で目が覚めたし自信も持てた。本当にありがとうって」
その言葉にゲンジは驚いた。まさかあそこまで積極的では無かった者達が終わった後にそんなに変わってしまうとは。
「俺はただ本心を言っただけなんだがな」
「それが旦那様の凄い所なんですよ」
驚いていると突然 目線が上がり、脚も地上から離れる。振り返らなくても声だけでわかる。
「もうそろそろこれ止めろよ。ヒノエ姉さん」
「いいじゃありませんか」
愛も変わらずニコニコと笑みを浮かべながらヒノエは自身を抱き上げていた。まぁ、今日だけは彼女の言いなりになってあげてもいいだろう。すると、彼女の手がほどかれ、降ろされる。ヒノエは里の子供達が集まっているのを確認すると手を叩きながら提案した。
「今日は久しぶりに里の子供達と遊びましょうか!義姉さんもシャーラも一緒に!」
「義姉さんって呼ぶな!……まぁ偶にはいいだろう」
「私も」
『『『わ〜い!!』』』
エスラとシャーラは同意しその輪に入る。百竜夜行によって恐怖に怯えながらも支援を尽くした子供達は陽気な喜び声を上げた。
「エスラさん!希少種の話も聞かせてね!」
「勿論だとも!!」
既にエスラは子供達から大人気である。この地方にはいない希少種という種類のモンスターに子供達は興味津々である。
「ゲンジさんも遊ぼ遊ぼ!」
「偶には息抜きも必要ですよ!」
その輪に引き込むかの様にヨモギとイオリはそれぞれでゲンジの右手と左手を引いた。
「何故俺まで…おい」
それについてゲンジは混ざらず立ち去ろうと考えていると、自身の肩にヒノエの手が置かれていた。そしてそのままイオリたちが引っ張る方向へと押していく。振り向きながら止める様に言ってもヒノエはニコニコとしながら止まる様子を見せなかった。
「……今日だけだぞ」
ゲンジはやれやれと溜息をつきながらも、今日だけは皆と息抜きに遊んでもいいと考え、そのまま皆の輪へと混ざった。
その後 里の子供達と共に昔を思い出しながらトラウマとなっているかくれんぼや鬼ごっこに興じた。
まるで子供の頃に戻ったかのように。
※ちなみに徐々にミケとハチの出番は減っていきます。
ミケ「ええぇ!!??」
ハチ「ガゥゥ!!??」