薄明と双子の姉妹 (リメイク中)   作:きょうこつ

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晴れて行く心

「貴方のその選択はただの無責任。何一つ正しい事などありません」

 

ヒノエの冷徹な言葉が自身に突き刺さり今までの行動への後悔の念が生まれてくる。

 

「……なら…俺はどうすれば良かっだんだよ…」

 

思い出すは目覚めた瞬間にマルバ達へと向かって行く自身の姿。起きた瞬間だけまだ微かだが理性は残っていた。あの時、自身はどんな選択をしていたら正しかったのか。

もう過去は変えられない。過去の自身の選択が間違ってしまったのならば、これから自身はどうすればいいのか。

 

里を出る?いや、それはもうできない。先程のヒノエの言葉により未来を鮮明に想像してしまった途端にその気力が消え失せ、残された唯一の道が断たれてしまった。

 

もう何も分からない。残るのはただの『迷い』だけ。次々と不安が膨れ上がってくる。

 

「これから…どうすればいいんだよ…!!」

 

 

 

 

「その為に私達がいるのですよ」

 

その言葉が聞こえると共にヒノエの透き通った白い腕の手の平が俯く自身の包帯が巻かれた左頬へと当てられた。

 

「力では勿論、私達では役不足でしょう。ですが心は皆同じ平等です。心が折れそうな時は誰かが側で支えなければいけません」

 

その手はとても暖かく包帯が巻かれた自身の頬を温めていった。ゲンジが顔を上げるとそこには先程とは違い いつものように優しい笑みを浮かべているヒノエの顔があった。

 

「貴方が百竜夜行に悩む私達を見捨てなかった様に私達も迷う貴方を決して見捨てたりはしません。今回のような事があれば私達は迷わず貴方を…力ずくでも引き止めます」

 

「ヒノエ…姉さん…」

その笑顔を見る度に段々と心が落ち着きを取り戻していき重くなっていた身体が軽く感じるようになっていった。

 

「人を殺めそうになったとしても…里の皆に嫌われしまう不安に駆られた時も…一人で背負い込まず必ず私達に話してください。私達2人は貴方の妻なのですから決して見捨てなどしません」

 

そう言いヒノエの手が重なるようにゲンジの手を包み込んだ。

 

「だから…今度はこんな無茶な真似はやめてくださいね?」

 

「その所為で貴方が罪を背負えば悲しむのは私達なのですから…」

 

「ミノト姉さん…」

ヒノエに続くようにミノトも身を乗り出しゲンジの手を両手で包み込んだ。二人の琥珀色の瞳は優しく輝きながら自身の青い瞳を見つめていた。

その瞳に見つめられると心の中に渦巻いていた不安が少しずつ和らいでいった。

 

「ごめん…」

ゲンジは涙を流しながら何度も何度も二人に謝罪の言葉を口にした。それに対して二人は何も答えずただ彼の身体を包み込むようにして抱き締めた。

 

彼の身体が震える中 ヒノエは彼の耳元で小さく囁いた。

 

「あの時は私達を助けてくれて本当にありがとう…」

 

自身と妹を身体に傷を負ってでも助けてくれたゲンジに対してヒノエは心から感謝の気持ちを伝えた。

そしてそれはミノトも同じであった。

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

その後

落ち着きを取り戻し心の中の重荷が無くなると、ゲンジはミノトにあの時助けることが出来なかった事に対して再び頭を下げた。

 

「ごめんミノト姉さん…あの時は守ってあげられなくて…」

 

「もう大丈夫ですよ。お気になさらないでください」

頭を下げられたミノトは首を横に振りながら無事である事を伝え頭を撫でる。

 

「ヒノエ姉さんも約束守れなくて本当にすまなかった…この償いは必ずする…」

 

「気にしないでください。過ちは誰にだってありますよ」

ゲンジは約束を破る主義ではないにも関わらず、今回はそれに反した行動をとってしまった。故に深々とヒノエに頭を下げる。

 

「…いま、償うと仰りましたよね?」

そんな中 『償う』という言葉にヒノエは反応し先程よりも更に明るい笑顔を見せた。

 

「でしたら、私の我儘を二つほど聞いてもらいましょうか♪」

 

「それぐらいはする……うわ!?」

 

突然ヒノエの身が自身に向けて乗り出し再びベッドの上へと押し倒された。

 

「私からもお願いします…」

 

それに続くかのようにミノトも身をヒノエに押し倒された自身の身の上に乗り出した。

 

 

「旦那様……」

「いいですよね…?」

押し倒された自身の上から二人の赤く染まった頬と揺れる琥珀色の双眼が自身を見つめながら伸ばされた腕が自身の両頬を撫でていく。

 

「うう……わ…分かったよ……」

 

頬を赤く染め上げながらもゲンジは覚悟を決めて二人の願いを聞き入れた。

 

◇◇◇◇◇

 

ガチャ

 

 

後処理が済んだエスラは様子を見るために医務室に向かい、扉を開けた。

 

「おいゲンジよ。お説教は済んだか?反省したら今夜はお姉ちゃんが抱いてあげ……ふんぎゃぁぁぁ!!!!」

 

扉を開け、目の前に広がった光景を目にした瞬間エスラは驚きのあまり髪の毛を逆立てながら絶叫してしまう。

 

そこには部屋に置かれている患者用のベッドの上で布団を被り、布一つ纏わず裸で抱き合いながら眠る3人の姿があった。

 

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