私のヒーローアカデミア~ねじれちゃんの妹は最強?です~   作:レイラレイラ

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投稿遅れてごめんなさい!

たまに投稿出来ない時があるので気長にお待ちください

時系列的に前話がすぐるが中1の時で、今話は中2と中3の間ぐらいです

すぐるの渾名の表記ですが、スグ←としたいと思います



幼なじみの訪問

 

ピンポーン!! 

 

「っ!!」

 

 自宅のインターホンが鳴り響き、すぐるはビクッと身体を震わせるがすぐさま受話器を取りにリビングに降りる。

 

 数秒と経たずにリビングに到着、と同時に受話器を取り耳に充てる。

 

「ど、どちら様ですか?」

 

「俺だ」

 

「…………オレオレ詐欺?」

 

「ちげぇ」

 

「冗談だよ~。鍵は開いてるから入っていいよ」

 

 リビングでお茶の用意をしていると、すぐると同年代らしき少年が入ってきた。

 

 右半分は雪のように白い白髪、左半分が赤髪という特徴的な髪色を持ち、端正な顔立ちをした少年の名は轟焦凍。

 

 彼のNo.2ヒーロー・エンデヴァーの息子であり、半冷半燃という強力な個性を持っている。

 

 焦凍とすぐるは幼稚園の頃からの幼なじみで、ほぼ毎日と言ってもいいほどの頻度ですぐるの自宅を訪れている。

 

 周囲がすぐるを人殺しだと白い目と心ない言葉をぶつけるなか、焦凍だけが味方になり庇ってくれたのだ。

 

 幼稚園はおろか学校にも行けなくなったすぐるを気にかけ、個性の制御や勉強を共に行っている。

 

 もっとも勉強の方は学校に通っていないはずのすぐるの方が高く、気まぐれに偏差値を計ったところ九十を越えていた。

 

 そして気づいたときには、すぐるにとっても焦凍は家族のようなものになっていた。

 

 慣れた所作で適当な椅子に腰かけると、持参していた箱をテーブルにおいた。

 

「そ、それって……!」

 

 その箱を目にしたすぐるは瞳を爛々輝かせており、今にもルパ○ダイブをかましそうなほどにだらしない笑みを浮かべている。

 

「ああ、こないだ言ってたケーキ屋な。ついでだから買ってきた」

 

「わぁ…………!! 焦凍君ありが…………あちちっ!」

 

 転移系個性でも使っているのかとツッコミたくなるほどの高速移動に呆気にとられそうになったが、焦凍はボッと左腕から炎を出してすぐるの動きを制する。

 

「まだ早ぇ。こいつを食べるのはリハビリの後だ」

 

「うぅ…………焦凍君の鬼ぃ…………」

 

 涙混じりに抗議するすぐるを横目に、焦凍は立ち上がりすぐるの眼前まで近づくと右手を差し出した。

 

「すぅ…………はぁ……。…………よしっ」

 

 深呼吸の後、おそるおそるではあるが差し出された右手を包み込むようにして掴む。

 

「…………」

 

 リハビリとはすぐるの()()に対してのもの。

 

 すぐるにねじれ以外の者が触れると、個性事故が起きた当時のことを思い出してしまうからだ。

 

 その状態で待つこと数分。

 

 発作がやってこず、すぐるはホッと一息をつく。

 

 リハビリ開始当初こそ触れることは叶わなかったが、何度も繰り返していくことで親しい者であれば発作は現れなくなった。

 

「大丈夫か? 苦しくなったりしてないか? 俺はちゃんと見えてるか?」

 

「…………うん、大丈夫みたい。それじゃあ次行こっか」

 

 すぐるは手を繋いだまま焦凍を伴い、玄関へと向かう。

 

 玄関に辿り着くと焦凍の手を離し、ドアノブに手を掛ける。

 

 扉を開こうとぐっと力を込めた刹那──────

 

 

人殺し!! 

 

「!!」

 

 

こっちに来るな人殺し!! 

 

 

こいつに触られると死んじゃうぞ!! 

 

 

うちの娘に触れないで!! 

 

 

 蘇る過去の記憶(トラウマ)

 

 人殺しのレッテルを貼られ友達だったはずの子供たちからの直接的な非難の声、大人たちの強い迫害に近い仕打ち。

 

 

「はぁ…………はっ…………違うよ、私はただ守りたくて…………」

 

「スグ」

 

「焦凍…………君……」

 

 焦凍の声に意識を引き上げられ、乱れていた息が徐々に落ち着いていく。

 

 もう罵倒の声も聞こえなければ、焦凍以外にすぐるを見るものはいない。

 

「大丈夫か? もう今日は……」

 

「…………嫌」

 

 焦凍がすぐるの身を案じ、リビングに戻そうとするとすぐるはそれを拒んだ。

 

 すぐるの顔色は真っ青を通り越して真っ白になり、呼吸は大きく乱れ見ていて痛々しい。

 

 それでもすぐるには諦めの文字は浮かんではいなかった。

 

「私ね…………雄英に行きたいんだ。そうすればもっとお姉ちゃんと一緒にいられるでしょ?」

 

「それだけじゃねぇだろ。お前がヒーローになりたい理由」

 

 見抜かれていた。

 

 お姉ちゃんと一緒にいられる時間を増やしたいというのも偽らざる本音だが、もうひとつだけねじれにも言っていなかった理由がある。

 

「このご時世、個性の悩みを抱えてる人はいっぱいいる。誰かを怪我させちゃった人も、個性を持て余してる人も。(ヴィラン)が原因で命を落とす人もいる。私みたいな人を出したくないから…………だから、私はヒーローになりたい!!」

 

 扉が壊れそうなほど勢いよく開かれ、すぐるの身体は外へと躍り出る。

 

 ガタガタと震える足は今なお恐怖に囚われている証拠。

 

 顔色にも変化はなく、焦凍が急いで連れ戻そうとしたが急遽動きを止めた。

 

「…………スグ?」

 

 雄英高校の制服に身を包んだ波動ねじれが、涙をぼろぼろと溢しながらすぐるを見ていたのだ。

 

「お姉ちゃん?」

 

「スグ!!」

 

「わぷっ」

 

 ねじれはカバンを放り投げ、すぐるを目一杯抱きしめた。

 

「一人で外に出れたんだね!! すごいよスグ!! おめでとう!!」

 

「お姉ちゃん苦しい…………」

 

「ご褒美にいっぱいギューしてあげる!! その次はお風呂一緒に入って、添い寝もしなきゃ!! それからそれから…………」

 

 

 姉の温もりを全身で感じながら、すぐるの意識は達成感と幸福感に満たされながら深い眠りに落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──────三日後。

 

 

 

「もう焦凍君来てるよ! ほらほら急いで!」

 

「まだちゃんと制服着れてないから!」

 

 着なれない制服に苦心しながら、十分ほどかけてようやく着替えを終える。

 

 生涯着ることはないだろうと諦めかけていた制服に気恥ずかしさと大きな喜びを感じながら、最後に髪は乱れていないか鏡でチェック。

 

 完全に過去のトラウマから抜け出せたわけではないが、それでも大きな一歩には変わりない。

 

 扉を開ける様は重苦しさなど欠片もなく、その足取りは軽い。

 

 春の陽気は暖かく、空気はとても清々しい。

 

 すぐるの髪を撫でる風もとても心地よい。

 

 すぐるはくるりと振り向き、満面の笑みを浮かべ

 

「いってきます、お姉ちゃん!!」

 

 

 

 

 ──これは誰よりも優しい少女が、最高のヒーローになるまでの物語だ。

 

 

 

 

 

 




ごめんなさい、残り二話と言いましたが次回から原作入ります

ねじれお姉ちゃんもすぐるが大好きなので何かと抱きつきます
少しでもすぐるの気持ちを和らげてあげたいという面もあります

二人の親密度
すぐる→焦凍 
幼少期(頼りない弟) 現在(頼れる弟)

焦凍→すぐる
幼少期(頼れる姉のような存在) 現在(片想い中)

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