私のヒーローアカデミア~ねじれちゃんの妹は最強?です~ 作:レイラレイラ
正直この辺は探り状態なので、これだと思えるようになるまで適度に混ぜていきます
雄英入学の日がやってきて、私の心は色々なものでごちゃごちゃになっていた。
中学に復学という名の初登校を遂げたときは皆受け入れてくれたけど、必ず今回も同じようにいくとは限らない。
ヒーローを目指す人達が集まる雄英、私みたいな存在は腫れ物扱いされてしまうのではないかという不安。
それに反して、ヒーローへの第一歩を踏み出せるという期待と喜び。
雄英の制服に袖を通してもやっぱりそれらは変わらなくて、どうしても部屋から一歩を踏み出せずにいる。
お姉ちゃんには心配をかけたくなくて先に行かせちゃったけど、今さら後悔しても遅い。
ドキドキと高鳴る心臓を押さえつけるように、自分の胸元に手を添えていると玄関の方から呼び鈴の音が鳴り響いた。
気がつけば足の震えも止まって、心臓の鼓動もだいぶ和らいでいた。
急いでリュックを背負って玄関に向かって扉を開けると、焦凍君が私と同じ雄英の制服を纏って立っていた。
「おはよー焦凍君! どうかな? この制服、似合ってる?」
「ああ。よく似合ってる。…………あと、大丈夫か? お前のことだから顔には出さねぇけど、ずっと不安だったんじゃねえか? ねじれ先輩からメールが来てな、お前が出てくるまで待ってるつもりだったんだがつい呼び鈴を鳴らしちまった。悪ぃ」
「焦凍君…………」
やっぱりお姉ちゃんは気づいていたんだ。
それでわざわざ焦凍君にまで連絡して、焦凍君も私を心配して直接呼び出してくれたんだ。
ずっと昔から気遣ってくれてる焦凍君に、私は本音を吐露する。
「実はね…………私、さっきまで怖かったんだ。ちゃんと受け入れられるのかなとか、ヒーローになるために頑張れるんだっていう期待で私の中はぐちゃぐちゃだったの。でも、焦凍君のお陰であんまり気にならなくなっちゃった。だから…………ありがとね、焦凍君」
「…………そうか。そもそも俺もいるし、ボッチになるってことはねぇだろ。それに、今のお前なら人気者になってもおかしくねぇと思うけどな」
「私が人気者に? それはないと思うけどな~」
これはすぐるの預かり知らぬところではあるが、実際には中学の頃は三年生のマドンナ的存在であった。
二年間不登校だったクラスの女子がとても美しい顔立ちにプロポーションを持った存在だと知った男子達は、それはもう跳び跳ねるぐらいの勢いで喜んだ。
男女や学内外を問わずすぐるの噂は伝播し、大規模なファンクラブが出来上がるほどだったのだ。
当然告白をしようとする男子も後を絶えなかったわけだが、そこは焦凍セコム。
焦凍という美男子が常にすぐるの隣にいることで結果的に告白を妨害、かつ女子の間から二人は付き合っているという噂が流れ過度な接触はよそうという雰囲気が一ヶ月ほどで完成していた。
それを知っているのは身内では焦凍とねじれのみであり、二人はすぐるには知られないように胸のうちに秘めることにしたのだ。
「でも…………お世辞でも嬉しいよ。うん、ちょっとだけ自信出てきた! それじゃあ行こっか!」
「ああ」
そうしてすぐると焦凍は歩きだした。
それぞれの理想とするヒーローになるために。
◆◆◆◆
波動家の最寄り駅から雄英の最寄り駅に着くまで二人は手を握りっぱなしだった。
電車内は通勤ラッシュの時間帯であったためか非常に混雑しており、すぐるの身を案じた焦凍が離れないように手を繋いだ。
すぐるも焦凍の手を握り返し、端から見ればカップルにしか見えないだろう。
雄英の最寄り駅に到着したときにすぐるから手を離し、焦凍は名残惜しそうに自らの手を見つめていた。
二人は談笑しながらしばらく歩いていると、やがて雄英の校門が見えてくる。
アルファベットのHを表しているらしい校舎に着き、すぐるは焦凍と同じA組であることに深く安堵した。
「よかった~焦凍君と一緒のクラスで。知ってるひとがいるかいないかで安心感がだいぶ変わってくるもんね」
「そうだな。俺も安心したよ」
もっとも、焦凍の安心とすぐるの安心の意味はかなりかけ離れているのだが。
バリアフリーが施されているらしく、無駄に大きい扉がいくつも並んでいた。
廊下がとても広いためか、A組の教室にたどり着くまで時間がかかった。
扉の前で立ち止まり、リラックスの為にねじれの使用済みハンカチを取り出そうとしたのだが焦凍はともかく第三者の目線があることを危惧したすぐるは深呼吸に留めた。
扉を開くと、数人の視線がすぐるの方に向いた。
(大丈夫、私は一人じゃない。落ち着いて…………)
「みんなおはよー! 私は波動すぐる。何か悩み気になることとかがあったら私に相談してね! 力になるから!」
「おー、よろしく!」とそれぞれが好意的な反応をしてくれることに、すぐるは内心で胸を撫で下ろした。
「なあなあ。さっそくで悪いんだけどいいか」
子供と見紛うほど小さな体躯に、葡萄のような頭の少年がすぐるとの距離を詰め話しかけてきた。
「全然大丈夫! それで、何かな?」
一度目を伏せた少年はクワッとその目を見開くと
「お前のスリーサイズいk…………」
言葉の全容を紡ぐ前に、少年の口元までが氷で覆われしまいすぐるは困惑した。
「悪ぃ手が滑っちまった。わざとじゃねえんだ」
先に行くように焦凍に促され、すぐるは脳裏に?を浮かべながら座席表に目を通し、窓際の一番後ろの席だとわかった。
座席に向かう途中で氷漬けにされた少年に軽く謝り、数人の生徒と挨拶を交わして着席した。
クラスメートの親睦を深めるため、連絡先の交換やそれぞれの趣味についてなど様々なことを話した。
登校直前に抱いていた不安など、最初からなかったのように楽しげに話すすぐるを見て焦凍は頬を微かに緩めて微笑んでいた。
描写こそしていませんが、すぐるちゃんに対して強引に迫ろうとする強硬派もいたので峰田同様に焦凍君に折檻されてきました
もちろん峰田はすぐに解放されました