鬼滅の恋姫   作:レイファルクス

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第弐拾話

 

 

緊急柱合会議が終わり、自分の過去の暴露、そして居場所を見つけた義勇も屋敷を去り、一刀も屋敷を去ろうとすると、その腕を誰かが掴んだ。

 

 

「うふふ~、一刀さん、どこに行こうというんですか~?」

 

 

一刀の腕を掴んだのはしのぶだった。

 

 

「し…、しのぶ…?」

 

 

「一刀さん、あなたは"怪我人"であることを自覚してますか~?まだ機能回復訓練も"受けず"に引っ越したり、そのまま全力疾走したり、挙げ句の果てには万全の状態でも無いのに鬼と戦ったり」

 

 

しのぶは思い付く限りのことを一刀に言う。その笑顔は冷や汗が止まらなくなる程の暗い笑みだった。

 

 

「一体どれだけ私を心配させれば気が済むんですかね~?」

 

 

しのぶは一刀の腕にしがみつき、その豊満な胸を一刀の腕で押し潰して変形させた。一刀はその"柔らかさ"に悶絶寸前となっていた。

 

 

「なので、一刀さんはこれから蝶屋敷で回復訓練をしてもらいます。拒否権はありませんのであしからず。"あんなこと"や"こんなこと"もし放題ですよ?

 

 

しのぶの囁きに遂に我慢の限界が来たのか、一刀は鼻血を吹き出し、顔を真っ赤にして気絶してしまった。

 

 

しのぶは近くにいた隠の人に頼んで一刀を蝶屋敷へと運んでいった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

その頃、蝶屋敷では刀を研ぎ終わった鋼錢塚が件の刀を持って炭華の下を訪れていた。

 

 

「あ、鋼錢塚さん!怪我は大丈夫だったんですね!良かったです!」

 

 

炭華の下を訪れた鋼錢塚は息を荒くしており、無言で刀を差し出した。そして刀を受け取った炭華はゆっくりと刀を鞘から引き抜いた。

 

 

「ほわぁ~…」

 

 

刀身は漆黒に燃え盛るような赫色。そして杏寿郎が愛用していた鍔。更に刀身には『滅』の"一文字"が刻まれていた。

 

 

「鉄の質がいい。前の持ち主が相当強い剣士だったんだろう。これを打った刀鍛冶が全ての鬼を滅する為に作った刀だ。作者名も何も刻まずただこの文字"だけ"を刻んだ。この刀の後から階級制度が始まり、柱だけが"悪鬼滅殺"の文字を刻むようになったんだ」

 

 

後藤に促されて椅子に座った鋼錢塚の説明に炭華は驚いていた。

 

 

「あれ?でも前の戦いの時は文字が無かったような…?」

 

 

炭華は半天狗との戦いで使用した時は『滅』の文字は無かったことに気づく。

 

 

だからそれは第一段階までしか研ぎ終えてないのにお前らが持ってって使ったからだろうが!錆が落としきれてなかったんだよ!研ぎの途中で邪魔されまくったせいで最初から研ぎ直しになったんだからな!(怒)」

 

 

鋼錢塚は相当ご立腹で炭華を責め立てた。そして鋼錢塚はそのまま去っていった。

 

 

「ウリィィィィィ!」バリーン

 

 

すると間髪入れずに伊之助が窓を破って入室した。

 

 

「強化強化強化!!合同強化訓練が始まるぞ!!」

 

 

伊之助はえらく興奮した感じで『訓練が始まる』と言った。

 

 

「強い奴らが集まって稽古つけて…何たらかんたら言ってたぜ!」

 

 

伊之助の説明に疑問を持った炭華が訪ねるが、伊之助は威張りながら『わっかんねぇ!』と胸を張った。

 

 

その後、伊之助は会議から帰って来たしのぶにこってり怒られたのは言うまでも無い。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

柱稽古

 

 

その名の通り、柱より下の階級の者が柱を順番に巡り稽古をつける。

 

 

通常柱は自分の継子"以外"には稽古をつけない。その理由は『忙しい』。只これだけである。

 

 

柱は警備担当地区が広大な上に鬼の情報収集や自身のさらなる剣技向上の為の訓練、その他にもやることが多かったので、継子"以外"の隊員に割く時間が無かったのだ。

 

 

しかし鬼であり鬼殺隊員でもある『太陽を克服した鬼』、竈門禰豆子の存在が無惨側にバレて以来、鬼の出没がピタリと止んだ現在、"嵐の前の静けさ"とも言える状況であったが、そのお陰で柱は"夜の警備"と"日中の訓練"にのみ焦点を絞ることができた。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「…と言うのが今回の経緯と言う訳なんだよ」

 

 

一刀はなほと一緒に炭華に柱稽古の経緯を話していた。一刀は蝶屋敷で機能回復訓練を受けており、『監視役』と言う理由でなほが付き添っている状態だった。

 

 

「そうだったんですね…」

 

 

説明を受けた炭華は少し落胆していた。無理も無い。禰豆子は鬼の中でもたった一体しかいない『太陽を克服した鬼』なのである。しかしそのことを"隠すため"に鬼殺隊に入隊したのに、今までの苦労が水の泡になってしまったのだから。

 

 

「そう落ち込むなよ。逆に考えるんだ。『禰豆子の存在がバレたから、柱の人に稽古をしてもらえる』って」

 

 

「そう…ですね」

 

 

一刀は炭華を励まそうとするが、炭華は落ち込んだままだった。

 

 

「と…、とにかくこの柱稽古で頑張れば、禰豆子を狙う悪い男から守れるぞ?」

 

 

一刀は炭華に元気になってもらいたく色々と声を掛けるが、炭華は『心ここにあらず』な状態だった。

 

 

「兄様、そろそろ…」クイクイ

 

 

そこに一刀に付き添っていたなほが一刀の袖を引っ張る。

 

 

「分かった。炭華ちゃん、元気だしてくれよ?俺は炭華ちゃんの元気な笑顔が好きだから」ナデナデ

 

 

一刀は最後に炭華の頭を軽く撫でてなほと一緒に退室した。

 

 

「……狡いですよ……」

 

 

炭華は一刀の優しさが嬉しくてこっそり泣いていた。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「オラオラァ!遅い、遅すぎるぞ!何ちんたら走ってんだ!?もっと気合い入れろ!」

 

 

柱稽古 第一の試練

 

 

元音柱・宇随天元の基礎体力向上訓練

 

 

柱稽古は天元のしごき、"基礎体力向上"から始まり、蜜璃の"地獄の柔軟"、無一郎の"高速移動"、小芭内の"太刀筋矯正"、杏寿郎の"模擬戦"、実弥の"無限打ち込み"、行冥の"筋肉強化"、義勇の"技の見極め"、一刀の"強靭な心の会得"で終わる。

 

 

そして柱の者に関しても次から次へかかってくる隊士を延々と相手することで、さらなる体力向上が見込められる。そこから心拍数と体温を高め痣が出せるようになれば、ぼろ儲けである。

 

 

因みに蟲柱のしのぶは柱稽古には参加"しない"と事前に他の柱に伝えていた。

 

 

「もし稽古で怪我人が出れば私たちが請け負いますので」

 

 

と言う理由で参加を辞退したのだが、それは単なる建前で本当は一分一秒でも一刀を独り占めしたいがためだった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「宇随さん、お久しぶりです!」

 

 

天元の訓練を受けている隊員の中に禰豆子の姿があった。

 

 

「おぉ竈門禰豆子じゃねぇか!久しぶりだな!また上弦に出会(でくわ)したらしいじゃねぇか?よく派手に生き延びたな!」

 

 

天元と禰豆子は互いに挨拶を交わす。

 

 

「私だけの力ではきっと鬼を倒せずに無惨の所に連れて行かれたでしょうね。私が生き残ったのはお姉ちゃんたちのお陰です」

 

 

禰豆子は自分が生き延びたのは自分だけでは無く、姉の炭華たちのお陰と言った。

 

 

「そっかそっか、いい絆を繋いだな。ところで話は地味に変わるが、お前は何で稽古に参加してんだ?お館様からは"稽古に参加しなくてもいい"って言われて無かったか?」

 

 

そう、今の禰豆子は鬼に、特に無惨に狙われている立場なので耀哉から『柱稽古は参加しなくてもいい』と鴉経由で通達されていたのだ。

 

 

「確かに言われました。でも、何かじっとしているのも退屈なんで…」ポリポリ

 

 

禰豆子は照れ臭そうに頬を指でポリポリ掻いた。

 

 

「……後でバレても知らねぇぞ?」

 

 

天元はため息を吐きながら"見て見ぬフリ"を決めた。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

禰豆子が柱稽古への参加がバレてから数日後、炭華の怪我も完治し、柱稽古への参加が許可された。

 

 

「よォよォ!久しいな、また上弦と戦ったんだってな?よく五体満足で生き残ったなァ!ここでなまった体を存分に叩き起こしな!」

 

 

炭華を見つけた天元は炭華に声をかける。

 

 

「ありがとうございます。あの…、ここに禰豆子は来ませんでしたか?ここ数日、姿が見えなかったのでもしかしたらと思って…」

 

 

炭華は天元に禰豆子が来てないか質問をする。

 

 

「竈門禰豆子…か?確かにここに来てたぜ?でも、三日ほど前に次の柱の所に向かったな」

 

 

天元は禰豆子が既に次の柱の下へ向かったことを伝えた。

 

 

「そうでしたか…」

 

 

「なんだ?竈門禰豆子に何か用があったのか?」

 

 

禰豆子がいないことに落ち込んだ炭華に天元が質問をする。

 

 

「あの子、私に相談もしないで稽古に参加しちゃったんです。確かに私よりも軽傷でしたし、隊員だから稽古に参加はできますけど、狙われてる立場だから稽古に参加しなくてもいいって言われたのに…」ブツブツ

 

 

瞳のハイライトが消え何やらブツブツ呟きながら俯いた炭華を見た天元は

 

 

「(恐っっっわっっっ!!!?)」

 

 

かなりドン引きしていた。

 

 

「ま…、まぁとにかく。柱稽古の試練に合格していけば、自ずと竈門禰豆子の所に追い付くんじゃねーか?」

 

 

天元はとりあえず炭華を落ち着かせるために話を振った。

 

 

「そう……ですね…」

 

 

炭華は顔を上げると

 

 

「なら早く試練に合格して禰豆子に追い付いて、そして禰豆子に一言文句言ってやる!」メラメラ

 

 

ハイライトが戻った瞳と自分の体に闘志の炎を燃やしていた。

 

 

「お…、おうその意気だ竈門炭華!」

 

 

「宇随さんありがとうございます!この勢いで走って来ます!オリャァァァアアァァァ…

 

 

炭華は天元にお礼を言って走って行った。"先に走っている隊員を吹き飛ばしながら"。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

炭華が天元の下を訪れて十日後、炭華は次の柱稽古を受けるために天元の下を去った。

 

 

「そうそう、いい感じだよ!今のように筋肉の緊張と弛緩の切り替えを滑らかにするんだ!そうすれば体力も長く保つから!」

 

 

柱稽古 第二の試練

 

 

霞柱・時透無一郎の高速移動訓練

 

 

「足腰の動きも連動しててバッチリだね!次の柱の所に行っていいよ!」

 

 

「えっ、いいの?ここに来てまだ五日しか経っていないのに?」

 

 

そう、炭華が無一郎の所で稽古を開始したのはこの日から五日ほど前だったのだ。そして炭華は余りにも早い合格だったので、思わず無一郎に確認していた。

 

 

「うん行っていいよ。だって僕が言ったことをちゃんと出来てるじゃない」

 

 

無一郎は炭華に次の柱に向かう許可を出した理由を述べる。炭華は無一郎に言われたことに対して若干照れていた。そこに炭華より前に来ていた隊員が『俺たちも…』と言うが、無一郎は冷たい目であしらう。炭華以外の隊員は炭華との扱いの落差に肩を落としていた。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「あっ、炭華ちゃん!久しぶり~!」フリフリ

 

 

「甘露寺さん、お久しぶりです!」ペコリ

 

 

柱稽古 第三の試練

 

 

恋柱・甘露寺蜜璃の地獄の柔軟

 

 

蜜璃は屋敷の前で炭華を出迎え、炭華は出迎えてくれたお礼に頭を下げた。

 

 

クンクン「あの、蜂蜜の匂いがしますけど、養蜂でもされているんですか?」

 

 

炭華は持ち前の嗅覚で蜂蜜の匂いを嗅ぎ取り、蜜璃に質問をした。

 

 

「そうなのよ!巣蜜をね、パンの上に乗っけて食べるととっても甘くて美味しいのよ~!」

 

 

蜜璃はその味を思い出したのか、頬を押さえていた。

 

 

「その上にバターもたっぷり塗ると更に美味しくなるのよ?三時には紅茶も淹れてパンケーキ作るからお楽しみに!」

 

 

「はい!(紅茶かぁ~。珠世さんと愈史郎さん、元気でいるかな?)」

 

 

"紅茶"のフレーズを聞いた炭華は以前浅草での任務で出会った『医者の鬼』である珠世と愈史郎のことを思い出していた。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「くしっ」

 

 

「ハクシュッ」

 

 

その頃、無惨から逃げ隠れている珠世と愈史郎は揃ってくしゃみをしていた。

 

 

ズズッ「くしゃみが出るなんて、何時ぶりかしら?」

 

 

珠世は鼻水を啜りながらくしゃみが出たことに少し驚いていた。

 

チーン「珠世様、ちり紙です。…しかし変だな?埃一つ残らず掃除はしていたはずなのに…」

 

 

愈史郎はちり紙で鼻をかみ、未使用の物を珠世に渡す。そしてくしゃみが出た原因を探し始めた。

 

 

「くしゃみの原因は幾つかあるわよ?一つ目が『風邪の初期症状』、二つ目が『埃などの"異物"を追い出す』。でも一つ目は無いわね、私たちは"鬼"だから病気にはならない。そして二つ目も無い。愈史郎、貴方の掃除には助けられていますから。いつも清潔にしてくれてありがとう」

 

 

珠世は愈史郎に微笑みながら彼の頭を撫でる。すると愈史郎は顔を真っ赤にしながら撫でられていた。

 

 

「残るは三つ目の『誰かが噂をしている』かしら。迷信ですけどね」クスクス

 

 

愈史郎から手を離した珠世はクスクスと静かに笑う。

 

 

「(ああ、静かに笑う珠世様は素敵だ!)しかし、一体誰が俺たちの噂を?」

 

 

愈史郎は珠世の笑顔に見惚れながら珠世に質問をする。

 

 

「さぁ?案外私たちの知る人かもしれませんよ?」

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「クシッ」

 

 

「あら炭華ちゃん風邪?」

 

 

くしゃみをした炭華を蜜璃が顔を覗きながら心配する。

 

 

「大丈夫です。誰がが噂でもしてるのかな?」ズズッ

 

 

炭華は鼻を啜りながら蜜璃に礼を言った。

 

 

「それじゃはいこれ!まずはこれに着替えてね!」

 

 

蜜璃に案内された部屋で炭華に渡された服は『レオタード』と呼ばれる服だった。炭華はいそいそと隊服を脱ぎ、レオタードを着る。

 

 

そして次に案内されたのは道場だった。そこには同じレオタードに身を包んだ男性隊員がおり、全員が炭華を見ていた。

 

 

「あの、何か凄い見られているんですが…」

 

 

炭華は恥ずかしいのか、自分の体を抱き締めていた。だがその行動は自分のプロポーションを更に引き立させる行為だったのか、胸が寄せられて"谷間"がくっきり分かってしまい、男性隊員たちは"前屈み"になってしまった。

 

 

「お前ら、一体何を見ているんだ…?」

 

 

しかしそこに炭華にとっての"救世主"が現れた。

 

 

「「一刀さん!」」

 

 

そう、空柱の北郷一刀であった。

 

 

「炭華ちゃんのことが心配で天元さんや無一郎君に聞いて恋屋敷(ここ)に来てみれば…。全く性懲りも無く発情しやがって…」

 

 

一刀は前屈みになっている男性隊員の一人の頭を掴むと

 

 

「選べ。『稽古に全集中する』か『ぶら下がっている(○○○)を斬り落とされる』か」

 

 

まるで『仇を見つけた復讐者』のような怒り狂った顔で隊員を見る。

 

 

『稽古に全集中します!』

 

 

すると男性隊員"全員"が涙目で唯一助かる道を選んだ。それを聞いた一刀はにっこりと笑い、頭を掴んだ男性隊員の頭を撫で

 

 

「ならちゃんと有言実行するんだね」

 

 

と言った。

 

 

「一刀さん、遅くなりましたが柱就任おめでとうございます!」ダキッ

 

 

炭華はレオタード姿のまま、一刀に抱きつく。

 

 

「ありがとう炭華ちゃん」ナデナデ

 

 

「はにゃ~ん❤️」

 

 

一刀は抱きついた炭華の頭を優しく撫でると、炭華の顔が嬉しそうに蕩けさせていた。

 

 

「(いいなぁ~、私も伊黒さんにお願いしたらやってくれるかな?)」

 

 

蜜璃は二人のやり取りを見て羨ましそうにしていた。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「さぁそれじゃ稽古を始めましょう!」

 

 

先程のトラブルを"無かった"ことにした蜜璃は元気よく声を上げる。そして炭華は一刀が見守る中、訓練を開始した。

 

 

蜜璃の訓練は最初音楽に合わせて踊ったりする。時々リボンやボール、バトンと言った小道具を使ったりしていた。それを見ていた一刀は『まるで新体操みたいだな』と思っていた。

 

 

しかしここからが地獄だった。蜜璃は手本として男性隊員の一人を呼び、その場に座らせ自分の足を使って無理矢理股割りをした。しかも逃げられないように相手の手首を掴みながら。

 

 

これには流石に炭華は愚か一刀も顔を青ざめる。そして遂に炭華の番となった。

 

 

蜜璃ほ炭華の手首を掴み、その場に座らせ少しずつ開脚させていった。

 

 

「あの、蜜璃さん!もうこれ以上開かないんですけど!」

 

 

「大丈夫!これを乗り越えれば柔軟な体を手に入れられるから!」グググッ

 

 

もう十分に足を開いた炭華は『これ以上は無理』とギブアップ宣言をするが、蜜璃は笑顔でそれをはね除けた。

 

 

「ですから!もうこれ以上は無理…っていやああぁぁぁ~~!!?」

 

 

炭華は相当の痛みに我慢出来ずとうとう悲鳴を上げ出した。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「………」チーン

 

 

地獄の柔軟を終えた炭華は真っ白に燃え尽きて床にうつ伏せで寝そべっていた。

 

 

「は~いそれじゃ、三時になったからおやつの時間で~す!」スタスタ

 

 

蜜璃が道場を後にすると、男性隊員はゾロゾロと蜜璃の後を追う。しかし炭華だけはうつ伏せで寝そべったまま動かず、一刀は心配になり炭華に声をかける。

 

 

「炭華ちゃん、大丈夫?」

 

 

「大丈夫じゃないです。破れました。絶対破れました。一刀さんに捧げるために残しておいたのが…」シクシク

 

 

炭華はうつ伏せで泣きじゃくってしまった。

 

 

 

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