鬼滅の恋姫   作:レイファルクス

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第弐拾弐話

 

 

「炭華、よくここまで来てくれた」

 

 

「炭華ちゃ~ん、久しぶり~!」

 

 

柱稽古 第八の試練

 

 

水柱・冨岡義勇の技の見極め技術

 

 

炭華は行冥が課した修行を全てこなし、義勇の下へ行く許可が降りたため、修行を終えた翌日に山を降りた。

 

 

「義勇さん、真菰さん、お久しぶりです!」ペコリ

 

 

炭華は二人に対して頭を下げた。すると

 

 

「あ、お姉ちゃん!やっと追い付いたの?」

 

 

二人の後ろから禰豆子が顔を出した。

 

 

「禰豆子!?」

 

 

炭華は禰豆子がいることに驚き、俯く。

 

 

「ね~~ず~~こ~~?」

 

 

「あ、ヤバ…」

 

「「あ…っ(察し)」」

 

 

そして顔を上げた炭華の顔はまるで般若のような表情をしていた。

 

 

「アンタ、自分が狙われている立場だって分かってんの!?いつ鬼が襲って来るか分からないのよ!?ちゃんと自覚しなさい!」

 

 

炭華は禰豆子にお仕置きを始めた。

 

 

(どんなお仕置きかは皆さん各自の脳内変換でお楽しみ下さい)by作者

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「………」チーン

 

 

「まったく…」プンプン

 

 

お仕置きが終了した禰豆子は力尽きていた。

 

 

「炭華、もうそれくらいにしてやりなさい」

 

 

「そうだよ?禰豆子ちゃんだって炭華ちゃんを守りたくて柱稽古に参加したんだから」

 

 

まだ怒っている炭華に義勇と真菰が落ち着かせようとする。

 

 

「……分かりました。禰豆子、ごめんね」

 

 

「お姉ちゃん…、私も勝手に参加してごめんなさい」

 

 

落ち着いた炭華は禰豆子に謝罪し、禰豆子もまた、炭華に謝罪した。

 

 

「仲良きことは美しきかな」ウンウン

 

 

「本当にねぇ」ウンウン

 

 

仲直りした二人を見ていた義勇と真菰は互いに頷いていた。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「では炭華、この俺『水柱・冨岡義勇』の稽古の内容を説明する」

 

 

炭華と禰豆子が仲直りして数分後、道場に案内された二人は義勇の説明を聞いていた。

 

 

「俺が課す稽古は『技の見極め』。それは即ち、"如何なる状況でも繰り出す技"を知ることだ」

 

 

「例えば、"自分たちの周囲を()に囲まれた"場合だが、仲間の繰り出す技を見極めることで自分が繰り出す技を知ることができる」

 

 

義勇の説明に炭華と禰豆子は『成る程…』と頷いていた。

 

 

「それでは早速実戦しよう。丁度『水の呼吸』を使えるのが俺を含めて四人いる。まずは俺と真菰の組、炭華と禰豆子の組で打ち込みをする。いいな?」

 

 

「「「はい!」」」

 

 

説明を終えた義勇は組を決めて打ち込み稽古を始める。しかし義勇と真菰の連携に炭華と禰豆子は手も足も出なかった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

ピチョーン

 

 

「はぁ~、今日も勝てなかったなぁ~」

 

 

義勇の下で稽古を始めてから三日、炭華は水屋敷の風呂に浸かっていた。

 

 

「私たちと義勇さんたち、何が違うのかな~?」

 

 

炭華は義勇たちと稽古をしている際、模擬戦を行っていたが、炭華は禰豆子とペアになっている時"だけ"負けているのだ。そして考えている間に長湯してしまって逆上せてしまったのは言うまでもない。

 

 

それから翌日、いつものように炭華と禰豆子、義勇と真菰のペアで稽古をしていると、ふと炭華は疑問を感じた。

 

 

「(あれ?義勇さんは何で真菰さんの後ろにいるんだろう?)」

 

 

すると真菰が攻撃したと"同時"に義勇が攻撃を仕掛けた。

 

 

「(そうか!義勇さんは真菰さんの僅かな動きで何の技を出すのか把握しているんだ!そして邪魔にならない技を出してお互いを斬り合わないようにしているんだ!)」

 

 

炭華はこの稽古の"本質"をやっと把握した。

 

 

『水の呼吸 陸ノ型 ねじれ渦』

 

 

『水の呼吸 参ノ型 流流舞い』

 

 

禰豆子がねじれ渦を出すと"同時"に炭華は流流舞いを出し、義勇と真菰に一撃を入れた。

 

 

「やっと把握できたようだな」

 

 

「その感覚を忘れないでね」

 

 

義勇と真菰は構えを解き、二人を労った。

 

 

「「はい!」」

 

 

「では俺の稽古はこれで終了だ。最後の柱、一刀の下へ行くがいい」

 

 

「でも、向かうのは明日にしようね?今は疲れを癒さないと。よ~し、今日はご馳走作るぞ~!義勇の好物の"鮭大根"も作るから楽しみに待っててね~!」ピューン

 

 

真菰は言い終わると同時に道場から走り去った。義勇もそれを追う形で道場を後にし、炭華と禰豆子は二人、道場に取り残された。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「あら炭華に禰豆子じゃない!久しぶりね!」

 

 

「「お久しぶりです華琳さん!」」

 

 

真菰の料理を堪能した炭華と禰豆子は、翌日に義勇の下を去り、一刀の家である"空屋敷"に来ていた。そして二人を出迎えたのは華琳だった。

 

 

「あの、一刀さんはいらっしゃいますか?」

 

 

「私たち、柱稽古を受けるために来たのですが…」

 

 

炭華と禰豆子は華琳に一刀がいるか質問をする。

 

 

「あ~、それが…」

 

 

華琳はバツが悪そうな顔をして目を背ける。

 

 

「実は…、一刀、まだ蝶屋敷から帰ってないのよ」

 

 

華琳は一刀がまだ帰ってきてないことを二人に伝えた。

 

 

「「えぇ~!?」」

 

 

二人は一刀がいないことに驚いた。

 

 

「今秋蘭たちが呼びに行っているんだけど…」

 

 

「「……コクッ」」

 

 

炭華と禰豆子は互いに頷いて華琳の方を見た。

 

 

「私たちも一刀さんを"取り戻し"に行ってきます!」

 

 

「華琳さんはここで待っていて下さい!」

 

 

二人はそう言った途端、蝶屋敷に向かって走り出した。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「…と言う訳でお願いだ、一刀を帰して欲しい」

 

 

「ですから、一刀さんはまだ訓練できる体調では無いと何度も言ってるではありませんか」

 

 

「嘘言わないでよ!一刀の体調はもうとっくに戻っていることは分かってんのよ!?早く一刀を帰しなさいよ!」

 

 

炭華と禰豆子が蝶屋敷に到着すると、門前で言い争っている人影があった。それは蝶屋敷の主であるしのぶと、桂花と秋蘭だった。

 

 

「「秋蘭さん、桂花さん!」」タタタッ

 

 

そこに炭華と禰豆子が合流した。

 

 

「ん?おお炭華に禰豆子か」

 

 

「あ!あんたたち、一刀の所まで着いたのね!だったら丁度良いわ、一緒に一刀を取り返すのを手伝って頂戴!」

 

 

桂花は二人に加勢を求めた。

 

 

「「喜んで!」」

 

 

二人は桂花の要請に応じる。すると

 

 

「あれ?桂花に秋蘭、炭華に禰豆子じゃないか。どうしたんだ?」

 

 

蝶屋敷から一刀が出てきた。

 

 

「「「一刀(さん)!」」」ダキッ

 

 

一刀を見つけた桂花、炭華、禰豆子の三人は一刀に抱きついた。

 

 

「うぉっと!?どうした?」

 

 

「あんたが中々帰って来てこないから心配したんじゃない!」

 

 

「「コクコク」」

 

 

いきなり三人に抱きつかれた一刀は驚いて質問をする。それに桂花が答え、二人が頷く。

 

 

「あぁ~、そうだったか。すまん、『もう大丈夫』って言ってるのにしのぶが中々帰してくれなくてな…」ポリポリ

 

 

一刀は気まずそうに頬を掻く。

 

 

「んじゃ、迎えが来たから俺は空屋敷に帰るな」

 

 

一刀はしのぶにそう言って桂花たちを連れて蝶屋敷から去った。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

「それじゃあ、俺の柱稽古を始める」

 

 

柱稽古 第九の試練

 

 

空柱・北郷一刀の精神訓練

 

 

空屋敷に戻った一刀は華琳たちに中々帰って来れなかったことを謝罪し、そのまま道場へ移動。稽古を開始した。因みに恋屋敷で炭華が一刀に出会った理由は、『蝶屋敷に戻ること』を条件にしのぶが外出許可を出したからであった。

 

 

「俺の稽古では、"強靭な精神"を身に付けて貰う。今までの稽古で"体力"や"技術"を身に付けても目の前の"恐怖"に負けていては宝の持ち腐れになってしまう」

 

 

「そこで、これから俺の継子である春蘭と凪の二人に殺気を出してもらい、それに耐えれば合格とする」

 

 

一刀は稽古の内容を説明し、春蘭と凪に目配せをした。

 

 

「言っておくが、二人の殺気は尋常じゃ無いぞ?それじゃ、まずは凪からだな」

 

 

「はい隊長!では…、行きます!」ギロッ

 

 

「「!?!?!?」」ビクッ

 

 

一刀に言われ、凪は炭華と禰豆子に殺気を放つ。その殺気に煽られた二人は震え出し、最終的に"漏らして"しまった。

 

 

「そこまでだ。凪、ちょっとやり過ぎだぞ?見ろ」クイッ

 

 

一刀に言われ二人を見ると、涙目で震えていた。

 

 

「俺は風呂を沸かしてくる。稟、手伝ってくれ。他の皆は後片付けを頼む」

 

 

一刀はそう言って稟を連れて道場を後にする。桂花と風は二人の着替えを取りに屋敷内へ、華琳、春蘭、秋蘭、凪の四人は道場の後片付けと炭華と禰豆子のフォローに入った。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

翌日、凪は昨日の失敗を反省し、殺気を抑えて放つ。炭華と禰豆子は任務で幾度と鬼と対峙していたため、この程度の殺気にはケロッとしていた。そこで凪は少しずつ殺気を強くした。しかしある程度強くすると二人は再び震え始めた。

 

 

「凪、その強さの殺気を維持するんだ。炭華、禰豆子、その殺気に耐えるんだ。その殺気に耐え抜けば、更に殺気を強くさせる。そしていずれは春蘭の本気の殺気に耐え抜けば、鬼舞辻にも怯まずに挑める」

 

 

一刀はそう言いながら見守り続けていると、少しずつではあるが二人の震えが収まってきた。

 

 

「いいぞ、その調子だ」

 

 

一刀が炭華と禰豆子を褒める。そして二人は凪の殺気に耐え抜いた。

 

 

「よし良くやった。今日はここまでにしよう。炭華、禰豆子、風呂を沸かしてあるから、さっぱりしてきなさい」

 

 

一刀の合図でその日の稽古は終了となり、各々後片付けをして湯浴みへと向かった。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

それから五日後、炭華と禰豆子の二人は春蘭の本気の殺気にも余裕で耐えられるようになっていた。

 

 

「よしそこまで。二人とも、春蘭の殺気にだいぶ慣れたようだな。それでは最後の訓練だ、『春蘭と凪、二人と模擬戦』をしてもらう」

 

 

「ただし、春蘭と凪は"本気の殺気"を出しながら戦う。二人を"倒す"ことが出来れば稽古は終了となる。しっかりやれよ?」

 

 

一刀が課した最後の訓練は『春蘭、凪の二人との模擬戦』だった。そして春蘭は木刀を持ち、凪は手甲を取り付けて構えた。それに習って炭華と禰豆子は木刀を持って構え

 

 

「それでは…、始め!」

 

 

華琳の掛け声と同時に始まった。

 

 

「では行くぞ!チェスト~!」ブォン

 

 

「行きます!ハアアァァ!」ブォン

 

 

華琳の掛け声と同時に春蘭と凪は殺気を全開にし、攻撃を放つ。炭華と禰豆子は今まで浴びていたのとは違う殺気に身震いしてしまい、二人の攻撃を諸に喰らって倒れてしまった。

 

 

「どうだ?攻撃の有無の違いだけで殺気の"濃度"が変わっただろ?さぁ休んでいる時間は無いぞ?どんどん行くぞ!」

 

 

一刀は炭華と禰豆子を起こし、再び訓練を再開した。

 

 

 

 

……

 

 

………

 

 

最終訓練が始まってから十日後、春蘭と凪の殺気に慣れた炭華と禰豆子は今までとは段違いの成果を見せ、遂に二人を倒したのだった。

 

 

「よし!これで俺の稽古は全て終了だ。よく頑張ったな」ナデナデ

 

 

「「はい!ありがとうございますぅ❤️」」トローン

 

 

一刀は炭華と禰豆子を労うために二人の頭を撫でる。二人は久々の感触に既に蕩けていた。

 

 

「一刀、大変だ!」

 

 

そこにイーグルが慌てた様子で飛び込んで来た。

 

 

「仲間の鴉から聞いたんだが、今お館様の屋敷に"鬼舞辻無惨"が…!」

 

 

無惨の名前を聞いた瞬間、一刀は驚愕していた。

 

 

「イーグル、それは本当か!?」

 

 

「間違い無い!今鴉たちが柱を呼びに飛び回っている!一刀も早く合流するんだ!」

 

 

一刀は慌てて身支度を整える。

 

 

「春蘭、凪、炭華!三人は俺に続け!イーグルは刀鍛冶の里に行き、真桜を呼んで来てくれ!」

 

 

「「「「了解(した)!」」」」

 

 

三人と一羽は返事をし、イーグルはそのまま刀鍛冶の里へと向かった。

 

 

「一刀さん、私も行きます!」

 

 

そこに禰豆子が同行することを表明する。

 

 

「駄目だ!無惨の狙いは禰豆子、お前だ!恐らく無惨は禰豆子を取り込んで太陽を克服する算段だろう。そんな所にお前を連れて行く訳には行かない!」

 

 

しかし一刀はそれを拒否した。

 

 

「でも!「禰豆子、今は我慢しなさい。今の貴女にできることは『人間に戻って一刀たちの帰りを待つ』ことよ」…華琳さん」

 

 

それでも行こうとする禰豆子に華琳が割って入って禰豆子を大人しくさせた。

 

 

「…分かりました。でも、これだけは約束して下さい。『必ず生きて帰ってくる』と」

 

 

禰豆子は一刀を見ながら約束をお願いする。

 

 

「……分かった。約束しよう、必ず生きて帰ると」

 

 

一刀は禰豆子を抱き締め、約束した。

 

 

「一刀、こちらの準備はもう整っているぞ」

 

 

「何時でも出立できます!」

 

 

「行きましょう!一刀さん!」

 

 

三人は身支度を終えて一刀を待った。

 

 

「……よし!皆、最終決戦だ!気を引き締めて挑め!」

 

 

「応!」「御意!」「はい!」

 

 

「華琳、行ってくる」

 

 

三人の返事を聞いた一刀は華琳の方を向く。

 

 

「ちょっと待って。今切り火をするから」

 

 

カッ カッ

 

 

華琳は一刀たちに切り火をする。

 

 

「行ってらっしゃい。一刀」

 

 

コクッ「よし、いざ出陣!」

 

 

一刀は道場を飛び出し、産屋敷邸へと急いだ。そしてその後を追うように、春蘭、凪、炭華の順番で産屋敷邸へ向かった。

 

 

 

産屋敷一族、珠世は生存させる?

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