愉快?不快?淫夢はなんか……あったかい!   作:ほろろぎ

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第四カイ

 ナレーション、セッちゃん。はいよろしくぅ。

 

『前回の……ゼンカイジャーは!!(ハイテンション)

 

 介人がトジテンドの罠にかかって、ギアトリンガーとゼンカイザーギアを取られてしまったチュン。

 仮面かぶれない介人ゎ裸見られるし、インムワルドゎ強いし、ジュランたちの攻撃ゎ効かねぇし……。

 でも、マジーヌが機転を利かせてアイテムを取り返して、介人たちはなんとか逃げることに成功したチュン』

 

 電車の音、カラスと蝉の鳴き声をバックに、路地裏を通って帰宅する介人たち五人。

 やっとのことで、自宅である駄菓子屋カフェ『カラフル』へとたどり着いた。

 

「あ、みんなお帰り……って、なんで介人は裸チュン!?」

 

 扉を開けると、店内で留守番をしていた機械鳥のセッちゃんが、介人の姿を見て開口一番そう発した。

 介人は色々あった疲れで、事情を説明する気にもなれず「ハハァ」とあいまいな笑みを浮かべる。

 

「……あれ、ヤッちゃんは?」

 

 服を着ながら、祖母の姿が見えないことをセっちゃんに尋ねる介人。

 

「町内会の集まりに出かけてるチュン」

「そんなことより介人! 体は大丈夫なの!? トジテンドの連中に変なことされなかった!?」

 

 セっちゃんを押しのけて、ガオーンが介人の体を心配そうにまさぐる。

 せっかく着込んだ上着をたくし上げ、上半身に怪我がないことを確認すると、続けてズボンにまで手をかけようとした。慌てて介人がそれを止める。

 

「うわあぁぁ!? 大丈夫だって安心しろよ~、ガオーン。ヘーキヘーキ、ヘーキだから」

「病院行った方がいい。よくない? ちょっと脱いで、ワーッとやって、パパパッと診察して、終わりっ! だからさ」

「おいガオーン、ちょっと落ち着けって」

「キカイノイドは黙れやサルゥ!!(クソデカ大声)」

「えぇ……(困惑)」

 

 介人の意に反して大げさに騒ぎ始めるガオーン。

 ジュランがたしなめようとするが、逆切れで返す始末だ。

 ガオーンは介人の服をはだけると、医者でもないのに触診を始める。

 その手つきは治療というより、なにかとてもいかがわしい動きにブルーンとマジーヌには見えた。

 

「んー、ふふ。いいカラダしてんねぇ! ホントに……んー、ちっと触るよ。……おー、いいねぇ!」

 

 お胸触るくらいだったら、とガオーンが介人の胸部を揉みしだき始めたところで、いよいよ怪しい空気になってきた。

 

「マジで亡くなったらどうしよう……ねぇ、マジで亡くなっちゃったらどうする?」

 

 介人を心配するガオーンだが、はた目にはただ男の胸を揉んでいる様にしか見えない。

 

「介人のこと体の中にしまっときたいよ? そしたらいつも一緒だもん。体の中しまっといたらいつも一緒だもんね(ヤンデレ)」

 

 元から介人のことが大好き(意味深)なガオーンだが、今のこれはいささか行き過ぎた愛情表現であろう。

 ジュラン、マジーヌ、ブルーンは顔を見合わせ、「な、なんか……(こいつ)駄目だな……」と困惑していた。

 

「ハァ……ハァ……キシュ! キシュン! キュイッ! チュパ……チュパ……」

 

 ついには一心不乱に介人の体を嘗め回し始めたガオーン。

 奇行の最中、店内にセっちゃんの叫びが響く。

 

「みんな、大変だチュン! トジルギアの反応が街中に広がってるチュン!!」

 

 動けない介人と動こうとしないガオーンを除いて、ジュランたちが急いで店の外に出る。

 

 店のすぐ外で、カラフルの常連である老人──スーさんが、同じく常連の老人であるナナちゃんと熱い抱擁を繰り返していた。

 

「恋煩いしちゃうよ~(ネットリ)」

「恋煩いしたら……アンモナイト……おかしくなっちゃうよ~」

 

 二人とも夏の暑さにあてられたのか、頬を染めおかしなことを口走っている。

 

 見渡せば、街中のいたるところでスーさんとナナちゃんのような奇行が繰り広げられているではないか。

 つまりは、男同士の盛りあいだ。

 人間同士、キカイノイド同士に収まらず、人間とキカイノイドであっても構わずに、同性同士で体のまさぐりあいを、真昼間からおっぱじめている。

 

「ぇこれ」

 

 ジュランは、あまりの非現実的な光景に絶句した。

 

「きしょい……(本音)」

「はぁぁあああっ……!!(畏怖)」

 

 マジーヌも引いているし、ブルーンにいたっては恐怖さえ感じている。

 

「みんな、どうしたの……!? なんだこれは、たまげたなぁ……」

 

 三人に続けて店から出た介人。ガオーンに抱き着かれながらも、街のありさまに目を丸くした。

 

「セっちゃん、これって!」

「介人が会った、インムワルドの仕業チュンね」

 

 ワルド怪人が誕生すると、同時に体内のトジルギアの世界エネルギーが徐々にこの街にも影響を及ぼす。

 ガオーンの様子が常軌を逸したものになってきたのも、インムワルドの影響だろう。

 

「男の人たちをホモにするのがインムワルドの能力っすか?」

「ちょ、待てよ。それになんの意味があるんだ?」

 

 ジュランの疑問に、ブルーンが答える。

 

「おそらく、同性にしか関心を持てなくすることで、子孫をつくれなくするのが狙いではないでしょうか……」

 

 その先にあるものは、人類滅亡という最悪の結末。

 人間がいなくなった世界をキカイノイドで支配しようというのだろう。

 作戦が完了するまでの道のりが長すぎィ!

 

「クッソしょうもない作戦のわりに結果がエゲツねぇな」

 

 ジュランが呆れながら言った。

 介人は全身をガオーンに嘗め回されながら、すぐに行動を起こそうとする。

 

「こうしちゃいられない。インムワルドを探そう!」

「あっ、おい待てい! インムワルドは俺らの攻撃が全然通じなかったじゃねえか。見つけても倒せんのかよ?」

「んにゃぴ……」

 

 返事に詰まる介人。

 ジュランの言葉はもっともだ。勝ち目のない相手にやみくもに立ち向かっても、どうにかなるものではない。

 

「ブルーン、なんとかしろっす」

 

 マジーヌが作戦のアイディアをブルーンに振るが、当のブルーンは

 

「いや~、キツイです……」

 

 街中にあふれるホモの群れを前に、知識欲旺盛なブルーンといえど知りたくもない情報を強制的にinされる今の状態では、まともな思考など働こうはずもない。

 その時、介人が唐突に口を開いた。

 

「あっそうだ。五人で勝てないなら、人数を増やせばinジャネーノ?」

「……六人目のゼンカイジャーを集める、ってことっすか?」

「ソソソ、ソーナノ……」

 

 したり顔で介人がうなずく。

 

「じゃけんすぐに新メンバー募集しましょうね~。ガオーンも(いつまでも俺の体)舐めてないでこっちきて、お前も(新しい仲間をチームに引き)入れてみろよ」

「やだ! 小生やだ! (新しい仲間なんて嫉妬で)狂っちゃうよ~」

「嫌って言ってもするんだよメンバー募集を。いいから来いホイ!」

「クゥ~ン」

「ホラホラホラ行きまっせ~?」

 

 そう言って、介人はガオーンを連れてカラフルから勢いよく出て行った。

 つられるようにジュランたちも後を追う。

 

「あっ、みんな! ちょっと待つチュン!」

 

 その背に、セっちゃんがなにかを言おうとしていたが、その言葉は誰に届くこともなかった。

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