愉快?不快?淫夢はなんか……あったかい!   作:ほろろぎ

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最後だから詰め込めるだけつっ、詰め込んだので今までより長めです


最終カイ

 遠野と格闘技を通じた体の交流を図ることで、インムワルドの悪に染まっていた心は浄化された。

 しかし、人の心に(ほだ)されたインムワルドは無情にも、何者かの手によって再び悪の道に引きずり戻されてしまったのだ。(トジテンドの魔の手からは)あぁ逃れられない!

 

 遠野の説得の声も届かないインムワルド。

 もうダメかと諦めたその時、駄菓子屋カフェ『カラフル』で事態を見守っていたゼンカイジャーのサポートロボット、セっちゃんから通信が届いた。

 

『介人! このギアを使うチュン!』

 

 有無を言わせぬその一言。

 送られてきたデータを見た介人は、起死回生の手段はこれしかないと即座に決意。

 バックルからセっちゃんの言うギアを取り出し、ギアトリンガーにセットする。

 それを遠野に向け、迷うことなく引き金を引いた。

 

『サンジュウイチバーン! ゲキレンジャー!!』

 

 使用したのは、今から十四年もの前に世界を守った三十一番目のスーパー戦隊、『獣拳戦隊ゲキレンジャー』の力を宿したギア。

 ゲキレンジャーギアのエネルギーが遠野に照射され、彼の体を異形の戦士へと変身させる。

 

「「「「「なんだこのオッサン!?」」」」」

「今の僕は遠野じゃない。臨獣……いや、『淫獣(・・)リザード拳のカゲト』!!」

 

 光に包まれた遠野の体は、爬虫類を思わせる格闘家風の怪人へと変化していた。

 使用した張本人の介人は、てっきりゼンカイザーに準したヒーロー風のスーツをまとわせるものかと思っていたのだが……。

 思わぬ効果に驚きを見せるゼンカイジャーたちを余所に、遠野──いや、カゲトはインムワルドの前に立ちふさがる。

 心通わせた先輩を、これ以上悪の道に堕とさぬために。

 

「アアッー、アッ、ンアッー」

 

 狂暴化したビースト・インムワルドの咆哮。

 もはや理性のかけらすらないその叫びはしかし、カゲトと化した遠野の耳には涙の懇願に聞こえた。

 

「分かりますよ、先輩。僕に止めてほしいんですよね? 僕があなたに、引導を渡してあげます……!」

 

 カゲトとビースト・インムワルドがぶつかり合う。

 生身の遠野との組み手以上の、嵐のような激しい攻防が展開された。

 

「暴れんなよ、暴れんな」

 

 決意と覚悟を糞で固めた遠野の強力な攻撃は、理性をなくし闇雲に牙を向けるだけとなったビースト・インムワルドを圧倒し

 

「ちょっと眠ってろお前……。墜ちろ!!」

 

 放たれたリザード拳最大奥義『零死理残(レシリザ)』が、抵抗する間もなくビースト・インムワルドの体を一気貫通した。

 

「と、遠野……お前のことが好きだったんだよ!(迫真)」

 

 バァン!(ビースト・インムワルドの体が大破する音)

 

 炎の中に消えるインムワルド。

 彼は最後の瞬間、理性を残す優しさの技である零死理残を受け、一時的に意識を取り戻し遠野への思いを伝えたのだった。

 

 ギアの効力を失い、遠野の体もカゲトの物から生身の肉体へと戻った。

 

「やったぜ」

 

 成り行きを見守っていたゼンカイジャーたちも、安堵の声を上げる。

 今度こそ終わりっ! 閉廷っ!

 

「と言いつつ……?」

 

 再びあたりに響く第三者の声。

 地響きを立てながら現れたのは、トジテンドの巨大戦力。ビルほどの巨体を持つ巨大怪人『クダイテスト』だ。

 

「クダーッ!」

 

 クダイテストは、倒されたインムワルドからこぼれ落ちたインムトジルギアを踏みつけ、その世界エネルギーを自身に取り込んでいく。

 クダイテストから、黒い学ランを着た姿に変化した『ダイインムワルド』が言う。

 

「お前最近ちょっと生意気なんじゃねえか? 終盤で俺が出てきても全然勝たせる気とかねえだろ? それに大体この、ピアスなんなんだよオイ」

 

 唐突に介人の耳につけられているピアスに難癖をつけ始めた。

 さらに足を持ち上げると、足元の六人をまとめて踏みつぶそうとする。

 

「先輩……そんな姿にされてまで、まだ利用されるなんて……っ!」

「遠野さん、あとは俺たちに任せて」

「タノミーマウス」

 

 遠野を遠ざけ(激寒)、あとはゼンカイジャーの出番だ。

 ジュラン、ガオーン、マジーヌ、ブルーンの四人はセンタイギアを裏面にしてギアトリンガーにはめ♂直した。

 すかさずハンドルを回し、ギアの力を開放。

 四人はダイインムワルドと同じくらいの大きさにまで巨大化、機界変形する。

 

『ビッグバァン! GOー、ゴゴッGOー!』

 

「おいガオーン、今度は俺に対して妙な気起こすんじゃねえぞ?」

「キカイノイド相手にムラムラジェラシー向けるわけないでしょ!」

 

「ブルーンは大丈夫っすよね? 自分ノンケだけど、狙われると困るっすよ」

「はいはい、まだ(フラグ)立てない、立てない。そんなすぐに……」

 

「全界合体!!」

 

 ゼンカイザーの幻影がジュランとガオーン、マジーヌとブルーンを左右からガッシーンと組み合わせ

 

『ゼンカイオー、ジュラガオーンandブルマジーン!!』

 

 二体の巨大キカイノイドロボが完成した。

 

「今から、今からな……お前のチン毛燃やしてやるから」

「アッー! アーツィ! アーツ! アーツェ! アツゥイ! ヒュゥー、アッツ! アツウィー、アツーウィ!アツー、アツーェ!」

「アッアッアッ、アツェ! アツェ! アッー、熱いっす! 熱いっす! ーアッ! 熱いっす! 熱いっす! アツェ! アツイ! アツイ! アツイ! アツイ! アツイ! アー……アツイ!」

 

 開戦早々、ダイインムワルドが放った火炎放射を受けたジュラガオーンとブルマジーン。

 あまりの高温に、すいませへぇぇ~ん! と情けない声を上げる。ヒーローが恥ずかしくないのかよ。(棒読み)

 

「オラ暴れると火傷すんぞぉ? オラ暴れると火傷すんぞぉ?(二回目)」

 

 さらに火力を強めるダイインムワルド。

 炎は徐々に、二体のゼンカイオーの鋼鉄の体を溶かし始めた。

 

「マズイ! いったん分離だ!」

 

 パッカーン!(他作) と、ジュラガオーンとブルマジーンは左右に体を分ける。

 

「で、もっかい合体!」

『ゼンカイオー、ジュラマジーンandブルガオーン!!』

 

 今度は両者の左右を入れ替えた、コンビネーションフォームの登場だ。

 ジュラマジーンは空に飛びあがり、ブルガオーンは大地を走る。

 上下からダイインムワルドを挟み撃ちにするつもりだが

 

「おめぇらを今から赤ん坊にしてやるからな」

 

 二体が攻撃を放つ前に、ダイインムワルドの大先輩アイから繰り出されるビームを身に受けてしまった。

 すると、なぜかゼンカイオーの合体が、二体とも解けてしまったではないか。

 

「あれ~おかしいね」

 

 合体解除の意思はなかったはずなのに……。

 ダイインムワルドの光線は変身を解く効果があるのだろうか。

 

「ブルンと来ました。ダイインムワルドの口ぶりからして、あの光線は『時間を戻す』(たぐい)のものではないでしょうか?」

「今更分かってもおせえんだよ。待ってろよもうすぐ赤ん坊にしてやるからよぉ」

「ウッソだろお前! メチャ強力じゃねえかぁ!!」

 

 慌てるジュラン。

 これ以上ダイインムワルドのビームを浴びては、巨大化前の状態に戻され、踏みつぶされてしまう。か、もしくは言葉通り赤ん坊にまで時間を戻されるか、どっちかです。

 

 合体を解かれたことで、コックピットから地上へ放り落されたゼンカイザーが指示を飛ばす。

 

「みんな! なんとか避けて! その間になにか作戦を考えないと……」

『介人、そんな時にはこのギアだチュン!』

 

 再びセっちゃんからのアドバイスを受け、ゼンカイザーはバックルからギアを一枚取り出す。

 

『ヨンジュウヨンバーン! キラメイジャー!!』

 

 ゼンカイジャーの先輩戦士、44番目のスーパー戦隊である『魔進戦隊キラメイジャー』の力を借りたゼンカイザー。

 キラメイレッドの持つ煌めきの発想力で、介人の頭脳もキラキラに活性化した。

 

「! ヒラメキーング!!」

 

 即座にいい考えが浮かんだ介人。

 巨大化したままの状態でダイインムワルドのビームを必死に避け続けるジュラン、ガオーン、ブルーンの三人に呼び掛けた。

 

「三人で三角形になって、しゃぶり合えばいいんだ!」

「……なに言ってんだ、介人?」

「だから僕はキカイノイドの穴に突うずるっ込む気はないんだって!」

「そうですよ(便乗) 病気が怖いな~、とずまりすとこ」

 

 介人は、ジュランたち男のキカイノイド三体を合体させるという、玩具の規格を無視した提案をする。

 が、当然ノンケのジュランたちは一斉に反対した。

 

「ピンチっていうのは、まだ完全に終わったわけじゃないから、勝機があるんだ」

『ヨンジュウイチバーン! キュウレンジャー!!』

 

 三人の抗議を無視して、ゼンカイザーは41番目のスーパー戦隊、『宇宙戦隊キュウレンジャー』のギアを使った。

 その時、奇跡が起こった!(政宗一成)

 キュウレンジャーのリーダー、シシレッドの幸運の力を受けたことで、ゼンカイジュラン、ゼンカイガオーン、ゼンカイブルーンの内部構造が変化。

 驚愕の三体による全界合体をこなしてしまったのだ。

 

「まさかブルーンと合体する日が来るとはなぁ……」

「私も、ジュランと合体することになるとは……」

「……ヴォエッ」

 

 三者三様の諦めの表情を浮かべながら、今ここに、三つの力が一つとなった『ゼンカイオー、ジュブルオーン』が誕生したのだった。

 その姿はとても複雑で、三人のキカイノイドのパーツがあちこちで絡み合い、カラフルなマーブル模様を浮かべている。これもうどういう状態か分かんねえな。(説明放棄)

 ジュブルオーンに乗り込んだゼンカイザーが、コックピットにギアトリンガーをセットした。

 

「三人とも、落ち込んでないでほらほら。一気に決めるよ!」

「誰か殺してくれ……」

「モウムリ……タエラレナイ……」

「パォ~もうやらぁ」

 

 介人の声にも反応せず、落ち込み気分のジュランとブルーン。

 ダイインムワルドのビームを受けていないにもかかわらず、ガオーンの精神は退行気味だった。

 

「こうなりゃ無理やりだ! マジーヌ!」

「っす、ヌヌヌマジーヌ!」

 

 唯一難を逃れたマジーヌの魔法を受けたジュブルオーンは、武器のジュランソードとブルーンピッカーを取り出した。

 

「ジュランのソード(・・・)と、ブルーンのピッカー(・・・・)を、こうして……んっ!」

 

 ゼンカイザーの操作でジュブルオーンは二つの武器をぶつけ合わせる。

 そのことによって二つの武器は融合。

 

「これぞ新武器、『ソードピッカー(・・・・・・・)』だ!!」

 

 ジュブルオーンが持つ剣状の新たな装備。

 これこそ、かつて存在したスーパー戦隊とは別系統のヒーローが持っていた、とある武器と似通った名前のアイテム。

 宇宙規模の力を宿した、因果さえ超える、全ての悪を一撃のもとに打ち倒す伝説の(つるぎ)

 

「今度は俺のを挿れさしてもらうずぇ」

 

 ソードピッカーを見たダイインムワルドは、自身もまた巨大な剣を手にした。

 野獣の本能でソードピッカーの恐ろしさを察知したのだろう。

 ジュブルオーンが剣を構える前に、ダイインムワルドは武器を振り下ろす。

 

 だが、本家と同様ソードピッカーは、因果を超えるのだ。

 

「トドメ全開! ソードピッカー・コズミックエンド!!」

「あぁ~逝くぜ! 逝くッ!」

 

 バァン!(ダイインムワルドが倒された音)

 

 先に攻撃を仕掛けたダイインムワルドよりも早く、ジュブルオーンの問答無用の必殺技が決まった。

 強敵ダイインムワルドは、今度こそ完全にたおされきるのだった。

 

 直後、奇跡の合体も解除され元の姿に戻った介人と四人のキカイノイドたち。

 喜びに沸き立つ五人は、肩をたたき今日の勝利を称えあった。

 

「世界全快! オールオッケー!」

 

 いや、終わり良ければ総て良し(オールオッケー)と言うのなら、今回の戦いは一抹の名残(なごり)をとどめた。

 

「アン! アン! アン! アン! アン! アン! アン! アン! ア、アアーン!」

 

 心を通わせた先輩──インムワルドが、今度こそ本当にこの世界から消え去った。

 その事実に、残された遠野はうちひしがれ、世界レベルの泣き声をあげていたのだ。

 夕日に染まる、戦場となった公園でただ一人泣きむせぶ遠野に対して、介人たちはかける言葉もない。

 きっと今はなにを言っても、傷ついた遠野の心を癒せることはないだろう。

 

 やるせない思いと、トジテンドへの怒りを胸に、ゼンカイジャーだった五人は無言で遠野の前から去っていくのだった。

 

 

 

 

 

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

 インムワルドとの激戦から数日後。

 カラフルで暮らす五人の戦士は、すっかり日常を取り戻していた。

 今日も今日とて、お客さんの去った店内で駄弁っていると、店の外から介人が満面の笑みで駆け込んできたではないか。

 

「どうしたの、介人? そんなに慌てちゃってぇ」

 

 接客を終えたガオーンが、エプロンを外しながら聞いた。

 

「みんな、これ見てよ」

 

 介人が手にした雑誌を広げると、そこには遠野の記事が載っていた。

 

「お、遠野のにいちゃんじゃねえか」

「ぬぬっ、なんか……ずいぶん元気そうっすね」

「ほんとうですね、憑き物が落ちたと言いますか」

 

 記事上の遠野の写真を見ながら、ジュラン、マジーヌ、ブルーンが口々に、彼の変わりように驚いた。

 

「遠野さん、今度は迫真空手の世界大会で、チャンピオンベルトの防衛戦に出るんだって」

 

 次のページには、遠野への挑戦権を得た新人の迫真空手選手の顔写真が。

 それは、五人にも見覚えのある面影を宿していた。

 

「あ! この顔って……インムワルド!?」

「似てるよね。野獣の目つきとか、顔のイボとか。もしかして、インムワルドの生まれ変わりだったりしてね」

 

 声を上げたガオーンに答える介人。

 

「まさか。キカイノイドが人間に生まれ変わるなんて、聞いたことありませんよ」

「ちょっとあり得ねえよなぁ」

「でも、本当にそうだったら、結構素敵な落ちだと思うっす」

「僕も今度は人間に生まれ変わって、介人と……グフフ」

 

 本当にインムワルドが人間に生まれ変わったのだろうか。

 それが真実であれ、そうでなかろうと、この出会いはきっと遠野にとって、良い流れをもたらすことだろう。

 

「あっ、そうだ」

 

 介人が唐突な声を上げる。

 

「俺思ったんだけどさ。今回のインムワルドの影響を受けた人たちって、潜在的にホモへの憧れがあったんじゃないかな」

「うん」

「だったらホモビデオの需要も、潜在的にはもっとあると思うんだ」

「うん?」

「だからガオーン、俺と一緒にホモビに出ない?」

「ファッ!?」

「俺は全世界初、キカイノイドと一緒にホモビデビューした新人ホモビ男優になる!!」

「「「「やめロッテ!!!!」」」」

 

 今度こそ本当の本当に終わりっ! 皆解散!




このお話のプロットを組んだのはゼンカイジャーほんへが3話の時だったので、当初は

先輩と遠野仲良くなる→先輩、遠野をお持ち帰り→遠野を地下で昏睡レイプ
→その後遠野をキカイノイドに改造して玩具にしようとする→怒りの遠野、ギアの力で変身

というインムワルドがキカイノイドの屑っぷりを見せる流れだったんですが
ほんへでステイシーが出たことでこのお話にも組み込んでみたいと思い
無理やりですがそれに伴い展開も変更しました

また、改心したインムワルドが生まれ変わる?という流れもプロットにはなく
書いてるうちに自然とできたものです

ここまで読んでくれてありがとナス!
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