意識が朦朧としている中で目を覚ますとそこにはデカイ谷間が見えた。
「なんだこの谷間?」
俺はその谷間を触った。
「なんか柔らかいなこれ。こんな枕があったら毎日これで寝る自信あるわ」
そう言いながら俺はかれこれ3分位それを触り…もとい揉み続けた。そして寝返りを打つと今度は顔が壁にぶつかった。
「なんだこれめちゃくちゃかてぇー。まるでコンクリートみたいだぞ。でも何故だ?不思議と熱があるんだよなこれ。何て言えば良いんだろう、こう人の体温に近いって言うかもうそれとしか言えないような」
俺はそんな事を言いながら顔をあげた。するとそこには
「どうやらもう一度寝たいようだな?カズマ」
「あ、………」
瞬間俺の意識は覚醒した。なぜなら俺達のパーティーの壁役こと貴族の身分ながら冒険者として俺達と一緒に魔王を倒した。正確には魔王と戦う前の時間稼ぎをしてもらったララティーナが顔を真っ赤にさせながら俺に拳を喰らわそうとしていたからだ。
「あの…弁明をさせてもらっても良いですか?」
「ふふ、良いだろう。もしそれで納得出来たならお前の顔面を一発殴るだけにしといてやる」
あ、これ詰んでる奴だ。うん諦めよう。よーしなら最後の手段だ。
「バインド」
「なっ!?」
俺は自分の服の中に隠していた縄を使ってララティーナを拘束した。
「さあこれで俺を殴ることは出来まい。残念だったな?ララティーナお嬢様」
「ラ、ララティーナお嬢様と呼ぶなー」
「へぶし!?」
ダクネスの頭突きが俺にクリティカルヒットした瞬間だった。そして俺は再び闇の中に落ちていった。
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「あ、起きました。良かったですね。アクアの回復魔法があって」
再び目を覚ますとそこには体の一部分が残念な紅い目の少女がいた。そしてその後ろには青い髪と金髪の少女(一人は成人済み)が俺を見つめていた。
「此処は何処だ?」
「お兄様此処は怪我人を治療する部屋です」
「正しくは医務室ね。ねぇカズマあんたを蘇生させてあげた私になにか言うことがあるんじゃないかしら?」
恐らく死んだ俺を見つけたこいつらが俺をここに運んだのだろう。アクアは俺に対して強気な態度をとっている。これはいつも通りだ。ダクネスはさっきのことで黙っている。アイリスは俺を心配そうに見つめてくれている。めぐみんは目の下が赤い。泣いてたのか?
「ありがとうアイリス。教えてくれて。めぐみんも心配させて悪い。アクア、テメーは今回なんもしてねぇから言うことはない」
「なんでよー」
アクアが俺に掴み架かってくる。アイリスとめぐみんは安堵の声をあげ息を吐いている。
「とりあえず、この状況は大体分かってるから俺が向こうでエリス様に教えて貰ったこととお前らが分かってることを確認したいんだが?良いか?」
「ええ、良いですよ」
「はい、お兄様」
「ああ、分かった」
ダクネスが返事をしてくれた。こいつさっき俺に頭突きしたの後悔してんのかな?。アクアは現在俺が首を掴み拘束している。とりあえず情報交換と行こう。
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「成る程。つまりカズマはエリス様から魔族ぶっ潰せと言われた訳ですね?」
「そうなるな」
「「………」」
「あの子なら呪殺されたカズマに特典として選ばれたのになにも出来ずに死なれたのが余程嫌だったのね…。あの子そういうところ真面目だし。カズマもとんだ災難だったわね」
「アクア?。エリス様は本当にそんな事を言うのか?私の中のエリス様像がどんどん崩れていく感じがするのだが」
「言うわよ?だって私より魔族に対する扱い酷いのよ?私はまだ浄化するから良いけどエリスは親でも殺されたのかと思うくらい上級魔法でじっくりとじわじわ殺していくわよ?」
「「「「………」」」」
否定できない。エリス様は子供達の薬の素材になる悪魔の爪をダクネスと貰い(強奪)に行った時にぶちギレて悪魔の残機を容赦なく削っていた記憶がある。
「とりあえず明日からまたいつも通りの日々になるだろうからよろしく頼むよ皆」
「そうですね。いつも通り冒険して疲れて家に帰りどうでも良いことで騒ぎ合ういつもの私達に戻るとしましょう」
「そうだな。魔王は倒しているんだ。金だけもらってアクセルに帰ろう。それが私達に一番合っている」
「……」
「そうと決まればカズマ。高級シュワシュワ買っていきましょう。王都のは絶品らしいわよ?」
皆とりあえず了承してくれたらしい。ダクネスは珍しく同意してくれてるしめぐみんとアクアも俺に対する態度がいつもと変わらない。これが俺達のパーティーなのだ。
「良し。とっとと金貰ってアクセルに帰るぞ。そして皆で宴会だー」
「「「異議なし」」」
奇跡的に三人の息があった瞬間であった。
アイリス後半無言にしてたけど次の回滅茶苦茶出番あると思う(小波感)