表彰式が終わり俺はアイリスの父親と一緒に王城の一室で仲間とアイリスと一緒に一杯やっていた。
「さあカズマ殿遠慮無く飲むと良い」
「は、はあ」
俺は現在アイリスの父親改め俺のお義父さんになるかもしれない。ていうかほぼ確定している人にお酒を注いで貰っていた。そうアイリスの父親つまり、この国の国王様こと国のトップにである。
「カ カ カ カズマおおおお前は何をしているんだ?」
「見ての通りアイリスのひいては俺のお義父さんになる人にお酒をついでもらってます」
「カズマカズマ」
「はい、カズマです」
「貴方は今自分が何をして自分が今どういう立場にいるのかを分かっているのですか?」
「アイリスの婚約者です」
この状況は普通なら絶対に有り得ない光景だ。何処にでもいる魔王を倒した冒険者に国王が酒を注いでいる。そうなにも間違っていないのだ。何処にでもある平穏な日常なのだ。
「お兄様。こほん。あなた、この光景は何処でも見られはしないと思うのですが?」
「言うなアイリス。俺もこうやって現実逃避しないとこの光景に耐えられないんだ分かってくれ」
俺はこの光景を受け止めていうように騎士の人達からは見えているだろう。しかし、俺と一緒に冒険したダクネスとめぐみん。そして一緒に遊んだアイリスは俺の現実逃避しているこの状況を理解している。
「カズマ殿、大丈夫ですか?」
「は、はい大丈夫です。今度は俺が注ぎますね」
そう言って俺は未来のお義父さんのコップにというかグラスに酒というよりワインに近い酒を注いだ。
「まずは君にありがとうと言っておこう。本来であれば9000億エリスという大金を渡さなければならない筈だったのを50億エリスにまで下げなければならなかったのだからな」
「いえ、俺も報酬は下げられても仕方ないと思っています。本来であれば首が飛びかね無いことをしたんですから」
俺が報酬9000億エリスを50億エリスまで下げられた理由。それは
「君の首は飛ぶ筈がないよ。魔王を倒したものをダンジョンを壊したことくらいで処刑何てしたら面子にも関わるからな」
俺は魔王を倒すため世界最大のダンジョンをエクスプロージョンで破壊した。魔王を倒し俺も死にそしてダンジョンが崩れたのは一ヶ月前。表彰式前に国王と会った日にダンジョンの修復について話したのだ。
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表彰式一日前
「それでカズマ殿実は報酬のことなんだがね」
「下げるってことでしょう?多分ダンジョンの修復ですか?」
「そうだ。君と魔王の戦いによって世界最大のダンジョンの中枢は壊れてしまった。これを直すのは氷結の魔女の異名をもつウィズ殿が直せるそうなので頼んだのだが材料が材料だからな。すまないが君の報酬を使わせてはくれまいか?」
「構いませんよ。むしろダンジョンが、崩壊した原因は俺の爆裂魔法によるものですから。報酬を使って直せるなら喜んで差し出します」
「すまない」
俺は恐らくダンジョンについて何かあるのではないかと考えていた。何せパワーレベリングをした場所なのだ。あそこはとても強いモンスターがうようよいる。そんな場所が崩壊したとなれば当然そこにいるモンスター達は壊れた場所から外に出て暴れだす。ウィズの店に行った際にダンジョンの修復を受けたと聞いたときにこうなると覚悟していた。実際俺としてもこれは妥当だと思っている。アクアがいればごねるだろうが元々の原因は俺の爆裂魔法『エクスプロージョン』だ。この程度なら問題はない。
「それでカズマ殿。貴殿はどのような魔法を使えるのか気になっているのだが見せて貰っても構わないだろうか?」
「はい。大丈夫です」
流石に王様に冒険者カードを見せないのは不味いよな。でもこれにはドレインタッチが入っているんだよなー。どうしよこれ。
「カズマ殿。このドレインタッチはリッチーのスキルでは?何故カズマ殿のスキル欄に載っているのだ?」
「俺がリッチーのドレインタッチを見てる姿を見てその原理を理解したからです。実際何度もやられたので意地でも覚えてやろうと思って覚えました。それにこのスキルは仲間に魔力を渡すことが出来るので重宝しています」
「成る程。確かにそれならばこれも納得できる。カズマ殿のスキル量は恐らく世界一の保有量だろう。これならば安心して娘を託せるな」
どうやら納得してくれたらしい。
「こうなった以上銀髪盗賊団の賞金も揉み消さなくてはなそうだろう?銀髪盗賊団の仮面を被ったカズマ殿」
「「えっ!?」」
嘘だろ。何故バレた。
「騎士の話では魔力を吸われたものが何人もいたそうだ。恐らくこれはドレインタッチではないかと考えていた。さてカズマ殿がドレインタッチを持っている。ドレインタッチはリッチーの専用スキルだ。最初はリッチーが盗賊をしているかと思ったが青年だと聞いてね。そして今回のこのスキル欄にあるドレインタッチという名前。これで君が銀髪盗賊団の仮面を被った方の青年だと判断したんだよ間違いないかい?」
流石にこれじゃあ誤魔化すだけ無駄だな。ダクネスも目で訴えているってことはもう言っても良いだろう。
「はい、俺が銀髪盗賊団の仮面を被った方の青年です。アイリスを危ない神器から守るためもう一人の盗賊と協力して城に潜入しこの事件を起こしました」
「そうか。やはり君が…。カズマ殿指輪は持っているかい?アイリスから盗んだ」
「はいこちらに」
俺はそう言って宝石の箱と言うより指輪の箱からアイリスからスティールで奪った指輪を出した。
「こんなに綺麗に保管してくれているとは。冒険者は危険が付きまとう。それなのにこんな状態で指輪を持ってくれているとは。ありがとう」
「ダクネスの助言のお陰てす。ダクネスのお陰でこの箱に指輪をいれることができたんですから」
「カ、カズマお前」
「そうかララティーナ嬢が。感謝する」
王様がダクネスに感謝してる。良い人だなホントに。
「い、いえ私は貴族として当たり前のことをしただけですので」
「………ほう貴族とな」
瞬間部屋の温度が下がった。
「カズマ殿少し席を外して貰って良いだろうか?少しララティーナ嬢と話をしなくてはならないのでな」
「はい。分かりましたそれでは失礼します」
「えっ!?カズマ、お前」
「さてララティーナ嬢少し話をしようか」
「ひゃぁ、ひゃい」
その後俺が部屋に戻されたときにはダクネスはそれはもう泣いていた。見ていて可哀想なほどの。
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そう言えばあれって盗賊であることを知ってて隠したから怒られたのな?
「さあカズマ殿先程までのことは水に流して今日はとことん飲みましょう」
「カズマ飲み比べといきますよ」
「あなた。頑張って」
「カズマどっちが最後まで飲んでいられるか勝負といこうではないか」
全くこいつらはしょうがねぇなー。
「絶対に最後まで生き残ってやらー」
そう言って俺達と王様、そしてアイリスは朝までとことん飲み尽くした。二日酔いに成るほどに………
ー続くー
あー少し間に合わなかった。次は絶対に間に合わせてやるからなー