ララバイバンデッド   作:ゼパル・ガルベスク

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出来ればですが暫くはララバイバンデットを出してから、他の小説に手を出して行きたいと思います。

トリコ→BLEACH→ボーボボ→ヒロアカ→ララバイでやっていきたいですね、取り敢えず第1章は完結は目指したいです。


第2話:冒険者と時々悪魔、所によりラスボス

 

 

ガイタ「ここが風都…風が気持ちいい…」

 

「「スヤァぷぅ…zzZ」」

 

街の外れの“華吹神社”と書かれた鳥居の側に降りた瞬間、まるで彼らを出迎えるかのように心地よい風が吹いて来た。目の前には風車の様な巨大な建築物があり、此処からでも住民の喧騒が聞こえて来た。

 

スレイド『正式名称“風都市”、山に囲まれ海が風を引き込むこの土地は風力発電が主体となるくらい風に恵まれているらしい。“風の都”と呼ばれるのも納得だ…』

 

ガイタ「確かに…建物のあちこちに風見鶏とか置いてあるね、まるで風が来た事を伝える為の呼び鈴みたいだ…」

 

あまりの心地良さに思わず眼を閉じて全身で風を感じるガイタ、アクババもリラックスしているのか喉を鳴らしカゲヒサにゃん達は気持ちよさそうに熟睡し始めた。

 

ガイタ「所で何でこの街に来たの?」

 

スレイド『それをする為には本の力を見せなければならん、〈収奪〉』

 

ガイタの質問に答える様に左手を操り本を開いた状態でアクババに押し付けると光に包まれながら吸い込まれていく、光が収まるとそのページにはアクババの動くイラストが描かれていた。

 

ガイタ「本に取り込んだ!?そっか、これが少し前に話してた収奪なんだね…って事はコレで何か欲しいものがあるの?」

 

スレイド『その通り、実は世界を漂ってる時にこの街には“ガイアメモリ”と呼ばれる地球の情報を詰め込んだ小箱があるらしいと聞いてな…それを本に収めればアイツらに対抗出来るかもしれん。流石にずっとジョーカーで闘うのは難しいからな、何より収めるにはちゃんとした確固たる情報が必要だ…ガイアメモリは適任と言うわけだ』

 

ガイタ「成程…確かにイイかも!じゃあ早速行ってみよう、ほらおいで2人とも…2匹とも?まぁ取り敢えず起きて!」

 

「「にゃむ…」」

 

スレイドの説明に納得したガイタは早速ガイアメモリ探しに眠る2匹を抱えて神社を後にする、それから街中を歩くと様々な光景が目に映った。

 

綺麗な女性2人がガイタと同じくらいの男の子とテレビの撮影をしていたり、奇妙な男性がスマホで写真を撮りまくったり、風車みたいなゆるキャラ“ふうとくん”が元気に動いていたり…

 

世界が混ざり合った結果なのか獣人の様な見た目の人物やまんま動物の様な人までいたりと、目に映るもの全てが新鮮でとても綺麗にガイタの目には映った。

 

スレイド『世界融合の影響か他の世界の住民も居るみたいだが、特に混乱は起きてないみたいだな…そんなにキョロキョロしてどうした?』

 

ガイタ「長い間引き籠りだったからってのもあるかもだけど、凄くいきいきとした街だね。でもガイアメモリの店は何処にもないね…」

 

スレイド『おかしい…確かに風都ある筈なんだが…なぜ何処にも売っていない、もしかしてその店だけピンポイントに消えたのか?』

 

ガイタ「流石にそれは…あっ!あそこのオジさん達に聴いてみようよ、すみませーん!ちょっと聞きたいことあるんですけどー!」

 

 

いくら探しても見つからないガイアメモリに疑問を持つ2人…そこでガイタは近くの人に店の場所を聞くことにし、電柱の近くで話し合っているツボ押し器を持っている男性と赤いジャケットを着込んだ男性に話しかける。

 

「おう、どうした嬢ちゃん?道に迷ったのか?」

 

ガイタ「えっと、僕は一応男で、僕達今日初めて風都に来たんですけど…」

 

「おおっと!悪い悪い、ってん?僕達?」

 

ガイタ「あっ、僕の手に取り憑いてる同居人の事です。名前はスレイド」

 

スレイド『悪さをする予定もメリットもないから安心しろ』

 

「ッ!?なんだと!!?」

 

「えぇ!?手ェェェェ!!!?」

 

早速ガイタが女性と間違われたりスレイドに驚かれたりとしたが何とか落ち着かせてここまでに起こった出来事の話をする、スレイドの為にガイアメモリが欲しい事とその場所を探している事を正直に話す。しかしツボ押し器の男性、刃野警部補は困った様な顔になり赤いジャケットの男性、照井竜は険しい顔つきになる。

 

照井「お前達の事情は分かった、だが俺達にその質問はするな!」

 

ガイタ「え!?」

 

スレイド『おいおい、なぜ態度を変える?』

 

照井はガイタの肩をしっかりと掴むと目線を合わせて厳しい目つきでハッキリと告げる、ガイアメモリは確かに超人的な力が手に入るがその中には強力な毒素があり体内に入るとドーパントと言う怪人になり精神を蝕まれ悪意に支配されてしまうそうだ。

 

照井「出会って数時間なのに関わらずお互いに助け合おうとするお前達の力にはなってやりたい、しかしガイアメモリを使わせるのは絶対に許さん!アレによって凶悪な犯罪者が現れて多くの涙と命が零れ落ちた…刑事として、この街を守るものとして!!お前らをそんな存在にさせる訳にはいかん!!」

 

ガイタ「そう…なんですね…すいません、でした…(まさかそんな怖い道具だなんて…スレイドは知ってた?)」

 

スレイド『また振り出しってことか…道具ってのは使う者によって善悪が変わるのが定番なんだがな…(バカ言うな、そんなヤバいのだなんて知ってたら探させん…俺なら耐えられる自信があるがお前に何の影響があるか分からん、ガイアメモリはパスだ)』

 

ガイタ「(わかった、ガイアメモリ探しは中止だね)あの、じゃあ何処か雨宿り出来そうな場所ってありませんか?僕お金持ってなくて…」

 

照井「なに?いや、確かに今までの事からして当然か…なら俺の妻が働いている所がある。そこで暫く世話になるといい」

 

刃野「確かに、あいつらならあっさり了承してくれるかもですね。丁度用もある事だし」

 

ガイタ「?、ありがとうございます(あいつら…?警察署じゃないって事かな?)」

 

 

2人の案内で都内から離れたとある建物に辿り着くと、そこはかもめビリヤード場と書かれた少し寂れたレトロな雰囲気を醸し出した建物、黒と緑のバイクのすぐ隣にピンクの文字で“鳴海探偵事務所”と書かれた水玉模様の看板が立て掛けてあった。

 

スレイド『レトロな雰囲気台無しだな』

 

カゲにゃん「ダメにゃん」

 

ヒサにゃん「アウトにゃん」

 

ガイタ「みんな!シィィィィ!!」

 

照井「…所長である妻の趣味だ、気にするな。刃野刑事、俺は説明してから向かう」

 

刃野「では課長、これにて失礼します」

 

刃野と別れ階段を登り扉を開けるとそこには3人の人物がいた、1人は緑色のスリッパに何やら書き込んでいる女性…もう1人は緑色の髪に複数の髪留めをつけて白紙の本を開いている男性…最後にハネ毛の茶髪でソフト帽を被った黒のベストにスラックスを穿いた男性だった。

 

照井「紹介しよう、奥から所長かつ俺の妻の照井亜希子こと鳴海亜希子…ここの所長ゆえ旧姓を名乗っている。次にここの探偵の相棒フィリップ、彼より頭がいい人間を俺は知らん。最後に探偵の左翔太郎、容疑者にも感情移入してしまうが熱い心の持ち主だ」

 

翔太郎「おい照井!何で俺だけ落とすんだよ!」

 

照井「今のは俺なりの褒め言葉だ」

 

先程の厳格な態度とは打って変わって柔らかい雰囲気で親しげに、尚且つ最後に茶目っけを出す照井にガイタは思わずポカンとその光景を眺める。

 

スレイド『身内が居るとはいえ、相当仲が良いみたいだな…』

 

ガイタ「そう、だね…」

 

「「んにゃ?」」

 

眼を細めながら呟くスレイドの言葉に切そうに胸元に手を置くガイタの表情は、何故だか懐かしむ様な悲しむ様な複雑な様子だったのに気づくのはカゲヒサにゃん達だけであった…

 

 

 

 

***

 

「「エッホ!エッホ!」」

 

「「ジャンカッ!ジャンカッ!」」

 

「「カッゲ!ヒッサ!」」

 

「「ジャンカード!」」

 

 

風都にある地下施設、そこにはウサギの顔出し着ぐるみパジャマを着た様なカゲヒサアニマル達とロボットの様な兵隊達が其々何かを運搬している様だった。

 

カゲヒサアニマル達は化石の様な装飾の付いた大きめで様々な色に分けられて真ん中に変わったデザインのアルファベットが書かれたUSBメモリを両脇に、兵隊達は何か大きな機械に使うであろうパーツを数人掛かりで運んでいる。

 

そんな様子を眺めながら白い怪人…ジャッカル・デーモンは手下であり前回爆散したはずのスコーピオン・デモリッシャーから報告を受けていた。

 

ジャッカル「成程…必殺技の名前がレクイエムねぇ…色々推察していたがいざ調べると俺の能力は本当にやばいな、全て“理解”してしまうんだからな。よく生きて戻った、ルナムーン・レコーピングを用意していて正解だったぜ」

 

スコーピオン「ありがたきお言葉…しかし引き上げられた先でボーボボ達と戦闘になり戦艦が壊れてしまいました、この街に滞在するにはステルス機能のあるあの船が必要だったと言うのに…」

 

そう、実はスコーピオンは負けたものの奇跡的に助かっていた。戦艦に残していたルナムーンの能力は月に由来しており、実は体を伸ばしたりするだけでなく分裂したり姿を消したりと月の要素がある事なら大体の事は出来るのだ。

 

ジャッカル「だがおかげでボーボボ達は風都に来れなかった、()()の為の資源がここで足止めになったのは痛いが…重要なのは過去のもしもよりも未来の危機回避だ。それを出来たのは幸いだ」

 

スコーピオン「しかしここには仮面ライダーがいます…()()()()()()()()だったとは言え本来の潜伏場所は山奥や海底だと言うのに急遽かつて使われていた地下施設への変更、彼らに“本棚”を開かれたら危険では?」

 

ジャッカル「ギャッシャッシャ…!それについては対策済みよ!俺がこの世界に居なければ本棚に記載はされないし何より考えている事までは書かれない、目的を果たすまで暫し俺が大人しくしてれば良いだけさ。ウサギカゲヒサ達に我が兵士『屑鉄兵(ジャンカード)』達よ!ある程度片付いたら休憩だ、風都名物の風麺をたらふく食わせてやる!!」

 

「「「きゅきゅきゅー!!!」」」

 

「「「ジャンジャード!!!」」」

 

兎のカゲヒサアニマルことウサギカゲヒサ達はぴょんぴょん跳ねながら喜び、ロボット兵ことジャンカード達は腕を掲げながら雄叫びを上げる。しかしそんな空気を許さないと言わんばかりに小柄な二つの影が隙間を縫って現れる…

 

「「きゅいきゅい〜!!」」

 

ジャッカル「あ?どうしたカゲヒサぴょん、そんなに慌てて…何だと?」

 

慌てた様子で出てきたのはそれぞれが薄い桃色と薄い水色の体に首元に青いリボンを巻いた特殊なカゲヒサアニマル、カゲぴょんとヒサぴょんでどうした事かと問いただした瞬間、彼は全てを理解した。

 

ジャッカル「スコーピオン、お前は先にターゲットを探しに行け。カゲヒサぴょん達は休憩の為待機、ウサギカゲヒサ達とジャンカード達はAチームのみ全員出撃!残りは作業を続けるんだ!!」

 

スコーピオン「お任せを!」

 

「「「うさうさ〜!!」」」

 

「「「ジャンカーーーーッ!!!!」」」

 

各自返事をして行動に移る中、ジャッカルは忌々しいと言わんばかりに天井を見上げて睨みつけながらボソリと呟いた。

 

ジャッカル「“ハイドープ”共め…勝手に動きやがって…!!()()()()()()()()()()()()()()()()()()!!」

 

 

 

 

 

***

 

一方では、ガイタ達は公園のベンチに座りながらぼうっと空を眺めている。あの後聞いた話では彼らは仮面ライダーと呼ばれる戦士でこの風都をガイアメモリ犯罪者から護り続けているらしい…のだが

 

ガイタ「困ったね…頼りのガイタメモリは危険過ぎて使えないみたいだし、フィリップさんにジャッカルについて調べてもらうにしてもとんでもない事になってるらしいし…」

 

スレイド『“地球(ほし)の本棚”・・・この地球に蓄積された情報を精神世界で本として取り出して読むことが出来る能力…そしてその対象が人物の場合、情報量によっては辞書よりも分厚くなるとか…』

 

ガイタ「分厚過ぎて最早本じゃない上に何冊にも分けられてるの初めて見たって言ってたもんね…」

 

意外も意外、まさかの情報過多によって相手のことが逆に分からなくなると言うアクシデント…この事実にガイタは深く溜息を吐く。近くの噴水でカゲヒサにゃん達がパシャパシャと水を飛ばしながら遊んでいるのを見ながらふと彼は考える…

 

ガイタ「猫なのに水平気なんだ…(何でジャッカルは僕の事を狙って来たんだろう?少なくとも僕は知らない、スレイドも会った事ないって言ってたし…それにスコーピオン、彼はどちらかと言うと態と情報を流して僕の様子を探っている様だった。恐らくまた何か仕掛けてくるかも…)情報量が多すぎる…色んな意味で」

 

スレイド『確かに、どうしたものか…ん?おい、何だあれは?』

 

ガイタ「え?何だって一体「うわあぁぁぁぁぁぁぁぶぼんっ!?」《ズドォン!》うおわぁ!?い、いっ…一体なにga《ジャボンッ!》「ガボボボ!なになになに!?溺れる溺れる!!」いやもう一体なにがどうなってるの!?」

 

スレイドが何かに気づき見上げ“なにが”と言おうとすると何やら人らしきものが降って来てそのまま落下し地上絵の様な穴を開ける、続きを言おうとするも今度は噴水から突然誰か起き上がりパニックになって溺れかけている、突然の情報量に大慌てのガイタは純粋な気持ちをぶちまけた。

 

 

 

 

 

ガイタ「と言う訳でシシオウ・ガイタと申します、こっちはスレイドでそちらの2匹がカゲにゃんとヒサにゃんです…それでお二人は?」

 

「アタシはベルセリオン・ウェルズハート、『イートスタ』って種族の冒険者!ベルって呼んで!」

 

「俺はトイフェル・シャオロン、見ての通りの悪魔や!悪魔学校バビルスの一年生で我々師団の超!!!人気者や!!」

 

地面に埋まってたのを救出し、足がつく事を教えてお互いに落ち着いた後…ガイタは一先ず自己紹介をする事にした。1人は黒い長髪に赤い角の生えた兜を被り、赤く裾の短いジャケットを羽織り腰から龍の尻尾を生やした短パンのラフな姿の剣士風の少女ベル、もう1人は青い制服の下に赤と白のボーダーの服とオーバーオールよりも目立つ悪魔らしいオレンジの尻尾をゆらつかせ猫耳の様な角を隠す様に悪魔をデフォルメしたピンバッチ付きニット帽を被った少年シャオロンと言うらしい…

 

ガイタ「それで、2人も突然この世界にやってきちゃったんだよね?」

 

ベル「そうだぞ、走ってる時に急に夜空みたいな穴が空いてそっから落ちて今に至るんだ」

 

シャオロン「俺は…分からん、よく覚えてないんよ…最後に誰かにあった気がするんやけどなぁ…」

 

ガイタ「まさか異世界同士がくっつくだけでなくて他所から人が流れてくるなんて…そんな事ある?」

 

スレイド『本来世界とは一つだけの物…だが世界が混ざり合うとさまざまな弊害が生まれる。海がある場所に土地が出来たり本来居ない者が突然現れるくらいならまだマシだが、混ざり続けて惑星や銀河が膨張し続けたり最悪だと世界が消滅したりする』

 

ガイタの質問に答えたスレイドの内容はとんでも無い事だった、惑星や銀河についての知識がない2人はよく分かっていないがガイタは粗方分かってしまい思わず乾いた笑みを浮かべてしまう…

 

スレイド『だがしかし、ごく稀に一個体だけが転移する事もある。特殊な力をぶつけられて過去や未来に飛ばされたり、別の世界に送り込まれたりな…コイツらも恐らくその類だろう』

 

シャオロン「へぇ〜、頭ええな左手だけのクセに」

 

ベル「面白いな!左手だけなのに!」

 

スレイド『この形に収まってるだけで本来は人型だぞ俺は…』

 

ガイタ「あははは…」

 

スレイドの手だけイジリを苦笑いで躱すガイタは何処か懐かしい気持ちになっていた、1人白い荒野に投げ出される前の前…まだひとりぼっちになる前の記憶。家族がおり、そして友達と呼べる者がいた頃の記憶が痛みとしてズキズキと襲っていた。

 

シャオロン「…なぁ、ガイタやっけ?お前と一緒におったらジャッカルってなんでも出来るすごい奴の手下が襲ってくるって事は倒し続けたらいつか本人が来るって事よな?」

 

ガイタ「え、いや、分からないけど…僕を狙ってるみたいだし痺れを切らしたら本人がやってくると思う…」

 

ベル「おお!いい事聞いたな、じゃあアタシはアンタと一緒に行動したい!強くなれそうだし元の世界に戻れるかもしれない!!」

 

シャオロン「そう!その通り!俺も同じこと考えてた!!めっちゃ強い奴倒したら仲間に自慢出来そうやしな」

 

ガイタ「え、あ、あの、その…」

 

ぐいぐいと来る2人に思わずたじろぐガイタ、ここまで読んでくださった方には丸分かり…若しくは察しているだろうがこのシシオウ・ガイタと言う少年、長年ボッチだったせいか若干隠キャを拗らせているのだ。

 

 

 

「「んにゃにゃ!!」」《ピコンッ》

 

シャオロン「ん?どうしたんお前ら?」

 

「「んーーー!」」

 

ガイタ「コレは…前に敵が来た時も同じ反応だったよ!てことは……」

 

ベル「戦闘態勢…って訳か!」

 

 

 

 

《マグマ!》

 

《ビースト!》

 

《アノマロカリス!》

 

《バイオレンス!》

 

「「「「ぐおおおおお!!」」」」

 

答え合わせの様に怒号が聴こえるとそこには燃え盛るマグマや古代生物のアノマロカリスの様な姿を模した怪物、ドーパントが現れて周りの物を壊し始めていた。

 

シャオロン「な、何やあのバケモン!!魔獣か!?」

 

スレイド『いや、恐らくガイアメモリで変身する超人的存在ドーパントだろう…毒素で暴走してるのかもしれん』

 

ガイタ「超人的って言うか…ほぼほぼ怪物じゃないか!!」

 

ベル「とりあえず話は後だ!大人しくさせるぞ!!」

 

突如として現れたドーパント達に驚くものの、ベルの言葉により戦闘準備を整える3人…ガイタはジョーカーフォームになりシャオロンは木の棒を魔術で木製バットに変え、ベルは腰につけた鉄の剣を引き抜き戦う。

 

しかし熱の壁で防いだり丈夫な肉体で弾いたりとして中々攻められないでいる、その様子を見てドーパント達がくつくつと笑いだす。

 

ビースト「おいおい…その程度で挨拶のつもりか?もっと元気出せよ、出会い頭にドテッ腹にキック1発だろが!?なぁ!?後ろ回って膝カックンだろが、なぁ?」

 

バイオレンス「燃え尽きて弾け飛んだ人生なんてクソだクソ!何でもねえただのクソ喰らえだ!靴、shot、crack、オェーー!!だ!!意味を返せよ!!バカ!!」

 

アノマロカリス「社会のルールなんて知った事か!!守るほど大したもんかよ!!クソッタレが、所構わず屁をぶっ放す!!俺が糞を垂れ流す!!その瞬間そこが便所だ!!」

 

マグマ「800年分の殺意が弾けた!!燃えて焦げて燻んで消えた!!ざけんな、おかしいだろ、なんでこうなる?我慢なんてしてたまるか!!ボケが!!お前ら全員…!!」

 

「「「「ここを墓場にしろ!!」」」」

 

《カオスブラッドシステム・コンバイン》

 

ガイタ「腕輪?いや、何かの機械?」

 

ベル「何する気だ?」

 

《ダウンロード・火車×マイクラブレイズ》

 

《ダウンロード・マンティコア×一撃必殺熊》

 

《ダウンロード・クラーケン×ドラクエサンドシャーク》

 

《ダウンロード・ガシャドクロ×デーモンの召喚》

 

《イグニッション!!》

 

「「「「うおおおおおお!!!」」」」

 

 

謎の機械を腕に装着したドーパント達はそれぞれ2つのカプセルの様な物を装填して機械を起動させる…すると横に様々な怪物のイメージが飛び出してDNAの様に螺旋状になった鎖の様な姿になってドーパント達に巻き付くとより熱く燃えたぎったり、大きな鎌が生えたりと姿を変えていく。

 

「「んにゃにゃ!?」」

 

ガイタ「何これ!ドーパントってこんな事出来るの!?」

 

スレイド『いや、コレはどちらかと言うと…人間に2つの生物の遺伝子を組み込んで造る戦士、混血児のそれその物だ。あれは後付けだと上手く作用しないどころか体が耐えきれない筈だが…』

 

マグマ「知らなくて当然だ、教えるギリもないでございますが」

 

バイオレンス「んん?ございます!?ございますってなんだ!?言葉選びがバグってござりますねぇ!?」

 

シャオロン「どっちにしろバグった頭がおかしい(あたおか)連中がさらにヤバくなったって事やろ…」

 

ベル「いいじゃんか、倒し甲斐がある!」

 

 

 

 

 

 

 

「いい加減にしろよ、魔凶器技師ギリコ共」

 

何処からか声が聞こえそちらへ顔だけ向けると謎の空間の歪みの様な、星空が浮かぶ夜空の様な渦がありそこから複数の人影が現れる。そこにいたのは宿敵たるジャッカルとその部下のジャンカード達とウサギカゲヒサ達であった。

 

シャオロン「何やあの白いの…またドーパントってやつか?」

 

ガイタ「いや、それにしては生き物感がすごいと言うか、元になった物が分からないと言うか…」

 

スレイド『アイツがジャッカル・デーモンだ、俺達の戦うべき相手だ』

 

ベル「え!アイツが!超強そう!!」

 

「「ふしゃー!」」

 

困惑…警戒…期待…緊張…様々な感情が渦巻くガイタ達を前にして出てきてから目元をグッと抑えながら苛立ちを隠せない様にジャッカルは苦言を呈する。

 

ジャッカル「『ソウルイーター』の世界においてアラクノフォビアと言う組織に所属していた幹部ギリコ、薬を盛られ爆睡して戦いに参加出来ず他の組織にスカウトされ復讐を果たそうとするも魂が耐えきれず弾けて死んだバカ、俺様が耐久力が高い()()()()()にしてやった恩を忘れて暴れるとは何事だ?」

 

マグマ「忘れるだあ?忘れるわ忘れるだろ忘れるよな忘れられるか!!俺の殺意のエンジンは常に全開なんだよ!」

 

アノマロカリス「だからこそクローンで増殖してまで実験に手を貸したんだろが、舐めんなよボケが!!」

 

ガイタ「ハイドープ?」

 

スレイド『ガイアメモリに適合して特殊能力を宿した人間の事だ、念動力や超再生なんかを使える様になる。それと思い出したが、魔武器と呼ばれる体を武具に変化させられる人間がいる世界で800年の間に子孫の体を乗っ取り続けて生きながらえた狂人がいたそうだが…それがあのギリコって奴なんだろう』

 

ベル「全員バラバラの声だけど中身は同じって事でいいのか…?」

 

シャオロン「とんでもない奴やな…」

 

カゲにゃん「キケンにゃ」

 

ヒサにゃん「危ないにゃ」

 

ハイドープと変身者についての説明を無視してジャッカルは尻尾を思い切り地面に叩きつけ大きな陥没した様な穴を開けて歯をギチギチと鳴らす、その眼はまだ閉じられたままだが我慢の限界らしく至る所に青筋を立てている。

 

ジャッカル「良いだろう…元々異宙人以外のDNAを混ぜた混血児の実験台に適当に選んだだけだ、ガイアメモリの毒素で元々溶けた脳みそが蒸発しただけだからなぁ…ッ!!」

 

ギンッと目を見開くとまるで津波の様な衝撃と輝いて見える正しく眼光そのものと言える威圧感が辺りを包み込む、そのある筈のない衝撃にドーパント達は顔を逸らして倒れ込み、3人は思わず座り込んでカゲヒサにゃん達は眩しそうに目を細める。

 

「「ふにょおーん…」」

 

ガイタ「くうっ…眩しくないのにまともに目を開けてられない、でも何故か目を離せらない!」

 

スレイド『ジャッカルの持つ力の一つ【強者の眼光】だ、強ければ強いほど相手を威圧する事が出来るらしい。光の様な物は脳がそうイメージしているようだ』

 

シャオロン「でもそれ、今聴いても対策出来ひんやん…!!」

 

ベル「ングググ…体が動かない…!!」

 

アノマロカリス「うおおおおおお!!?このクソッタレ野郎が!能力解きやがれ!!」

 

バイオレンス「グチャグチャにしてやるからよお!」

 

ビースト「光を止めろやゴラ!!目ん玉ぁ引き摺り出して卓球すんぞオラ!!」

 

ジャッカル「馬鹿共が、『強者の眼光』は相手を光で縛りつける技じゃねえ…目を逸らす時点でお前らは俺に敵わないと察しているんだ。眼を合わせられる奴だけが俺と戦う資格がある、つまりそこのガイタとガキ共だけが・・・・」

 

ジャッカルは呆れる様にガイタ達の方をチラリと見ながら呟くと急に黙り込んでしまう、その表情は非常に驚いた様な感じで正しく開いた口が塞がらない…鳩が豆鉄砲を食ったようと言った様子だった。

 

シャオロン「な…なに?」

 

ベル「こっち見てるぞ…」

 

ジャッカル「ぁ…ぁ…シャオロン?ベル?」

 

その驚愕を隠せない状態で搾り出す様に発せられた言葉、それはシャオロンとベルの名前だった。ここに居るのが信じられない…ありえない…あるはずが無い…訳が分からないと言いたげで、思考停止しているのか困惑しているのか『強者の眼光』による拘束が緩くなっていた。

 

ガイタ「ッ!?(体が動く!)スレイド!!」

 

スレイド『了解した』

 

《ジョーカー!マキシマムバースト!》

 

ガイタ「『ジョーカーターンオーバー』!!」

 

「「「「ぎゃあああああ!!」」」」

 

ジャッカル「げっ、ヤッベ…!!」

 

《ズゴォォォォン!!》

 

この隙を逃すまいとガイタは必殺技を使用、と言ってもただ地面に思い切り手を差し込み裏返す様に相手にぶつける…所謂“ちゃぶ台返し”の様にドーパント達に瓦礫を投げつけた。

 

ガイタ「みんな、今のうちに!!」

 

スレイド『今は退避した方がいい』

 

ベル「むむむ…悔しいけど、そうだな」

 

シャオロン「全力で一時退避や!!」

 

「「にゃおにゃーん!!」」

 

土埃が舞う中を慌てて逃げ出すガイタ達、しかしジャッカルの背後にいて被害を免れたジャンカードとウサギカゲヒサ達はそれを良しとしなかった。

 

ジャンカード「ジャンジャン、ジャガード!」

 

「「「ジャンカーーーーッ!!!」」」

 

《バラタタタタタタッ》

 

ウサギカゲ「ウサーウサ!」

 

ウサギヒサ「ぴょんキュー!」

 

「「「キュキュー!!」」」

 

シャオロン「うわあああ!!めっちゃ撃ってき《チュインッ》あっぶな!?」

 

ベル「あのちっこいウサギ達もなんかして来てるぞ!」

 

ガイタ「迎撃は考えないで!!ジャッカルに立ち直られる前にダッシュして!!」

 

ジャンカード達は手持ちの装備である機関銃を隊列を組んで一斉射撃しウサギカゲヒサ達はスパナや木の棒を氷や電気や血液などで加工して回り込む様に追いかける、時折弾が当たりかけたり追いつきそうになりながらもガイタ達を攻め続けるがそこに待ったの声がかかる。

 

ジャッカル「待った、行かしてやれ」

 

ジャンカード「ジャンカ?ジャンカーーーーッ!」

 

「「「ジャンカーーーーッ!!」」」

 

ウサギカゲヒサ「きゅ?」

 

瓦礫の下敷きになったと思われたジャッカルは軽々と持ち上げて別の方へと放り投げる、その周りには呻き声を上げて身動きが取れなくなっているドーパント達が倒れ込んでいた。

 

ジャッカル「実験は失敗だな、『SCPの混血児』の世界の要素を足してみてくれと頼まれたからやったが…『ダンダダン』の世界の様な怪異となら上手くいくが他の特殊な生物じゃ上手くいかん。帰って出直すぞ」

 

「「「ジャンカーーーーッ!!」」」

 

「「「うっさうっさぎー!」」」

 

ジャッカルはライフル弾の様な長い鉄の棒を口に咥えると先の方に触れ煙を出すと帰還命令を出した、ジャンカード達もウサギカゲヒサ達もその指示に従い戻る準備をするが突然ジャッカルの足元に亀裂が走る。

 

ジャンカード達が武器を構えウサギカゲヒサ達がパニックで走り回りジャッカルが振り返ると、そこには満身創痍ながらも電気を帯びた骨の腕を地面に叩きつけているバイオレンス・ドーパントが立っていた。

 

バイオレンス「ぜぇ…ぜぇ…まだだ…まだ壊せてネェヨ!」

 

ジャッカル「そうだったな、お前らの掃除が終わってなかったな。カリュブディス、喰え」

 

バイオレンス「あ?何言ってんだテメ「オギャアアアアアアアアアアア!!!!」《バァンッ》」

 

ジャッカルが何者かに命令するとバイオレンス・ドーパントの背後から四つに裂けた巨大な口の様な物が襲い掛かりドーパント達を丸呑みにしてしまった、そこには全身が白く至る所にツギハギの様なジッパーの様な口がついた本の怪物…カリュブディスメギドが涎を拭く様な仕草をしていた。

 

カリュブディス「ギィエエエアアアア…」

 

ジャッカル「慌てるな、餌ならまた用意してやる…が、その前に運動だ。アイツらと一旦お話したくなって来たぜ…」

 

ニヤリと笑うジャッカルの言葉にカリュブディスは大人しくなりゆっくりと地面に溶け込む様に沈んでいき、後には沈みかけている夕日を見つめるジャッカルと現場の片付けをするジャンカード達…そしてまだ走り回りぶつかり合ったりしているウサギカゲヒサ達の姿しかなかった。

 

ウサギヒサ「キュキュキュキュー!」

 

ウサギカゲ「うさうさうさうさ!」

 

ウサギカゲヒサ「キュッ!《ドチッペタン》キュゥ〜…」

 

 

 

 

 

___________________________

 

ちぃ〜っす、ジャッカル・デーモンだけどぉ…

 

聴いてくれよ!今回の変な発明作者がリクエスト断ったお詫びに入れやがったんだぜ?ふざけんなって話だよな全く!お陰でだいぶロスしたぜ…

 

だが気になる事が出来たからにはあらかた説明しないとな…え、早い?知ったこっちゃねぇわ。

 

次回、ララバイバンデッド

 

『ラスボスの誘惑、ジャッカルの目的!?』

 

 

 

思い出すだけで気ぃ悪くなる理由だが、あの3人にはちゃんと言わねーとな…

 

 

 




次回はジャッカルが暗躍する理由と目的が判明します、因みに今回の登場作品は『風都探偵』と『魔界の主役は我々だ!』です。あと取り敢えずここでボイスがないキャラのイメージCVを貼っておこうかなって思います…

シシオウ・ガイタ/CV遠藤綾

ベルセリオン・ウェルズハート/CV喜多村英梨

トイフェル・シャオロン/CV福島潤

スレイド・エッジィーラ/CV立木文彦

ジャッカル・デーモン/CV子安武人

スコーピオン・デモリッシャー/前野智昭

ジャンカード/CV 星野貴紀


ジャンカードの声はトッキュウジャーのクローズとダンボール戦記のCCMをイメージしてますね、それではまた次回…頑張らないと、せめて誕生日投稿したい。



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