10人くらい欲しい!!
てな訳で今回もほぼ説明です、楽しんでください!!
何とか逃げ切ったガイタ達、今はとある港の隅で息を切らしながら滝の様な汗を流しながら休憩している。
ガイタ「ぜえ…ぜえ…なんとか、逃げ切った、ね」
シャオロン「アイツらが、追撃、をやめん、かったら…ゲホッゲホッ!」
ベル「危なかった、よな…ふぅーー…」
カゲヒサにゃん「にゃむぅ…パタリ」
スレイド『・・・お前ら、少し落ち着いたら俺の話を聞いてくれ。気になる事がある』
ガイタ「気になる事?それってなんの事?」
ガイタの質問にスレイドは答える様に人差し指を伸ばして、目を細めて明後日の方向を見ながら答える。
スレイド『ここまでの情報を纏めてみると恐らくジャッカルはペナルティを犯してしまっているのかも知れん』
「「「ペナルティ?」」」
カゲヒサにゃん「んにゃ?」
スレイド『直接確認した訳じゃ無いんだがな、ジャッカルには“約束事を反故に出来ない”と言うルールが課せられてるらしいんだ…』
ガイタ「それってケルト神話のゲッシュみたいな?」
シャオロン「ケルト神話?」
ベル「ゲッシュって?」
ガイタ「アイルランドって国に伝わるケルト神話と言う昔の物語に出てくるおまじないだよ、守ればいい事があるけど破ると破滅的な災いが降りかかって多くの英雄の死因にもなった物だよ」
ガイタが言った様にゲッシュまたはギャサはアイルランド語で『
その内容は“決められた特定条件下で一定の行動制限を遵守すれば良い事がある”という物、簡単に言えば○○をしないや○○は行うと誓いを立てる…所謂誓約の事である。
有名どころだとクランの猛犬と呼ばれた魔槍ゲイ・ボルグの使い手クー・フーリンの「犬の肉を食わない」「目下のものからの食事の誘いは断らない」や、2本の槍と2本の剣を操るディルムッド・オディナの「女性の頼みは断らない」「猪は狩らない」があげられる。
しかし禁忌を意味するだけあって良い事ばかりではない、破れば最大級の災いが降りかかる危険な代物でもある為…それを逆手にとられて上記の2名は命を落としているのだ。
シャオロン「て事はジャッカルは誰かと約束しとるからあんなヤバいやつを仲間にしたり、ガイタをツケ狙ったりしとるんか?」
スレイド『正確には“どんなに軽い契約だろうと反故にしてはならず、お互いに守らなければならない”と言う物だ。だがジャッカルは先程ギリコと言うやつに裏切られていた、つまり約束を破られていたんだ』
ベル「ん?でもなんともない様に見えたんだけど…」
スレイド『そこがポイントなんだ、エボルダーの場合ペナルティを起こした場合なんらかの行動を取らなければならない。そしてジャッカルは危険な道具や人材を掻き集め、人を襲った…つまり今のアイツは“悪事を働く”関係の行動を取っているんだ』
「「「マジで!!?」」」
カゲヒサにゃん「にゃにゃ!?」
ガイタ達はスレイドの言葉に驚愕を隠せなかった、詳しくは知らないがゲームのラスボスや裏ボスと言っても過言ではない強い怪人が狙って悪事を働いている…そしてそんな人物に眼をつけられてしまっているのだ。
ガイタ「マズイ…本当にマズイ…なんで?僕もスレイドも会ったことすらないんだけど!?なんで目の敵にされてるの!?」
シャオロン「てかアイツ俺達の名前知ってたよな、謎が謎を呼ぶって言葉があるけど呼び込み過ぎやろ。情報が渋滞起こしとるって!!」
ベル「うーん…もしかしたらアタシらの世界の悪党も仲間にしてるかもなんだよなぁ、勝てる気は残念ながらしないんだよなぁ…」
カゲぴょん「困ったきゅ…」
ヒサぴょん「大変だキュ…」
ジャッカル「一先ずもっと安全な場所に行こうぜ、奴らも人目がある場所じゃ派手に動けないはずだ」
カゲにゃん「そうだにゃ」
ヒサにゃん「同意だにゃ」
スレイド『なら疲れてる所悪いが早速…いや待て、なんか可笑しくないか?』
ガイタ「…え?」
ジャッカル「…ん?」
シャオロン「…おん?」
ジャッカル「おぅよ」
ベル「…あれ?」
ジャッカル「どれ?」
「「「…はぁぁぁぁああぁぁぁああああっ!?」」」
ジャッカル「ハアアアアァァァァァァーーッ!!」
いつの間にか当たり前の様に紛れていたジャッカルにガイタ達は驚きつつも慌てて距離を取る、幸いジャッカルは港の海側に立っていた為逃げ道を確保する事には成功した。
ガイタ「な、なんでここに…!?」
ジャッカル「ギャッシャッシャ…俺はありとあらゆる現在や歴史に残されてすらいない過去、さらには不確定で曖昧な未来すら。そんな森羅万象を知る事が出来る『超理解』と言う能力を持っているのさ」
ベル「それって未来予知と読心術を同時に使うみたいな感じじゃないか!!」
ジャッカル「唯一の欠点は力のONとOFFが出来ないから発動しっぱなしプラス余計な情報まで雪崩の様に入ってくるから頭痛が酷いのと、俺自身の理解力を元にしてるから予測不能な事は知り得ない事かな」
シャオロン「欠点がひっど!え?じゃあ今もめっちゃガンガンいってるん?」
ジャッカル「いやぁ?確かに昔は般若みたいに顔顰めてたけど今ではそこまで違和感なく…いやダメだ、懐かしくてつい駄弁っちまった。俺はお前らを一旦捕まえにきたんだぜぇ!!」《パチンッ》
「うさうさーー!!」
「メェメェ!!」
「モモモーー!!」
「アリリー!!」
フィンガースナップの音を合図に何処からかウサギカゲヒサに羊の姿のヒツジカゲヒサ、牛の姿のウシカゲヒサ、アリの姿のアリカゲヒサ達が溢れんばかりに湧いて出てきた
ベル「ウサギにヒツジにウシとアリ…いろんな奴がてんこ盛りだ!!」
スレイド『コイツらカゲヒサアニマルは基本的にちゃんと報酬を払えば仕事を受けちまうお人好しだからな、それに数もあり得ない程いる為にやろうと思えば津波の様な群れを用意も出来る』
シャオロン「この量に取り押さえられたら流石に逃げられへんぞ!?」
ガイタ「取り敢えず早く逃げよう!幸い手足が短いからそんなに速くない!!」
《ジョーカー!》
ガイタが変身したのを合図にカゲヒサアニマル達が飛びかかって来るが、ガイタは強化した身体能力で跳び上がり近くのコンテナの上に避難しシャオロンは翼を出して空へ飛び回避する。
しかしその一方でベルは腰の鉄剣を抜いて、振り回した際に出来た風圧でカゲヒサアニマル達を吹き飛ばし敵の大将たるジャッカルを見据える。
ベル「あたしにとって強敵との戦闘は望むところ…尋常にしょーぶ!『リーフカッター』!!」
ジャッカル「挑みに来るか…良いだろう!!」
《デモンズカリバー!》
ジャッカル「『ソニックエッジ』!!」
先制攻撃に放たれたベルの草葉の刃に答える様に、ジャッカルは胸の水晶から紫の刀身の両片手剣を呼び出し真空の刃でそれを迎え撃つ。
甲高い金属音を開戦の合図にし2人が距離を詰めて激しい打ち合いが始まる、時に火花が散り時に体を掠めて小さな傷から血が飛ぶ様子はまるで圧縮された竜巻の様で周りのカゲヒサアニマル達も堪らずまた吹き飛ばされたりする始末だ。
「「「「アレ〜〜〜!!!」」」」
ジャッカル「ふぅ〜〜〜ん?中々楽しませてくれるじゃあん?」
ベル「当然!アタシは強くならなきゃいけないからな、頑張って鍛えてるぞ!」
ジャッカル「だがまぁ、イートスタの特性をあまり扱えて…いないみたいだな!『
ベル「うわぁ!!下からの斬撃!?」
ジャッカルが振り下ろした剣先から光の塊が現れ、ベルの剣をベキンッとへし折りほぼ柄部分のみの状態にしてしまう。
ジャッカル「隙ありだぜ!!!『
ベル「おわぁっ!?なんだコレ…張り付いて取れな「レッツゴウッ!」「「「「それー!」」」」あ、ちょちょちょ待って待って待ってウワーーー!!!」
シャオロン「ベルーーー!!!?」
ガイタ「ベルちゃんが絆創膏みたいなのに巻き付かれて捕まった!!!」
ジャッカルが拳を突き出すとそこにゴツゴツとした時計の様なデバイスが現れてそこから赤い絆創膏の様な物が現れてベルに巻きつく、そこをチャンスと見たカゲヒサアニマル達は津波の様に押し寄せて小山の様に重なってベルを確保した。
ジャッカル「ギャッシャッシャッシャ!!次の相手は〜?」《ジロォ…ッ!!》
シャオロン「うわああああ!!こっちくんなぁ!!?」
ジャッカル「シャオちゃーん!ご飯だよー!」
シャオロン「やめろぉぉぉぉ!『
次の獲物としてシャオロンに狙いを定めたジャッカルは何故かフライパンとフライ返しを持ってガンガンと鳴らしながら駆け寄る。
迫り来るジャッカルに恐怖を覚えたシャオロンは重力を変える『フラクタル』でジャッカルの周辺の重力を軽くしフワフワと浮かす、周りでは巻き込まれたカゲヒサアニマル達がワタワタと手足を動かしながら必死に抵抗している。
ウサギカゲヒサ「うさー!」《ジタバタ》
ヒツジカゲヒサ「んめーい!」《ワチャワチャ》
ジャッカル「ほう…俺の周辺の重力を操作したのか…面白いな」
シャオロン「本番はこっからや…『リベーラ・インパクト』!!」
《カッキィィィィィィィン!!!》
興味深そうに落ち着いているジャッカルに追撃と言わんばかりに近くの鉄パイプを拾うと空き缶を野球ボールに見立てて思い切り魔力を込めた一撃でかっ飛ばす、あまりの威力にまたもや余波で吹き飛ぶカゲヒサアニマルを横目にジャッカルはその一撃を顔の左側で受け止める。
「「「「カゲヒサーーー!?」」」」
シャオロン「よっしゃあ!どうやボケコラ!!」
ジャッカル「ギャッシャッシャッシャ……中々
ガイタ「わ、笑ってる…(結構な大怪我だけど何であんな余裕そうなんだ?)」
ジャッカル「コッチのシャオロンも野球が得意なんだな…ならば俺は時に祈り…傷を癒そう…我が能力が一つ『
左の頬が裂けて歯茎が剥き出しになり耳が削げ落ち目玉がプラプラとこぼれ落ちそうになっていた傷が蒸気を発しながら消えていき、最終的には何事も無かった様に傷一つない状態に戻り取れかけていた目すらも元の位置に治っていた。
シャオロン「ええええぇぇぇぇぇ!!?何で!?」
ジャッカル「残念だったなぁ?残念だったなぁ!俺には不滅の特性を与える『
シャオロン「よく考えるってそんな暇…《フラァ…》はれ?コレって…(マズイ…魔力切れや…!フラクタル切れたらさっきのスピードで追いつかれて捕まってまう、なら残った魔力で!!)『クワンックワンッ』!!」
《ポポポポポポン!!!》
ポケットから取り出した小袋の中身をばら撒く様にぶちまけてなけなしの魔力を振り絞り魔術を唱えると、シャオロンをモチーフにした様な可愛らしいファンシーな花が辺り一体に咲き誇った。
シャオロン「そいつらは害悪クソ花くん!意味も無く近くの植物を引っこ抜いたり、近くの奴に向かって執拗に暴力を振るうヤンチャ者や!!」
ガイタ「害悪クソ花くん!?」
スレイド『シンプルに最悪じゃないか』
ジャッカル「バカチンがぁ!この程度の妨害で止められるとでも「因みにそいつら毒霧噴射するで」《フシュウウゥゥゥゥ》痛ぁぁい!!痛い!毒!毒ぅーーー!」
斬り裂こうと振りかぶったジャッカルの顔面に目掛けて害悪クソ花くん達は見た目通りにヤバいと分かる紫色の毒霧を浴びせる、それによりジャッカルは目元を押さえつけながら涙を流して転げ回る。
ジャッカルが抑えられたことによりカゲヒサアニマル達も害悪クソ花くん達にいい様にされ顔を伸ばされたり振り回されたりと弄ばれている、今がチャンスと察したシャオロンは疲れ切った体に鞭を打って走り出した。
《ボコスカ、ぎゅむぎゅむ》
「「「「むぇ〜〜〜!!」」」」
シャオロン「おっしゃあチャンス!(飛ぶ体力も補助魔術使う魔力も全部突っ込んだ花の軍団、ホントなら俺の
《シュゴォォォォォ!バズズズズ!》
シャオロン「ガァッ!?(炎と、電気の、へび?)」
ガイタと合流しベルを救出しなければと思い叫んだ矢先に背後から赤い炎の蛇が背中を炙る様に駆け上り、黄色い雷の蛇が貫く様に通り抜けていった。その背後ではジャッカルが肩で息をしながら両手をシャオロンに向けて突き出していた。
ジャッカル「今のは『
よく見るとジャッカルの両眼はポッカリとくり抜かれており、足元にまだ瞳孔がグニグニと動いている眼玉が転がっていた。
ガイタ「自分の眼を抉ったの!?(そうか…ジャッカルには超理解があるから眼が見えなくても相手の正確な位置が分かるんだ!)」
スレイド『一気に大ピンチになったな…』
ジャッカル「大ピンチ?大勝利の間違いだろ?」
「「「「ふっふっふっふ…」」」」
ベル「ふんぬ〜…はなせぇ〜!」
ウサギカゲヒサ「あむあむ…」チュパチュパ
シャオロン「あ、飴や、ない、ぞー!」ビリビリ
訂正する様に眼を元に戻しながら離れた所へ視線をやるとそこには怪しい笑みを浮かべながら簀巻き状態のベルを運んできたカゲヒサアニマル達が現れる、つい先程吹き飛ばされたりしたカゲヒサアニマル達も戻って来て痺れて動けなくなったシャオロンに群がって行く。
ジャッカル「人質ってワケ♡さぁどうする?大人しく捕まるか、俺とワンチャン戦うか!!」
ガイタ「うっ……わ、分かった。降参するよ…」
ジャッカル「賢い判断だ、俺の素の身体能力はお前のジョーカーよりも上だからな。来い、グレイブライナー!」
《ザッパーーン!!》
「グレーーーーイブ!!ライナーーーー!!!」
2択を迫られ勝ち目がないと察したガイタは変身を解いて両手を上に上げる、それにホッとした様にため息をついて何かを呼ぶと海から黒く大きな装甲列車の様なモノが叫びながら現れた。
シャオロン「な、なんやねんアレ!?」
ベル「首無し大蛇だぁぁぁぁ!!」
ガイタ「喋る列車!?いや、でも…」
スレイド『列車型のモンスターの類だろうな…(それも錬金術で造られた人工生命体、デザイン的に恐らく…)』
ジャッカル「
「「「「わーーーー!!!」」」」
ウシ、アリ、ヒツジカゲヒサ達が立ち去りウサギカゲヒサ達に囲まれながらガイタ達がグレイブライナーに乗り込む中、廃コンテナの側では唯一逃げられたカゲヒサにゃん達がこっそりと覗き込んでいた。
カゲにゃん「にゃ、にゃにゃ、にゃ!」
ヒサにゃん「にゃむにゃむ、にゃん!」
何かを話し合うと何処からか取り出したミニカーのような物を取り出して地面に置くとボンネット部分にあるスイッチを押す、すると青い光のウェーブの様な物を放ってカタカタと揺れ始める。
《ポケットマシーン・アクセス》
《カゲヒサカー…レディ・ファイト!》
電子音が鳴ると徐々に大きくなりカゲヒサアニマルが4匹乗れる大きさのオープンカーに変形したではないか、カゲヒサアニマルはフンスと鼻を鳴らすと乗り込んでどこかへ発進した。
その光景を厳つい顔つきの男性がジッと眺めているのに気付かずに…
「ふむ……」
***
〜グレイブライナー内・運転台エリア〜
ジャッカル「さてと、手を縛った状態で申し訳ないな。だが勘弁して欲しい…お前らはいま捕虜という事になっているからな」
ベル「その割には簡素な拘束だけどな!」
シャオロン「お前よく見たら思ってたよりブッサイクやなぁ!!」
ジャッカル「最近肌の調子が悪くてな…」ショボン(´・_・`)
シャオロン「そ、そっか…ご、ゴメンね?」
ガイタ「そこは素直に謝るんだ…」
運転用の座席にバーにある様なカウンター席などが一緒くたになった特殊な部屋に、ガイタ達は3つ並べられた背もたれがあるフカフカな椅子に手を縛られた状態で座らされていた。
ジャッカル「で?何か飲みたい物はあるか?茶なら紅茶緑茶抹茶麦茶とあるし勿論ジュースもある。なんなら酒でも飲むか?なーんて嘘だよ、敵対関係とは言え子供に酒は飲まさん。菓子もいるか?和菓子洋菓子スナック菓子…なんでもあるぜ?話は長くなるんだからな」
ガイタ「それなんだけど…なんで貴方は僕達の事を知っていて、僕達の事を捕まえるの?それも態々話したいって…」
ジャッカル「おっとすまない!確かに説明しながらでも出来たな、なら先ずは俺がお前らの事を知っている理由から…《パチンッ》」
ジャッカルが指を鳴らすと後ろで待機していたジャンカードがモニターを出して映像を流しだす、そこには様々な戦士達が時に戦い…時に笑い…時に泣き…時に怒る…千差万別な光景が映し出されていた。
ジャッカル「改めまして、俺の名はジャッカル・デーモン。コレでも元は人間だったが過去が長いから胸糞展開で怪物になったとだけ言っておく…そして知ってるかもしれんが俺はあらゆる世界を旅している、その際に様々な英雄達と出逢っては別れを繰り返した…すると俺に特殊な事件が起きた…」
また画面が変わるとそこにはもみあげに赤いメッシュがありアレキサンドライトの様に瞳の色がコロコロ変わるオッドアイの白と黒の囚人服の少年が映っている。
ジャッカル「コイツはジューゴ、“脱獄の英雄”として俺が記録した脱獄の天才でな…とある人体実験で色々と特殊な能力を持っている。で、俺と接触した時にコイツの眠っていた父親の方の能力をこじ開けちまってよ、俺を対象にその能力が発動された」
スレイド『確か“咎人”…その世界で言う能力者を増やす、正確には無能力者を能力者に変える能力だったか?』
ジャッカル「正解だ、本来なら使えない筈の能力を俺の他者を進化させる力で一時的に使える様にしちまったのさ。その頃はまだマトモに力を扱えなくてな…まぁそのおかげで助かった事もあるんだが…」
そう懐かしそうに呟くジャッカルの身体全体に怪しく光赤い傷跡の様な物が浮かび上がる、それはまるで呪いの様に悍ましく…聖痕の様に不可思議で…儀式などで纏う化粧の様に神秘的な物だった。
ジャッカル「咎人と言う能力者になると自然の理を破壊しかねない力を手にする事が出来てね、その内の一つ“因果の咎人”の力を宿しちまったのさ…まぁ因果と言っても全ての出来事を必然にするみたいなチート能力では無く、いつかまた出逢える程度の力だがな…」
ベル「いつかって…曖昧だな、タイミングは分からないのか?」
ジャッカル「分からん、てっきりガイタだけだと思ってたからお前らに出逢えたのは本当に俺の理解の範囲外だったよ」
シャオロン「で?なんで俺らのこと知ってんねん?」
胸元に手を重ねてフゥ…と溜息を吐くジャッカルに白けた表情のシャオロンが結論を急がせる、パチンッと両手で指を鳴らすと画面が再び変わって2人の人物が映される。
1人は赤いニット帽に豚のピンバッチを付けて赤と白のボーダー柄のシャツの上に黄色いオーバーオールを着た中性的な顔立ちの男性、もう1人は捻れる様な2本の赤い角にくっつく様な黒い兜を被った騎士のような女性…2人ともシャオロンとベルにそっくりだった。
ジャッカル「コッチが特殊戦争組織“我々だ”の第七部隊・近接部隊総隊長シャオロン、コッチが救国の勇者ベルゼリアス・ウェルズハート…お前達2人の過去の姿。簡単に言うと前世ってヤツさ」
シャオロン「ぜ、前世…?」
ベル「アタシらそっくりだ…」
ジャッカル「シャオロンは元々普通の会社員だったけど戦争に巻き込まれてからは他の落ちこぼれた奴らを引き連れて愚連隊を作って悪さしてる奴をボコボコにしまくってたんだぜ?ベルゼリアスも広い世界が見たいって理由で俺を召喚して喧嘩してそのままアチコチで暴れ回ったもんよ!」
懐かしいな…と思い出に浸るように映像を眺めるジャッカルはハッと何かに気づくと首を振りガイタ達の方へと振り返る。
ジャッカル「まぁとにかく俺はお前らが気に入った!前世はあくまでキッカケだから安心しろ、代用品だなんて考えてない。寧ろ前世の奴らの分まで面白おかしく過ごしたいって思ってるんだぜ!!だから…共にいこう……一緒に暴れようぜ」
そう言って手を差し出すジャッカル、わざわざ膝をつき目線を合わせて3人に手を出しやすいように合わせている様子から本気で考えている事が分かった…しかし驚きながらもガイタ達から発せられた言葉はジャッカルの望んだものではなかった。
ガイタ「一緒に暴れようぜって…悪い事しようって事、だよね?」
ジャッカル「・・・・そうだ」
シャオロン「それって具体的にどう言うことや?」
ジャッカル「ふぅん…魔界で表すと“混沌”…かな?」
ベル「人が死んで…不幸に溢れるのか…」
ジャッカル「溢れるな、嘘でも冗談でも無く…」
「「「ならお断りだ!!!」」」
ジャッカル「お前らがそう答える事は知っていた!」
声を揃え断固として拒否の意思を示す3人の言葉をジャッカルはニンマリと笑って嬉しそうに答える、しかしピクリと何かに気づくように顔を上げると操作基盤を弄り外の様子を映し出す。
するとサングラスをかけたカゲヒサにゃん達が小さなオープンカーに乗って徐々に近づいて来ているではないか…
ガイタ「カゲにゃんにヒサにゃん!?」
ベル「なんかオシャレな乗り物に乗って来たー!!」
シャオロン「そう言えばアイツらの事スッカリ忘れてたな…」
ジャッカル「ギャッシャッシャッシャ…カゲヒサアニマルってのは意外とガッツがある奴らでね、それにアイツらはユニーク個体と呼ばれる特殊なモンだ。まぁ対策はしてあるんだがな!!グレイブライナー!ステルスモードOFF、迎撃態勢に移行せよ!!」
【グレイブッ!ラーイナーーーーー!!!】
《ボオォォォォォォォーーーー!!》
ジャッカル「続いてウサギカゲヒサ部隊、出撃!!」
「「「「カゲヒサ〜!!」」」」
ジャッカルの指示に従ってグレイブライナーが叫ぶと、ガイタ達からは見えていないが車体の側面に機関銃や大砲といった武装が施され…更にカゲヒサカーに乗り込んだウサギカゲヒサ達が一斉に立ち塞がる。
ジャッカル「さぁて…どんな戦いになるかな?」
ガイタ「待って!まだ世界を滅ぼそうとする理由を聴いてないよ!!」
ジャッカル「えぇ?それかぁ…それかぁ〜…特に言う事が無いと言うか…簡潔すぎると言うか…」
スレイド『なにか言いにくいのか?』
ジャッカルは腕を組みウンウンと唸り首を鳴らすように回し椅子に座りユサユサと揺れながら考え込むと、遠くを見ながらモニターを操作して映像を流し始めた。
ジャッカル【ごはぁっ!?ギャッシャッシャッ…流石に弱点を突かれるのキツかっtボバハッ!!】
【ハァ…ハァ…よく言うぜ…十分過ぎるほど強いじゃねぇかお前…シディやドライが居ないからよりヤバかったぞ…】
【ハァ…ハァ…ホントに、何とか勝てたけど。貴方何者なんですか?トッププレデターに雇われたって言ってましたけど…】
モニターに映るのは膝をついた血塗れで吐血するジャッカル、それに相対するのは黒髪に赤いメッシュの入った黒のパーカーを着た青年と水色の髪に白いメッシュの入った頭に小さな角を生やした女性としてとても魅力的な体型と顔つきの少女だった。
ベル「なんだ?カゲヒサアニマルにそっくりだけど…」
スレイド『アイツらがカレコレ屋のカゲチヨとヒサメだ、カゲヒサアニマルはアイツらを元に創られた生き物だったりする』
ガイタ「あの人達が!!」
ジャッカル「俺は世界が融合した件を調べる為にトプレに潜入してたんだが案の定碌な情報を持ってなくてな、いい機会だから研究所を一個潰してカレコレ屋に合流するつもりだったんだが…あ、ここから五月蝿くなるから音はカットね」《ピッ!》
早送りされた映像には背後から角や羽が生えた人物達が2人を襲撃して取り押さえている光景だった、するとジャッカルが突然苦しみ出して赤黒い風の様なものを噴き出しながら真っ赤な眼で叫び声の様なものをあげている様子だった。
ジャッカル「俺は2人と戦う前に“戦うのは俺1人だ”と口にしていた、降参も気絶もしてなかったから決着がついてない判定になっていた時にトッププレデターの連中が来て2人を捕まえたせいで約束を破った事に…ハァ……」
ベル「約束破ってないじゃん!?」
シャオロン「判定がシビア過ぎるわ!」
ガイタ「…もしかして結果的に約束事になって反故する形になれば即刻アウトなの?」
ジャッカル「・・・はい」
遠い眼で語るジャッカルは三人の感想を聞いた後、温かい目つきで頷く…コレには三人は呆れて何も言えなかった。ジャッカルは自分のミスではなく予想外のトラブルで悪事を働いている…コレにはポカンと口を開けて唖然としてしまう…
ジャッカル「俺が仲間を欲しがるのはそう、もっと頼りになって信頼できる奴らが欲しいんだ。トプレは中途半端に頭が回るせいでめんどくさいからハッキリ言って速攻使い捨てたいのが本音だ、そう!お前らに目をつけたのは所謂生存本能というやつよな」
スレイド『世知辛いなぁおい』
ジャッカル「なぁ、頼むよ!使い捨て前提の奴らだけじゃやってけないんだよ!!お前らの望みもある程度叶えるからさぁ!!」←一応ラスボス
「「「(ラスボスの態度じゃないんだよなぁ…)」」」
あまりにも必死の態度、よほど今の現状が嫌なのかジャッカルは床近くまで頭を下げて這いつくばりながら覗く様に3人に懇願する。一応言っておこう、彼は今回のラスボスですと…
《ボン!ズゴン!》
「「「きゅやぁぁぁぁ!!」」」
カゲヒサにゃん「にゃにゃ〜ん!」
ジャッカル「ってあ、結構やられてるな…俺も手を貸すか」
話に夢中になっている間にカゲヒサにゃん達がウサギカゲヒサ達のカゲヒサカーに向かって体当たりをしてクラッシュさせていくのに気づくと、ジャッカルは腹部からガトリング砲を出してカゲヒサにゃん達に向ける。
ベル「な、なんだぁそれぇぇぇ!?」
シャオロン「オーバーキル確定やん!!」
ジャッカル「ギャッシャッシャ!!蜂の巣にしてやるぜ!!」
ガイタ「い、いけない!2人とも逃げて!!」
ジャッカル「いいや、遅いね!超奥義…ッ!!」
「『通りすがりのレオパルドン』!!!!」
《ズガァァァァァァンッ!!》
「グレーーーーイブ!!!!??」
カゲヒサにゃん「にえーーー!!」
「「「きゅいーーー!!」」」
ガイタ「わわわ!?」
シャオロン「うわーーー!?」
ベル「またまたなんだぁぁぁ!!?」
ジャッカル「ッ!今のは、鼻毛真拳…!ちょっと待てよ、早すぎるぜ!!(そして今の運転テクニック…まさか?)」
突如として現れた戦車の華麗なドリフトタックルを喰らい倒れたグレイブライナーから逃げるカゲヒサアニマル達と投げ出された3人を受け止めながら着地するジャッカル、彼の脳裏にはとある可能性が頭をよぎっていた。
何度も言うがこの世界は複数の世界が合わさり…他の世界から迷い込む者がおり…様々な世界を旅してきた怪人がいる…故にこの事態はあり得るのだ。
「まだ決着はついてないぞジャッカル、お生憎様食べ盛りでね」
ガイタ「ぼ、ボーボボ!それと隣の人は?」
「ふふふ、先程戦車を運転していた者だ。そして名乗らせて頂こう。私の名はプルジア共和国終身大統領のプルチノフ、アレクサンドル・プルチノフだ」
ジャッカル「『騎乗の英雄』プルチノフ…!!!」
かつての仲間が流れ着き自身の悪事を阻止しに来る…それは至極当然な事である!!
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ういーっすうううう、トイフェル・シャオロンです。
ジャッカルにブサイクって言ったら思いの外ダメージを受けてました、まぁあんな事があったらストレスで肌も荒れるわな…本当にごめんなさい。
そんでもって助けに来てくれたおっさん達やけどとんでもない変人やねんな、1人は乗り物とかにめっちゃはしゃいでもう1人は頭が沸いとるってくらい可笑しい!なんやコイツら!?
でも負けてられへんな、俺らも暴れてやるわ!!
次回、ララバイバンデッド
『敵の物を使うのは借りパクですか?』
ええかお前ら、俺達がこの小説の主人公やからな!!
次はもっと激しい戦闘に入ります、キャラクターは減ったり増えたりします。
かなり忙しい展開になるけど頑張りたいと思います、ではまた次回!!