なんとなく行きたかった異世界に転生出来ないようです。《in鬼滅の刃》 作:めしめしうまうま
さて、今俺の身に起こっていることを説明しよう。
神様に殺されました。
「いやいや、殺したわけじゃないよ?単に君の身体を間違えて消しちゃっただけだし」
「いやそれが駄目なんだよ」
真っ暗な空間に、真っ白な人影が2つ。うち1人は俺、緋桜 楓。そしてもう1人はなんと神様だそうだ。それよりも、どうして俺の身体は消えたのか?
「この空間にはね、僕が作った危険な物やそうじゃない物がいっぱいあるんだけどー、その中の人間界のモノがランダムに1つ消える不思議なスイッチってのがあってね…」
「なんだその物騒な物は。それを押しちゃったんだ?」
「…うん。久々に押してみたかったから…。以前押した時は確か…どっかの貨物機が消えちゃったかな?ま、まぁそんな事はどうでもいい!神の気まぐれってやつだ!君には、定番の転生物語をプレゼントするよ!!」
うーん…転生か。死んでしまった者がまた新しく生まれ変わる事を指す。定番なのは神様の手違いで殺してしまったや、気づかない内に異世界や漫画やアニメのキャラクターとしてのらりくらりのマイペース生活か、俺TUEEEして無双する物が多い。
「物分かりがいいね!そう!だから物語の世界に転生させてあげるよ!!さぁ、何処がいい!!」
こいつ何でこんなに楽しそうなんだ…?
「それはね〜。他の奴らが『人間転生させると面白いよ』って言ってたからなんだよね!」
なんて物騒な世界なんだ。やっぱり人間と神様だと価値観ってモノが全く違うのか。
「それより、神様はもしかして心が読めるのか?」
「いいや!君がそう考えてるかなぁと思っただけさ!まぁそんなことは置いといて。転生させるにおいて何か注文はあるかい?」
注文?特殊能力みたいなものかな?ならそうだな。
「じゃあ、完璧超人にしてくれ」
そう、俺は完璧な人間になりたい。天賦の才能とその才能を十二分に発揮できる身体がほしい。完璧なんて聞くと、つまらない人生だとか、完璧なものなど存在しないなんてことをよく言うが、生前の俺は完璧な人間では無かった。だからなりたいのだ。
「オーケー!!圧倒的な才能とそれに見合った完璧な身体を用意しよう!」
「それはありがたいね」
「他にはあるかい?」
「うーん。じゃあ、漫画で出来ることは全て出来るようになりたいな」
漫画やアニメを観ると、「こんな現象は有り得ないだろ」とか「これは現実的に出来そうだな」というものが少なくともあるだろう。
例えばテラフォーマーズの豪速球による長距離射撃や黒子のバスケのアンクルブレイクなどは、現実では不可能なことだが、理論的には生身の人間でも出来ることだ。でもその漫画特有の力、例えるならば、とある魔術の禁書目録の『超能力』は、ドラえもんの世界では存在しないし、使えない。
「それでもいいね?」
「うん、勿論だよ」
「それじゃあ、行ってみたいなーって世界は何処かな?」
そうだなぁ…俺が転生ものを知ったきっかけになったのは、HUNTER×HUNTERの話だったな。とても危険な世界だが、どうせならその世界でのらりくらりと生きてみたいな。なら…
「ハンターハンターかな」
「オッケー。じゃあ、ハンターハンター以外の世界に、行ってらっしゃーい!」
「あれ?」
こうして俺は新しい人生を歩む事となった。
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目が覚めると俺は赤ん坊の姿になっていた。どうやら本当に異世界に転生したらしい。まだ体が小さいので五感が優れていない。暫くはこの状態のままだ。何処にどう転生させられたのか分からないけど、きっと安全な場所な筈だ。根拠はないがあの神様の事だ、あまり期待はしない方がいいか。
目は薄らとだが、耳と鼻が慣れてきた。優しい風の音に、花の香りがする。気温は暖かいし、時間的に昼頃だろう。あぁ…なんか和むなぁ。このままぐっすり寝てしまおうか…。俺は瞼の上から射す陽の光を避けるように、寝返りをうった。
目が覚めた頃には翌日の朝だった。流石に寝過ぎか?と思ったが体は赤ん坊なので普通か。
さてさて、一日中寝て体が馴染んだのか、五感がハッキリとしている。しかも神様特製の肉体だから成長速度が神がかっている。あと少しで二足歩行出来そうだ。
取り敢えず二足歩行の練習をしながら今の状況とこれからの方針を考える。
現在俺が居る場所は何処かのお花畑だ。花は一つの種類しか生えてなくて薄黄色をしていた。改めて良い香りだ。
周りを見渡すと、ここの花畑を囲む様に木が生い茂っていた。よく見るとその木には綺麗な薄紫色の花が咲いていた。これもまた良い香りだ。
これからの方針としては、ここを拠点とし体を成長と共に鍛えていく。唯の筋トレではなく、武術全般の修行方法だ。修行の内容は前世の知識を使い我流でやっていこう。何からしていこうか。肉体を鍛えるならまずは精神からって言うし、瞑想とかしてみようかな。
よし、考え込んでも仕方ないし出来ることからどんどんやっていこう。
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あれから15年経った。
15歳になった俺は身体が出来上がりつつある。背丈は180cm近くとなり、細マッチョだが体付きもがっしりとしている。
見た目の割に体重があるのが気になるが、それだけ一本一本の筋繊維がずっしりいている証拠だ。
俺が生まれてからずっと生活をしていた花畑は、長年の修行により一部がはげてしまったが、それは仕方ない。
ずっとここに居るのもつまらない。そろそろここから旅立つとしよう。思い立ったが吉日だ。目的地を決めずに歩き始めた。
花畑を抜け出し森を歩く俺はこれからの事を考えた。取り敢えず初めに必要なのは服だな。今俺は大きな葉を蔦などで縫い合わせた服を身に纏っている。長くこれを愛用しているから馴染んで楽だし、俺的には良いと思っているが、他人が見たらどう思うか。俺なら怪しいと思うね。
まぁ転生してから此の方人に出会っていないけどね。
おっと、早速フラグを回収出来そうだ。遠くから人の気配がする。距離はざっと500m前後だ。不用意に近付くのは危険だろうが、気配からして俺の方が強いし大丈夫だろう。油断と慢心と不用意に近付く…早死に三段活用だ。
そんなこんなで徐々に近付き、向こうとの距離は50m。相手も俺に気付いたのかその場に留まり周りを警戒している。
敵意を持たせるのも良くない、俺は相手に向けて敵意が無いと声を掛けた。返事はなかったが警戒は薄れた様だ。
俺は両手を上げながら相手の前に姿を現す。驚く事に相手は女性だった。しかも腰には刀らしき物をぶら下げて柄に軽く手を掛けていた。驚く俺と同じ様に女性も驚いた表情をしていた。当然だろう、森の奥から全裸同様の男が現れたのだから。
男性の身体を見慣れない女性は直ぐにでも目を逸らしたそうだが、それは危険な事だと理解しているので出来ないでいた。
「初めましてこんにちは。突然だけど服くれない?」
俺は女性の警戒を解くため軽く微笑み、厚かましくも服を要求した。
緋十櫻桜仙 十五歳 身長178cm 体重95kg
本作の主人公。見た目はがっしりとした細マッチョ。
癖のある髪質。
髪色は黒寄りの紺色。
前世の知識で修行をするが格闘技の経験は無し。なので今まで読んだ漫画内に有った修行をしていました。