なんとなく行きたかった異世界に転生出来ないようです。《in鬼滅の刃》 作:めしめしうまうま
少しすると黒子の姿をした人が二人現れ、男物の袴を俺に着させてくれた。
初めて着た和服に風流だなと思った。それと同時にこの世界の時代が気になった。
その事を黒子らに尋ねると、嫌な顔をされたが一言で教えてくれた。なんと時は明治45年だと言う。昔すぎて驚いた。
黒子らは着替えさせてくれた後直ぐにどっかに去っていた。女性の居る場所に戻ると女性は岩に腰を掛けていた。
なので俺も一緒に腰を掛け色々な事を質問しあった。
まず初めに名前を教え合った。
彼女の名前は胡蝶カナエ。この森で何をしていたかを尋ねると、カナエは藤の花を採りに来たと答えた。その花は薄紫色をしていると言うのできっとあの花の事だろうと思い、俺は出発する前に摘んできた藤を数房あげた。カナエは大袈裟に喜び、藤の説明をしてくれた。
藤は強い魔除け効果があり、その香りは鬼がとても嫌う。だから俺は今まで鬼に襲われなかったんだ。
どうしてわざわざ此処まで取りに来たのかを尋ねると、ここの藤は他のとは違う特別な物だと言った。確かに、あそこの花は毎年開花していたな。
そしてカナエは鬼殺隊と言う鬼を滅殺する剣士集団に所属していると話した。
聞き慣れないキーワードが盛り沢山だ。俺はまたそれらを尋ねる。
鬼とは人を喰らう化け物のことで、太陽の陽に当たらない限り死なないが唯一鬼を殺す方法がある。カナエが帯刀している日輪刀と言う刀で鬼の頸を斬るのだ。
その特殊な刀は、太陽に一番近く一年中陽の射す場所で獲れる特殊な鋼で作られる。その刀を持ち鬼を滅殺する剣士部隊を鬼殺隊と呼ぶとのこと。中でも柱は鬼殺隊最強の剣士。
なるほど、大体の事は理解した。俺はカナエにどうしたら鬼殺隊に入隊出来るかを尋ねた。カナエは驚いたが、見定めるかの様に俺を見た後、軽く頷いた。
「なら、私の元で修行をつけてあげます。」
「いいの?なら遠慮なく」
「えぇ でも桜仙くん、入隊するからには守って欲しい事があるわ」
「なんなりと」
「鬼殺隊は死と隣合わせ。だけど、死んじゃ駄目よ。駄目だと思ったら直ぐに逃げなさい…これだけは約束よ」
カナエは優しい雰囲気で、そして真剣な顔でそう言った。
「死なない様に努めるよ。その為の修行だ」
だが、俺はそんなに弱くは無い。負けない。絶対に死なない。そんな自信に満ちた傲慢な考えを持っている。
だから俺は軽い返事をカナエに返す。
俺はヘラヘラとした表情でカナエの住居に案内してもらう。
ーーーこの未来に起こる戦いに絶望する事を、桜仙はまだ知らない。
胡蝶カナエさんは、この時17歳という設定にさせて頂きます。桜仙と出会った日の1週間後に花柱となります。