なんとなく行きたかった異世界に転生出来ないようです。《in鬼滅の刃》 作:めしめしうまうま
陽が丁度沈んだその頃、カナエと俺は目的地であったカナエの住居に到着した。そこは16歳の少女が持つには大き過ぎる屋敷があった。聞くと、お館様と言う鬼殺隊を束ねている人から、つい最近賜った物らしい。こんな住居をほいそらとプレゼント出来るなんてお金持ちにも程がある。
屋敷に入ると奥から1人の少女が出迎えて来た。
「おかえり姉さん。 そちらの方は?」
「ただいましのぶ。 此方は桜仙くんよ、鬼殺隊に入隊したいって言うから連れて来ちゃったあ」
「そんな適当な…!!だめよそんなの!どれだけ危険なことか分かってるの!」
「行く宛ても無さそうだし、うちで修行を付けながら面倒を見るわ。それに桜仙くん強くなりそうだし」
「私は反対だからね!!」
「まぁまぁそんなこと言わずに。姉さんはしのぶの笑った顔が好きだなあ」
「だって!」
「お世話になりやす しのぶ先輩」
「あなたも望んでここに来ないで!!」
そんなこんなでカナエの妹である胡蝶しのぶを、カナエが何とか説得した。女性2人だけで住んでいる屋敷に突然男が住み着くのだから、嫌がられるのは当然だろう。
カナエは「桜仙くんは弟の様に思ってるわ。だからしのぶも桜仙くんの事をお兄ちゃんだと思えばいいのよ」としのぶに言ったがとても嫌がっていた。初日から俺は妹に嫌われたらしい。
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翌朝、俺とカナエとしのぶと3人で1つの部屋に集まった。なんでも、鬼の詳細と歴史についてお勉強をするらしい。
「昨日は鬼殺隊について説明したから、今日は鬼について説明するわね。でも説明する前に、桜仙くんは鬼を見た事はある?」
「いや、無いけど。確か見た目は殆ど人間なんだっけ?」
「そうよ 前に話したわね。ここで問題、鬼は元々どんな生き物でしたでしょう?」
カナエはまた真剣な表情で俺に質問した。隣に立つしのぶの醸し出す空気とカナエの表情に、俺は真面目に答えた。
「多分…人間?」
「正解よ。鬼は元々人間として生きていた人達なの。体内に鬼の血が入ると 人間は鬼になってしまうわ」
人間を主食として、人の血肉に対して飢餓感を感じる様になってしまう。人を食べれば食べる程鬼は強くなり、また多くの人を襲う。その連鎖を断ち切る為に、鬼殺隊が存在する。
ーーー鬼は悲しい生き物です
そう話すカナエは少し悲しく見えた。俺は、カナエは鬼に同情している 哀れんでいると思っていると感じた。カナエは優しいから、きっと鬼を斬らずに済む方法があれば、どんなに良いかと考えているのだろう。