なんとなく行きたかった異世界に転生出来ないようです。《in鬼滅の刃》   作:めしめしうまうま

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第四話 全集中の呼吸

 そしてその翌日、俺の修行が始まった。1日の流れはこうだ。

 早朝にまず、布団を干し、カナエとしのぶと俺と他の女の子の朝食を用意する。因みに献立は週ごとで決まった物になっているようだ。

 朝食が済んだら片付け、庭の掃き掃除や床の雑巾掛け掃除を行い、お花の水換えをする。

 蝶屋敷が広いのでそれぞれを分担して行った。

 

 昼前頃に鍛錬を始める。

 しのぶが自己鍛錬している合間に、俺はカナエから『全集中の呼吸』を学ぶ。

 

 全集中の呼吸とは、体中の血の巡りと心臓の鼓動を早くし体温を高め身体能力を向上させる技術。鬼殺隊はこれを必須技能として習得しなければならないそうだ。

 そして全集中の呼吸を発展させた技を『全集中・常中』と呼ぶのだが、俺はそれらを直ぐに体得した。

 これにはカナエとしのぶも驚いていたが、それ以上に俺が驚いていた。

 

 それは呼吸を会得した早さでも無く、鴉が人語を喋った事でもなく、『全集中の呼吸』の効果にだ。

 まず、どれだけ動いても疲れない。スタミナが無限になった気分だ。身体能力も以前とは比べ物にならないくらいに高くなったし、身体操作もお手の物だ。

 

 全集中・常中のテストとして、子ども程の大きさの堅い瓢箪に息を吹き込み破裂させるのだが、俺は何の苦も無くクリアする事が出来た。

 

 

 

 

 そして最後に剣術を学んだ。人生で初めて刀を握ったが、数時間後にはしのぶと互角の勝負をする事が出来た。因みにお互い木刀を使用した。

 体格の差はあれど、長年剣術を培ってきた経験者と引き分けるのは異常な事だった。

 

 流石にたった数時間でしのぶより強くなる事は出来なかった。

 しのぶの素早い攻撃に俺は受け止め躱す事しかさせてもらえなかったが、俺は次第にしのぶが繰り出す攻撃を往なし・流す事を意識し始めた結果、決着が付かずカナエの合図で終わる内容だった。

 

 夜は酷使した肺を休める為に座禅を組み、深くゆっくりと呼吸をする。

 みんなで夜ご飯を作り食べ、就寝まで自由時間といった感じで1日が終わる。

 

 

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 俺は自分の部屋でしのぶとの試合を思い出す。試合の終盤、しのぶの攻撃を往なし流すという行動を取ったが、アレのおかげで自分に合った呼吸のリズムやどう動けば良いか理解出来た。明日からはこれを意識して試合をしよう。

 

 なんか思い出したらウズウズしてきたな。

 

「…ちょっとだけ鍛錬しよっかな」

 

 俺は寝衣のまま刀を持ち庭に出る。

 庭の真ん中で刀を構え、目を瞑った。

 

 俺が扱う呼吸のコンセプトは、相手の攻撃を全て『躱し・往なし・流す』といったものにしよう。どんなに強力な攻撃でもまず当たらなければ意味が無いからな。

 次に応用として相手の動きを読んだカウンターや相手の攻撃を利用して、威力を倍に返す技術を習得しようか。

 そしてポイントとして人体の急所を狙った攻撃をして一撃必殺を心掛けよう。最悪、身体機能を著しく損なうダメージを与えればいいかな?

 なんか楽しくなってきたな!

 

 そしてこれらを全てを一つにした『呼吸』と『剣術』『型』といった流派をイメージする。

 

 カナエが言うには、呼吸及び剣術には流派がある。基本となる流派は『炎』『水』『風』『岩』『雷』の5つ。そして自分に合った呼吸として流派から派生する事があるらしい。

 例えばカナエとしのぶは『水の呼吸』からの派生で、カナエは『花の呼吸』しのぶは『蟲の呼吸』と呼ぶらしい。

 だから俺は最初、カナエから水の流派の『型』を教えてもらった。

 

 水の呼吸は如何なる攻撃にも対応出来る柔軟な型が多かった。鬼に苦痛を与えずに安らかに斬る型があるのも特徴だ。

 はっきり言って水の呼吸は俺と相性が良い呼吸だが、自分の呼吸があるのだ。わざわざ既存の呼吸を使う必要も無い。

 

 だから俺は『呼吸』をイメージする。相手の攻撃に従う、だがこちらの攻撃を自由に繰り出す剣技。ふと風が吹き、髪が揺れるのを感じながら目を開いた。

 

「…決めた これが俺の剣だ」

 

 俺は刀を鞘に収め、ルンルンと部屋に戻る。

 季節は、木々が古葉と新葉を入れ替える時期。風で舞い落ちる木の葉は、2つに割れていた。

 

 

 

 桜仙は集中して気が付かない。その光景を、1人の少女が見ていた事を。

 




 書いてはいませんが、蝶屋敷にはカナエとしのぶ以外にも神崎アオイや寺内きよ・中原すみ・高田なほの女の子が居ます。
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