なんとなく行きたかった異世界に転生出来ないようです。《in鬼滅の刃》 作:めしめしうまうま
『柱』 それは鬼殺隊の中で最も位が高い9名の剣士。実質鬼殺隊の最高戦力である。
柱という漢字の画数の九画になぞられて、柱の定員は9名とされているが、殉職や引退などが原因で現在の定員数は3名。
実は3名のうち1人が現在活動が疎かになっているのだが、それは桜仙やカナエたちにも知る由もないことだ。
そして今朝、カナエが『花柱』として柱に昇格した。2週間程前に…桜仙と出会う前にカナエは十二鬼月の下弦の鬼を倒したのだ。
『十二鬼月』とは鬼の中でも最も強い鬼の集団の総称である。カナエの倒した『下弦の鬼』を斬る剣士は稀にいるが、『上弦の鬼』を斬る剣士はいなかった。
話がずれてしまったが、その件にカナエはお館様に挨拶しに行く為屋敷を出る。
「それじゃあ行ってくるわね」
「屋敷の事は私に任せて 気をつけてね。」
「ええ 任せたわね しのぶ。桜仙くんも、今夜の最終選別 生きて帰って来るのよ」
「勿論 俺が死ぬ事なんて絶対に無いから、安心してよ」
『最終選別』とは、鬼殺隊に入隊する為の文字通り最終試験のことで、カナエとしのぶ曰く『沢山の鬼が閉じ込められた、藤の山に7日間篭り生き残る』という内容だ。そして生存率はかなり低い。
カナエは心配するが、俺はいつもの様にヘラヘラと返事する。
カナエの出発を見送ると、いつもの様にしのぶと俺は鍛錬に移る。
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昼前頃、桜仙は最終選別に向かう。
「それじゃあ出発するよ。屋敷は任せた」
「あなたに言われたくないわ」
「お土産は鳩サブレでいい?」
「訳の分からない事言わないでこれ持って早く行きなさい」
「おお ありがとう。何これ?」
「おむすびよ 小腹が空いたら食べればいい!早く出発しないと間に合わないわ」
「それは嬉しいね、ありがく頂きます」
「死ぬんじゃないわよ!あなたが死んだら姉さんが悲しむから!!」
「はいはーい それじゃあ今度こそ行ってきまーす」
俺は最後まで見送るしのぶに手を振り、見えなくなった場所で走った。途中で『しのぶ特製生姜の佃煮おむすび』を食べる為の休憩を挟み、それ以外の休憩はせず、目的地に向かって走る。
呼吸のおかげか、全く疲れずにずっと走る事が出来た。
陽が沈んだ頃、目的地である藤襲山に到着した。聞いた通り、ここの藤の花は一年中咲き乱れている。
山頂に着くと、意外にも多くの剣士が居た。人数は俺を含めて二十人。これは多い方なのか少ない方なのか?まぁどうでもいいか。
少しすると奥から白髪の少女が2人現れた。俺が最後の参加者だったらしく、2人の少女は徐に話し始めた。カナエとしのぶから聞いた通り、人喰い鬼の住む山での7日間サバイバルゲームをするそうだ。
説明が終わると、他の剣士達は早足で山奥へ進む。遅れて俺も歩みを始めた。