Re:神のみぞ知るセカイ   作:Minadukiyuuka

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FLAG.02

“前回のお話“

ボクの名は桂木桂馬。

ゲームの発売日とスポーツ中継の延長を認めない17歳。

ゲームの世界に生きて幾年月。

いつしかギャルゲ攻略の天才…「落とし神」と呼ばれるようになっていた。

ゲームよりも純度の低い“現実“になどなんの興味もない‼︎

ところが‼︎突然空から女が降ってきて全てが変わった‼︎地獄から来たと言いはるその女の差し金で、ボクはとんでもない仕事をさせられた。

人間の心のスキマに逃げ込んだ悪人の魂を追い出すために、現実の女を恋に落とすことになっちまった‼︎しかもこれらの出来事が‼︎ボタンを押してないのに勝手に進行してしまうんだよ‼︎プレイヤーの都合をまったく考慮しない鈍感な展開‼︎

改めてクソゲーだ‼︎現実は‼︎

とどめに‼その地獄女、ボクの妹を名乗って同じクラスに転校してきやがった‼︎

ど…どういうつもりだあいつ…

「桂木に妹なんていたの?」

 他の生徒に気づかれないようにこっそり話しかけてきたのは高原歩美だった。

 ボクが落とした現実の女。そして、ボクの恋人…

「知るか、あんなやつ」

 それでも、ボクにとって生きる世界はゲームの世界。現実の世界にいちいち構ってはいられない。

 ボクはゲーム機のボタンを押しながら、高原に淡白に答えた。

「ふーん…」

 そんな高原の目はあの悪魔女に向けられていた。

 見られているとは思っていないだろうあの女は……

「へーこの娘、桂木の妹?」

「かっわい〜〜‼︎」

「妹なのに同じ学年なんだ。」

「エルシィって本名―?」

 見事な質問責めにあっていた。そりゃあ、転校早々あんな爆弾を投下すれば当然だろう。

 ボクの妹。それはつまり、クラスで一番の変わり者の妹を意味する。

「本当に妹——?オタメガ 桂木なんかにゃもったいないよ——」

 ……ほっとけ!

 面倒な男子にこれまた面倒な質問をされた。ボクが教室、いや学校でどんな目で見られているか、こいつにだって話したはずだけどな…

 ここは無難にやり過ごすのが吉。なのにあの女は……

「「なんか」って失礼ですよ⁉︎かみ…お兄様はすごい人なんです‼︎今に‼︎お兄様はこの世のすべての女性の憧れになるんですから‼︎」

………教室の空気が一気に凍てついた。そして、教室は笑いの渦に巻き込まれた。

HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!

「ちょっと!…」

「いいんだ」

 ボクは今にもつかみかかろうとしている高原を制して、ゲーム機の止まった手をもう一度動かす。

「ボクは別に怒ってないから。」

 ボクが今怒っているのは……あの悪魔だけだ。

【放課後】

 それは学生にとって青春を過ごす時間。

 ある者は、部活を。

 ある者は、友達と雑談を。

 ある者は、無為に時間を費やし。

 そしてボクは…悪魔に追われていた。

「ついてくんな‼︎お前とはもう一切接触しないぞ‼︎この悪魔‼︎」

 ボクに災厄をもたらす悪魔。金輪際関わってはいけない部類の者。

「か、神様待ってください——っ。私、まだ人間界の右も左もわからないんです。」

 知るかそんなこと‼︎だいたい、

「言った通り 駆け魂は捕まえたぞ‼︎もう契約は終わりだろ⁉︎なんだそのフロシキ。このギロチン首輪‼︎早く外せ‼︎」

 ボクは未だに首に巻かれた物騒なものに触れながらあの悪魔に問いただす!

「まだ契約は終わっていません。一匹駆け魂を捕まえただけです…この街にはまだ…駆け魂が沢山、忍んでいます‼︎」

 契約が、終わってない?駆け魂を捕まえただけ?沢山?

「お、おい‼︎この街中の駆け魂をみんな捕まえろってのか⁉︎」

 冗談じゃない‼︎そんなの命がいくつあっても足りるもんか‼︎

「で、ですから、私も神様と更に協力できるように、室長に頼んで色々「手続き」をしてもらいました。妹で同じクラスなら、ずっと一緒にいられますので…」

「コラ、ま、まさか家にまで来るつもりじゃないだろうな?」

「こちらでは兄妹は同居しないのですか?」

 同居以前に兄妹じゃない‼︎

「だから妹じゃねーだろ‼︎現実への譲歩もここまでだ‼︎家への進出なんてさせるものか‼︎」

 これ以上、何があっても譲歩はしない‼︎ボクの現実はボクが守る‼︎

クイクイ

 袖を引っ張られる感触で後ろを振り返るとそこには高原歩美が頰を染めていた。

「わ…私は、行ってもいい…?」

 り、現実に侵略を受けている⁉︎確かに高原を落としたのはボクだが…ボクと高原は恋人だが…ここは慎重に返答を…

「う、うん…」

 ……はっ⁉︎ボクは何を言っているんだ⁉︎

【桂馬の母・麻里】

「まーまー珍しい‼︎桂馬にお友達がいたなんて!座って座って。うち席だけは沢山あるからホホホ。」

 店先のドアを開けると、迎えてくれるのはボクの母さんだ。

「一名、友達ですらじゃない。」

 ボクは後ろに控える悪魔女を指して言い放つ。

「へー、桂木ん家ってカフェだったんだ…」

 高原は高原で少し驚いたようで、外に置かれた立て看板を見たり、店のあちこちをチラチラと視線が行ったり来たりしている。

【桂馬の家 カフェ・グランパ】

 ボクの家兼母さんの働き場所だ。まあ、家の一部が店なのだが。

「まあ、お優しそうなお母さま。」

 こいつ、ボクの横から入り込んで母さんの目の前に立つ。

「入ってくんなよ‼︎…高原、好きな席座っててくれ。」

「で…今日はなんの用——?」

 母さんはお冷やをトレイの上に乗せて歩いていたのだが……悪魔女の発言のせいでトレイからすべて落としてしまった。

「私、ここのお父様の隠し子です。」

 母さんが固まった。いや、空気が凍りついた。

「ホ、ホホホおもしろい子。やめて——っ!」

 母さんは現実を受け入れまいと必死になる。しかし、そんな希望はあっけなく砕け散った。

「これ…私の死んだ母からの手紙です。」

「どれどれ…」

 その手紙を読んだ母さんは眼鏡を外し、電話を取ると同時に髪を解いた。

「もしもし あなた?うん、私よ。話、聞かせてもらおうか?なんの話⁉︎自分の下半身に聞けー‼︎この外道‼︎」

「……」

「ねぇ、桂木…」

 悪魔と高原が目線で問いかけてくる。言語もわからず、でも罵倒とだけわかるそんな声が、母さんの口からは出ていた。

「元暴走族なんだ。」

 母さんは元暴走族だ。今でもたまにバイクに乗っているが……ここまで酷いのは初めて見るぞ……

「○×☆■♨︎♨︎ ○」

 あまりにも酷いので悪魔にあの手紙について聞いた。

「あ、あの手紙は……」

「室長入魂のニセ手紙です。」

 なんだ⁉︎入魂のニセ手紙って‼︎

「へえ、明日からまたしばらく外国?取材の数だけ子供作ってんだろ、てめーは‼︎もう帰ってくんな!」

 母さんは電話を切り、投げ捨てるとこちらに駆けてきた。

「桂馬!父さんのことは忘れな!もう奴は死んだ‼︎安心おし‼︎あんたら兄妹の面倒は私が見る‼︎」

 おい!悪魔‼︎母さんになんてもの読ませたんだ‼︎この数分で家族が崩壊したぞ‼︎

「待て待てー‼︎」

「ところでこの娘は?」

 まとめて抱きしめられた中に、知らない娘がいれば気になるだろうが、早く誤解を解いてくれ‼︎爆弾女‼︎

「あぁ、高原歩美さんは兄様の恋人ですよ‼︎」

この悪魔、本当に爆弾なんじゃないのか?

「た、高原歩美です‼︎よろしくお願いします‼︎」

——それが、数時間前のできごと。そして、ボクはゲームを買う。

「ボクは認めないぞ‼︎」

 買い物に着いてきた爆弾悪魔をボクは家族と認めない

「う、う〜で、でも…お母様は一緒に住んでいいって…」

 そんなこと知るか‼︎

「その代わり一人追放されそうだぞ。母さんは今、高原に愚痴を聞かせながら離婚届の鋭意執筆中だ‼︎」

 ボクは荒んでしまった母さんに高原を与えた。彼女なら、母さんの心を鎮められるだろう。そしてその間、ボクはゲームを買い、新しい女の子たちを攻略する。

「わ、私なんでもします‼︎家にいさせてください‼︎」

「ダメだ。お前と……一緒に住むことはできない。お前は、妹として設定が甘い‼︎」

「せ…設定。予想外の理由…」

 甘く見るな‼︎貴様の設定は甘々だ‼︎

「お前にいい言葉を教えてやろう。『妹の 品質示す エンブレム BMW』」

「び、BMW⁉︎」

「……それは妹が妹であるための基本条件。 

まずBLOOD血縁‼︎血がつながってること‼︎義妹とか‼︎妹分みたいな‼︎軟弱なキャラは所詮 他人他人‼︎

そしてMEMORY二人の思い出‼︎家族ならではの質量 そろった思い出‼︎これぞ兄妹の代えがたい絆‼︎

何より兄をうやまう心。WONICHANMOE ヲ兄ちゃん萌え‼︎」

「……最後の一つ、急に苦しくなったような…」

 むっ、そんなことない‼︎

「お、限定版まだ残ってる。」

 ボクは棚に残っていた限定版のゲームに手を伸ばした。

「せ、設定なんて別にいいと思いますけど……‼︎」

 ……別にいい……別にいい⁉︎

「別にいいで済ませてきた結果、現実は腐ってゆくのであります。世界はもっと厳密であるべきだ。妹未満のやつを妹とは呼べない‼︎お前とは思い出はないし‼︎ボクをひどい目にばかりあわせるし‼︎ そもそも同じ血が流れてないだろーが‼︎」

 ボクは振り向き、あの悪魔女に指を向ける。

 そのボクの指をこの悪魔女は咥え、齧った。女の口からはボクの血が流れたがその血を飲み込んだのだ。

 ボクは驚きのあまり情けない声を出して指を引っこ抜き、血の出た指を押えた。

「こ…これで、同じ血が流れましたよ……私、なんとしても駆け魂狩りを続けたいんです‼︎どうかおそばにおいてください。」

 そ…そんな屁理屈が通るものか‼︎

「こ、こ…断る‼︎」

 ボクはそう言い残すと手に持ったゲームソフトを会計まで持っていく。

「こちら同じソフトの通常版と限定版になっておりますが…」

「それでいいです。」

 早くしてくれないかな……

「こちらも同じソフトの通常版と限定版に…」

「いいです。」

 早くしろよ……

「こちらも…」

「いーんだよ‼︎」

 しつこい‼︎

 ボクは悪魔女を置き去りにして先に帰宅する。

「神様——神様、また難しいこと言ってたな…えーと……よーするにいい妹になればいいんだ‼︎うんうん‼︎まかせてください‼︎」

 あの女、また変な勘違いでもしてなければいいが……

——ボクが帰宅する頃には高原と母さんはすっかり意気投合していた。……話が飛躍しすぎて『花嫁修行』や『結婚』なんて話題も聞こえてきた。——

 そしてボクは例のごとく、部屋に籠ってゲームを始めていた。そして、次々と新しいヒロインたちを攻略していく。やっぱり、現実よりゲームだよな‼︎

「おに——さま——っ。神様でおにーさま——— 神にーさま———っ。」

……なのにドアをノックしてきたのはあの悪魔女だった。せっかくゲームで可愛い娘たちに囲まれていたのに‼︎

「なんだお前‼︎出てけよ——‼︎」

「まあまあ♡おにーさま。ここが神様の部屋ですか?」

「見るなよ‼︎」

 見られてたまるか‼︎

「神にーさま、お腹がすきましたよね?お母様がお忙しいので…今晩は私が夕食を作りました‼︎」

 誰のせいで忙しくなったのやら……こいつ、夕食を作ったって言ったか?悪魔の、食事……

「もしもし警察?家の中に殺人シェフが…」

 ボクはこんな奴の料理を食べたくない。気づけば電話で警察を呼んでいた。

 警察に連絡を入れているところを後ろから羽衣で抑えられ、全身拘束の上、席へと強制的に座らされた。

「は、羽衣をはずせ‼︎もう読めてるぞ、このパターン‼︎くそマズい料理出してくるんだ‼︎メニューはパスタかカレーかな‼︎」

 こんなの定番中の定番だ‼︎

「わ——すごい‼︎メニュー当たりました。はい——ペストカトーレ三途仕立て———」

 その料理は、変な生きた魚と、変な生きた貝と、変な生きた目玉が乗ったパスタだった。要するに、変な生き物が乗った変なパスタだった。

「三途の川の魚を使ってるんですよー。人間界に来る前に沢山釣っておいたんです。こっちの魚より2倍は美味しいですよ♡」

 そんな魚の説明をされても……それにこっちの魚の2倍美味しい?それでもこの見た目は……

「見た目は5万倍悪いわ‼︎おご⁉︎」

 羽衣で口を強制的に全開まで開かれる。

「神にーさまのために心をこめて作りました♡はい、あーん。」

 あーん?流し込む作業にその言葉を使うな‼︎その言葉は神聖な言葉なんだ‼︎

「おごごご——意外とうまいな。」

 あの見た目からは、想像もつかない。

「でしょう?」

「この悲鳴は気になるが…」

 口の中からあの生きていた魚たちの噛み潰された悲鳴が聞こえてくる。

「それと 気づきませんか?神に〜さま?」

 ボクはこいつの言葉が気になってあたりを見回してみる。

「なんか…この部屋きれいだな。」

「この部屋だけじゃありませんよ。他の部屋もお店も、私が掃除しておきましたっ‼︎」

 掃除?ただ掃除しただけでここまできれいになるものなのか?

「掃除ってレベルなのか、これ。新築みたいにピカピカだぞ。」

「ウフフ——そうでしょう?なにしろ掃除係を、300年やってましたからっ!」

「300年⁉︎」

 こいつ、見た目に反して……

「はいっ このホウキとは298年の付き合いです。このホウキさんはすごいんですよー。魔力が込められていて、みるみるゴミをはけちゃうんです。お見せしましょう。ほら、神様の食べ残し。こんなのは最小パワーで十分です——っ。ひとなでで集まります。」

 こいつが最小パワーと称してゴミを掃いたら「隣の家まで破壊する惨事」になってしまった。もちろん、この家には大きな穴が空いた。

「おい…」

「あ、パワー最大になってた。」

 本当に使えない——ぐるるる キュルルル……

「腹いてー‼︎さっきのパスタだ‼︎あーくそ‼︎どっちから怒ればいいんだ——‼︎」

 ボクはトイレに篭りながら嘆いた。やることなすことデタラメすぎる‼︎

——腹も大分治まってきたのでボクは風呂に入ることにした。

ボクは風呂に入るのにもゲーム機を持っていく。もちろん、防水対策は万全だ。

それにしても、アイツは悪魔としてキャラ弱いくせに、結果だけは常にベルゼバブ級だ‼︎

「やつと一緒にいるといつか破滅しそうだ。一刻も早く追い出さないと‼︎まして妹なんて絶対ダメだ‼︎そうだよBMWを忘れるな。」

思い出もない‼︎兄を思いやる気もない…

 ボクは今までの悪魔女とのやりとりを思い出して…おかしいことに気がついた。

「な…なんか条件が揃い始めているような…や…やばいぞ…‼︎」

しかし最後のピースは絶対はまらない‼︎理由はカンタン、本当の妹じゃないからだ‼︎

「あーよかった。」

 次の瞬間あたりは暗くなり、目の前も見えないほどになってしまった。

「ん…停電?」

「……っ、」

 ボクはこの暗がりの中、ボク以外の何かに触れた。

「なっなんだ⁉︎なんか触ったぞ。」

 その何かの正体を掴むためにいつもは締め切っている窓から外の明かりを取り込む。

「あ——明るくしてはダメです‼︎」

 目の前にはあの悪魔女。まったく、いい冗談だ……

「あわぁああぁ‼︎な…なんだーお前は!」

 ボクはお風呂のフタを体の周りに巻き、こいつに見られないようにする。……ついでに、ボクもあいつから目を逸らす。

「だ…大丈夫です。羽衣巻いてきてますから。あの〜〜わ、私のせいでその……神様、お腹こわしてしまったので……せめてお尻でも流そうかと…」

 なんでだよ‼︎

「いらん‼︎ボクは犬か‼︎な…何をやったって家に入れないぞ‼︎とってつけたような妹イベントくり出してきやがって‼︎」

 どれもこれも、ゲームの世界じゃ日常茶飯事だ。だがな、それを現実に持ってくるな‼︎

「とってつけてないですよ。私、本当の妹です。私、お姉さんがいるんです。あ、あの料理…お姉様によく作ってあげてたんです。私のお姉さん‼︎すごい悪魔なんですヨ‼︎お姉さまは何をしても優秀で…まさに悪魔の中の悪魔でした‼︎それに比べて私は…来る日も 来る日も掃除…お姉様、どうして姉妹でこんなに違うの… だから…駆け魂隊に呼ばれた時はもう死んでもいいって思いました‼︎やっと やっと…悪魔として働けるんだもの‼︎300年も待ったんだ…今回の駆け魂狩り…絶対に失敗は許されません‼︎」

 長々と説明しやがって……

「そんなこと、知るか‼︎」

 ボクは強い口調で、情に絆されることなく言い切る。そしたら…泣いた。

「…………………………うっうっ……うっうっ。」

 この程度で泣きやがって……

「なんで現実女の悩みなんかに付き合わないといかん。ボクはゲームの世界の人間だ‼︎フンイキでは流されない。もっと論理的に正当でなければ。」

 そう。ボクはフンイキになんて流されない。論理的だ。論理的……

「…論理的に考えて…お前を、ボクの妹として認める。」

 ……まったくもって残念だ。こんな結論が最善だなんて。

「本当ですか⁉︎」

「残念ながらこれが最善だ。ボクはお前と早く縁を切りたい。だからと言って追い出してもイミがない。この首輪があるかぎり、お前とボクの縁が切れることがないからな。となると、ベストな方法はひとつしかない。駆け魂を捕まえまくって契約を終わらせる‼︎そのためにボクらはずっと一緒にいるんだ‼︎」

「ありがと——ございます‼︎」

「触るな‼︎ボクにとって最上な手なだけだ。ついでにお前もいい成績あげて、姉ちゃんにほめられたらいいさ。」

 ボクにとって最上な手。それがこいつのメリットとほんの一部被っただけだ。

「 神様……ありがとうございます。 あ、神様っ‼︎私、お風呂場でいーことしたんですっ!ホラ、神様のゲーム機——きれーにしておきましたよ——」

 ……この女、今どこからボクのゲーム機を出した?……

「お…おい、水洗いしたのか…?」

 ゲーム機にとって致命傷。絶対に行ってはいけないこと。

「いえいえ、もう念入りにせっけん洗いですよ♡」

 ……せ、せっけん⁉︎そんなの、水洗いよりダメじゃないか⁉︎

「やっぱ今すぐ出てけお前は——!!!」

 こんな奴、百害あって一利なしだ‼︎早速出て行ってもらおう‼︎

「ええ——神様——っ!」

 泣いても許さん‼︎ゲーム機を壊すということはボクのセカイを壊すのと同義‼︎

「ちょっと桂馬——家が大変よ‼︎」

 リビングからは母さんの声が聞こえた。

——この後、壊れた家はあの悪魔がきれいに直したそうだ——

 




次回は「中川かのん」攻略回に入ります。
青山美生 推しの人は申し訳ございません……

次回の更新は4月15日を予定しています
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