アサルトリリィ BOUQUET ―白銀の妖精―   作:九条 美琴

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楓の余計な一言がきっかけで大惨事に発展!
その翌日、何やら不穏な動きが・・・。

7話、始まります。


7話:自分に正直に

学生寮前――。

 

朝5時頃。

 

(さて、と・・・・、昨日出来なかった分今日は少し頑張ってみようかな。)

軽く身体をほぐし呼吸を整える。

 

(身体強化・・・・起動。)

 

足元に魔法陣が展開し光を帯びる。身体中の隅々まで魔力を通しそのまま維持。

 

身体強化術式――

効果はその名の通り一時的に身体能力を引き上げる魔法だが今ミレイが行っているのはそれを応用した物であり、身体中に通した魔力を制御し、段階的に強めて行く事で自身の扱える魔力の上昇と魔法耐性の強化を行なう鍛錬であり、行なうには緻密な魔力制御を必要とする。

 

(・・・100・・・200・・・250・・・もう・・少し!)

 

あともう1段階上げようとしたが意識が飛びかけてしまうのを感じたためここで解除。

 

(やっぱりここが限界か・・・・師匠がたしか700くらいだからまだ程遠いな・・・。)

 

目を開くと既に朝日が登っており澄み渡る青空。その空を見上げながら――。

 

「師匠、私この世界で頑張っていきます。なので見守っててください・・・。」

 

そう決心したミレイだった。

 

ラウンジ――。

 

「あの・・・梨璃さん、私の顔に何か付いてます?」

 

ミレイが紅茶を飲む中、目の前に座っている梨璃が緩みきった顔で見ている。

 

「ううん、そうやって紅茶を飲む姿も可愛いな~って。」

 

(もう・・・こうなってしまうと梨璃さん何言っても聞かないんですよね・・・・。)

 

「3人とも、ごきげんよう。昨日は大変だったねー。」

「ええ、天葉さん、ごきげんよう。」

 

「天葉様、樟美さん、ごきげんよう~。」

 

「天葉さんと樟美さん、おはようございます。」

天葉と樟美が来てそれぞれ挨拶を交わす。

 

「梨璃さん、大丈夫?完全に緩みきってるんだけど。」

 

「ミレイさんが来てからこの調子なのよ。出来ればもう少し隊長としての自覚を持ってくれるとありがたいのだけれど。」

 

少し呆れ気味の夢結。

 

「あの・・・ミレイさん?おはようございます。呼び方ってこれでいいのでしょうか?」

 

樟美が遠慮気味にミレイに質問する。

 

「樟美さん、何でも大丈夫ですよ。なんでしたら呼び捨てて頂いても私は構わないのですが。」

 

ミレイがそう冗談混じりで言うと昨日の一件を思い出してしまったのか顔を赤らめて天葉の後ろに隠れてしまった。

 

「こら、ミレイさん。樟美をあまりいじめないであげて?

昨日あの後も「お姉ちゃん」て言葉がしばらく頭から離れなかったらしくて正気に戻すのに色々大変だったんだから。」

 

「ごめんなさい。・・・・と、何か騒がしく無いですか?」

 

気が付くと人だかりが出来ている。

 

(もしかしてあれが噂の銀髪姉妹(仮)?)

 

(嘘、本当にそっくり!)

 

(・・・確か見た目からして小さい方がミレイさんかしら?)

 

「・・・昨日の事って今のところ私と一柳隊、それとアールヴヘイムの皆さんしか知らない筈ですよね?」

 

「ええ、そうなのだけれど・・・・実はこれと似たような事を前にも私と梨璃が経験してるのよ・・・。」

 

夢結が呆れてると騒ぎの原因となる人物と楓がやって来た。

 

「皆さん、ごきげんよう!昨日は大変でしたね!」

 

二川 二水。リリィ新聞の発行者であり、この手の騒ぎの原因となり得る人物である。

 

「ごきげんよう。・・・で、この騒ぎは何なのですの?何やら樟美さんとミレイさんが注目の的みたいですが。」

 

「二水ちゃん、楓さんおはよう~。もしかしてそれリリィ新聞?」

 

「はい!昨日あの後つい筆が乗ってしまいましてつい徹夜で書き上げてしまいました!あ、こちらどうぞ!!」

 

二水が1枚の紙をミレイと梨璃に渡す。

 

「えっと・・・銀髪姉妹?って何ですかこれ?」

 

リリィ新聞。その見出しには大きく『銀髪姉妹(仮)爆誕!!』と、いつ撮られたのか樟美とミレイが並んだ写真が載せられていた。

 

「天葉姉様・・・・私、もう・・・・。」

 

更に顔を真っ赤に染めてしまう樟美。

 

「ちょっ樟美、大丈夫!?」

 

「「二水さん、貴方はまた・・・・。」」

 

夢結と楓が同時にツッコんだ。

 

「二水ちゃん、今回の凄いね!昨日言ってた2人の見分け方までバッチリ!!」

 

「ありがとうございます!あと私的にはここと・・・(以下略)」

 

梨璃と二水の新聞についての談議が始まった。

 

「2人とも楽しそうですね。」

 

「ええ・・・・全く。・・・・そういえば樟美さんが既にあの状態なのだけれど貴方は大丈夫なの?」

 

「はい、大丈夫です・・・と、言いたいところなのですがあまりそうでも無いんですよね・・・・。ただこの世界に来て間も無い私がここで騒いだ事でこれまでの関係が崩れてしまいそうなのが少し怖くて・・・。」

 

ミレイの顔が曇る。

 

「別の世界から来たからってあまり遠慮する事は無いわよ。もっと自分に正直になりなさい。昨日の"あれ"は私も流石に驚いたけど。」

 

(夢結さん・・・うん、そうだよね、私、この世界で頑張るって決めたのだから。)

 

「ありがとうございます、夢結さん。・・・では遠慮なく。」

 

二水の側に近づき・・・・。

 

「あの、二水さん、ちょっと手を出してくれませんか?」

 

「ミレイさん?あっはい、どうぞ・・・。」

 

(ライトニング・・・。)

 

バチッ・・・・。

 

「ひゃう!!」

 

たまらずその場にへたりこんでしまう。

 

「なななな何をするんですかミレイさん!?」

 

「二水ちゃん!?」

 

「梨璃、今二水さんに近づかない方がいいわよ。恐らく"感電"してるから。」

 

「えええぇぇぇ!!!」

 

思わず驚く梨璃。

 

「二水さん?次こういう事したらもっと痛くしますよ?お願いしますね。」

 

笑顔が怖い!!!

 

「ミレイさん、貴方何したんですの?」

 

「ちょっと魔法で電流流して痺れてもらいました。」

 

・・・・・・。

 

「ちょっと!魔法を使えるとは聞いてましたけど、こんなにも簡単に使えるとは聞いて無いですわよ!貴方本当に何なのですの!?」

 

「えっと・・・違う世界からやって来た何の変哲もないただの魔法使いですけど・・・・。あ、リリィでは無いですよ?」

 

「リリィで無い事は分かってますわ!!」

 

そんな楓とミレイのやり取りが続く中、ミリアムがやって来る。

 

「お主ら、ここにおったのか!・・・って二水!?そんな所にへたりこんでどうしたのじゃ!?」

 

「あはは・・・・大丈夫です、ミリアムさん・・・ちょっと痺れて動けないだけですから~。」

 

ミリアムが呆れる。

 

「はぁ・・・どうせお主の事じゃからまた何がしでかしたんじゃろ。そしてミレイ、魔法を使うのも程々にしといた方がよいと思うぞ?」

 

ミリアムの言葉に驚くミレイ。

 

「この状況でよく分かりましたね、ミリアムさん。でもなぜ私が魔法を使ったと?」

 

「当たり前じゃ!今この場でこんな人並み外れた事が出来るのはお主ぐらいじゃからの!・・・・と、そういえばミレイ、百由様が呼んでおったぞ?」

 

「わかりました。夢結さん、梨璃さん、ちょっと行ってきます。あ、二水さんの事はご自由に。そろそろ痺れは取れますがまだ暫くは動けないと思うので!」

 

「行ってらっしゃ~い。」

 

「後の事は任せてちょうだい。」

 

ミリアムとミレイが出て行く。その後、ラウンジでは・・・・。

 

「はぁ~、やっと痺れが治まりました・・・。もう一時はどうなる事かと・・・。」

 

すっかり油断しきっている二水だがその前に2人の人影があった・・・。

 

「天葉、準備はいいかしら?」

 

「ええ、いつでも。」

 

「あの・・・夢結様、天葉様、2人揃って・・・ちょっ、怖い!!!」

 

「「二水さん、覚悟しなさい。」」

 

・・・・梨璃と樟美がドン引きする程のお説教が始まり長時間に及んだという・・・。




【魔法解説】
ライトニング:
電撃を発する。(今回使用したのはほぼ最小威力で暫く痺れて動けなくなる程度)

最初は違う世界に来た事で右も左も分からず少し遠慮気味だったミレイが(6話の爆弾発言は置いとくとして・・・)夢結の一言で人前でも本来の自分を出す事が出来ました!

あとミレイちゃんは基本早起きです。

それではまた次回!(引き続きお気に入り登録、感想待ってます!)
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