アサルトリリィ BOUQUET ―白銀の妖精―   作:九条 美琴

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アニメ10話 前半

13話、始まります。


13話:まばたきの先に

 

ラウンジ――。

 

「どうして梨璃が罰を受けないといけないんですか!」

 

「結梨が人だって認められたのなら梨璃のした言葉だってお咎め無しって事じゃありません?」

 

「命令は命令、たとえそれが間違いから出たものだとしても撤回されるまでは有効よ。」

 

「命令を守ったり守らなかったりで仲間を危険に晒す事だってあるのだから。」

 

「けど臨機応変な判断も認められてる筈です!」

 

「でも外にはそれを快く思わない人達だっているのよ。」

 

「だから形式上でも梨璃さんを罰する必要があるの。」

 

「それじゃ、まるで見せしめですよ・・・。」

 

アールヴヘイムの面々が話してる中、樟美だけ悲しそうな表情でどこか上の空だった。

 

「樟美、どうしたの?何か考え事?」

 

「天葉姉さま・・・あの、ミレイさん今日も部屋から出て来ないって・・・。」

 

「そう言えばミレイさんが1番辛いのよね・・・あの時結梨さんの1番近くにいたのだから。・・・やっぱりお姉ちゃんとしては心配?」

 

「もう、天葉姉さま!・・・でも昨日も何も食べて無いみたいなので・・・・。」

 

「そうね・・・なら今から購買にでも行って何か持って行ってあげるのはどう?」

 

─────。

 

もうあれから何日たったのだろう・・・いえ、1日ってところですかね。寝てないですし・・・。

 

私はあの人の弟子なのに1人も助けられなかったなんて・・・何の為にここまで頑張ってこれたのか分からなくなってきました・・・・。

 

本当に私はここにいていいのでしょうか・・・・・。

 

「・・・・レイ、ミレイちゃん?」

 

師匠の声まで聞こえてきてしまいました・・・もう駄目ですかね・・・。

 

「おーい、ミレイちゃん?聞こえてるー?」

 

はい、聞こえてますよ。・・・・それにしてもうるさいです。

 

何だ夢か・・・って事は私いつの間にか寝ちゃってる?

 

「ミレイちゃん大丈夫?生きてる?それとも・・・」

 

質問責めにしてくる師匠。

 

「ちょっとうるさいので静かにしてくれませんか・・・あと今は1人にしてください・・・。大丈夫ですから。」

 

「消えろと言われてもミレイちゃんの夢の中だから本心でそう思ってくれない限り無理なんだよね・・・っと言う訳で隣、座っていいかな!」

 

「言ってる意味が分かりません・・・・隣は駄目なのでできるだけ離れて立っていてくれませんか・・・・。」

 

早く起きて・・・・私。

 

「隣は駄目かー、・・・・じゃあ後ろ!」

 

そう言ってミレイと背中合わせに座る師匠。

 

「何やってるんですか?・・・・はぁ、もういいです。何を言っても無駄な気がして来たので・・・。」

 

「何か暗いみたいだけど・・・もしかして結梨ちゃん?の事で悩んでる?」

 

「少し黙っていてくれませんか!・・・あんな事で魔力が制御出来なくて助けられなかったなんて・・・え?」

 

だから黙っていてくださいと・・・と言いたかったところだったが後ろでは無く前から聞き覚えのある声がした為少し驚いていた。

 

「ミレイ、あの時はごめんね。」

 

その声を聞いて顔を上げて見るとそこには・・・・

 

「結梨・・・さん、どうして・・・・。師匠、余計な事しないでください・・・。」

 

「私は何もしてないよ。多分だけど私がここにいるのと同じ理由なんじゃないかな。」

 

「もしかしてそれだけ私と結梨さんの繋がりが強かったって事ですか・・・。確かに一緒にいる事は多かったですけど・・・だからってこんな所にまで出て来なくても・・・。」

 

きっと今目の前にいる結梨は師匠と同様に自分の思いの強さが生み出した存在であると確信したミレイであったが自分のせいで命を落としてしまった事で少し信じきれずにいた。

 

「結梨さん、ごめんなさい・・・私の事、恨んでますよね・・・。」

 

「ううん、そんな事無い!あの時はああするしか無かった!だってミレイの魔力が・・・」

 

「私の魔力・・・?確かに結梨さんに言われた事に動揺してしまって上手く制御出来ませんでしたけど・・・」

 

「ミレイちゃん、それまでに魔力どれくらい使った?」

 

師匠の言葉に疑問を感じつつもその日の魔力使用量を考えてみると・・・。

 

(えっと・・・ヒュージの攻撃を障壁で防いで結梨さんと協力して小型ヒュージを撃破、最後に2人でCHARMに魔力を注いで・・・・そう言えばCHARMに触れた後の魔力量って・・・。)

 

障壁の全力展開、そしてCHARMへの供給により予想以上に魔力を使ってしまっていて既に飛行の維持とあの規模の爆発への防御を同時にこなす力は残っていなかったのである。

 

「・・・・もしかして結梨さん、私の魔力がもうそんなに残って無いこと分かってたんですか?だからあんな事を・・・。」

 

「うん、だから私がミレイを助けたかった、ただそれだけ!」

 

「はぁ・・・貴方って人は・・・・って師匠?」

 

「いや、ミレイちゃん昔から少し魔力を使いすぎちゃうところがあったからその癖まだ直って無かったんだなーって!」

 

「そこ怒るところじゃ無いんですか!?」

 

(全く・・・私が落ち込んでるのが馬鹿みたいじゃ無いですか・・・。)

 

「もうこの際ですから2人に聞きますけど今後私はどうすればいいのか教えてくれませんか?」

 

「うん!えっと・・・ミレイの師匠さん?も答えられる?」

 

「私はいつでも大丈夫だよー。それじゃ、せーの!」

 

「「ミレイ(ちゃん)!頑張って!!」」

 

・・・・・。

 

「何で息ピッタリなんですか!2人共単純過ぎです!」

 

2人のせいで暗い気持ちがどこか吹き飛んでしまったかのようにいつも通りの調子に戻っていた。

 

「やっと元気出てきたね!でもミレイちゃんにはもう仲間が沢山いる。もちろん私と結梨ちゃんも見守ってるから!」

 

「だから、梨璃達の事はミレイに任せる!」

 

「もう・・・そこまで言われたら頑張るしか無いじゃないですか・・・でも、ありがとうございます。」

 

立ち上がり2人を見てみると少し薄れていた。

 

「さて、私の悩みも晴れたことですしそろそろでしょうか?」

 

「え!?ミレイともう会えなくなるの?まだ話したいことがあるのに!」

 

「大丈夫ですよ、結梨さん。またいつか会えますよ・・・だってここは私の夢の中なのですから!」

 

「それじゃ、またね、ミレイちゃん。」

 

「ええ、師匠も・・・お元気で・・・って言うのも何か変な気もしますが。」

 

(2人共、本当にありがとうございました・・・・。)

 

─────。

 

「ん・・・・。」

 

時計を見てみると正午を回っていた。

 

(少し・・・寝すぎましたか。とりあえず何か食べに・・・と、その前に理事長室ですかね。)

 

髪はボサボサ、制服も乱れていたため身だしなみを軽く整え部屋のドアを開くと何かがドアノブに引っ掛けてあった。

 

「何ですかねこれ?あ・・・手紙も・・・。」

 

ビニール袋の中には大量の栄養食とそして手紙には――

 

お腹すいてたら食べてね!――アールヴヘイム一同

 

と、一言だけ書かれていた。

 

(・・・・もう、こんなに食べ切れませんよ。でも、後でお礼を言いに行かないと・・・。)

 

部屋を後にするミレイだった。




ミレイちゃんの夢の中の空間に結梨ちゃんが新しく仲間入りしました!と言ってもこれ以上は増えません。
生存させないにしろこのまま出さないでおくのも何かもったいない気がしたので師匠と一緒に心の支えとなってもらうことにしました。

それではまた次回!
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