アサルトリリィ BOUQUET ―白銀の妖精― 作:九条 美琴
【ラスバレ】天葉様お迎え準備第1段階完了
アニメ10話 後半
14話、始まります。
(まさかこんなに心配されていたなんて・・・。)
理事長室に向かう時に大多数から「もう大丈夫なの!?」や「何か悩んでる事無い?」等を言われ、更に理事長室に入ってからも史房から無茶した事を怒られ(勝手に飛んだ事に関しては不問だった)そして咬月からは多数のリリィを守った事への感謝とリリィと同等の扱いになる事を言われ、更にアールヴヘイムの面々からも差し入れの感想を聞かれる等、質問責めに遭いながらも心配されまくりの半日であった。
そして翌日─────。
「さあ、今日もはりきってまいりますわよー !!」
学院近くの海岸、梨璃を除いた一柳隊とミレイはいた。
「えっと・・・確か梨璃さんの髪飾りを探してるんですよね。」
夢結から聞いた話によると2日前から探しているものの一向に見つからないとの事だった。
「ところでミレイさん、探し物を見つける魔法なんてないかしら?」
「え?ありますよ。広域探知って言ってですね・・・」
神琳の質問に答えるミレイ。
説明によると自分を中心とした一定範囲内を捜索する魔法で形さえしっかりとイメージ出来ていれば詳細な位置まで分かるため主に遺跡探索等に使われるらしい。
「なあ、もうミレイ1人に任せとけば直ぐに見つかるんじゃないかのう・・・。」
「あの・・・・ミリアムさん?そう言われても私が探知できるのって精々100mが限界なんですけど。」
さすがのミレイでもこのだだっ広い範囲を一回で探知するのは無理があった。
「それでしたら私とミリアムさんで補助すればもっと広げられるのではないでしょうか?」
「またわしか!?これで3日連続なのじゃが・・・。」
そう言いながらも梨璃の為でもあるので渋々と位置に付くのであった。
「それでは・・・・いきます。」
広域探知を発動すると魔法陣が足元に展開される。
「フェイズトランセンデンス!!」
ミリアムと神琳のレアスキルの力で魔法陣が更に巨大になり、一帯に広がった。
(これなら見つかりそうですね・・・・って何か発動してからすぐに反応してるんですけど・・・。)
「ミレイさん、どうでしたか!?」
「ごめんなさい、どうやら想像以上に遠くにあるみたいで・・・あるいは形が大きく変わってしまっているのでしょうか・・・。」
直ぐ近くで見つかったというのは黙っておくことにした。その場所が海岸で無かった為に・・・・。
その日の夜──。
「楓さん、少しよろしいですか?」
「なんですの?これから行くところがあるので急いているのですが。」
「・・・・持ってますよね?梨璃さんの髪飾り。」
その瞬間、楓の動きが止まる。
「あら?何の事ですの?」
「やっぱりですか。まぁ大方隠れて修理しようかと思ってるんでしょうね。あのヒュージの攻撃、髪飾りに・・・・」
ダンッ!!!
「それ以上は言わなくてもいいですわよ。」
壁に寄りかかっていたミレイの側に両手を叩き付けていた。
「大丈夫ですよ、黙ってますから。・・・でも訳だけは聞いてもいいですか?」
「ここまで知られたらもう隠しても無駄ですわね・・・。」
楓の話によると既に2日目辺りで見つけていたが既に焼け焦げていた為、作り直すため夜中に作業をしているという・・・。
「そうだったんですか・・・分かりました。この事は2人だけの秘密って事で。頑張ってください。」
「ええ、期待してて下さいまし。」
そうして探し始めてから日が経ち、ついに見つからず梨璃の謹慎が解ける早朝──。
「あの・・・本当に飛行許可出てるんですか?」
「大丈夫ですわよ、こんな早朝で誰も見てないでしょうから。あ、念の為もう少し遠くですわ。」
「はいはい・・・・。」
(まぁバレたら楓さんに脅されたとでも言っときますか・・・。)
早朝から叩き起こされ楓を乗せて海上を飛んでいた。
「この辺なら簡単には見つからないですわね・・・」
見つけていた梨璃の髪飾りを取り出し投げ込んだ。
「これでよしっと・・・さあ見つからないうちにさっさと戻ってくださいまし。」
─────。
「「ふわぁ〜〜。」」
楓とミレイが同時に欠伸をした。
「2人とも寝不足?」
「ええ・・・今日はいつもより早く起こされ・・・いえ、起きてしまいまして。」
「梨璃さんが今日出られると思うとなかなか寝付けなくて・・・。」
「そうね・・・梨璃の為にも早く見つけてあげないと・・・・。」
「夢結、手伝うわよ!」
「あなた達・・・・。」
そこにいたのは天葉を含めた百合ケ丘のリリィ達だった。
「ありがとう、恩に着るわ。」
「恩に着るっていつの人よ」
「ごめんなさい、こんな時どう言っていいのか分からなくて・・・。」
「仲間を失ったのは私達も一緒よ。だったらせめて落ち込んでいる梨璃のためにも何とかしたいと思うのは自然なことでしょう。」
全員で手を繋ぎレアスキルを発動させる。
「レアスキルを合成させるなら接触式の方が非接触式よりも効率はいいわ。といってもこんなに大勢でやった事は無いけど。ミレイさんも準備はいい?」
「ええ、いつでも大丈夫です!」
ミレイも加わり広域探知、遠目の発動準備に入る。
「今よ、3人とも!」
「「フェイズトランセンデンス!!」」
「広域探知!」
ミリアムと亜羅椰のスキルで更に強化された広域探知がリリィ全員に共有され、梨璃の髪飾りの位置を正確に感じ取った。
『あった─────!!!!!』
「あそこですわ梅様!」
「何だ!?」
「レアスキル縮地ですわ!はいよー!」
楓が梅に飛び乗り海上を駆けていった。
「ありましたわ───!!」
楓が海中から髪飾りを見つけ・・・
「「ぶえっくしゅんっ!!」」
(全く・・・・私に言ってくれれば近くまで飛んで行ったのですが・・・・。)
風を操りなるべく暖かくしているミレイだった。
─────。
そして梨璃の謹慎が解け・・・・
「ごきげんよう梨璃。」
「お姉様・・・皆さんも、どうして・・・・。」
「梨璃さん、これを。」
「・・・・これ、私の無くしたのとそっくり。」
『え!?』
全員が驚いた。
付けていた髪飾りには四つ葉の1枚にヒビが入っており、楓の渡した物にはそれが無かったのだった。
「どういう事かしら・・・楓さん。」
「いやですわ夢結様、そんな怖い顔して・・・・実は・・・・。」
焼け焦げてしまった髪飾りを見せる。
「これ、私のです!」
「実は2日目に浜辺で見つけていましたの。だけどこれでは梨璃さんを余計悲しませるだけだと・・・。」
新しい髪飾りは汐里に頼んで工作室を借り作っていた。
「では今日の昼間見つけたのは・・・・。」
「あんな大掛かりに捜されてはさすがに本物の在処がバレてしまいますから早朝に仕込んておいたんですの。・・・・で、最初に私がそれを手にして昨夜出来たばかりの物とすり替えたという寸法ですわ。
・・・・まぁミレイさんは3日目に既にバレてしまいましたが・・・・。」
「ミレイ・・・お主までわしらを謀っていたとは・・・。」
ミリアム達の視線が一斉にミレイに集まる。
(ちょっと楓さん!?・・・・もう、こうなったら・・・・)
「あの・・・・ごめんなさい、楓さんの言った通り実は3日目に楓さんが既に持っていた事を知っていたのでお伝えしようと思ったのですが・・・・凄い剣幕で内緒にしろと迫って来るのでそれが怖くて・・・あと今朝は叩き起こされて私も協力しました・・・・・。」
ミレイが申し訳無さそうに俯きながら少し小声で全てを話した。
「そこまで脅してはいませんわよ!?えぇえぇえぇ!!梨璃さんや皆さんを欺き、ミレイさんまで協力させたのは紛れもない事実ですわ!煮るなり焼くなり好きになさってくださいまし!バレたらバレたで私一人が全ての責めを負えば済むことですもの!
「思いっきり汐里を巻き込んでるし。」
「いえ。私は工作室をお貸ししただけで。何をなさっていたかはここで知りました。」
「楓、お前いい奴だな!」
梅の言葉に全員が賛同した。
「楓さん、ありがとう。」
「ど、どういたしまして・・・。」
「あの、梨璃さん・・・・。」
「ミレイちゃん、どうしたの?」
「その焼け焦げた髪飾り、私が貰っていいですか?」
「え?でもこれ持ってても使えないし・・・・」
「梨璃さんの思い、私にも背負わせてください。」
それから自分が気力を失ってる時に夢の中で結梨に会った事、梨璃達の事を気にかけていた事を話した。
「結梨ちゃん、そんな事を・・・・。」
「私の夢の中の話なので信じられないかもしれないですが、でも、結梨さんを失ってしまったのは私にも原因があります。だから・・・・っ!」
ミレイの顔から涙が溢れる。
「ミレイちゃん、大丈夫・・・・大丈夫だからっ!・・・私がちゃんとしなきゃいけなかったのに結梨ちゃんを守ってあげられなかったから・・・だからミレイちゃんは悪くないよ・・・・。あれ?私なんで・・・。」
梨璃がミレイを抱き寄せるが梨璃もまた涙を流していた。
「2人とも辛かったのね・・・・お泣きなさい。今貴方達に必要なのは何でもいい。自分の気持ちを表に表す事よ。」
「お姉様・・・・っ!」
「夢結さん・・・・っ!」
夢結に抱かれた2人は感情を抑えられずそのまま泣き崩れるのだった。
尚、焼け焦げた梨璃の髪飾りは四つ葉の1枚をミレイが貰いそのままの状態で首飾りとなった。
アニメ10話完!
タイトルの由来ですが構想中に夢結と梅のキャラソン「Rainbow」を聴いてたらなんかしっくりきちゃったので引用しました。
※当作品は魔法もメインです
いよいよBOUQUET編も終盤に入ります!
それではまた次回!