アサルトリリィ BOUQUET ―白銀の妖精― 作:九条 美琴
BOUQUET編最終話!
18話、始まります。
「平和だね〜。」
「平和ですね〜。」
由比ヶ浜ネストを殲滅してから数日、梨璃と二水は完全に緩みきっていた。
「貴方達、ネストを1つ潰したからってヒュージがいなくなった訳では無いのよ?だからもっとリリィとしての自覚を・・・・」
「ごめんなさいお姉様、でもここ最近ヒュージの出現も無いですし〜。」
「こういう時こそしっかりと羽休めする時なんじゃないでしょうか〜。」
「だからって気を緩めすぎるのも・・・・はぁ・・・・。」
2人の態度に完全に呆れる夢結だった。
一方その頃───。
工廠科の百由の工房にて・・・・・
「解析終わったんですか?」
「ええ・・・・・結論から言っちゃうと凄いわね、これ。これを元にCHARMを作ったらとんでもない物が出来ちゃうくらいにね。」
先日のヒュージとの戦いで破損した杖だが師匠の話で魔石さえ無事なら幾らでも作り直せる事が分かった為、百由に新しく作れ無いか相談をしていた。
「それで、新しく杖を作りたいって事なんだけど形は前のままでいいの?」
「えっと、できればこの世界の技術も取り入れたいと思って・・・・。」
「それだったら変形機能を持たせるってのはどうじゃ?例えば砲撃に特化した形態とか・・・・・」
「つまりCHARMで言う射撃形態ね!そうなるとこれがこうなって・・・・・」
「おお、何か見たことのある形になってきたぞ!」
「あの・・・・ミリアムさん?この世界に魔法使いっていないはずでは・・・・?」
「現実にいないだけじゃ!そういえばミレイ、お主大規模な魔法を使う時はどうしてる?」
「えっと、大規模なの以外は無詠唱で大丈夫なのですが【フォトン・バスター】の最小威力でもせめて1、2分くらいは・・・・・。」
「じゃったらここをこうして・・・・・」
(あの・・・・・2人共お手柔らかに・・・・ってもう聞いてませんね。)
「ぐろっぴ、放課後までには設計終わらせるわよ!」
「了解じゃ百由様!」
ミレイそっちのけで没頭する2人。
(お茶でも入れて来ますか・・・・・。)
終日2人を手伝うミレイだった。
放課後───。
「ごめんね神琳さん、頼んじゃって。」
「いえいえ、幾らでも頼ってくださいな。」
雨嘉と神琳の部屋にミレイが呼ばれ身だしなみを整えていた。
「あの・・・・・梨璃さん?もう放課後なのですが何か意味が?」
「え!?えっと、大した理由は無いんだけど・・・・・。」
突然の質問に動揺する梨璃。
「はい、できましたよ。梨璃さん、私は先に行ってますね。」
「うん、神琳さんありがとう!」
(梨璃さん、やっぱり何か隠してる?)
そう思いつつも数分後梨璃と一緒に移動し着いたのは・・・・・
「ここ・・・・一柳隊の控室ですよね?」
「いいから開けてみて?」
ミレイが扉を開くと一柳隊、アールヴヘイムの全員が集まっていて・・・・・
『ミレイさん、入学おめでとう!』
「・・・・・え?」
部屋に入るなり急に言われた一言に困惑していた。
「あの・・・・・ちょっと意味がわからないのですが・・・・・」
「みんな、貴方の為に動いてくれたのよ。」
理事長代行に提出された署名と嘆願書───。
それはミレイを百合ヶ丘の生徒として迎えたいという全員の思いであった。
その思いが理事長代行を動かし特例として入学を許可したのだという。
「だからってこんな事までしなくても・・・・。」
「これは梨璃の提案で普段驚かされてばっかりだから逆に驚かしたかったみたいよ。ね?」
「ごめんねミレイちゃん!もしかして嫌だった?」
「大丈夫です。でも・・・・ありがとうございます。皆さんも今後共よろしくお願いします!!」
こうして異世界からの魔法使う少女が正式に百合ヶ丘の生徒となった事は瞬く間に広まり、暫く取材が絶えなかったという。
そして他のリリィより小さく綺麗な白銀の髪をした少女を見て周囲からはいつしか皆その名を呼ぶようになった。
そう───"白銀の妖精"と。
BOUQUET編───完
BOUQUET編完!(作品自体はまだ続きますよ〜。)
百合ヶ丘の生徒となったミレイちゃんの今後の活躍にご期待ください!
ラスバレ編入る前に休憩がてら次回から短編連続投稿入ります。
アンケートご協力ありがとうございました!
この回の投稿を持ちまして締め切・・・・・えぇぇぇぇ!?
・・・・・えー3番目と4番目が決まらないのでその2つだけ一週間延長します。引き続きご協力ください。
それではまた次回!(ラスバレで神夢結11連1回目で出ました)