アサルトリリィ BOUQUET ―白銀の妖精― 作:九条 美琴
短編連続投稿企画最終回!
【WARNING!!】
微量のグロ要素有り(と言っても普通に読めるレベルですが・・・・。)
それでは始まります。
王都からかなり離れたその場所に寂れた農村がありました。
このお話はそこで起こった1日の出来事───。
その農村の孤児院───。
といっても農作業で忙しい夫婦の為に子供を預かっているのでどちらかというと託児所のような所にある1人の少女が木陰で本を読んでいました。
他の子供達は皆で遊んでいたのですが何故その少女だけ孤立していたのかというと・・・・・
髪の色が周りと違って物凄く白かったのです。
そのためか気味悪がられ誰も近寄ろうとはしませんでしたがそれでも心配して声をかけてくれた子はいたのですが・・・・・
「ねえ、そんな所で本読んでないで私達と一緒に遊ばない?」
「・・・・・私と一緒にいない方がいいよ?あなたまで仲間外れにされると思うから。」
「え・・・・・?う、うん・・・・・ごめん、ね?」
「大丈夫。気にしてないから。」
とまあこんなやりとりもたまにありましたが石を投げられる事も少なくなく、その度に額に怪我をしていました。いつもの事なのであまり気にしていないみたいでしたが。
その日の正午頃、急に騒がしくなりました。
何者かが空から村の入口に降り立ったのです。
「あの・・・・・申し訳無いですが村長を呼んでくださいませんか?」
その空から箒に乗って降りて来たのは青い髪の少女で酷く疲れていました。
「ワシがこの村の村長じゃ。」
「突然ごめんなさい。私、旅をしている者でして今晩こちらに泊めて頂けないでしょうか?」
「泊めるのは構わんのじゃがこの村はのぅ・・・・・」
村長の話によるとこのくらいの収穫の時期、夜中にゴブリン共が農作物を荒らしに来るとの事でした。
「そうでしたか・・・・・あ、だったら泊めて貰うお礼にそのゴブリン、私が退治しましょう。これでも私、王都では"大賢者"と呼ばれていまして結構強いんですよ!」
そうして青い髪の少女はゴブリン退治と引き替えに村に一晩泊めて貰う事になりました。
しかし、この時村長はとんでもないミスをしてしまいます。それは・・・・・
「もう・・・・・ゴブリンなんて来ないじゃないですか・・・・・寝よ・・・・・。」
村長のしてしまったミス、それはゴブリンの来る時間を正確に伝えていなかった事。
この魔法使いの少女は以外に早寝だったのです。
そして夜中───。
「ゴブリンがきたぞ───!!!!!」
その言葉に村は大慌てになりましたが・・・・・
「おい、旅の魔法使いは?退治してくれるんじゃ無かったのか!?」
「まさかもう寝たんじゃ・・・・・ちょっと呼んで来る!!」
村人が少女の部屋に入ると案の定寝ていました。
「起きて下さい!ゴブリンがきました!」
「ん・・・・・後5時間・・・・・。」
「そんな事言わずに!お願いします!」
必死で起こそうとするもなかなか起きませんでしたが、そのあまりのうざったさに少女は眼を覚ましました。
そして寝間着のまま無理矢理外に出され・・・・・
「眠い・・・・・」
少女の眼前にいたのは小柄なゴブリンが数体、そして周りのより巨体なのが一体いました。恐らくは群れのリーダーだったのでしょう。
「グルルルルル・・・・・」
「・・・・・うっさい。」
ズルリ・・・・・
巨体のゴブリンが歯軋りで威嚇していたその時、少女が右腕を外側に振った瞬間、急に首から上が落下し、青い血を吹きだしたのです。
「せっかく今夜は久しぶりにゆっくり寝られると思ったのに・・・・・」
リーダーを失ったゴブリン達でしたが余りの威圧感に動けなくなるなる者、腰を抜かす者と様々でした。
「私の眠りを妨げるのは誰だああああああ!!!!」
吹き荒れる旋風、そして爆音。
必死に逃げ惑うゴブリン達でしたが為す術も無く殺られていきました。
そして地獄のような一晩が経ち・・・・・
「昨日は泊めて頂いてありがとうございました!で、これ何があったんですか?ゴブリンは来なかったみたいですが。」
よく寝られたのかスッキリした顔でお礼を言いました。が、昨日の事は一切記憶に無いみたいで気が付くと何故か村の周りの木々が倒され、そこら中にクレーターの様な物が出来上がっていました。
「あ、あぁ・・・・・それよりこれをお持ちくだされ。」
渡されたのは袋に入れられた村で採れた野菜の数々。
「わ、こんなに・・・・・ありがとうございます。ところであそこにいる銀髪の子は?」
「あぁ・・・・・あの子は両親もおらず孤児でして・・・・・」
そして青い髪の少女が銀髪の髪の少女の元により・・・・・
「ねぇ、一緒に来ませんか?」
「え・・・・・?でも・・・・・私・・・・・。」
「そいつと一緒にいたら呪われるぞ!」「そーだそーだ!」と男子が騒ぎ出しましたが・・・・・
「あの子達の言ってる事は気にしなくていいですよ。もし呪われてもすぐに治せますから!」
「うん・・・・・ありがとう。」
「んじゃ決まり!村長さん、この子、私が引き取ります!行こっか!」
そう言って箒に銀髪の少女を乗せ飛び立ちました。
「2度と来るな!」「この破壊神!」等の罵声が聞こえましたが全て無視して。
「あの・・・・・これからどうするの?」
「ん───、ここまで来ちゃうともう他に町とかも無さそうだし・・・・・どっか適当な場所に家でも建てて暮らしましょうか!」
こうして2人は人里離れた遠くの地で静か?に暮らしました。
あ、村にいた男の子達ですが成人してからも暫くは青い髪の女性を怖がったそうですよ?
ちなみに銀髪の髪の少女は青い髪の少女の弟子となり魔法使いとしての道を歩み始める訳ですが今現在は・・・・・
あ、はい私です、ミレイです。今は別の世界で元気にやってます。
尚、この話はなかなか寝ない子を寝かしつける為に使われ、「早く寝ないと寝ぼけた魔女が襲って来る」と言うと恐怖を感じすぐに寝てくれるので向こうの世界ではなかなか好評だったという・・・・・。
いかがだったでしょうか。(多少魔女の旅々風味)
よし、きゅーけー!(ラスバレスタンプ風)終了!
次回からラスバレ編入ります!(短編は何か思い付き次第書きます)
余談:ラスバレで運営が(いい意味で)余計な事してきたのでそっちの話も気が向いたら書こうと思います。
それではまた次回!!