アサルトリリィ BOUQUET ―白銀の妖精― 作:九条 美琴
ぎん、ぱつ♪
ぎん、ぱつ♪(ラスバレで樟美プレイアブル化により作者一時錯乱中)
ごめんなさい、投稿遅れました!!
25話、始まります。
「いい?ミレイさん、本気で来ないと私には勝てないわよ。」
「私も負けるつもりはありませんよ。元からそのつもりです。」
海岸で対峙する2人。その様子を一柳隊とグラン・エプレの面々が少し離れた場所から見ていた。
「では、ルールをもう一度確認します。制限時間は5分。その間に1回でも触れられたらミレイさんの勝ち、その間高嶺様は回避に専念、制限時間まで躱すことができれば高嶺様の勝ち、よろしいでしょうか?」
「ええ、大丈夫です。」
「こちらも異論はないわ。」
「わかりました。では、審判の私が上に向けて撃ちますのでそれを開始の合図としますわ。お二人共、位置に。」
二人の距離が離れていき、やがて5メートル程のところで向かい合った。
(ミレイさん、無茶しなければよいのですが・・・・・。)
二人共やる気だったため仕方なく許可したが、少し複雑な気持ちになりながらもジョワユーズを上に向ける。そして・・・・・
時は遡りラウンジ───。
「え!?ミレイちゃんあの時負傷したの!?」
叶星の驚く声が響き渡る。
学院の決定で特型ヒュージに対抗すべく3レギオンによる強化合宿が決まり、叶星と高嶺が夢結に前回の事を聞いていた。
「叶星さん、少し落ち着いて。今は大丈夫よ。いつもより少しだけ調子が悪いだけでね。」
「でもミレイさんこの前ヒュージを殲滅してた時にはそんなふうには見えなかったのだけれど。」
「いつものミレイだったら5、6体はまとめて倒してるわよ。」
「「・・・・・え?」」
驚く2人。夢結の話によると重力魔法との組み合わせでその気になれば数分かからず全滅させられるのだとか。
「と、いうことはあの時意図的に力を抑えていた?」
「いえ・・・・・これには特別な事情があるのよ。」
それから夢結はあの時予期せぬ邪魔が入り全滅しかけた事とその原因がミレイのもう1人の人格であり、それを抑えているため使える魔力が少なくなっている事を2人に話した。
「それじゃあ今のミレイちゃんは・・・・・」
「戦力としては期待できないって事ね。」
「ええ・・・・・でもあの子意外と意地っ張りなところがあるから戦うなって言ったところで素直に聞いてくれるとは思えないのよ。」
その夢結の言葉に黙り込む2人。
「2人とも、ミレイさんの事、一旦私に任せてくれないかしら。」
「任せてって、高嶺ちゃん、一体何を?まさかミレイちゃんの事・・・・・」
「そこまではしないわよ。だから、ね?」
「うん、わかった。けど、無理はしちゃ駄目だからね!」
「話はついたみたいね。高嶺さん、ミレイの事よろしくたのむわ。」
高嶺が何をするのか大方の予想がついていた叶星と夢結。暫くすると2人の話し声が聞こえてきた。どうやら戻って来たらしい。
「全く、こんなに買って余ったらどうするんですの?」
「全部使いきるつもりで作るので大丈夫です!もう、百由さんったら急なんですから・・・・・準備があるのですからもう少し早めに言ってくれないと・・・・・あ、ただいま戻りました。楓さん、お手伝いありがとうございます!」
「夢結様の頼みとはいえ何で私がこんな事を・・・・・。」
「楓さん、お疲れ様。」
「あの・・・・・ミレイちゃん?その大量のお菓子は?」
「これですか?えっと、今回は急なので用意する時間もあまり無いので既製品から色々作ってみようと思いまして。」
そしてグラン・エプレの面々が揃った頃には既に何品か出来ており試食したところその美味しさに言葉を失う者がほとんどだったとか・・・・・。
そして海でのグラン・エプレのノインヴェルト戦術の練習後───。
「では、ヘルヴォルとの合流時間が近くなるまで各自弱い所を練習・・・・・」
「ちょっと待って、ミレイさんとの模擬戦をしたいのだけれど。」
「高嶺さん、今の私と模擬戦をしても大して相手には・・・・・」
少し遠慮気味のミレイ。
「あら、普通の模擬戦ではなくて私はただ避けるだけでミレイさんが触れられれば勝ちなのだけれど・・・・・それとも私に負けるのが恐い?」
「・・・・・。」
「高嶺様!ミレイちゃんも今は遠慮したいみたいですし別に今で無くても・・・・・」
「梨璃さん、少し黙ってて。梨璃さんの言うとおり断わってもいいのよ?ただ、大勢が見てる前で断わったら一時期話題になった白銀の妖精は私達リリィとさほど変わらないその程度の者だったと・・・・・」
「高嶺様、あんなにミレイさん煽って一体何が・・・・・っ!?」
「どうしたんですか、姫歌さん?ミレイさんが・・・・・えぇぇぇぇ!?」
驚く姫歌と紅巴。それもそのはず高嶺と灯莉が悪ふざけしてた時と比較にならないほど全身に電撃を纏っていたのである。
「高嶺さん、そこまで言われて私が黙ってるとでも?わかりました、その勝負、受けます!!」
「夢結様?このままやらせてしまってよろしいのでしょうか?私の推測ですが今のミレイさんは魔力の量がそこまで多く無いのではと思うのですが。」
「楓さん、気付いていたのね。でもこのままじゃミレイの気も収まらないと思うわよ。多分物凄く怒ってるから。」
と、ここまでが冒頭に至る経緯である。
───。
ドォン!!
響き渡るジョワユーズの発砲音。
(速攻で行きます!ファントム!!)
地面を蹴り出し超高速で高嶺に向かっていくミレイ。
「縮地!?あ、でもミレイさんはレアスキル使えないみたいだしあれは一体・・・・・」
「足元に風を圧縮してその力で突進してるだけだぞ。私とやってた時と比べると遅いけどな!」
「もしかして梅様、ミレイさんと一度あのような事を?」
「あれは楽しかったな〜。」
あの時は鬼ごっこと言う名目でミレイが鬼役となりグラウンドで行ったためギャラリーが多かったがファントムの連続起動を行なうミレイと縮地で逃げ回る梅を目で追える者はほぼいなかったとか。
だが、今はその時と違い、普段であれば足元に風を纏った状態をそのまま維持し僅かに浮く事でその気になれば梅と互角に渡り合える速度を出せるのだが、今状態ではそれが難しいため一度止まっては発動を繰り返していた。
「どうしたのミレイさん、無闇に突進を繰り返しても私に振れる事はできないわよ。」
「そんな事・・・・・は、わかって、ます!!」
(さすがに梅さんとほぼ同じ速度で動く相手を捉えるには・・・・・ちょっときついけど!)
制限時間残り1分ほどのところで状況に変化が生じる。
ミレイが完全に足を止めたのである。
(まずはフォトン・レイ、3点射!)
片手の指先に光の玊を3つ形成し3連続で発射した・・・・・が、高嶺の目前に着弾した。
(外した?いえ、目眩まし・・・・・かしら。)
冷静に分析する高嶺だったが・・・・・。
(魔力感知と広域探知を同事発動!・・・・・見えた!)
(おそらくはこの砂煙に紛れて突っ込んで・・・・・っ!!)
ガクンッ!
「捕まえ・・・・・た!」
砂煙がはれるとそこには片膝をついた高嶺がいた。このままグラヴィティで動きを完全に封じた高嶺にミレイが触れれば決着がつくのだが・・・・・
「そこまで!」
既に制限時間は過ぎており、楓のストップがかかった。
ちなみに判定はというと、触れられなかったものの、動きを封じたミレイ、全て躱しきったが動きを封じられた高嶺、両者ともに判断に困るため引き分けとなったのである。
そして、魔力がほぼ限界の2人を迎えたのは・・・・・
「「ミレイちゃん!高嶺様(ちゃん)!2人とも熱くなりすぎです!!」」
「「ごめんなさい・・・・・。」」
梨璃と叶星の気迫に圧され謝る事しかできない2人だった。
「とりあえず向こうで少し休んでてくださいまし。さあ、残りの方は練習を始めて下さい!」
───。
「全く・・・・・まさかあんな手を残してるとは思わなかったわ。」
「あれで駄目なら私の負けでした。うまく決まって良かったです。」
皆の練習を見ながら休憩してるミレイと高嶺。
「でも、ありがとうございます。あらためて今の私の実力を知る事が出来ました。あそこまで焚き付けて来るのはさすがに予想外でしたけど!!」
「ふふっ、それは謝るわ。でもね、ミレイさん・・・・・」
「強がるのもいいけど、もう少し私達を頼りなさい。それとも、私達がそんなに心配?」
「高嶺さん・・・・・ええ、ごめんなさい。私が1人で抱え込み過ぎていたみたいですね。わかりました。今後の特型ヒュージとの戦い、私は皆さんのサポートに徹する事にします。今の私が前に出ても大して力にはなれないでしょうから。」
今の自分の弱さに気が付いたミレイ。
「それは安心ね。でも、身体の調子が戻ったらもう一度手合わせしてくれないかしら。今度はちゃんと決着をつけたいし。」
「はい、その時は是非!!」
こうしてミレイと高嶺の再戦が2人の間で交わされたのだった。
(その時まで私が生きていられたら、ですけどね・・・・・。)
あらためて投稿遅れてごめんなさい!!
構想中に何故かミレイ対高嶺の模擬戦というネタがうかび急遽路線変更に時間がかかりました。(所々すっ飛ばした事は気にしてません)※他にも色々と遅れた原因有り
ここからは余談
今更ですが6話の後書についてです。
ミレイちゃんの書き方を説明しましたが、作者がキャラ絵を書けないのは事実です。
・・・・・が、そんなにキャラ絵を書けない作者に新たな道を示してくれたアプリがありました。
はい、カスタムキャストでミレイちゃん作成しました!(わーぱちぱちー!)
無課金でも色々できるので興味のある方は是非お試しあれ!
簡単に作る方法ですが、まず、頑張って樟美を作って下さい。そこから身長を限界まで下げて眼と髪の色を変えるだけでなんとなくミレイちゃんが出来上がります。(課金は必要ありません)
それではまた次回!