アサルトリリィ BOUQUET ―白銀の妖精― 作:九条 美琴
27話、始まります。
「ミレイさん、いつでもいいわよ。」
「それでは・・・・・いきます。」
ミレイがマギクリスタルに手をかざすと小さな魔法陣が現れ、百由の持っているタブレットに解析されたデータが送られていく。
「装置の方は問題無いみたいね。」
「まさかこんなに早く完成するなんて・・・・・それで、どうなのでしょうか・・・・・?」
「これが作れたのはミレイさんがマギクリスタルを調整してくれたおかげよ。っと、やっぱり数値化されるとわかりやすいわね!・・・・・え?」
表示されたデータを見て少し驚く百由。
「どうしたんですか?」
「ミレイさん、落ち着いて聞いてね?今のあなたの魔力の量なんだけど・・・・・」
───。
「お姉様、ミレイちゃん大丈夫でしょうか・・・・・?」
「だだのメディカルチェックみたいだから大丈夫だと思うわよ。終わったら合流するって言っていたでしょう?」
二水の提案でグリーンフェアでお世話になった町内会長から聞いたロッジに向かっている一同だったが校門前での一悶着後、ミレイは百由に呼び出され別行動を取っていた。
そして一同がロッジに到着しそこにいたのは・・・・・
「ミレイちゃん、大丈夫!?」
「やっぱり海岸で高嶺ちゃんが少し無理させすぎちゃった!?」
(なんで私が悪いみたいになっているのかしら・・・・・?)
「実はここに来るまでの道がケンタウロスとか出そうでね・・・・・」
「ややこしくなるからあなたは少し黙ってなさい!!」
「ミレイ〜お腹すいた〜。」
「心配かけてごめんなさい、身体の方は大丈夫です。灯莉さん、私もその話少し私も気になるので後で聞かせてもらえませんか?」
先に到着していたミレイに驚いて心配する梨璃と叶星、そしてマイペースな灯莉とお腹を空かせた藍。
「ミレイさん大人気ね~。」
「百由様!?来ておったのか!」
「ええ、今回の作戦の一部は私が立案してるからね。作戦本部長として帯同させていただくわ。あと、これから必要な物ならここにあるわよ~いや〜会長さんも気が利くわね~!」
そこにあったのは薪とコンロ、人数分の食器、そして・・・・・
「あら、これだけあれば色々作れそうですね。」
「皆さん、何か食べたい物ってありますか?」
「こういう時はやっぱりバーベキューしか無いでしょ!もしくはカレーでもいいよ!!」
「ばーべきゅー!」
「もう、二人共・・・・・。」
大量の食材の前にハイテンションになる恋花と藍を見て呆れる一葉。
「どうやら考えるまでも無いみたいですね。ミレイちゃん、頑張りましょう!!」
「ええ、精一杯腕を振るわせてもらいます!」
既にやる気満々の二人だった。
「どうやら話はまとまったみたいね!それじゃ、先程発表したチーム分けに準じて各員、行動開始!!」
(お姉様〜。)
(梨璃、諦めなさい。)
(神琳、ずるい・・・・・。)
(今度2人で教えてあげますから、だから今回は・・・・・ね?)
チーム分けに多少の不満は出たもののそれぞれの説得?により行動は開始されたのだった。
「百由、ちょっといいかしら?」
「もしかしてミレイさんの事?・・・・・そうね、貴方には話しておくわね。」
───。
「〜♪」
「あら、ミレイちゃん鼻歌なんか歌っちゃって、随分嬉しそうね。」
「ええ、こうして誰かの為に料理をするのが久しぶりなので。」
「そういえばミレイさんはいつから料理を?」
「そうですね・・・・・」
理由は単純であり、孤児院にいた頃も質素だったが、師匠と暮らし始めてから更に酷さを増したため、(そもそも師匠の絶望的な家事能力の無さが原因だったり・・・・・)暇さえあれば料理本を読み込み半月くらいで人前に出せるレベルまで成長したのだとか。
「こうして理由を話してると私が料理出来なかった頃が懐かしいですね〜。」
どれだけ酷かったの・・・・・と、思った3人だった。
「ねえ、ミレイちゃん、神庭に転校する気は無い?」
「「え?」」
何故か同時に驚く千香瑠とミレイ。
「ミレイちゃんの場合百合ヶ丘にいるよりもこっちに来た方が今よりも好きな事色々出来ると思うのだけれど。」
「叶星さん、それならエレンスゲで私と一緒にいた方がミレイちゃんも嬉しいと思うのですが。」
「あら、そんな危ない所に入れちゃって大丈夫なのかしら?」
「大丈夫です。私達がしっかりと守ってみせますから。」
(何で私がどちらかの学校に転校するみたいになっているんですか・・・・・。)
「ふむふむ、調理場は和やか・・・・・でも無いみたいだけど人選間違えちゃった?」
「百由様、いつからそこに?」
「ついさっきよ。あと、何故か私の想定してないメンバーが向こうにいるんだけど。」
ミレイの両側で2人が火花を散らす中、百由が目を向けた先にいたのは・・・・・
「え?ミレイうちに来るの〜?」
「違うよ、ミレイは藍と一緒にいるの〜。」
「あんたたち一体何しに・・・・・熱っ!?」
気が付けば既に米を炊きおにぎりを作り始めた姫歌と何故かついて来た灯莉と藍だった。
「なんか向こうでも一悶着ありそうね・・・・・。」
「大丈夫です。私がなんとかしますから。・・・・・叶星様、千香瑠様、ミレイさんを貰いたいのであればまずはうちの梨璃さんと雨嘉さんに聞いて頂かないとあの2人物凄く悲しがると思うのですが。」
「・・・・・そうね、その2人に聞いてからしっかりと話し合うとしましょうか、千香瑠さん?」
「そうしましょうか、叶星さん。」
「え〜ミレイとずっと異世界の話出来ると思ったのに~。」
「え・・・・・ミレイこないの!?藍とずっと一緒にいられないの?」
「逆効果だったみたいよ、神琳さん?」
「あら〜?こう言っておけば皆さん諦めてくれると思ったのですが・・・・・。」
ダァン!!!!!
その音にその場にいた皆が驚き見てみるとミレイがジャガイモを物凄い勢いで叩き切りまな板に包丁を食い込ませていた。
「ごめんなさい、もう少し静かにして頂けると・・・・・姫歌さん、熱いのであればまず手を氷水とかで冷やすといいみたいですよ?」
「そうですね、後はラップと一緒に布で包むとか・・・・・」
「そうそう、ラップで包んだ後、軍手をつけて握るやり方もあるわね!」
「本当ですかっ?いい事聞いたわ、早速やってみましょう!」
「藍さん、灯莉さん、他の方の手伝いとかしながらおとなしく待っててくださいね?」
「そういえばやることあるんだった!それじゃあまた後でね~。」
「藍も一葉達の手伝いして来る〜。」
「それじゃ私も・・・・・」
「行く前にその炊いた分使いきって下さいね~"定盛"さん?」
「だからひめひめだって・・・・・はい・・・・・(何で私まで怒られてるのよ~!!)」
素直にミレイの言う事を聞く3人。何故かというと目が笑っていなかったのである。
「どうやらミレイさん、あまり邪魔されたくないタイプだったみたいですね。あら、百由様?」
既に百由の姿はそこには無かった。
(百由様、逃げましたね・・・・・。)
そして食事は始まり、ミレイと神琳が担当したカレーのあまりの美味しさに驚いたり等大成功に終わった。
なお、食事中に千香瑠と叶星が梨璃と雨嘉の説得を試みるものの、案の定嫌がられたのは言うまでもなく。
そしてその夜───。
「今日はお疲れ様。貴方も大変ね、色々な人に好かれてしまって。」
「えっと、自覚は無いのですが・・・・・全国的に有名な夢結さん程では無いと思いますよ?」
「貴方程でも無いわよ。そんな事より、百由から聞いたわよ。」
使用可能魔力の大幅な減少───。
それが百由からミレイに伝えられた一言だった。
精神強化に魔力を大幅に割いてるとはいえここまでの無理がたたり今のままでは戦う事も困難な状態にあるのだが・・・・・
「それで・・・・・後どのくらい抑えられそう?」
「そうですね・・・・・もうそんなに余裕は無いと思います。」
「その時は、本当にしていいのね?」
「ええ、お願いします。・・・・・もしかして夢結さんともあろう人が怖気づいちゃいました?」
「馬鹿言わないで、ただの確認よ。」
そうして冗談を交えつつ皆が寝静まった中、星空の下で言葉を交わす2人だった。
だが、その2人にも言葉にはしないものの、不安が残っていた・・・・・。
((梨璃(さん)の事、どうしようかしら(かな)・・・・・。))
───。
ごめん、もう・・・・・限界・・・・・あとは・・・・・任せ・・・・・
あらためて本編投稿遅れてごめんなさい!!(何でもはしませんが許して・・・・・。)
やっっっと紆余曲折しながらもなんとか纏まりました!
さて、遂に限界の近いミレイちゃんの運命やいかに!
それではまた次回!