ソードアートオンライン 〜血塗れの糸〜 作:ジョージジョージ
……分かりました、もう安易に終わるなどとは言いません。
もう終わる終わる詐欺もしません。
でもっ、そのかわりいつもよりちょっと長いから!それでっ!お楽しみ下さい、どうぞっ!
ポーションを飲んでHPを回復していた俺は、タンバたちの奮戦もあって、問題ないくらいに回復した時、奴のHPが半分を割り、本気になるのを見てしまった。
奴の叫び声、直後集まってくるフレンジー・ボアたち、限りなく状況がまずいと判断した俺は、無意識に飛び出していてしまった、
「お前らっっ!」
そう俺が叫ぶと、皆一様に驚いた表情となり、
「フォース!HPが…」
そう自分の身を案じてくれるタンバに、
「お前らのおかげで十分に回復した…時間がないから手短に言う、あの10匹は俺が相手をする、残りの4人で奴を…倒してくれ」
「いやっ…流石に無茶でしょう!フォース!さっきもあんな無茶して、ボロボロになってたじゃない!」
「そっ、そうだよっ!フォース1人じゃ行かせられないよっ!せめて誰か1人…」
ルートとユーナが口々に言うが、
「大丈夫だ、策がある…タンバ、頼んだぞ。奴はみたところ素早さにバフがかかってる。それに、HPが赤くなったらもう一段階バフがかかると思う…じゃあ、いくぞ!」
タンバの返事を待たずに俺は駆け出した、タンバならば4人で連携するように指揮をして、必ず奴を倒してくれると信じて、
そして駆け出しながらストレージから念のためと始まりの街で買っておいた予備の短槍を装備する。
また、ストレージを操作し、ある保険をかけて置 おいた。
「多少ストレージが圧迫されることも許容して買っておいてよかったな…アレも入ってるから結構容量が一杯になりかけていたが」
そして、奴らに向き合い、
「絶対、あいつらの下には行かせない…!」
そう言って、10匹のフレンジー・ボアに俺は真正面から戦いを挑んだ。
だが、今まで戦ってきたフレンジー・ボアとは明らかに違う速さに翻弄され、すぐに突進の直撃をもらい、吹き飛ばされた。
「ガハッッ……!」
早い……!まさか、こいつらも初心者狩りと同じバフを持ってるのか!?
そう考えた次の瞬間、さっき突進してきた奴とは違う奴が突進してくるのが見えた。だが、すでに避けられる体勢ではなかった、やむなく、短槍を掲げてガードする。
「…チッ」
なんとかダメージは喰らわなかったが衝撃だけは止めきれず、また吹き飛ばされる。
マズイ、このままだと反撃さえ出来ずに嬲り殺される、そう考える間もなくすぐに次の奴が突進してくる。
「グッ、ガハッッ!ゴホッッ、ゴハッッ!」
10匹のフレンジー・ボアの絶え間ない連撃に、俺はなす術もなく、HPバーが半分を切り、更に減っていく。また、突進の衝撃で体が動かなくなっていく。
朦朧としていく意識の中、もういいかなと諦めかけた俺の頭の中に、あいつらの顔が浮かんだ。
…そうだ、あいつらをここに連れてきたのは俺だ。俺には、あいつらを守る義務がある、
…こんな所で、負けてられない!
自分の中に熱い感情が発生したのを感じ、敵の突進を体ごと転がって躱して立ち上がると同時に、俺の頭に奇妙な光景が浮かんだ。
「…成る程、今の光景を再現すれば……勝てる!」
そういうと同時に、俺は短槍を左手から右手に持ち替え、短槍突進技「ランスチャージ」を…上空に向かって打ち、奴らが攻撃できないところまで突進する。
そして、メニューウィンドウ下部にあるボタンを押した瞬間、
俺の右手に木製の片手棍が出現、着地したのと同時に、その棍棒で近くの1匹を殴り飛ばした。更に、殴り飛ばした隙をついて、突進して来た3匹に、1匹は避けると同時に槍を突き刺しダメージを与え、2匹目の突進をわざと棍棒で受けて自分の体を後ろに飛ばし、3匹目の突進もかわした。
…「よし、うまく使いこなせているし、再現もできている」
これが俺の起死回生の策、二刀流だ。
戦いの中で武器熟練度が50に上がったので、俺は、まず最初は取らないであろうスキルmod「クイックチェンジ」を獲得し、ボタン一つで、数時間前に倒したモンスターからレアドロップした片手棍を装備できるようにした。
…いや、別に最初から二刀流になる気はなく、さっきの大猪の突進をモロ食らってしまった反省でセットしておいたものだ。だが、先ほど浮かんだ光景……黒衣の少年が、片手剣を2本操ってエルフのような敵と戦う、と言うのが、俺の頭の中に出て来た、死ぬ直前に見た走馬灯なのか、それとも他が原因だったのかは分からないが、俺は、なんとか頭に出て来た黒衣の少年の二刀流の再現に成功し、なんとか敵にダメージを与えることができた。よし、このまま…
「クッ…!」
少しだけ頭が痛い、やはり左右違う武器で、違う動きをするというのは脳の負荷が大きいな……なるべく早くに倒し切らないと……!
「プルギャャ!!」
そう吠え、つっこんでくる5体のフレンジー・ボア、流石に5体は通常攻撃だけだと捌き切れない、だから、俺はもっとあの光景に近づく。
「……来い、お前ら……叩き潰す…ッ!」
そういうと、俺はあの黒衣の少年がしたように、右手の片手棍を放り投げた。そして、一時的に武器が片手だけになった時に、突進ソードスキル「ランスチャージ」をまた発動、5匹のうちの1匹の首の後ろを突進の勢いのまま突き刺し、そのまま手を離す。そして、あらかじめ計算していたタイミングで飛んできた片手棍を右手でキャッチ、そのまま………さっき投剣スキルを捨て、入れておいた片手棍のソードスキル「シングル・インパクト」を発動、システムアシストの力を借りて、思いっきり横に振り抜く。その攻撃で2匹同時に吹き飛ばすことに成功したが、まだ2匹残っている。俺は、「シングルインパクト」の勢いのまま、片手棍を体の前に持ってきて2体の突進をガード、なんとかダメージを最小限に抑えることができ、3匹にダメージを与えることができた。それに……………
「プギャァァァ……」
カシャーンと音がして、俺の槍が刺さっていた猪が消えていった。
これが、短槍の最大の特徴、貫通継続ダメージだ、貫通属性を持っている武器が刺さっている間、刺さっている敵のダメージは時間ごとに増えていく。人型モンスターであれば、引き抜いたりも出来るが、こいつらは引き抜けるような腕もない、だから、弱点に突き刺さって、少なくないダメージを与え続ける短槍をそのままにしておく他なかったのだ。
「ようやく…1匹……クッ!」
なんとか1匹倒し、安堵したのも束の間、他の9匹が、仲間を殺された怒りからか先程よりも激しい連続攻撃をしてくる。
だが、捌ききる!片手棍の、高い衝撃を与えるという特徴を活かし、迫ってくる敵を吹き飛ばしながらも頑丈さも活かして、突進を受け止める!だが、それでも受け止めきれずにダメージを受ける、どんどん追い込まれていくが、まだいける!もっと敵の動きをよく視ろ!最善の手を打ち続けろ!仲間を守るのならば!
そして、敵を何度も片手棍で吹き飛ばして、なんとか2匹倒した時、もう何十発と受け続けている突進を、わざと軽く受け止めて吹き飛ぶ。そして、狙い通りに近くにあるそれ……短槍を手に取った、そして、今までで最多の、4匹での同時攻撃、片手棍だけならば捌ききれなかっただろう。
だが、最初に突っ込んできた1匹目の弱点を短槍で突き刺して引き抜き、すぐさまそれを2匹目に投擲する、投擲した短槍は2匹目の目に深く突き刺さり、そのままHPがゼロになる、そして、さらに迫ってきた残りの2匹を、片手棍単発範囲技「パワー・ストライク」を使った振り下ろしの衝撃波で1匹目を巻き込む形で繰り出し、3匹とものHPもゼロにした。
そして、さらに向かってきていた最後の3匹も、難なく倒した。
「よし……あいつらの応援に……クッ、グアァァァァ!!!」
頭が尋常でなく痛い!割れるようだ!やはり、脳の負荷が強すぎ……た。
それきり、俺の視界はブラックアウトした。
最後にフォースが倒れたのは、原作キリトくんだと両手で違う武器を使っても、"分離感覚"だけですみましたが、この作品の主人公はキリトくんほどVR適性が高くないし、キリトくんは同じ片手剣でしたが、フォースは片手槍と片手棍の連携だった……などの要因で、脳のダメージが大きくなりすぎた結果です。ですので、ずっと使えるわけではありませんし、使えば使うほど脳のダメージも深刻なものになっていきます。そんなことはフォースも感じると思うので、それでも使うのか、というところを楽しみにしていてください。
それでは、次話で会いましょう。