怪盗団リーダー、新世界を頂く。   作:TPT

2 / 3
怪盗と覚醒

「...さて、どうしたものか。」

 

 

俺は今、城下町に滞在している。

ログインしたはいいが、レベル上げに最適な場所等を知らないのだ。普通は案内人の様なNPCが用意されていると思うのだが...

 

 

「他の人に聞いてみるか...」

 

 

丁度、金髪の人が歩いてきた。

装備からしてユーザーだろう。俺は早速、話しかけてみる。

 

 

「すみません、少し良いですか?」

 

「ん?どうしたのー?」

 

「この辺にレベル上げに最適な場所があれば教えてほしいのですが...」

 

「...あぁ!初心者さんかー。それなら、少し離れた場所にある森がいいよ。人もいるし、協力したりするのもいいんじゃないかな。」

 

「なるほど、ありがとうございます。」

 

「あはは、頑張ってー。」

 

 

俺は一礼、金髪の人は手を振り、別れた。

早速、その森へと行ってみよう。

 

だが、先程から怪しい視線を向けられている。

警戒しておこう...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...ここか。」

 

 

森へ辿り着いた。

どのくらいのレベルのモンスターがいるか分からないが、初心者向けなので大丈夫だろう。

 

それに、このゲームは恐らく現実での身体能力が反映されている。

俺は怪盗として活動していて、屈強なシャドウ達とも戦ってきた。

 

低レベルのモンスターなど、敵ではないだろう。

 

...そう、低レベルなら。

 

 

「...おい、そろそろ出てきたらどうなんだ。」

 

 

森へ来ても尚、怪しい視線を感じていたので声をかける。

警戒MAXで。

 

 

「おぉ?気付いてたのか。」

 

 

大柄で黒いコートを羽織った男が出てくる。

...それも沢山だ。

 

 

「...何者だ。」

 

「俺達はこのゲームに革命を起こすチームだ。」

 

「革命だと?」

 

「初心者共を下につけ、調子に乗った奴らを力でねじ伏せ、高級装備、高級アイテムでこの世界を集団で支配する。そういう革命だ。」

 

 

「...」

 

 

俺はその言葉を聞き、拳を握る。

警察、政府という自分を陥れた集団を見る目で睨みつけ、反論する。

 

 

「小物だな。その革命は素晴らしいとも思わないし、全く心に響かない。」

 

「あくまでも俺達の下につかないって事か。」

 

 

如何に大きな集団でも、己の正義を貫く意志を持ち、俺はこう答える。

 

 

「勿論だ。」

 

「...残念だよ。お前は戦力になると思ってたんだけどな。お前ら、やれ。」

 

 

ザッザッと、絶望の足音が近づいてくる。

 

だが、こんな絶望など何度も経験してきた。

 

 

「...こい。」

 

 

俺は一歩下がり、戦闘態勢をとる。

 

奴の仲間の一人が突撃をしてきたが、それを回避して片手剣でカウンターを決める。

それを何度も繰り返すが、仲間の一人が魔法を撃ってくる。

 

 

「くっ...」

 

「オラァ!」

 

 

魔法の攻撃を回避したが、その隙をついて物理攻撃をしてくる。

その攻撃に反応できず、大ダメージを喰らってしまった。

 

 

「ぐっ!」

 

 

どんなゲームでも、上級者には抗えない。

力の差という無慈悲なものが存在するからだ。

 

現実での身体能力が反映されているとはいえ、ペルソナや魔法も使えず、そもそものステータスも負けている...

 

 

「さっきまでの威勢はどうした?」

 

「くっ...!」

 

「そういう調子に乗った奴らを潰す。その革命の糧になれ!」

 

 

奴の仲間全員が魔法の準備をする。

装備からして上級者だろう。

 

現実と同じだ。MMORPGもカーストが存在する。

警察や政府の様な... 闇の心を持つ者も...!

 

だが...

 

 

「俺は...諦めない。」

 

「あ?」

 

 

そう、怪盗として活動していた頃、

 

悪に抗う大切さ

絆の力の大切さ

 

それらを覚え、掴んできた。

 

 

「...!」

 

 

ステータスが何だ、上級者が何だ!?

俺は抗い続ける。誰が相手でも...!

 

 

 

 

『反逆の心を思い出した様だな...』

 

 

ドクン

 

 

「あぁっ...!?」

 

 

『お前の覚悟、しかと聞き届けたぞ。』

 

 

「ガァッ...!!」

 

 

頭が割れる、心臓が破裂するような痛み、苦しさが一気にくる。

だが、どこか懐かしい。そうだ、これは...!

 

 

『再び、契約する時だ。』

 

 

「ハァ...ハァ...!!」

 

 

痛み、苦しみ... それらが静まり返ると、仮面が顔についているのに気が付いた。

ドミノマスクだ。仮面を剥がしたくなる衝動に駆られる...!

 

 

「アァッ...!ガァッ...アアアアァァァァ!!!!」

 

 

皮膚もろとも仮面を剥がし、体中が蒼い炎に包まれる。

 

 

『我は汝、汝は我...』

 

 

部屋着が怪盗服に変貌していく。

まるで、俺の心が、反逆の心が写された様な...

 

 

『己が信じた正義の為に、全ての悪に抗う者よ!』

 

『その怒り、我が名と共に再び解き放て!』

 

『たとえ地獄に繋がれようと全てを己で見定める、強き意志の力を!』

 

 

「来い...」

 

 

 

 

「【アルセーヌ】!!」

 

 

 

 

俺は... もう一人の自分を再び呼び覚ました。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。