機械生命体「俺ハ人間サ」   作:鈴木颯手

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第五話「結ビツク世界」

 アダムが死んだ。

 

 なぜ分かったのかというとそこらへんにいる機械生命体が口のような割け口を作ってアネモネのレジスタンスキャンプの方に向かっていたからだ。これはイヴの暴走で間違いないだろう。というかアレ普通に恐ろしいな。だって大人しかった機械生命体がいきなり目を赤く光らせて一斉に同じ方向に向かって走り出したんだぜ?排泄機能がない事を今は本当に良かったと思うよ。

 

 そんな訳でようやくA、Bエンドが終わる。後は鬱展開のCDEルートに入る。だが、CDEルートは大きく姿を変えるだろう。何せそもそもの原因である2B死亡は簡単に防げる状態にある。後は9Sを回収すれば完璧だ。9Sの回収に失敗しても基本的に9Sはレジスタンスキャンプにお世話になる事が多い。デボルとポポルに連絡を取れば簡単だ。そうすれば資源回収ユニットを速攻で終わらせる。その後は俺のハッキングを生かして塔を開かせる。その後はターミナルに……、なんかでっかい丸い機械生命体を破壊。塔の機能を停止させ機械生命体のネットワークをズタズタにする。後はヨルハ部隊という切り札を失った人類軍とアダムやイヴ、ターミナルという存在を失った機械生命体を停戦させれば完了だ。そもそも地球に侵略してきたエイリアンはいないし人類軍も守護すべき人類はとっくにいない。戦争を続ける意味なんてないのだ。

 

 問題は人類が既に絶滅しているという事だが、俺の遺伝子研究と月面にある人類の遺伝子データを合わせればまた復活させることが可能になるかもしれない。とは言えそれがうまくいく保証なんてないし人類とは違った生物に生まれ変わるかもしれない。それでも実行するには充分だ。

 

「A2、11B、良いか?」

「どうした?」

「どうしたの?」

 

 模擬戦をしていた二人を呼ぶ。大分11Bもポッドなしでの戦闘に慣れてきた。最近ではリボルバータイプの銃も使用している。装填や連射は死んでいるが代わりに貫通力と破壊力に特化した銃で有効射程もそれなりに広い。何より銃弾によっては周囲にも被害を与えることが出来る破裂型やホーミング性能を付与した高コストの追尾型と言った物が使用できる。小型剣を中心に使う11Bには合っていると思う。

 

 A2の方は相変わらずだが最近では足を改造して大分素早い動きが出来るようになった。というか早すぎて遠距離攻撃が却って邪魔になる程だ。今ならA2が砂漠で戦った丸いロボットすらジャンプして同じ高度まで行き地面にたたきつける事さえ出来そうだ。というか今も近接戦闘を強化しているからその辺の機械生命体は一撃どころか数体まとめて倒せそうだ……。これでB(バーサーカー)モードなんて使用したらどれだけの力になるんだ……?

 

「いよいよ動く時が来る。ヨルハ部隊の総攻撃だ」

「総攻撃……!」

「ついにですか……」

 

 総攻撃の言葉に二人も息を呑む。それだけヨルハ部隊が今回の事を重く見ているという事だ。とは言えこれによりヨルハの大半は論理ウイルスに侵され、バンカーも2Bたちによって破壊されヨルハ部隊は文字通り壊滅する。生き残った機体は森の国の最上階にいるスキャナーモデルを除けば登場していない事からも論理ウイルスの力を思い知らされる。

 

「総攻撃と言っても今はそれを決定させる出来事の真っ最中だ。だが、確実に行動するときは近づいている。二人とも、準備は欠かさないようにな」

「ああ」

「分かったわ」

 

 俺に返事をすると再び模擬戦に戻る二人。近接化け物のA2を相手に11Bは善戦している。それだけで11Bの実力をうかがわせるな。そう言えば11Bに16Dの事を聞いたがどうやら二人は付き合っていたらしい。そして16Dとの関係は良好だったらしいが脱走計画前には辛く当たり別れていた。どうやら辛く当たった事に11Bが耐え切れなかったようだ。……本来なら彼女も助けたいがこのサブクエスト以外では登場しない。だから助けようがなかった。11Bには悪いが諦めてもらうしかないな。

 

 さて、俺は遊園地の方に行くかな。そろそろあそこの機械生命体を地下のシェルターに避難させないといけないからな。ネットワークに繋がれてはいないからイヴの影響はないと思うが暴走した機械生命体が襲っていないとは限らないからな。

 

 

 

 

 

 

 

 そして数時間後、イヴは破壊され機械生命体は一時的とは言え混乱状態に陥った。それと前後するように遊園地からは機械生命体が一切消えそれを不審に思ったレジスタンスのアンドロイドが調べたが原因は分からなかったという。

 

 その一方でヨルハ部隊の司令官ホワイトはこの好機を逃さないとばかりに総攻撃を決定するのだった。

 




次回から遂に動き出します
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