機械生命体「俺ハ人間サ」   作:鈴木颯手

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皆さんお久しぶりです。就活が本格的に始まりほとんど執筆活動が出来ませんでした。一応企業との面談待ちの今のうちに投稿しちゃおうと思って書き上げました。大分無理があるかもしれませんが温かい目で見てくれると嬉しいです


第九話「ハッピーエンドを目指して」

 拠点へと戻ってきた俺たちは直ぐに2Bの修理に取り掛かった。そして邪魔にならない程度に離れつつもこちらを監視する9S。A2と11Bは修理に関する事は全く出来ない為別の部屋で待機してもらっている。

 

「……結局、貴方は何者なんですか?」

「あ、やっぱり聞きたい?」

 

 スリープモードになった2Bの体を修復しながら同時にネットワークに入りウイルスの除去を行っていく俺に9Sが声をかけてきた。ここにはA2と11Bはいない。9Sからしたら確認するチャンスと思ったのだろう。

 

「ポッド042から聞きました。2Bが不時着した場所で機械生命体と戦闘していたと。それだけなら別に可笑しいところはありません。ですが、2Bが来た瞬間。まるで到着を待っていたとばかりに2Bを保護、撤退をしたことはあまりにも可笑しいです」

「まぁ、そりゃそうだろうな」

 

 機械生命体のせいで大分想定外の事態となり強引にならざるを得なかったが仕方ないだろうな。とは言え9Sに何処まで話せばいいのか……。この時期の9Sは人類がいないことを知っている。ヨルハの秘密を知るのは塔へ突入した後だけどそこはどうでもいい。

ブラックボックスが機械生命体のコアを流用しているならそれに代わる物を……、作れるかどうかはわからないが作成すればいい。別に俺は自分の体が敵のものでも一向にかまわないからな。大体俺は元々中型二足だったことを考えれば今の俺は(人類軍)の姿を模倣している事になるからな。

 

「確かに俺はあそこでお前たち、というか2Bの確保する予定だった。まぁ、機械生命体の数は想定外だったけどな」

「……何故、2Bがあそこに来ると分かったのですか?」

「それを伝えるとなると全てを話す必要がある。お前は、自分を保っていられるか?」

「……どういう意味だ?」

「人類がいないことを知ったお前は更なる絶望に耐えられるのか?と聞いているんだ」

「っ!?何故それを!?」

「それも言えないな。少なくとも俺たちはお前らの敵ではない。敵なら2Bの体を修理したり9S、お前をこの拠点に連れてくることもなかった」

「……」

「2Bの修理はもう少しかかる。だが、修理が完了したら二人で……いや、ポッドも含めれば二体と二人か。考えるといい。その時は2Bに真実を話せよ。それが俺の話を聞く前提条件だ」

「……」

 

 四肢の修理を終え、下腹部の修理を行いつつ論理ウイルスの除去を完了させる。もう一度全体を確認したらネットワークの方は終了だ。

 

 俺は黙ってしまった9Sを後ろで感じつつ2Bへの修理に専念するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 僕は一人悩む。僕の目の前には台の上に横になっている2Bがいる。彼、レインの修理は無事に完了し2Bの再起動を待っている状態になっている。

 

 正直に言ってレインはとても怪しい。なぜ僕たちの事を知っているのか?何故2Bがくる場所が分かったのか?何故、何故、何故何故何故……。疑問ばかりが増えて一向に解決しない。助言を求めようにもレインは論外だしA2と11Bは元ヨルハ部隊だけど脱走兵という事とレインの仲間という事から信用しきれない。ポッド042と153にも聞いてみたけど「それは2Bと話すべき」といって取り合ってもらえなかった。

 

 だから僕は2Bが目覚めるのをこうして待っていた。でも、そうしている間にも考えてしまって疑問はどんどん大きくなってくる。

 

「2B、僕は一体どうすれば……」

 

 僕たちアンドロイドが守るべき人間は既に存在しない。その事を2Bに伝える事が出来ずにここまで来た。2Bがこの事実を知った時、どういう行動に出るのか分からなかったから。

 

 僕は2Bの右手を両手で握り締める。女性アンドロイド特有の柔らかい感触が伝わって来る。

 

 

「……9S?」

「っ!2B!?」

 

 スリープ状態から覚醒したのか2Bがタイミングよく声をかけてきた。本当に、良かった。2Bが治ったというのもあるけどあのまま一人でいたら僕はとんでもない事を仕出かしていたかもしれない……。そうなったら、僕は壊れていただろう。

 

「9S、ここは……?」

「レインと名乗っていたアンドロイドの拠点です」

「……そう」

 

 記憶は残っている様で意識を失う前の状況をきちんと理解していた。それと同時に両腕を握ったり広げたりして義体の様子を確認している。バンカーを破壊してしまった以上僕たちの義体はこれしかないので修理出来なければそのまま死を迎えてしまいます。

 

 2Bは暫くそうしていたけどやがて上半身を起こして僕を見る。ゴーグルは外され2Bの綺麗な瞳が僕を見つめてくる……。

 

「体の調子はどうですか?」

「うん、問題ない。むしろ、今までで一番義体の調子が良いかも」

 

 寝かされていた台を降りて立ち上がった2Bは体を軽く動かしている。確かに、これまでの中で一番軽やかな動きをしていますね。それだけ彼の腕がいいのでしょう。

 

「……9S。何を悩んでいるの?」

「っ!な、なんの事ですか?」

 

 動きを止めてこちらに向き直った2Bが唐突にそう言ってきた。いきなりの事で動揺してしまった僕はドモリ気味に言ったせいで全く隠せていない。ずっと一緒に行動した2Bなら直ぐに分かるだろう。

 

「9S、動揺しすぎ」

「うっ、自分でもそう思います……」

 

 案の定2Bは僕にそう指摘してきたけど僕は何も言い返せなかった。それより、彼女に隠し事をしている事が呆気なくバレてしまった。彼女に、2Bに真実を伝えるべきなのだろうか……?

 

 そんな風に迷っていると2Bが突然抱きしめてきた。いきなりの事で動揺する。

 

「つ、2B!?」

「9S、いやナインズ。正直に言って。私は、貴方が何を隠しているのかを知りたい」

「……」

「お願い。ナインズ」

 

 はは、やっぱり2Bには敵いそうにないな。僕は、話した。ホワイト司令から聞かされた全てを。人類はもういないことを。そして、それをレインが知っていてそれ以上の真実がまだある事を。洗いざらい喋る。一つ話すごとに体が軽くなるのが分かる。肉体的なものではなく精神的なものだ。

 

 2Bは最後まで口を挟むことなく聞いてくれた。2Bだって驚いているはずなのに僕にはそんな様子を見せてくれない。

 

「……以上です。僕は、どうすればいいのか分からなくて……」

「……9S」

 

 打ち明けた僕に2Bが呼びかけてくれる。何時もの9S呼びに戻っているけど今はそんな事を気にしてなんていられなかった。

 

「……私は、貴方の希望が知りたい」

「僕は、知りたいと思っています。ですが、もし知った時に僕が僕でいられるのか「9S」?」

「ならば私が傍にいる。逃げたいのなら一緒に逃げるし真実を聞きたいなら一緒に聞く」

「2B……」

「だから言って?あなたはどうしたい?」

「僕は、僕は真実を知りたいです。例えどんな酷いものでも、知りたいです。だから2B。傍にいて、支えてください」

「うん、勿論だよナインズ」

 

 僕と2Bはもう一度抱きしめ合う。先程とは違って彼女のぬくもりが全身を、僕の心を優しく包み込んでいった。

 




そう言えばまだプレイはしてませんがレプリカントver1.22を買いました。
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