第二話でございます!
週一更新ははじめてなので上手く書けてないかもしれません。
なので皆様、ご協力お願いします!
それと、次話は弾幕勝負を文字化する必要があるので時間が少しかかりますのでお待ちください。
また、今回はあとがきに幻夢のイラスト(?)を載せておきますので、お暇でしたら嗤っていってくださいませ。
それでは、どうぞ。
「じゃあこれからここがどんな場所でどんなことが必要か説明するけどーー先ず幻夢、あんたの考えを聞かせて」
はい、と幻夢がまた一つ笑みを作る。
幻夢が賽銭と言う名の姉への援助をしてから数秒後、再び居間に戻ってきた。
移動する時間、お互い無言であったがために霊夢はその僅かな移動時間さえとても長く感じていた。
「んー…妖精、妖怪などが居るところからここは俺が元いた世界とは違う世界…。いや、隔離された閉鎖的空間、というのが俺の考えです」
「まあ、大体正解と言ったところね」
思わずこちらも、ふ、と笑う。
全く…恐ろしい想像力と観察力ね。
「ここは幻想郷。博麗大結界というのであんたの知る世界と完全に独立した空間。ここでは空想伝説おとぎ話とされている妖怪も幽霊も神も存在するわ。そしてーー」
「名前から察するにその結界は姉さんが管理している、と」
「そ。来なさい」
そう言って障子を開け外に出る。
これだったら最初から縁側に腰掛けて話せば良かったのだけどね…あまりに幻夢が真剣過ぎるのよね…。
「今から
「は、はい」
ごくり、と幻夢が喉が動いたのが見えた。
…やっぱり不安なのね…。
そんな事を思いながら幻夢と正対する。
玉砂利を踏む音を聞きながら軽く意識を集中する。
…下手に気を抜くと何時も見たいに急上昇しちゃうから抑えなきゃ…。
「…え!?ね、姉さん、宙に浮いて…」
「これが私の"程度の能力"よ」
「て、"程度の能力"…?」
「そう、この幻想郷の住人は皆何かしらの"程度の能力"を持ってるの」
例えば、と言葉を繋ぎながら辺りを見渡す。
…こういう時に限って役に立つのが居ないんだから…。
「私は今見せたように"空を飛ぶ程度の能力"を持っているわ。時間を操作する程度の能力を持ってる人間もいる。……あんたが遊んだって言うチルノは冷気を操る程度の能力、下手したらあんたカチンコチンになって死んでたかもしれないわね」
「どんな"程度の能力"を持ってるかは調べられないのですか?」
「それはわからないわ。誰がどんな"程度の能力"を持っているかは本人しか知らない」
そうですか、と答える幻夢は笑みを浮かべていた。
まるで無垢な子供のようなものだった。
「楽しそうね」
「はい。だってもしかしたら空を自由に飛べるかもしれないんですよね?そんなの凄く楽しいじゃないですか」
「…じゃあちょっとやってみる?」
はい!と頷く幻夢に心が痛む。
言いたくない。
でも、言わなくちゃいけない。
ほぼ全ての外から来た人間ーー外来人は何の能力も持たないことを。
「力を抜いて、リラックスするのよ。出来たらイメージするの、自分が空を飛ぶ、ね」
「はい。……すぅー、はぁー…」
…………
何も起こらない。
依然として幻夢の足は地面から離れず、そして現実の厳しさを教えた。
あのね、と真実を告げようとした時、先に動いたのは幻夢の唇だった。
「あの、上着脱いでもいいですか?コレ、重くて」
「え、ええ、いいわよ」
じゃあ、と幻夢はおよそ外界のものであろう、あまり見ないデザインの上着を脱ぎ、それを丁寧に畳んで縁側に置くと、再び同じ姿勢を取り、目を閉じた。
すぅ、とさっきよりも深い呼吸がこちらにも聞こえてくる。
今更、飛べる訳が無い、など言えなかった。
霊夢はもはや祈っていた。
この弟の期待を裏切らせたく無い、と心の中で何度も願っていた。
…お願い…!
「お」
声がした。
短い驚きの声だ。
目を開けてみるとそこには、
「姉さん!飛べましたよ!」
確かに玉砂利から足を離して宙に浮いた幻夢がいた。
幸せいっぱい、そんな顔をしていた。
五秒ほどその場に静止していた彼はそのあと、すう、と穏やかに上昇して行き、神社の屋根を超えた辺りで青空をぐるぐると旋回し始めた。
「……」
絶句、まさにそうであった。
…幸運、で済むのかしら?
近くに早苗やてゐでもいるんじゃないかしら…。
まあ、いいわ。
「幻夢ー、気が済んだら降りてきなさい」
はーい、と返事が返ってくる。
はじめはふわふわと漂う幻夢だったが、ものの二三分で霊夢と同じ程度の飛行ができるようになり、それからおよそ五分、生まれて始めての空中遊泳を楽しんだ幻夢は降りてきた。
す、と慣れた動きで着地を、
「…あっ」
出来ずに、裏手の池に盛大に突っ込んだ。
ズバシャン!と派手な音が聴こえ、水飛沫が立つ。
「ちょ、ちょっと幻夢!?大丈夫!?」
慌てて走っていくとびしょ濡れになった幻夢がそれでも笑いながら池から這い出て来ていた。
「アハハ…失敗しちゃいました。もっと練習が必要って事ですね」
「ったく、調子乗り過ぎよ…」
良かった、と内心で大きく息を吐いた。
なぜかはわからない、けど、
…幻夢の事が自分のことのように心配だった…。
「あ、あのぅ…姉さん?」
「え?あ、うん、なに?」
「着替えとかあります?流石に水浸しは寒いので」
「奥の部屋のタンスに私の前着てた巫女服ならあるけど?」
じゃあ、お借りしますね、と幻夢は駆けていった。
ーー幻夢着替え中ーー
「空を飛ぶのってそんなに楽しいかしら?私はいつもの事過ぎてわからないわ」
「はい!とても楽しいです!とても自由になった気がしました!」
そう、と巫女服姿の幻夢から目を逸らす。
冷たいと思われても仕方が無い。
なぜなら、
「ヤバイわね……」
異様に巫女姿が似合ってるわね…。
…はっ、し、しっかりしなさい博麗霊夢!
幻夢は弟よ!男よ!
それなのに私、一瞬可愛いとか…!
「何か言いましたか?」
「い、いやなんでもないわぁ…」
****
青い空に金糸がなびく。
風を切り、高速でゆっくその姿は黒だった。
「ふぅーう、喉乾いたし、きのこ狩りにいく前に霊夢んとこよってくか」
三角帽を風に奪われないように片手で押さえながら、箒で空を飛ぶそれはまさに彼女の魔法使いのイメージのそれだった。
「ん?なんか見ない人影がいるぜ」
博麗神社の境内が見えてきた辺りで黒の少女はいつもと違う事に気付いた。
いつもより影が一つ多いのだ。
「霊夢と…誰だ?あの巫女」
謎の美少女巫女に何かを教えるように霊夢が札を掲げている。
…あれは…夢想封印…?
ってことはスペカの練習かなんかか?
彼女は普段の1.5倍速で飛ぶ。
途中でなんか妖精に話しかけられた気もしなくもないが無視する。
そして慣れた動きで鳥居をくぐり砂利の地面を軽く削りながら着地をする。
集めてあった落ち葉を吹き飛ばした気がするがこれも気にしない。
「おーい、霊夢ー」
「あ、魔理沙」
と霊夢が振り向く。
…どうしたんだぜ?そんなに笑顔で。
大抵霊夢は魔法使いの少女ーー霧雨魔理沙ーーが来ると嫌な顔をする。
それは毎度毎度異変や面倒ごとを持ってきたり、逆に賽銭を持って行くからだ。
でも今日は違う。
本人は抑えてるつもりかもしれないが、完全に笑顔だ。
おそらくあの巫女が原因だろう。
「おい、霊夢ありゃ誰なんだ?」
自分で説明しなさい、とばかりに霊夢が巫女を見てからこちらを顎で示す。
すると少女はとてとて、とぎこちない動きで正対し、一礼すると、
「博麗幻夢と言います。いつも姉さんがお世話になっております」
…博麗…幻夢?姉さん?
…………
………
……
…
ああ、なるほど、霊夢の妹か!
「おう、お世話してるぜ。私は霧雨魔理沙だぜ」
ぐ、と握手を交わす。
幻夢の手は柔らかく、繊細で、女の私から見ても綺麗だったぜ。
「しかし、まあ、霊夢に家族が居たとはなぁ。知らなかったぜ」
「ええ…それは…その…」
「ん?どうしたんだ?口籠って」
「情けないんですよ」
霊夢に変わって隣の幻夢が苦笑しながら答える。
でもその笑みには一片の嘘も偽りもなく、
「カンナギとしての素質が無さ過ぎたものですから今まで修行に出て居たのですよ」
そうですよね、と同意を求めた先の霊夢は、うん、そう!そうよ!と答える。
****
霊夢は内心で叫んで居た。
…あーぶなかったぁー!
ナイスフォローよ幻夢!
心の中で親指を立てる。
すると相手は微笑んでくれたので良しとする。
…あのままだった魔理沙に幻夢が赤の他人ってバレるとこだったわね…。
もしそんなことになったら「霊夢が外の男を連れ込んだ」みたいな噂流れかねないものね…。
****
「なーんだ。そんなことか」
確かに霊夢の素質とかセンスは異常だ。
だけど、
「練習して得た力なくして成長しないんだぜ」
ポン、と幻夢の肩に手を置く。
それに対して向こうは、はい!と笑顔で応えた。
…妹か、いいものだぜ…。
「あ、そうよ魔理沙丁度いいわ、幻夢にスペルカードルール説明するからちょっと相手になってくれる?」
「すみません…まだここに来て日が浅いものですから…」
「全然いいぜ。じゃあ初心者でもわかりやすいように軽くやるか」
霊夢が頷いたのを確認して、箒に跨る。
流石に境内ではやらない。
威力を抑えたとしても下手したら一瞬で神社が消し飛ぶかもしれないからだ。
と、言うか、と内心言葉を繋げる。
…まさか茶を飲みに来たつもりが弾幕ごっこすることになるとはなぁ…。
そうこう思ってるうちに札を携えて同じ程度に上がってきた霊夢は、
「幻夢ー、これから幻想郷でのトラブルの解決方法見せるから学びなさい。質問は後で受け付けるけど見れば多分わかるわ」
しかし、
…霊夢、お前どこを向いてるんだぜ?
確かに構えてはいる。
常時展開の陰陽玉も二つ、背後に浮かせている。
…でも、意識が余所見をしてやがる。
これがいわゆる、魂ここに在らずってやつか…。
「くっ…嫌な予感がするぜ…」
「じゃあいくわよ!魔理沙!」