週一投稿を目指すとか言っておいて先週は何も投稿せずすみませんでした…。
実は話自体はできていたのですが、添えようとしていたイラスト(笑)に大きく手間取ってしまって…ええ。
読者の皆様には本当に申し訳なく思っております。
で、その件のイラスト(笑)は現在最終補正中でしてもう二日程、許可を含めれば四日程かかるかもしれません…。
最後に次回の更新についてお知らせをさせていただいて前書きとさせて頂きます。
来週、実は私修学旅行でして…ええ。
なので投稿自体は再来週になってしまいます、が感想ご指摘等の返答は随時行おうと思っています。
本当に身勝手ばかりですみません…。
それではどうぞ
6/20追記
幻夢のイラストが許可されましたのであとがきに掲載しました。
「んっ…」
「………ふぇっ…?幻夢…起きたのね…」
「姉…さん…?何故、泣いているのですか?」
陽が完全に落ちた空の下、月明かりが幻夢の瞳を煌めかせた。
その甘美な吐息で軽い睡眠から覚醒した霊夢は頬に今日何度目かの熱いものを感じた。
ポツリ、ポツリと布団に滴が落ちる。
恥ずかしい、と思った。
でも今はそんなことよりも、
「幻夢ー‼︎」
「わっ!?ね、姉さん落ち着いてください!?離してくださーい!」
…よかった…本当に良かった…!
ぎゅっ、と抱きしめその存在を確認する。
幻夢もこちらの感情を汲んだのか優しく柔らかく抱き返してくれた。
「なかなか目覚めないから心配したじゃない…!」
「すみません…久しく寝てなかったもので…」
確かに、と思う。
考えて見れば幻夢は三日三晩寝てない上にあれだけの力を使ったのだ。
怪我などなくても軽いショックで熟睡してしまうのは当然と言えば当然だった。
「…ね、ねぇ幻夢あんた…」
何者?と続ける声が口まで上がった時、玄関の方で音がした。
『うぉーい、幻夢は起きたかー?」…全く…相変わらず間が悪いと言うか…!
「ええ、今起きましたよ」
しかし当の幻夢は調子を変えぬ声のままでのんきに答えた。
少し前に散りになる原因を作った張本人だと言うのに。
幻夢の透き通るような声が伝わった瞬間、廊下を歩む音は一気に速度を増した。
足音の主は加速したまま襖を開けるとトレードマークとも言える帽子を投げ捨てるように脱ぐと跳んだ。
焦げ臭い臭いがしてきそうな摩擦の減速でピタリと止まった形は手脚を揃え頭を擦り付けるような低さのーー土下座だった。
「すまなかったぜ!つい、霊夢との勝負に集中し過ぎてて…!」
十八番の光魔法で照らされた揃った手にはミニ八卦路が乗せられていて、
「煮るなり焼くなり辱めるなり好きにしてくれぜ…!」
「魔理沙…」
魔理沙の声は震えていた。
魔法と月の二重の光がその頬に流れる雫を浮き上がらせる。
罪悪感か、それとも罰への恐怖か。
その真意はわからない、が両方であって欲しいと心は思っていた。
「……なら霧雨さん」
「はいぜ…」
布団に座ったまま僅かな間を含んで幻夢が魔理沙を呼応した。
彼は失ったようにも見えた右腕を闇に映える金の頭に伸ばすと、
「顔を上げて下さい。そんなのは誰も望んでませんよ」
「えっ…で、でも…」
髪を払い頬に触れた。
…むっ…魔理沙ったら…!
魔理沙が幻夢に触れられた瞬間、霊夢は胸の奥に焦がれを感じた。
大切なものを奪われた、そんな感じだった。
「涙なんて見たくありません。特に霧雨さんのような笑っている時が輝いている女性のなんて耐え切れません」
「げ…んむ…!」
「それに、誰も怪我してないですし俺も生きてます。だから頭を下げる必要なんで無いですよ」
「おう…おうぜ!………って、あれ?」
ごしごしと袖で涙を拭い去ると魔理沙は何時もの調子を取り戻し立ち上がった、と思ったら小首を傾げた。
それにつられて私と幻夢の首も傾く。
何かを考えるように腕組みをしてぶつぶつと呟く魔理沙。
時々、帽子が恋しくなるのか、普段つばがある場所に腕を伸ばしては引っ込めている。
「な、なあ幻夢?」
「なんでしょうか」
「おま、お前今、自分のことを『俺』って…」
「ええ、俺も男ですからね。なにか?」
その瞬間魔理沙の顔から血の気が一気に引いたのは明らかだった。
すっかり青白くなり、先程とは違う理由で震える唇からは、「男…?幻夢が…?」とまるで呪いのように何度も繰り返されている。
…無理ないわね。私だって怪我の確認ついでに幻夢の下半身見るまで信じられない、否信じたくなかった程だもの。
「れ、霊夢っ!本当なのかぜ!?」
「落ち着きなさい魔理沙。………現実を見なさい」
うがー!と、髪を掻き乱しながら吠える魔理沙。
そんな魔理沙を見兼ねたのか、流石の幻夢も立ち上がり魔理沙をなだめようとする。
「霧雨さん落ち着いてーーっきゃ!」
どう聞いても男のものとは思えない可愛らしい悲鳴を幻夢は上げた。
何事かと振り返って見ればそこには袴が床に落ち、小袖もはだけている。
幻夢の右手は重力にならって落ちる袴を捉え損ね虚しく空を泳いだ。
幸い、幻夢が咄嗟に左腕で股部は隠したため最高の露出は得られなかったが、それでも白く艶やかな胸元と太腿が月明かりに照らされ、女である私でさえ魅せられた。
「あ」
「う」
気付いた時には遅かった。
私と魔理沙は鼻から赤い情を噴き出し、その場に倒れた。
…思い出して見ればあの時、幻夢の身体に怪我無いかチェックした後、高揚と欲情に苛まれてちゃんと服を着せ直した記憶が無いわ。
…ああ、見えるわ。
「ピンクの…神様が見えるわ…」
「ね、姉さん!?霧雨さん!?」
赤く染まる視界の中で幻夢が涙目で困った顔をしたのを最後に私は意識を放り出した。
****
薄紅色の頬。
艶めく黒茶の髪。
朱色に染まった甘そうな唇。
そして大きな瞳は閉じられている。
詰まる所の幻夢だ。
朝の日差しによって薄目を開けた霊夢の眼前3センチの所に愛弟の顔があった。
こちらは右肩、幻夢は左肩を下に下に、互いに見つめ抱きしめ合うことのできる体勢だ。
…えっ…えっ、これって…えっ……うへへ…。
完全に無防備なその姿に霊夢は一気に覚醒し、様々な妄想が頭の中を駆け巡った。
「…んっ」
邪な気を感じたのか幻夢が眉をひそめ、軽く息を漏らした。
その悩ましい姿も霊夢の情をより活発にさせた。
…い、いいわよね。
べ、別に姉妹、もとい姉弟と言っても元は他人だものね。よ、よし!
「ん…」
優しく、しかし動かぬように幻夢の肩を持ち、そして軽く身を寄せる。
身体の距離はほぼゼロとなり、それに伴って互いの唇の距離も縮まる。
心臓は痛むほど鼓動し、幻夢に聞かれて起きないか心配なほどだ。
距離、約3センチ。
1秒1センチだとしたら3秒後には…。
…3…2…1…!
0、と心の中で唱えようとした時、つぶらな瞳がパチリ、と開かれた。
「げ、幻夢!?起きたの…!?」
無言の頷きで返された。
胸が痛い。
先程とは違う、明確に胸が内側から裂けるような、顔を歪めかねない痛みだ。
顔から火が出ると言う言葉は知っていたが本当に火が出そうなほど熱せられている。
涙すら溢れそうな目に力を込め、幻夢と正対する。
すると、
「…姉さん…あの…一応姉弟ですから唇同士は流石に…それに霧雨さんもいらっしゃることですし…」
まだ残っている左袖で真っ赤に染まった頬を隠しながら目を逸らした。
揺れた髪の向こうによだれを垂らして寝ている金髪魔法使いが見える。
「え、ええ、やっぱり不味い「だから、これで」…ふぁぅ?!」
不意に、頬に柔らかい物が来た。
幻夢が唇を寄せたのだ。
温かく柔らかいそれはわずか数秒の間だけだが確かな情を伝え、そして霊夢には何十秒にも何百秒にも感じられた。
「げ、幻夢あなた……結構大胆ね」
「ふふ、寝込みの弟に口寄せ求め姉さんが言えますか?」
さて、と言うと幻夢は布団から立ち上がる。
口元がこそばゆいのか唇をひとなめして、
「では、朝ごはんを作ってまいりますので少々お待ちください」
「ちょ、ちょ、ちょっと待ちなさい!」
「はい、なんでしょう?因みに今日の献立は味噌汁とご飯、目玉焼きでも。あ、卵はギリギリイケると思いますから安心してください」
何処からともなく取り出したエプロンを身につけ軽い足取りで台所に向かおうとするのを声で制す。
ツッコミたい事が一気に湧き出したが取り敢えず一通り聞いてみる。
「なんであんたウチの台所の場所と冷蔵庫の中身知ってるのよ」
「それは昨晩、姉さんと霧雨さんが大量出血で気を失って掃除して布団に寝かせた後、歩き回ったりしたからですよ」
「そ、そう、ご苦労様」
「そうそう、そしたらこんな物が見つかりました」
「……どっからこれ掘り出して来たのよ」
幻夢が背中を向けたまま後ろ手に一冊の本を渡して来た。
やや古びた表紙には自分で書いた【家計簿】の文字がある。
開いてみると思った通り、一週間分も記されずに投げ出されたのがわかる。
「…姉さん、お聴きしますが今
「そりゃ、カツカツよ。参拝客なんて滅多にあるもんじゃないんだから」
なら、と幻夢が振り返る。
胸に手を当て、眉を立て、
「俺が働きに出ます。働き口の一つくらい、流石にあるでしょう」
「はた…ダメダメダメダメ!働くなんてダメよ!」
幻夢が言い切る前には2文字が連結して口から漏れていた。
幻夢が働くなんてとんでもないわ!
姉は年がら年中ゴロゴロして弟は生計を立てる為に汗水垂らすなんて…!
しかし、そんな強い否定を受けても幻夢は立てた眉を下ろすことなく反論する。
「見たところ姉さんは今までズボラな生活をしてきた事はわかります」
「うっ…」
「それに姉さんが俺が働くことに同意しない事もわかります。自分が怠けてるのに弟が働くなんて言語道断、と」
「ううっ…」
「でもこのままでは人2人を養うなんて不可能なこともまた事実。姉さんだって雑草や土を食べる生活はしたくないでしょう?」
「ううぅっ…」
ことごとく心の中を読まれ、その度に胸に鋭い物が刺さる痛みを感じた。
…不味いわ…このままだと完全に論破されて幻夢が働きに出ることに…!可愛い弟にそんなことさせるわけにはいかないわ…!なんとかして反論をーー。
「姉さん…俺は姉さんに恩を返したいんです…だから…だからどうかお願いします…!」
「幻夢…」
真摯な眼差し、揺るぎない覚悟の秘められたそれを見ては首を横に振るなんて出来なかった。
私は苦汁を飲む思いで幻夢の希望を認め、無言のまま首を縦に振った。
「ありがとうございます」
「まったく…言っておくけど働く場所はある程度私にも決めさせてもらうわよ」
はい、と微笑んだ幻夢は踵を返したと思うと、人差し指を立てて首だけ振り返り、
「あ、姉さん。霧雨さんを起こしておいていただけます?直ぐご飯作りますので」
その一言で霊夢ははっ、となり振り向いた。
見ればすっかり忘れてたが金髪盗っ人魔法使いが小さないびきをかいて寝ている。
…よかった、聞かれてないわね…。
今のやりとりを聞かれてたらたまったもんじゃないわ。
しかし、そんな冷や汗事なんて気にせず、魔理沙は寝返りをうった。
ほっと胸を撫で下ろす思いをすると既に幻夢の調理が始まっており、フライパンで卵を焼く音が聞こえ始めていた。
****
まっくらなお部屋に真っ赤なじゅうたん広がった。
お人形はふうせんみたいにふくらんではじけちゃった。
ぬいぐるみは気づいたらバラバラになってたの、。
お気に入りのオルゴールももう音が出ない、、。
だれも、だあれも遊んでくれない、、、。
どうしてみんなわたしをひとりぼっちにするの?
…いや…ちがう…
「どうしてわたしはみんなをこわしちゃうの?」
手をにぎろうとしたらその手は吹き飛ぶ。
ちょっとさわったら影も消える。
「こんなにさびしくて悲しいの、もうやだよ…!」
だれか助けて…!