並びに、遅れてしまい申し訳ありませんでした!
言い訳をする様でお見苦しいかと思いますがどうかお聞きして下さい。
ここ最近修学旅行やら期末テストやらで全くと言っていい程執筆に時間が当てられなかったんです…。
あれだけ定期更新を心掛けると言っておきながら本当にすみません。
また並べる様ですが今話は急いで2日で書き上げたものなのでかなりの荒削りだと思います。
なので修正箇所のご指摘をどうかお願いします。
それでは第六幻、どうぞ!
「バイト場所ぉ?」
「はい」
あまり聞きなれない単語の問いに思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。
つまる所霊夢によれば幻夢が何処かでバイトすることになって、しかし霊夢自身はそういった知識は皆無だから私に聞くことになったらしい。
「んー…朝起きたらこんなに美味しい朝ごはん食べさせてもらった恩もあるし、私がなんとかするぜ」
「本当ですか!?ありがとうございます霧雨さん!」
…あぁ、この笑顔、男と分かってても癒されるぜ…。
「なんとかって、具体的にどうするのよ」
霊夢が咀嚼していたご飯を飲み込むと疑心暗鬼に聞いてきた。
ちなみに頬にご飯粒が着いていることはあえて無視する。
「取り敢えずはこーりんのとこに行くぜ。幻夢なら大丈夫そうだろう?」
「そうね。霖之助さんのこと忘れてたわ」
「あ、あのぅ…」
「んどうしたんだぜ?」
幻夢が視線を泳がせながら聞く。
多分、その先は霊夢に付いているお弁当だろう。
無視するが。
「その"こーりん"というお方は何者でしょうか?」
「ああ、説明が必要だったな。本名森近霖之助。魔法の森の近くで道具屋をやってる半人半妖だぜ」
ほへー、と幻夢は納得した様に手を打った。
「私の服ーーあんたが今着てるのも霖之助さんが仕立ててくれたものよ」
「え、じゃあ右袖作り直して下さいますかね?」
「優秀な働き手と言うか店番頼める存在ゲット出来るわけだからそのくらいは快く頷いてくれると思うぜ」
きゅ、と小さく幻夢はガッツポーズを取る。
…あんまり自己表現しないかと思ったら意外とそうでもないんだぜ。
少しのギャップが引き立てたのか、より一層幻夢は美少女に見えた。
「では霧雨さん、ご飯食べ終わったら連れていってもらえますか?」
おう、と答えようとしたら先に霊夢が返事をしていた。
頬にご飯粒が付いた状態で彼女は浅く眉を立て、
「私も行くわ!」
「ダメです」
ほぼ反射的と言っていい程、幻夢が拒む。
「姉さんはここの巫女なのですからあまり離れるのは良くないかと」
「で、でも…」
「俺は大丈夫ですよ。霧雨さんが居てくださる事ですし」
「おうさ、私が信じられないって言うのかぜ?霊夢」
ぐー、と霊夢は唸る。
魔理沙の実力を霊夢は良く知っている。
故に反論出来ずにああして唸るのだ。
「んぐ…もぐ…っぱぁー。ごちそうさんだぜ!」
残っていたご飯を掻き込み、よく噛んでから飲み込む。
合わせた手は乾いたいい音を響かせた。
「まあまあ、そんな食べ方すると身体に悪いですよ?」
一口一口30回ずつ噛みしめるのがいいですよ、と幻夢が言った。
苦笑にも似たその表情は私の胸に何かを突き刺す様な、そんな感じがした。
…なんだろうぜ…まるで母親にでも言われた様な感じがするぜ…。
とっくの昔に家を飛び出して今までなんも感じたことがないのに、今は少し恋しく感じる。
そんな事を私が感じているとはいざ知らず、霊夢は最後の一口を口に運んだ。
「…もぐもぐ…ごくん。ごちそうさま幻夢、久しぶりにまともな食事で生き返ったわ」
「はい、お粗末様でした」
いつの間にか食べ終わっていた幻夢は霊夢が食べ終わったのを見越して、食器を片付け始めた。
「ちょ、ちょっと。そのくらい私がやるわよ」
霊夢が慌てて立ち上がろうとするが、幻夢が笑顔で、
「水仕事は手荒れの原因になりますので俺がやりますよ。姉さんの綺麗な手を汚すわけにはいきませんからね。ささ、今食後のお茶を御用意致しますので座って待っててください」
肩を掴む様に無理やり霊夢を座らせる。
私が少し呆気に取られてるうちに湯気のたった湯呑みが目の前に置かれた。
すすってみると熱くもぬるくもない、濃さも完璧と言っていい程調節されていた。
こんなに美味い茶は久しぶりだぜ。
これに敵うのは咲夜が淹れた紅茶くらいな気がする。
……もしかして幻夢はレミリアんとこを勧めれば良かったかもな。メイド服も似合いそうだし。
なんて事を思いつつ、私は再び湯呑みを仰いだ。
****
「では姉さん、いってきます」
「ええ、いってらっしゃい。魔理沙、幻夢に何かあったら…その時は覚悟しなさい」
「わかってるって」
食後の余韻をしっかり味わい、いよいよ、出発の時が来た。
と、と言っても私としては普段とは変わらないコースを通るだけなんだぜ。
私は箒に跨って空に浮く。
星型火花を撒きながら軽く足を遊ばせて幻夢を待つ。
続く様に幻夢も少し助走を付け、無駄に長い石階段で踏み切り、空に身を投げた。
少し揺れながらも私と同じ高さまで上がった時には霊夢の顔に深い安堵が見えた。
…ん?もしかして幻夢は飛ぶのが下手なのかぜ?
幻想郷に戻ってきたばっかりとか言っていたし少し気を付けながら行くかぜ。
「では、霧雨さん行きましょう」
「おうぜ」
見れば、霊夢が何かを叫びながら手を大きく振って居る。
多分、いってらっしゃい、とでも言っているんだろうぜ。
そんな霊夢を尻目に私達は魔法の森の端を目指して飛んだ。
博麗神社は小高い山にあり、もちろんそこから飛び立ったのだから眼下は樹々で溢れている。
…落ちたら擦り傷じゃすまないぜ。
そう思ったすぐ後だった、不意に幻夢が揺れた。
パリィ!
ガラスが割れる様な音が響いたと思って目を向けて見れば幻夢は飛翔の力を失って落ちていく、その初動だった。
「ぅおあっと⁉︎」
私はとっさに腕を伸ばして幻夢の襟を掴んで引き上げ、箒の後ろに座らせる。
幻夢の方も何が起こったかわからない様子で辺りや自分の身体をキョロキョロと見回している。
…愛らしいーーじゃなくて!
「な、なにがあったんだぜ!?」
「そう言われましても…俺はただ普通に飛んでいただけですよ」
「…そうなのかぜ…」
もしかしたら、と幻夢が言った。
「昨日の疲れが取れて無くて、それで空を飛ぶ力が尽きたのかもしれませんね」
本人が笑って言うのだから心配は無いだろう。
内心の冷や汗を隠して軽く頷くと幻夢が「あ、あの…」と弱々しく切り出した。
「当分自力で飛べる気がしないので、もし霧雨さんに余力がありましたらこのまま乗せて行って頂けないでしょうか…?」
「ああ、いいぜ。しっかり捕まってるんだぜ」
はい、と返事と共に熱が来た。
幻夢が自分を抱いたのだ。
腕はキュ、としっかり下腹部に回され、顔も背中にぴったりとひっついている。
……箒にしっかり掴まれって意味のつもりだったんだが……まあいいかぜ。これも悪くないぜ。
「よっしゃぁ行くぜ」
赤く染まった顔を少しでも隠すために私は帽子を被り直し、空を進んだ。
ご感想、ご指摘、いつでもお待ちしております。
次回は木曜日に更新できるよう全力で勤めます!