よし、久しぶりに宣告通り書き上げられました!
……低レベルで申し訳ありません。
次回もちゃんと一週間後に投稿出来る様に努めますのでよろしくお願いいたします。
さてさて、この話でやっと序章?の完結となります。
次回からは本格的に幻夢君がバイトをして行く話となり、この物語のメイン、となるわけです。
なので次回を投稿する時に一緒に章分けもしようかと。
今回が短めなのもそのためです。
こう、これは個人的な意見なのですがその章のまとめってなんだか短小な気がするんですよ。
気のせいですかね。
さてさて、そんなことはさておきバイト茶飯第七幻を、どうぞ!
窓から入る木漏れ日を明かりに魔理沙が何処からか拾って来た本を読んでいるとカップに入れていた紅茶が無くなっているのに、仰いでから気がついた。
確か紅魔館から貰ったのがまだあった筈だ、と椅子から腰を上げた瞬間、カランコロンとドアに括り付けたベルが音を発した。
首を伸ばしてみるといつもの黒三角帽子が一瞬だけ見えた。
「やあ、魔理沙。いらっしゃい」
…………
………
……
…
あれ?
おかしいな返事が無い。
いつもなら手に余る程持ったガラクタを嬉々と飛び混んでくると言うのに。
そう言えば外に人気を感じるな。
耳をすませてみるか。
『き、霧雨さん…ここの森なんだか嫌な感じがしますって言ったじゃ無いですか…置いていかないで下さいよぅ…』
『あはは、悪かったぜ。ここらは魔法の森って呼ばれてるからな。少し慣れないだろうぜ』
なるほど、新しい友達でも連れてきたのか。
魔理沙の様にとは言わないが、その子もガラクタを拾って持って来る様なら僕も大歓迎だ。
カラコロン
「よおこーりん!来たぜ!」
「いらっしゃい、魔理沙」
再びベルが鳴り、先ず魔理沙が入ってきた。
そしてその後ろから続く人影が一つ。
その人影は入るなり、腰を折り深々と頭を下げた。
「お邪魔します」
紅白の巫女服に茶色がかった髪の色合いは確かに霊夢と同じだ。
だが、明らかに雰囲気が違う。
寧ろ正反対の様な洗練された礼儀、柔らかく艶のある声、淑やかさを極めた立ちずまい。
美少女と冠するのに相応しいと思った。
正直僕は見とれていた。
確かに霊夢や魔理沙を始め、幻想郷の住民は皆可憐だ。
だが、今僕の眼前に立つ少女はそれなに引けを取らないものを感じさせた。
「おぅい、こーりん、起きてるかぁ?」
「はっ!?」
目の前で手を振られて意識が戻った。
きっと魔理沙が呼びかけてくれなかったら僕はいつまでも少女を眺めていただろう。
僕はズレた眼鏡を正し、今からでも間に合う、と体裁を繕う。
「やあ、いらっしゃい。魔理沙、この子は?」
「おう、紹介するぜ。こいつは」
「はじめまして森近さん。姉がいつもお世話になっております。博麗霊夢の弟、博麗幻夢と申します」
「へぇー、霊夢にこんなに可愛い弟さんがーーーん?」
少し待て森近霖之介。
今明らかにおかしな事言っただろ。…………
………
……
…
「お、弟ォ!?」
「おいおいこーりん、叫びたくなる気持ちも分かるが落ち着けよ」
「いやいやいや、だって魔理沙、弟って男だよ!?こんなに可憐な子がそんなわけッ!」
「霧雨さん…俺そんなに女々しいでしょうか?」
「おう、何処から見ても美少女だ」
そうですか…と俯く姿など艶目かしくてとても同性とは思えない。
……し、しかし性別を偽って得があるとも思えない…。
「し、仕方ない…ふ、不本意極まりないが信じよう」
「さっすがこーりん、話が早いぜ!」
にか、と笑うと魔理沙は懐に手を差し込んだ。
そしてその手は卓にあるものを置いた。
「今日は二三頼み事があるんだぜ。先ず一つ目はこれな」
「こ、これはミニ八卦路じゃ無いか。こんなにボロボロになって…内部機構も焼け切れてるし、抑制装置も壊れてる……一体どんな使い方をしたんだい…?」
ミニ八卦路は僕の作ったマジックアイテムでも渾身の一つだ。
火力もだが耐久性も申し分無く仕上げたはずだ。
でもしかしこの壊れ方を見る限り相当な事があった様に見える。
「実はなーー【少女説明中】ーーという事なんだぜ」
「そうかい…きっとこれは霊夢が蹴った瞬間に彼女の霊力が流れ込んで、そして中に唱えておいた魔法と干渉してその結果、大破したんだと思う……うーん…確かに霊力面での耐久は考えなかったからなぁ…これは僕の落ち度かな」
「おっ、じゃあこの御代はこーりんの負担だな」
「だ、ダメですよ!修理を依頼するんでしたらちゃんと報酬を払わないと!」
「えー」
「いや、良いんだよ幻夢ちゃーー君。もう魔理沙や霊夢には数え切れない程ツケられてるからね」
それを聞くと幻夢君は床に頭を叩きつける勢いで土下座の構えを取った。
「ね、姉さんもですか!?そうとは知らず本当に申し訳ございませんでした!」
…な、なんだこれは。
ただの土下座一つというのにこの罪悪感、そしてこの美しさは…!
地に伏し、謝罪を表すと同時にその行為に一片の不平さや不服さを見せない、限りなく完成されている…!
「霧雨さんも俺と働いて借金返しますよ!」
「え?いや、私は遠慮…」
「何言っているんですか!?借りた物はきちんも返さなきゃいけないんですよ!」
「ちゃちょちょ、ちょっと待ってくれ幻夢君。働くって何?どういうことだい?」
彼は姿勢そのまま非常に申し訳なさそうに言った。
「うちの神社の経済状況は御存知でしょうか?」
「あぁ、いつも茶の出涸らしを啜って、食事は週に2度との噂は聞いたことはあるよ」
「はい、このままでは姉さんの身が持たないのです。それで俺が働きに出ることになりまして」
「それで先ず、僕のところに来た、と」
はい!と幻夢君は心強く答えた。
…そうか…この子はとても真面目な子なのか…。
断っても引き下がりそうもなさそらうだし、なにより僕の心が痛む。
よし、ならば、
「一応言っておくけどうち、商店だけど、収入少ないよ?それでもいいよ?」
「はい!せめて姉さんが週に三食に、いや、借金が返せればそれでいいです!」
「結構辛い支持出すかもよ?」
「構いません!」
即答、か。
まあ、何の仕事をさせるかは後で決めるとして先ずはーー
「君はどうするんだい?魔理沙」
「えっ?わ、私はさっきも言ったけど遠慮を…」
「幻夢君の言うとおり借りたお金は払うのが当たり前だ。あと、そこは出口じゃ無い。窓だ」
「あっあははは」
「………」
「…………さらばだぜ!」
「あっ、待て!」
窓に駆け寄った時には遅かった。
魔理沙は箒に跨り、星を撒き散らしながら森ーー自分の家に向かって飛んで行った。
「はあ…困ったもんだよ…」
軽くボヤく様に室内に振り向く。
するとそこには既に土下座から人型にトランスフォームした幻夢君の姿があり、彼は眉を浅く立てると、
「あの…俺が霧雨さんの借金を肩代わりしましょうか」
「いや、君がそこまですることはないよ」
さて、と一息ついて椅子に腰掛ける。
ふとカップに目を向けるとそこには既に飲むのに最適そうな温度の紅茶が注がれており、
「これは…君が…?」
「あ、はい。先ほど森近さんが霧雨さんに視線を向けた時に淹れ直しておきました。あの…余計だったでしょうか…?」
「いや、ちょうど継ぎにいこうと思ってたところだよ。ありがとう」
程よく蒸らされた香りが湯気を伝って身体に浸透する。
茶葉本来の質もあるが淹れ形の問題だろう。
自分で適当に作るのとはまるで別物だった。
一口、すする。
「あ、あのっ」
「君の言わんとしてることは分かるよ」
もう一口、一息に紅茶を飲み干す。
そして空になったカップを、目の前でやや緊張した様子でこちらを見つめる少年に向けつつ、言う。
「君のここでの仕事はお茶汲みや掃除とかになるけど、それで良いのなら、働かせてあげよう」
答えはまた、即答だった。
「はい!喜んで!」
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