長い長い夢から覚め始めるような心地を感じている。そのような心地と柔らかい風の感覚を肌に感じながら、目を開ければ全く知らない景色が視界に入った。
横たわっていた己の身体を起こし、周りを改めて見渡してみる。
視界に広がったのは、朝日に照らされた広大な草原地帯。また、ここから遠いのか少し霞んで見えるがこの地帯を囲むように木々が並んでいるのも見えた。
しかし、どうしてこんなとこに寝てたのか、そもそもここがどんな場所かなんてものは全く知らないし身に覚えもない。さらに言えば、思い出や友人関係などの記憶は何もかも無い……。ただ、今着ている服装はなんとなくだが、不思議とわかる気がする。また、助かることに、基本的な生活の知識と、サバイバルで生きる知識は、頭の中に残っていたようだ。
とりあえず行動を起こしてみよう、そう考え足を動かした時、太ももに何か固いものが当たって、右ポケットになにか入っているのがわかった。
何が入っているのか気になり、取り出してみた。見た目的にはスマートフォンそのまんまのものであった。
動かせるか気になったために電源ボタンを押し、画面表示を行う。その後の画面の様子からどうやら正常に起動したみたいだ。動作的には問題は無いだろう。
『ようこそ! ハルト! さあ、君も早速冒険をはじめよう!』
初期画面に表れたのは、そんな文言であった。
何に対しての言葉なのか、何故自分の名前が既に登録されているのか、などなど気になるところはある。
とりあえず、それはスルーして画面をタップし次の画面を表示させる。
次に出たのは指紋認証の登録だった、登録されていたのは名前だけだったようだ。
認証登録のために親指を画面に押し付け、登録を完了させる。
その後、利用規約確認があったが、大体差し支えないもののため同意し、この端末へ自分の情報の登録作業が終了した。
とうとう画面はホーム画面へと移り変わり、そこにはいくつかのアプリケーションのアイコンが表示されていた。
「チャット」や「通話」といった基本的なものもあるが、中でも気になったのが「進捗」と「インベントリボックス」というもの。
――――『プルルルルル』
早速、「進捗」アプリを起動しようと思ったところ、着信音と共に画面は「マーティ」と記された人物からの表示へ切り替わった。
見知らぬ人物ではあるが、とりあえずそれを受けることにし、スマホを右耳に添える。
「やあ、君が来訪者かい?」
右耳から聞こえてきたのは年若い男の声であった。
はて、来訪者とは。
そもそもこの地を知らぬ己が、望んでここに来たとは思えないため、名付けるとしても"迷い人"ではなかろうか。
そう思いつつ、来訪者と指したことについて尋ねることした。
「あ、すまないね。君はこの地のことについて全く知らないんだった」
先の言葉を撤回するように詫びた、テノールボイスを放つ彼は、自分のような迷い人を導くガイドを行っているそうだ。
どうやら、電話を掛けてきた彼の端末には迷い人が来たら自動的に電話帳に入るシステムが組み込まれているらしく、そこで新たな人物が入っていることに気づき、電話を掛けたようだ。
「そして、君が今手に持っている端末は"Touch"という高機能携帯電話端末だ。この世界で生活していくには必要不可欠なものだから、紛失には気をつけてね」
確かにこの過酷のような世界で、この携帯を紛失してしまってはいつ、再発行できるかなんて見当がつかない。そもそも、再発行されない可能性だってある。十分に気をつけよう。
「あとは今インストールされているアプリケーションの説明と行きたいけれど……、実際に使って体験してもらった方が覚えやすいものだから、使ってみようか」
彼はそう告げて「あ、そうそうこれも入れておかなくちゃね」と言葉にし、何が入ったのか聞けば「クエスト」アプリなるものを入れたらしい。ついでに聞いたが、ガイドの役割をするに伴って、この"Touch"のシステム管理も担っているようだ。そのため、今のように他の端末にアプリケーションを入れるようなことが出来るらしい。実際の方法については"魔法"と言われ、細かい話は省かれたが。
「じゃあ、早速その『クエスト』アプリを開いて、僕のところまで来てみて。あとの話は、会って話そう」
そう言って彼は「またね」と共に通話を切った。
彼の案内に沿って、つい先程導入された『クエスト』アプリのアイコンを見てみれば、右上に「1」という通知アイコンが表示されていた。
受け取ったばかりの「クエスト」……まあ目的については、このような感じで知らせてくれるのだろう。
始めの1つ目となるものを見るために開いてみる。
そうすると、もう先程言われた1つ目の件名は見えていたが、これが区分けされていたのは「進行中」というもの。他には「未受諾」「完了済」の欄があった。また、画面下に補足で、件名左にある記号は「★……メイン」「◆……サブ(繰り返し可)」「◇……サブ(繰り返し不可)」と分類わけするもののようだ。
それでは、早速1つ目を進めるとしよう。
詳細を見る限り、ガイドはここから東側の森林にいるらしい。「行く途中の「Green Slim」と「Blue Slime」には気をつけて」ともあったが、どうやらこの地にはスライムがいるようだ。
まだ装備も何もかも整理してない状況では、確かに危険度が高いかもしれない。遭遇したらなるべく回避しつつ、やり過ごすとしよう。
【Touch】《オリジナル要素》
「Cell Phone」の機能を拡張し、インベントリの管理やチェストの出し入れ、実績やクエストの確認などができる。
5段階まで機能をアップグレードでき、インベントリの拡張やテレポート機能などが最終的に付くようになる。
インベントリは即座に出したいアイテム・ツール等は10個まで設定できる他、それ以外は基本的に追尾する浮遊した鞄に格納されていくことになる(システム拡張によって、これを透明にすることもできる)。
【方角】《オリジナル(?)要素》
2DのTerrariaには左右しかないが、バイオームの増えるModが多いので、東西南北を設定しマップ2枚分のような形でバイオームを分けることにした為、これを導入している。