『精霊の後継者』はダンジョンで運命に出会う   作:仁611

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NO.1

『神様転生』『異世界転生』『異世界憑依』

 

 

こんな言葉を並べた所で、俺がこの18年間送った人生は決してチートや主人公と呼べる物語では無かった。

 

山村に捨てられたまだ2歳にも満たない、自我すら持ち得ない幼児が俺だったのだが、自我が目覚めた翌日に育ての親が盗賊に襲われると言う悲劇に会い、村医者だった義父の日記で俺は出自が不明なこどもだと分かった。

 

義父が残した幼児の俺を、不憫に思った村の人達によって交代制保護者をして貰い育った。13歳を迎えた冬の事だったが、義父を殺害した盗賊により村人達の8割が殺された。

 

 

2割とは女と子供だ…

 

 

盗賊達が帆馬車で俺達をつれさる道中、偶然出会ったモンスターによって襲撃を受けた事で俺達は当然逃げ惑った。俺がその時死ななかったのは幼馴染のレインのお陰だ…

 

彼は村長の一人息子で心優しい勉強熱心な少年だった。彼の優しさは最早家族愛と呼べる程だったと今では思う、俺を庇って死に行く最中でも『逃げて!』そう言う彼の微笑みを今でも忘れない。

 

 

13歳にして実の両親は居らず、義父と故郷に友を失うなどこの時代では普通なのかもしれない。科学文明が発展し、世界的に見ても平和で満ち足りた人生を送って来た日本人だった者には耐え難い。

 

モンスターが去った後、亡骸の前で俺は友に向かって何度謝ったか分からない。自分の無力さ、無知で小さな存在だと悟った俺はがむしゃらににその後を生きて行った。

 

全ての亡骸から武器や金品を集めて街を目指し、待ち伏せ上等でゴブリン討伐しながらとある場所を目指し続ける旅路…

 

 

その後の5年も平坦では無かったし、気付くと感じるようになったとある力を使い何とか生きて行った。

 

14歳では戦闘能力を磨き、16歳から知識を磨き続けながらも世界の中心と呼ばれる街へひたすら向かったが、文明レベルが中世だった事も作用してかなり時間を使った。

 

俺が、ひたすら向かっていたその街は…

 

 

『迷宮都市オラリオ』

 

 

 

迷宮都市オラリオは別大陸でも有名な土地だった、世界で唯一のダンジョンを有するが故かもしれない。戦士に鍛治師、商人に吟遊詩人など多くの者が目指す場所がオラリオと言う大都市だ。

 

唯一、魔導師だけは魔法都市と言う二択を選択する者も多く居るが、名声を望む者や奪われた者達が向かうのはほぼオラリオだった。俺が向かう道中でも、多くの者が家族や親友など愛する者達を奪われてしまい、己の無力さを呪い嘆き悲しみ続ける者と奮い立つ者に分かれる…

 

 

中世の様な世界だからこそ、何も恨むのはモンスターだけでは無いし貴族や盗賊などを恨む者もいた。ガキだった俺に選べるだけの力は無く、狡猾で残忍にならなければ行けない時も多く存在した。

 

商隊に同行中に幾度となく盗賊に襲われ、全てを救うなど崇高で英雄的行いなど当然無理だった事も何度もある。そんな俺だからなのかは分からないが力を欲する気持ちが日増しに増えて行く、そんなある日に不思議な夢を見た。

 

小さな光に導かれ、妖精の様な姿の光に『全ては貴方次第です』そう言われ自身の内に存在する不思議な力を自覚した。当時は17歳を迎えており、この世界では一応成人扱いされようやくオラリオを目と鼻の先に捉えていた頃だった。

 

 

 

そして冒頭に戻り、あれから8ヶ月程でレベル2を達成したレコードフォルダーとして、アテナファミリア唯一の団員として日々稼ぎにダンジョンへと向かっていた。

 

アテナとの出会いは、下界に降りたばかりのアテナと都市に着いたばかりの俺が互いに迷子になったのがキッカケだった。道を聞こうと互いに話し掛けた事で、相手が神でその相手が冒険者志望だったと言う偶然からファミリアを結成することとなった。

 

未だに団員が居ないのには当然理由があるし、アテナ自身も特段急いで団員を募集する迄では無いと思っているからだ。理由自体は俺のアビリティにあるのだが、内容的に仕方ないとも言える。

 

 


 

ルーメン・リフレイン 半精霊

 

Lv.2

 

力:B710

耐:A880

器:B787

俊:SSS1589

魔:SSS2800

神格:C

神秘:G

 

《魔法》

 

【元素精霊術】

※光大精霊の加護により、光精霊の全ての魔法が使用可能だが器に比例して使用権を拡張。使用可能な術は本人のみ理解する

 

《スキル》

 

【光精霊因子】(ルシフェル)

※精霊因子を持ち、精霊術と魂の強度を昇華させる。魂の昇華は繰り返す事で相乗効果を生む。

・魔法耐性が強補正されるがアビリティに反映しない

・魂の昇華に対して経験値を乗算する(転生1精霊1昇華1)

・精霊術の使用権(魂の器に応じて権限拡張)

 

【@?&/!?】

—————@————

—@————————

 

 


 

 

アテナ曰く、この世界には精霊の血によって加護を受けた『クロッゾ一族』の様な者も居るらしいが、俺ははっきり言って異質で特別な存在らしい…

 

精霊は神が生み出した半神と言っても良いのだが、人と子を成せないし自分で子孫を残せない筈らしい。だが俺に至っては人でも精霊でも無い半端者な上神でも無いと言う。

 

異世界転生者だからなのか、はっきり言ってこの世界のルールに則った判断が出来ないとアテナは言っていた。

 

魔力が高いのは、生きてるだけで俺は魔力循環を常に行っているらしく、力を得てからは常に微弱な成長をし続けている。俊敏に関しては自身を精霊寄りに一時変化すると、まさに光速移動が可能だから成長速度が速い。

 

こんな爆弾ファミリアに安易に団員勧誘は出来ず、アテナ自身も俺が居れば生活に困らないと言って勧誘自体していない。稼ぎ自体は1日中ダンジョンアタックすれば50万ヴァリスを一人で稼ぐ異常性も兼ね備えると言う有様だ。

 

 

 

 

そんな俺だが1つ、半精霊として悩みが存在する…

 

 

 

 

半精霊?ぽい相手が直感的に分かってしまうのだが、ロキファミリアに所属する【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタインにそれを感じてからは極力関わらない様にしている。

 

クロッゾの子孫は加護持ちなだけだが、ヴァレンシュタインはちょっと違う感じがする。初めて会ったのはギルドの本部である【万神殿】(パンテオン)ですれ違った時に感じたが、彼女は特に俺を気にしていなかったけど今後も同じとは限らない。

 

 

だからこそ彼女をひたすら避けていたのだが、最近とある事がキッカケで追い掛けられている。

 

 

元々彼女のレベルアップレコードを更新した時から目を付けられ、偶然下層へ向かうダンジョンで彼女を追い抜いた事がキッカケで追われている。

 

その時は光速移動をしながらだった事と下層域で冒険者に遭遇し難いからと、余り周りの冒険者を気にせず27階層を疾走していた。レベル5の彼女を追い抜く、こんな事が出来る冒険者などほんの一握りな上に、楽勝で追い抜いた事が彼女の琴線に触れた。

 

初めて彼女に話し掛けられた言葉もかなり独特で、アイズ語などとアテナと話す程斜め上な言動だった。『あの時の、不思議な風の人?』などと、話し掛けて来た本人が疑問形で来た…

 

その時はどうにか言い逃れしたが、俺のシルバーブロンドポニーテイルにした髪型に金色の宝石眼、かなりの軽装な上に扱う武器が極東人が使う刀と言う出で立ちだったのが災いした。

 

二度目の邂逅時もダンジョンだったが、光速移動中に風を読み俺の鞘に彼女の鞘を当てて来た。この出来事で彼女は俺の背格好を纏う風と刀装備の冒険者だと断定し、俺を見つけては話し掛けるのが日常になった…

 

 

【聖騎士】(ルシフェル)さん?あの時の風の人、だよ?」

 

「ん?」

 

「どうしたの〜アイズが他の派閥の冒険者に話し掛けるとか珍しい」

 

「確かに珍しい事もあるのね」

 

 

そこに居たのは【大切断】ティオナ・ヒリュテ【怒蛇】ティオネ・ヒリュテと、お馴染み【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタインの3人組だった。

 

因みに【聖騎士】とは俺の二つ名だが、【性騎士】【白き者】(真っ白しろすけ)などふざけた二つ名も候補にあったが、アテナのひと睨みと言う暴力で黙らせ【聖騎士】となった。

 

アテナ曰く、白い戦闘服(バトルクロス)に礼儀正しい人格に対して付けられたとか、因みにルシフェルとは光を纏う者と言う意味だとかそうで無いとか…

 

 

「俺に何か用ですか?二つ名はそこまで好きじゃないので名乗っておきますね…ルーメン・リフレインって言います。好きに呼んで下さいね」

 

「アイズ・ヴァレンシュタイン。アイズで良い、ルーメン…さんはどうしてそんなに早く強くなれるの?」

 

「あっそれ私もきになる〜」

 

「そうね」

 

「俺がですか?う〜ん……生きてきた知恵や技術を、レベルアップに合わせてなぞって居るだけですよ?」

 

 

俺が言った事は本当だし、半精霊と言う事を加味しなければこう言う回答になるのは仕方ない。前世における生物学や運動力学、化学における知識も狩に活用している。

 

アビリティに関しては科学文明の発達した元日本人らしく、ゲームキャラの育成の様に研究してそれらを実行している。この辺りはこの世界の住人には発想すら無いだろう検証をしてきた…

 

 

「一緒にダンジョン、付いて行って良い?」

 

「「アイズ!?」」

 

「それは流石に、他派閥って事でダメなのでは?」

 

「そっか……」

 

 

ヴァレンシュタインはしょぼくれてしまい、俺が虐めてる様な気さえしてしまい居た堪れない。どうにかこの空気を打開すべくヒリュテ姉妹へと視線を送る。

 

 

「ねえ!アイズ?フィンに相談したら良いんじゃないかな?」

 

「うん!頑張る……来て」

 

「あっアイズ!彼をどうするのよ」

 

「行っちゃったね…あははは」

 

「行っちゃったねじゃ無いわよ…追いかけるわよ、このままでは団長に迷惑が掛かるじゃ無い」

 

「あははは。【聖騎士】(ルシフェル)君は良いんだね」

 

「そこを悩むのはアイズの仕事よ」

 

「あれ〜結構正論だ!」

 

 

 

 

そうして俺は……

 

 

 

誘拐された先は簡単に予想出来る場所、【黄昏の館】最大手ロキファミリアのホームである城の様な建物の【勇者】フィン・ディムナの執務室にいる。

 

アイズ・ヴァレンシュタインの奇行によって連れて来られたが、いくら俺が特殊なアビリティとは言え、純粋なレベル5の腕力には敵わない為仕方ないのだ。

 

目の前には、こめかみにシワを寄せる【九魔姫】リヴェリア・リヨス・アールヴに、顎に手を当て考え込む【勇者】フィン・ディムナが立っている…

 

 

「なあアイズ…話は分かったが、彼を何故強引に連れて来た?」

 

「ごめんなさい」

 

 

俺は目の前で繰り広げられる、母親に叱られる娘の図をどう見てれば良いのだろうか?アイズ・ヴァレンシュタインは【黄昏の館】に着くと、門番をガン無視して俺を【勇者】(プレイバー)の執務室へ連れて来ると、言い放った言葉は正に『は?』の一言に尽きる。

 

 

「フィン、ルーメンさんと一緒に居たい」

 

「「え!?」」

 

 

その後の展開だが、【勇者】に眉間がピクピクしながら表情筋がこわばるのが見て取れるさなか、副団長である【九魔姫】リヴェリア・リヨス・アールヴが団員の報告を受けて団長の執務室へとやって来た。

 

先程の言葉の真意はこうだ『ルーメンさんの強さを知る為に、一緒に行動する事を許して欲しい』と言う内容だ。先程迄は、碌に互いを知らないのに両親への結婚の挨拶をさせられる心境だった…

 

結局俺自身も決めかねる内容な為、一度持ち帰り主神へ報告して翌日の1時にアテナと来る旨を伝え解放された。不覚にも怒られてしょげてる【剣姫】を可愛らしく思ってしまったが、それは仕方ない…

 

 

 

 

 

「と言う事があったんだけど、どうしようかアテナ?」

 

「そうね〜ウ私達のファミリアは零細も零細だから、いっその事半精霊ぽいアイズちゃんもいるのだから守って貰う?同盟と言う形でね」

 

「まあ、【剣姫】が精霊の加護とか何かしらの話しは聞いたこと無いって考えると、ロキファミリアも【剣姫】のそれは秘匿情報なんだろうが、大丈夫なのか?ロキと言えば『天界の狡知神』(トリックスター)と言われた神なんだよな?」

 

「大丈夫でしょうね。昔とは大違いだもの、眷属(子供)への愛情を感じる振る舞いだもの」

 

「アテナがそう言うなら俺は構わないよ。知略・策略に関してアテナの右に出る者など居ないからね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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