『精霊の後継者』はダンジョンで運命に出会う   作:仁611

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NO.7

遠征後、ロキファミリア主催で開かれた宴会の席で起きた事だった、お酒が入った団員達の気が大きくなるのは多少は理解出来る…。だがしかし、我々の失態であのような状況が出来上がったのは事実だ、それを酔っていたからと許される事ではない。

 

 

「ルーメン!テメェもあん時の話をみなに聞かせてやれぇ…15階層で逃げ出した糞牛共の話を」

 

「数体取り逃がし、危うく怪物贈呈(パスパレード)で悪質なモンスターキルするとこだった話か?」

 

「あれは我々の失態だ、決して酒の肴にする話しなどでは無い」

 

「流石、エルフ様は高潔だこってぇ…結局はダンジョンは自己責任だってのによぉー弱えぇならダンジョンなんか潜らなきゃ良いんだが」

 

「ならベートは今後ダンジョンへの進入は禁止になるな?」

 

「はぁあ!何で俺がダンジョンに行くのが駄目になんだ?あの白い兎野郎と違って俺は強えぇ!アイズもそう思うだろう」

 

「うんん。5階層を探索する冒険者には…10階層もしたのモンスターは自殺行為だと思う…」

 

「そうだな。ベートが68階層単独で徘徊するのと同じ事だな…それが基準で考えるならベートは雑魚と言う事になる。吐いた唾は戻せないと言うなら、ベートは今後ダンジョン探索が出来ないどころか、ロキファミリアは解散する事になるな」

 

「チッ!胸糞悪りぃ」

 

「お前が言える立場に無い!酔っていたからと言って許されん」

 

「うるせぇ!糞ババア」

 

 

ベートが悪態をついて豊饒の女主人を後にしたが、一瞬だがベルらしき後ろ姿がベートを追い掛けて行ったのが見えた。ベルは先程の悪態を聞いても耐えたのだろうか、何故そんな事を言うベートを追い掛けたのかは俺には分からない…

 

ロキファミリアの宴はベートの発言で微妙な空気が流れ、俺は皆と離れたカウンターに移って飲み直す事にした。

 

 

その頃、ダンジョン入り口付近でベートを見つけたベルは大声で彼を呼び止めた。その発信源を訝しみながら睨みつけるベート、そこには先程まで自分が蔑んでいた白兎の少年がいた…。

 

 

「テメェはあん時の」

 

「僕は…弱い、です。何もしてこなかった僕に…何かを得ようとする事自体が烏滸がましいのかも知れません!でも、それでも僕はもう何かを失うのを見ているだけではいたくない…必ず貴方を超え、僕は誰かを守る英雄になります」

 

 

ベルはそう言うと、ベートを追い越してダンジョンへと潜って行ったのだった。ベートが彼に見たモノが何だったのかは、ベート本人にしか分からないのかも知れない。

 

 

「俺は……自己嫌悪してただけだったんじゃねえか…」

 

 

その言葉は夜の空気へと消えて行った、ベート・ローガの過去を知り彼の本質を知る者にしか理解出来ないだろう独り言を残し、彼もまたダンジョンへと潜って行ったのだった…。

 

 

 

 

 

宴の日から既に1週間が経過していたある日、カドモスの皮膜を何故かティオネの団長への良いとこアピールとして言われた『ルーメンの取引を補助してあげてくれないかい?君が“1番”頼もしいからね』と言う言葉が彼女の猛獣スイッチを押したらしく、1200万と言う皮膜の買取相場限界値でディアンケヒトファミリアが買い取ってくれた。

 

その元手を利用して、アテナ自身がやりたがっていた『戦略・知略・芸術』の女神らしいクラシック音楽喫茶をする事になった。戦略も知略も情報が一番大事だからこそ、情報収集が楽な飲食関係であり芸術を複合したクラシック音楽なのだ…。

 

店舗は、元宿泊施設だった冒険者通りにある400万で購入し大型改装が必要な店舗だった。従業員は厨房用に2名とヘスティア、更には剣神タケミカヅチと言うかなりVIPなメンバーなのだ。

 

因みにジャガ丸くんは当店の目の前に移転して、ヘスティアが兼業バイトを行うと言う正にバイト戦士の鑑であるヘスティア…。メニューについては俺の前世では普通に存在した物を多く取り入れ、店名に至っては『パラディウム』と名づける事となった。

 

 

 

 

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