『精霊の後継者』はダンジョンで運命に出会う   作:仁611

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NO.8

『己を律する者を理性的と言う、己の想いを貫く者を理想主義と言う…。己を律し想いを貫き通し叶えた者を皆は英雄と呼ぶ』

 

 

俺が成りたいのは英雄などでは無い、あの時こうしていれば良かったと後悔したくない臆病者なだけだ。あれから何度もベルと話をして来たが、ベルは純粋培養の俺を思い出してしまう。

 

俺が成れるのが英傑ならば、ベルが成れるのは英雄だろうと彼を見てると思ってしまう。純粋さを失った幼少期、知性的で現実主義な俺では夢を見るより努力を行って来た。

 

 

 

現在地は27階層のアンフィス・バエナの目前、水中戦では普通の冒険者は決して戦わない、俺のランクアップが通常レベルでは叶わないからと水中戦を挑んでいる。

 

殆どの冒険者は水泳などを経験した事が無いが、俺には前世があり物理の学が存在する為それらを可能とした。それでも光精霊の力が水中では半減してしまい、アンフィス・バエナは5割り増しで強敵へとかしてしまう。

 

尾を水中で避け、噛み付く双頭を避けながら水圧無視の突き攻撃を繰り返す。水中では水圧の関係から斬撃はほぼほぼ無意味な為、突きでのみ敵にダメージを与える。

 

トビウオの様に定期的に呼吸に上がり、その都一度でも当たれば死にそうな攻撃を躱す、上流を必ず意識してアンフィス・バエナへの水圧を俺より上に維持をする。

 

 

2時間…

 

 

これがアンフィス・バエナとの戦闘時間であったが、海水浴に行った事のある日本人からすると、歩く事も出来ない疲れであっても不思議では無い、だが冒険者と呼ばれる恩恵持ちには人類の体力を凌駕する新生物だと言って過言では無い体力がある。

 

充分に休憩を挟んでから、人魚の生き血をゴブニュファミリア製の銛で人魚を射止め採取して行く。水中戦が可能な俺だからこそ希少価値の高い人魚の生き血を大量に集められる…

 

今回ココに来たのは、ヘスティアから紹介されたミアハファミリアの極貧派閥を救い、専属医療ファミリアを確立させて持ちつ持たれつを可能にするためだった。

 

先日は、7階層で出現する希少種ブルー・パピリオンからドロップする羽根を採取しまくり、郊外にあるセオロ密林にてブラックライノスの卵を回収した…

 

【二属性回復薬】(デュアルポーション)1,000本分

ブラックライノスの卵

ブルー・パピリオンの羽根

※1本7万5千ヴァリス

 

【二属性高回復薬】(デュアルハイポーション)20本分

ブラックライノスの卵

ブルー・パピリオンの羽根

カドモスの泉水

※1本15万ヴァリス

※高回復薬3万5千ヴァリス

※魔力高回復薬10万ヴァリス

 

【万能薬】(エリクサー)50本分

カドモスの泉水

人魚の生き血

※1本50万ヴァリス

 

 

因みに【二属性高回復薬】(デュアルハイポーション)は、高科学水準の発想で生まれたもので、遠心分離機・蒸留機・濾過機・顕微鏡など多くの知識を神ミアハの名で盟約として貸し与えている。

 

彼等の財政状況ではとても賄えない設備をアテナと共に提供し、へファイストスのツテで店舗を一部賃貸させて貰いオープンさせた。店舗そのものには一般人を従業員として雇い、ナァーザとミアハを完全薬師兼医療従事者として労働して貰う事になった。

 

オープンの初日には、ディアンケヒトが技術を売れなどと脅迫して来たが、ロキファミリアの利用店舗を完全にミアハに切り替えさせるとアテナが脅し(そんな権限をアテナは持って無い)盟約が後ろ盾となって充分な脅しとなった。

 

ミアハ曰く、ディアンケヒトへの借金は総額3億2000万ヴァリスだったらしいが、既に1億5000万ヴァリスを切っているとか…。ナァーザには本気で感謝され、たまに『ルーメン…うんん。ミアハ様が』などと言っていたとか言わないとか。

 

 

 

 

 

アテナファミリアは商業ファミリアとは言えないが、医療・飲食・探索ファミリアを盟約と言う形で括り、多くのファミリアへの影響がある事から(アテナが怖い)多くの派閥が弱小強者などと言う呼び方でアテナファミリアを呼びはじめていた。

 

ルーメンは今日も、アイズと一緒にダンジョンへ行こうと準備をしていたのだが、急に神ロキと一緒にアイズがアテナファミリアへとやって来た。

 

 

「お〜い!アテナ〜ルーメ〜ン!」

 

「どうしたの?ロキ…アイズちゃんと一緒に来る何て珍しいわね」

 

「アテナ様。ルーメン、おはよう」

 

「ええ。おはようアイズちゃん」「ああ、おはようアイズ」

 

「「それと(神)ロキ」」

 

「なんかウチの扱い酷ない?」

 

「「普通よ(ですよ)」」

 

「ファミリアでも、同じ」

 

「アイズたんまで〜ああ、そやった…今日は怪物祭(モンスターフィリア)やん?アイズたんと出掛けよう思ってたんやけど、ルーメンに伝えて無いからアイズたんが無理やて言うんや!…んで、それならいっそのことアテナとルーメンも一緒に行かへん?フレイアにも用があるんやけど、アテナがおった方が何かと都合がええやん?」

 

「私も、一緒が良い」

 

「アテナが決めてくれて構わない」

 

「う〜ん、そうね。良いわよ…フレイアにも久しぶりに会えるのね」

 

「ほんなら!早速行くで〜」

 

「ロキ。準備が必要よ」

 

「そうだな」

 

「…」

 

「そっそうやな」

 

 

それから我々が向かったのは、小洒落たカフェの二階にあるテラス席だったのだが、其処からは圧倒的な強者の威圧と強烈な魅了を匂わせる神の気配があった。

 

強者からは速さを含む逃げる事だけは出来るが、相手を傷つける事は出来ないと悟り、無駄に波風を立てない様にアテナの後ろで控える事にした。

 

 

「待たせてすまんかったなあ?フレイヤ」

 

「いいえ、構わないわ。そのお陰で素敵な子に会えるのだから」

 

「フレイヤ久しぶりね」

 

「ええ。アテナに今日会える何て思って無かったわ」

 

「私もよ」

 

 

 

 

 

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